ODL構成ファイルの変更

logging.xmlで定義されたロガーのプロパティを変更して、記録されるメッセージ・レベルを決定します。デフォルトでは、EPM Systemコンポーネントの通常の操作に適切なロギング・レベルはlogging.xmlで設定されます。追加のログ・ハンドラ・パラメータは、ロギング動作を変更するように設定できます。たとえば、ログ・ハンドラにrotationFrequencyパラメータを含めることで、ロギング・ファイルのローテーション頻度を指定できます。パラメータの包括的なリストは、表10を参照してください。

表10. 構成可能なODLログ・プロパティ

ログ・プロパティ説明

パス

ログのパス

format

使用するフォーマット

推奨値はODL-Textです。

maxFileSize

各ログ・ファイルの最大サイズ(バイト)

メインのログ・ファイルが指定されたサイズに達すると、ログ・ローテーションがトリガーされます。メインのログ・ファイルがアーカイブされて、新しいログ・ファイルが作成されます。

maxLogSize

ログ全体の最大サイズ(バイト)

ログの合計サイズを指定の上限以下に保つために、古いアーカイブ・ファイルは削除されます。

rotationFrequency

ログのローテーションの頻度(分)

値は数値(分)、あるいはhourlydailyweeklyのいずれかです。(この設定は大文字と小文字が区別されません。)

baseRotationTime

時間ベースのログ・ローテーションの基本時間; たとえば、rotationFrequency設定の基準となります

デフォルト: 1970年1月1日(UTC)

次のいずれかのフォーマットを使用します:

  • HH:mm

  • yyyy-MM-dd

  • yyyy-MM-ddT-HH:mm

  • yyyy-MM-dd-HH:mm:ss.sTZTZはタイムゾーン・インディケータであり、UTCを表すZ、またはグリニッジ標準時からのオフセット(フォーマットはplus_or_minusHH:mmm)を指定します

注意:

時間フォーマットがタイムゾーンを指定しない場合は、ローカル・タイムゾーンが使用されます。

retentionPeriod

ログ・ファイルの保存期間

指定した期間よりも古いファイルは削除されます。ファイルはログ・ローテーションがある場合のみ削除され、バックグラウンド・スレッドがログ・ファイルを削除することはありません。このため、保存期間が終了した後もファイルがしばらく削除されない場合があります。値は数値(分)、もしくは日単位、週単位、月単位(30日)または年単位になります(値の大文字と小文字は区別されません)。

encoding

使用する文字エンコードのタイプ

XMLファイルは、拡張文字を処理するため、UTF-8エンコードにする必要があります。デフォルトは<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>です。

supplementalAttributes

カンマで区切られた補足属性名のリストで、各ログ・メッセージに追加できます。

属性値はExecutionContextクラスで定義する必要があります。

useSourceClassAndMethod

Javaソース・クラスとメソッド名を各ログ・メッセージに追加するかどうか

値はレベル名です。指定したレベル以下のメッセージにソース・クラスおよびメソッド名が含まれます。定数trueおよびfalseOFFおよびALLの別名として受け取られます。デフォルト値はTRACE:1 (詳細)です。

useDefaultAttributes

データベースの属性値を各ログ・メッセージに追加するかどうか

割当て可能なデフォルト属性はHOST_ID、HOST_NWADDRおよびUSER_IDです。値はtrueまたはfalseになります。デフォルト値はODL-XMLフォーマットではtrue、ODL-テキスト・フォーマットではfalseです。

includeMessageArguments

メッセージの引数を、メッセージIDも持つフォーマットされたログ・メッセージに含めるかどうか

指定可能な値: true (デフォルト)またはfalse

useThreadName

ハンドラが、java.util.logging.LogRecordによって提供されるthreadIDのかわりに、実際のスレッド名を記録しようとするかどうかを制御する、useThreadNameフラグ。

フラグがtrueの場合、ハンドラは実際のスレッド名を記録しようとします。ハンドラが実際のスレッド名を判定できないこともありますが、その場合はthreadIDを記録します。デフォルト値はtrueです。

useRealThreadId

useRealThreadIdフラグは、java.util.logging.LogRecordに提供されるthreadIDではなく、実際のスレッドIDをハンドラが記録しようとする場合に制御を行います。

フラグがtrueの場合、ハンドラは実際のスレッドIDを記録しようとします。ハンドラが実際のスレッド名を判定できないこともありますが、その場合はthreadIDを記録します。デフォルト値はfalseです。実際のスレッドIDの記録は、useThreadNameプロパティと相互に排他的になります。useThreadNametrueの場合、useRealThreadIdプロパティの値は無視されます。

locale

メッセージをローカライズするためのデフォルトのロケールのオーバーライド

デフォルト値はデフォルト・ロケールです。これは、EPM Systemコンフィギュレータで設定されます。

keepOpen

メインのログ・ファイルが常に開いているか、それともログ操作のたびに開かれて閉じられるか。

指定可能な設定: trueおよびfalse。デフォルト設定はtrueです。この場合、メインのログ・ファイルは常に開いています。

ほとんどのケースでデフォルト値を使用します。

autoFlushLevel

自動フラッシュのレベル設定

ODLHandlerではログ・レコードをバッファできますが、指定されたautoFlushレベル以上のログ・レコードを取得すると、バッファが自動的にフラッシュされます。デフォルト値はNOTIFICATION:1です。

addJvmNumber

ログ・ファイル名に追加されたJVM番号

JVM番号はシステム・プロパティoracle.process.indexにより定義されます。システム・プロパティが設定されていない場合、このオプションは無視されます。

applicationContextProvider

ApplicationContextインタフェースを実装するクラスの名前

クラスにはデフォルトのコンストラクタが必要です。特殊な値、disabledはアプリケーション名のロギングの無効化に使用できます。デフォルトのアプリケーション・コンテキスト・プロバイダはプラットフォームに固有であり、ほとんどの場合、このプロパティを設定する必要はありません。

userContextProvider

UserContextインタフェースを実装するクラスの名前

クラスにはデフォルトのコンストラクタが必要です。特殊な値、disabledはユーザー名のロギングの無効化に使用できます。デフォルトのユーザー・コンテキスト・プロバイダはプラットフォームに固有であり、ほとんどの場合、このプロパティを設定する必要はありません。

ロガーのプロパティを変更することで、コンポーネントをデバッグするか、EPM Systemコンポーネントに関する問題を特定するためにOracleサポートで求められる情報を生成します。

たとえば、Shared Servicesデバッグ・メッセージを取得するために、各Shared Servicesロガー定義のロギング・レベルをTRACE:32に変更します。

注意:

デバッグが完了した後、最適なロギング設定を確実にするため、バックアップ・コピーから元のlogging.xmlをリストアします。

ロギング構成ファイルを変更するには:

  1. ロギング動作が変更される対象のEPM Systemコンポーネントの、ロギング構成ファイルのバックアップ・コピーを作成します。EPM System製品のロギング・マトリックスを参照してください。

  2. テキスト・エディタを使用して、logging.xmlを開きます。

  3. ロガー定義を特定します。たとえば、Shared Servicesのロギング・レベルを変更するには、次のロガー定義を変更します:

    <logger name="oracle.EPMCAS" level="NOTIFICATION:1" useParentHandlers="false">
         <handler name="epmcas-handler" />
    </logger>
    <logger name="oracle.EPMCES" level="NOTIFICATION:1" useParentHandlers="false">
         <handler name="epmces-handler" />
    </logger>
    <logger name="oracle.EPMCMS" level="NOTIFICATION:1" useParentHandlers="false">
         <handler name="epmcms-handler" />
    </logger>
    <logger level="NOTIFICATION:1" name="oracle.EPMCSS">
         <handler name="epmcss-handler" />
    </logger>
  4. メッセージ・ロギング・レベルを変更するために必要に応じてlevelプロパティを変更します。たとえば、詳細なデバッグ・メッセージを記録するために各ロガーのlevelプロパティをTRACE:32に設定します。

    ODLロギング・レベルを参照してください。

  5. logging.xmlを保存して閉じます。

  6. 変更を有効にするにはEPM Systemコンポーネントを再起動します。