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Oracle® Fail Safe概要および管理ガイド
リリース4.1.1 for Microsoft Windows
E61782-01
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6 アクションの検証

この章では、Oracle Fail Safe Managerの検証プロセスの一般的な情報を説明します。この章では、次の項目について説明します。

Oracle Fail Safeには一元化されたメッセージ機能が備わっています。ある操作を実行した結果、エラーが発生すると、システムはエラーに対応するメッセージを検索し、そのメッセージを表示します。『Oracle Fail Safeエラー・メッセージfor Microsoft Windows』マニュアルでこれらのメッセージの詳細を確認してください。

6.1 操作の検証

Oracle Fail Safeには、ノード、グループおよびリソース状況の有効性を検証して、クラスタのコンポーネントおよび環境の有効性を検証する便利なツール・ファミリがあります。不一致や問題が検出されると、検証操作により適切な処置がとられ、実際に発生した問題や潜在的な問題をすべて修正します。

検証コマンドを使用して、いつでも、クラスタ、グループまたはスタンドアロン・データベースの有効性を検査します。検証中に問題が検出された場合、Oracle Fail Safeによって、問題を修正するようにプロンプトが出されるか、または問題を詳しく説明したエラー・メッセージが返されます。

いずれかの検証コマンドを実行したときにエラーが返された場合は、エラーを修正し、検証コマンドを再実行します。検証操作がエラーなしで実行されるまで、このプロセスを繰り返します。

6.1.1 クラスタの検証

「検証」クラスタ・アクションにより、クラスタのインストールおよびネットワーク構成の有効性が検査されます。クラスタの検証はいつでも実行できます。リストから検証するクラスタを選択し、「クラスタ」ビューの「アクション」メニューから「検証」を選択します。

Oracle Fail Safeソフトウェアのインストールまたはアップグレード後、初めてクラスタに接続する際に、「検証」を実行するように求められます。「検証」アクションはいつでも実行できますが、クラスタ構成を変更したときは必ず実行する必要があります。「検証」アクションでは、次のことを検証します。

  • OracleソフトウェアがインストールされているOracleホームの名前が、すべてのクラスタ・ノードに共通であること

    たとえば、あるクラスタ・ノードのOracle Fail SafeソフトウェアのOracleホームの名前がOFSである場合、Oracle Fail Safeがインストールされているクラスタ内のすべてのノードでOFSというOracleホーム名が使用されている必要があります。同じように、あるクラスタ・ノードのOracle DatabaseソフトウェアのOracleホームの名前がOfsDbである場合、Oracle Databaseソフトウェアがインストールされているクラスタ内のすべてのノードでOfsDbというOracleホーム名が使用されている必要があります。

  • Oracle Fail Safeのリリースが、すべてのノードで同じであること

  • リソース・プロバイダ(コンポーネント)が各リソースの少なくとも2つの可能所有者であるノードでまったく同じに構成されていること

また、「検証」は、OracleリソースDLLをMicrosoft Windowsフェイルオーバー・クラスタに登録します。また、クラスタ構成変更のいずれかが変更される場合、Microsoft Windowsフェイルオーバー・クラスタ・マネージャのValidate Clusterウィザードを実行して、クラスタ構成がまだ有効であることを確認することをお薦めします。

図6-1に、典型的な「検証」アクションの出力を示します。

図6-1 クラスタを検証中の進行状況ウィンドウ

図6-1の説明が続く
「図6-1 クラスタを検証中の進行状況ウィンドウ」の説明

「検証」操作を実行しても正常に終了しない場合、次に示すいずれか1つまたは複数の問題があると考えられます。

  • 問題は、ハードウェア、ネットワークまたはMicrosoft Windowsフェイルオーバー・クラスタの構成にあります。

  • Oracleホームおよびバージョンの対称性の問題。

  • Oracle Fail Safeのインストール(たとえば、リソース・プロバイダの対称性)の問題。

操作が正常に終了していながらOracle Fail Safeで問題が発生する場合、Oracle Fail Safeの構成に問題があります。

6.1.2 Oracleリソースの構成の検証

「検証」アクションによって、グループが正常に動作することを確認するために次のことが行われます。

  • グループ内のすべてのリソースをチェックし、グループの可能所有者であるすべてのノードで正しく構成されていることを確認します。

  • グループ内のリソース間の依存性を更新します。

  • プロンプトを表示した後で、構成の誤りのあるグループを修正します。

いつでも「検証」操作を実行できます。ただし、次の状況が発生した場合は、必ず実行してください。

  • グループまたはグループ内のリソースがオンライン化されない場合。

  • フェイルオーバーまたはフェイルバックが予定どおりに実行されない場合。

  • クラスタにノードを追加する場合。

グループを選択して、「クラスタ」ビューの「アクション」メニューから「検証」を選択します。

または、PowerShellコマンドレットのTest-OracleClusterGroupコマンドを使用して、「検証」アクションを実行できます(第5章を参照してください)。Test-OracleClusterGroupコマンドは、スクリプト内でバッチ・ジョブとして実行できます。

Oracle Fail Safeのグループ検証の際、「検証」アクションの進捗状況、グループ内の各リソースの状態を表示できます。

図6-2に、「検証」アクションの出力を示します。

図6-2 グループを検証中の進行状況ウィンドウ

図6-2の説明が続く
「図6-2 グループを検証中の進行状況ウィンドウ」の説明

6.1.3 スタンドアロン・データベースの検証

「検証」アクションを選択して、いつでもスタンドアロン・データベースを検証できます。「使用可能なOracleリソース」リストからデータベースを選択して、「検証」アクションを実行します。

「検証」操作では、有効性検査を実行し、スタンドアロン・データベースが常駐するノード上に正しく構成されているかどうかを確認して、もう一方のクラスタ・ノードに存在するデータベースへの参照を削除します。(データベースが、一度グループに追加された後で削除されたものである場合、別のクラスタ・ノードにデータベースへの参照が残っている可能性があります。)これによって、Oracle Fail Safeを使用した可用性の高いデータベースが実現されます。

グループにスタンドアロン・データベースを追加する前に、そのデータベースに対して「検証」コマンドを実行してください。また、スタンドアロン・データベースへのアクセスに問題が生じた場合に、いつでもコマンドを使用できます。ただし、検証操作中、データベースはOracle Fail Safeにより停止および再起動されます。

たとえば、次のような場合に検証を実行します。

  • グループにデータベースを追加しようとしたときに障害が発生する場合。

  • Oracle Fail Safe Manager以外の管理者ツールを使用してデータベースを処理し、そのデータベースにアクセスできなくなってしまった場合。

  • Oracle Fail Safeソフトウェアを削除しないまま、(たとえば、ソフトウェアのアップグレード中に)クラスタ・ノードからMicrosoft Windowsフェイルオーバー・クラスタを削除した場合。この詳細は、『Oracle Fail Safeインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください。

図6-3に、クラスタワイド操作ウィンドウに表示される一般的な「検証」操作の出力を示します。

図6-3 スタンドアロン・データベースを検証中の進行状況ウィンドウ

図6-3の説明が続く
「図6-3 スタンドアロン・データベースを検証中の進行状況ウィンドウ」の説明

スタンドアロン・データベースを検証するには、次の手順を実行します。

  • ウィンドウの左側パネルのツリー・ビューから「Oracleリソース」を選択します。

  • 「使用可能なOracleリソース」リストからリソースを選択します。

  • ウィンドウの右側パネルの「アクション」メニュー・リストから「検証」アクションを選択します。

  • スタンドアロン・データベースを検証中の進行状況ウィンドウが開きます。このウィンドウは、スタンドアロン・データベースに対して実行される様々なテストを示し、エラーが発生した場合にメッセージを表示します。データベースをクラスタ・グループに追加する前に、これらのエラーを解決する必要があります。Oracle Fail Safe Serverで問題を解決できる場合がありますが、変更を行う前に確認が求められます。

この情報をOracle Fail Safeでは次の場合に使用します。

  • Oracle Netによるクラスタワイドの問題の修正

  • スタンドアロン・データベースがクラスタ・ディスク上に存在するかどうかの確認

  • Oracle Fail Safeでデータベースにアクセス可能かどうかの確認

スタンドアロン・データベースがオープンされていると、「検証」アクションを選択してもデータベースは再起動されません。

スタンドアロン・データベースがオープンされていないか、データベースが停止されている場合、Oracle Fail Safeでは、データベース・インスタンスの停止および再起動を行ってよいかどうかをユーザーに確認します。次に、アクセスするためにデータベースがオープンされます。

検証で問題が検出された場合、「検証」アクションでは、問題を修正する前にユーザーに確認します。たとえば、Oracle Netの問題が原因で、グループへのデータベースの追加に失敗した場合を考えます。「検証」アクションを実行してネットワークの問題を修正した後に、データベースをグループに追加します。

6.2 クラスタのダンプ

「ダンプ」クラスタ・アクションでは、クラスタ・データ(クラスタ・ノード数、リソース・タイプ、ネットワーク情報、Oracleホームおよび再起動アクションなど)をウィンドウに表示するようOracle Fail Safeに指示することができます。その後、このデータをファイルに保存できます。このコマンドは、一定期間内にクラスタに対して行われた変更の記録を保持するために定期的に入力(同時に出力を保存)でき、Oracleサポート・サービスの要請に従って、クラスタ環境のスナップショットを作成するために入力する場合があります。

「ダンプ」クラスタ・アクションを選択した際に提示されるデータには、次のものがあります。

  • オペレーティング・システムに関連する情報(クォーラム・ディスクの場所など)

  • パブリック・ネットワーク情報およびプライベート・ネットワーク情報

  • クラスタとともに登録されたリソース

  • グループのフェイルオーバー・ポリシーおよびフェイルバック・ポリシー

オプションで、「クラスタのダンプ」のデータをファイルに保存できます。「別名保存」をクリックしてください。

「ダンプ」クラスタ・アクションを実行するには、リストからダンプするクラスタを選択して、リストからダンプするクラスタを選択し、「クラスタ」ビューの「アクション」メニューから「ダンプ」を選択します。

図6-4に、「ダンプ」クラスタ・コマンドの出力のうち、cluster-2クラスタとそのリソースの一部に関する情報部分を示します。

図6-4 クラスタ情報をダンプ中の進行状況ウィンドウ

図6-4の説明が続く
「図6-4 クラスタ情報をダンプ中の進行状況ウィンドウ」の説明

6.3 その他のトラブルシューティング情報の入手

この章では、Oracle Fail Safe Managerの様々なグループ、クラスタおよびリソースの検証方法について説明します。その他の情報は、次の方法で入手できます。

  • 特定のコンポーネントのトラブルシューティングに関する情報は、可用性を高めるためのコンポーネントの構成方法について説明する、第7章から第9章の各章に記載しています。

  • Oracle Fail SafeはMicrosoft Windowsフェイルオーバー・クラスタ・ソフトウェアと重なっているため、クラスタ・サービス、インターコネクトおよびハードウェア構成の問題のトラブルシューティングにMicrosoft Windowsフェイルオーバー・クラスタ・ドキュメントを参照する必要がある場合があります。

  • Oracle Fail Safeを起動できないときは、Windowsイベント ビューアを起動してアプリケーション・ログを表示します。通常、Oracle Fail Safeにより、問題を識別するイベントのログが取られます。