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Oracle® GoldenGate Application Adapters Oracle GoldenGateアダプタの管理
12c (12.1.2.1.1)
E67383-01
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1 Oracle GoldenGateアダプタの理解

この章では、Oracle GoldenGateインスタンスとの統合によってJava Message Service (JMS)情報を取り込んだり、JMSメッセージまたはファイルとして情報を配信するOracle GoldenGateアダプタの概要を示します。

この章の内容は次のとおりです。

1.1 アダプタの概要

この項では、Oracle GoldenGateアダプタの概要を示します。

1.1.1 Oracle GoldenGate

Oracle GoldenGateアダプタは、コアOracle GoldenGateインスタンスと統合されます。

コアOracle GoldenGate製品での処理は、次のとおりです。

  • トランザクション変更をソース・データベースから取得します

  • Oracle GoldenGate証跡と呼ばれる、データベースに依存しないファイルのセットとしてこれらの変更を送信およびキューイングします

  • オプションで、マッピング・パラメータおよび関数を使用してソース・データを変更します

  • 証跡内のトランザクションをターゲット・システム・データベースに適用します

Oracle GoldenGateでは、この取得と適用が異種データベース、プラットフォームおよびオペレーティング・システム間でほぼリアルタイムで行われます。

1.1.2 アダプタ統合オプション

Oracle GoldenGateアダプタはOracle GoldenGateコア製品のインストールと統合され、次のいずれかを行います。

  • JMSメッセージを読み取り、Oracle GoldenGate証跡として配信します

  • Oracle GoldenGate証跡を読み取り、トランザクションをJMSプロバイダ、他のメッセージング・システムまたはカスタム・アプリケーションに配信します

  • Oracle GoldenGate証跡を読み取り、他のアプリケーションによって使用可能なファイルにトランザクションを書き込みます

1.1.2.1 トランザクションの証跡への取得

Oracle GoldenGateのメッセージ取得を使用して、キューからメッセージを読み取り、Oracle GoldenGate Extractプロセスと通信して、処理したデータを含む証跡を生成します。

メッセージ取得処理は、通常のExtractプロセスのベンダー・アクセス・モジュール(VAM)プラグインとして実装されます。プロパティ、ルールおよび外部ファイルのセットによってメッセージ接続情報が指定され、メッセージの解析方法とターゲットGoldenGate証跡のレコードへのマップ方法が定義されます。

現在このアダプタでは、JMSテキスト・メッセージからの取得がサポートされています。

1.1.2.2 トランザクションの証跡からの適用

Oracle GoldenGateの配信を使用して、トランザクションの変更をリレーショナル・データベース以外のターゲット(DataStage、Ab Initio、InformaticaなどのETLツール、JMSメッセージング、カスタムAPIなど)に適用します。Oracle GoldenGateとの統合には、様々なオプションがあります。

  • フラット・ファイル統合: 主にETL(プロプライエタリまたはレガシー・アプリケーション)用で、Oracle GoldenGateファイル・ライターは、バッチ・ファイルを入力とするツールによって消費されるマイクロ・バッチをディスクに書き込むことができます。データは、デリミタ区切り、長さ区切り、バイナリなどターゲット・アプリケーションの仕様に合せてフォーマットされます。バッチ・ファイル・ロールオーバーの時間ウィンドウを分または秒に短縮することで、これらのシステムへのほぼリアルタイムでのフィードが実現されます。

  • メッセージング: トランザクションまたは操作はメッセージ(XML形式など)としてJMSにパブリッシュされます。ActiveMQ、JBoss Messaging、TIBCO、WebLogic JMS、WebSphere MQなどのJMSプロバイダを構成できます。

  • Java API: カスタム・イベント・ハンドラをJavaで記述し、Oracle GoldenGateによってソース・システムで取得されたトランザクション、操作およびメタデータの変更を処理できます。これらのカスタムJavaハンドラで、ターゲット・システムで公開されているサードパーティJava APIにこれらの変更を適用します。

これらの3つのオプションとも、Oracle GoldenGateのユーザー・イグジット・インタフェースであるC APIを使用したコアOracle GoldenGate製品の拡張として実装されています。

  • フラット・ファイル統合の場合、Oracle GoldenGateファイル・ライターによって、OracleGoldenGate Extractプロセスに動的にリンクされるユーザー・イグジット・ライブラリが提供されます。構成はプロパティ・ファイルを使用して行われ、プログラミングは必要ありません。

  • JMSまたはJava APIを使用したJava統合の場合、Java用Oracle GoldenGateを使用します。

1.2 Oracle GoldenGateアダプタのプロパティの使用

Oracle GoldenGateアダプタは、あらかじめ定義されたプロパティによって構成および制御されます。

1.2.1 プロパティ・ファイル内の値

Oracle GoldenGateアダプタのプロパティ・ファイル内のプロパティはすべて次の形式です。

property.name=value 

値は、単一またはカンマ区切りの文字列、整数またはブール値です。

1.2.2 プロパティ・ファイルの場所

サンプルOracle GoldenGateアダプタ・プロパティ・ファイルは、インストール・ディレクトリのAdapterExamplesサブディレクトリにインストールされます。これらのファイルを必要に応じて変更し、dirprmサブディレクトリに移動します。

次の説明のとおり、これらの各プロパティ・ファイルは、パラメータまたは環境変数を介して指定する必要があります。これらの設定によって名前または場所を変更できますが、やむを得ない場合を除き変更しないことをお薦めします。

次のサンプル・ファイルが含まれています。

  • ffwriter.properties

    これには、ファイル・ライターのプロパティが格納されます。CUSEREXIT Extractパラメータで設定されます。

  • jmsvam.properties

    これには、JMSメッセージ取得VAMのプロパティが格納されます。これは、Extract VAMパラメータで設定されます。

  • javaue.properties

    これには、メッセージの配信に使用されるユーザー・イグジットおよびJavaアプリケーションを合せたプロパティが格納されます。次の環境変数を介して設定されます。

    SETENV (GGS_USEREXIT_CONF = "dirprm/javaue.properties")
    

    オプションで、Javaアプリケーション・プロパティおよびネイティブ・ユーザー・イグジット・ライブラリ・プロパティを別個のファイルにすることもできます。これを行うには、GGS_USEREXIT_CONFをユーザー・イグジット・プロパティ・ファイルに設定し、GGS_JAVAUSEREXIT_CONFをJavaアプリケーション・プロパティ・ファイルに設定します。

1.2.3 プロパティ・ファイルでのコメントの使用

行の先頭に#接頭辞を付けることで、プロパティ・ファイルにコメントを入力できます。次に例を示します。

# This is a property comment 
some.property=value 

プロパティ自体をコメントにすることもできます。これによって、前のプロパティ設定を保持したまま構成をテストできます。

1.2.4 プロパティ名内の変数

一部のプロパティは、プロパティ名に変数を含みます。これによって、特定のインスタンスでのみ適用されるプロパティを示すことができます。

たとえば、goldengate.flatfilewriter.writersプロパティを使用して複数のファイル・ライターを宣言し、ファイル・ライターの名前を使用して、異なるプロパティを設定できます。

  1. writerおよびwriter2という名前の2つのファイル・ライターを宣言します。

    goldengate.flatfilewriter.writers=writer,writer2 
    
  2. 各ファイル・ライターのプロパティを指定します。

    writer.mode=dsv 
    writer.files.onepertable=true
    writer2.mode=ldv 
    writer2.files.onpertable=false
    

1.3 Oracle GoldenGateのドキュメント

Oracle GoldenGateファイル・ライターまたはJavaアダプタと組み合せて使用するためのコアOracle GoldenGateソフトウェアのインストールおよび構成の詳細は、次のOracle GoldenGateのドキュメントを参照してください。

  • インストレーションおよびセットアップ・ガイド: Oracle GoldenGate for Mainframeによってサポートされるデータベースごとにこのガイドがあります。システム要件、インストール前後の処置、インストール手順、およびOracle GoldenGate for Mainframeレプリケーション・ソリューションをインストールするためのその他のシステム固有の情報が含まれます。

  • Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIX: WindowsおよびUNIXプラットフォームでのOracle GoldenGate for Mainframeレプリケーション・ソリューションの計画、構成および実装方法について説明します。

  • Oracle GoldenGate Windows and UNIXリファレンス・ガイド: WindowsおよびUNIXプラットフォーム向けOracle GoldenGate for Mainframeのパラメータ、コマンドおよび関数の詳細が含まれます。