Oracle Database Applianceでソフトウェアの最新リリースの動作を継続するには、パッチがあるかを確認し、リリースされている場合は適用します。新機能を提供するだけでなく、パッチは、既存の機能の機能性を向上させます。
次の3つの項では、パッチ処理とパッチの検索および適用方法について説明します。
Oracle Database Applianceのすべてのパッチ適用は、通常のOracle Database Applianceパッチ・バンドルを使用して行われます。パッチ・バンドルは、次に示すシステム全体に関連するすべてのパッチを提供します。
ハードウェア・ドライバ
Oracle Linux
Oracle Databaseクローン・バイナリ
Oracle Grid Infrastructureクローン・バイナリ
通常のOracle Database Applianceパッチ・バンドルが入手可能になると、登録済のOracle Database Applianceソフトウェア所有者としてMy Oracle Supportにログオンします。システムのパッチ適用の詳細は、My Oracle Supportノート888888.1の指示、ならびにパッチREADMEファイルの指示に従います。
インフラストラクチャのパッチ(OS、Firmware、Oracle ILOMなど)は、パッチの適用時にOracle Database Applianceを短時間停止する必要があります。Oracle Appliance Managerでは、ユーザーが間違った順序でパッチをインストールしないように、パッチがすべての前提条件を満たしていることを確認します。たとえば、インフラストラクチャを先に更新せず、GIにパッチのみ適用することはできません。
注意: Oracle Database Applianceパッチ・バンドルまたは(SAPサービス・マーケットプレイスからダウンロードした)SAPパッチ・バンドルを使用して、Oracle Database Applianceにパッチを適用する必要があります。Oracle Grid Infrastructure、Oracle DatabaseまたはLinuxの個々のパッチは使用しないでください。Oracle Database Applianceを対象としていないパッチを使用した場合、あるいはOpatchまたは同等のパッチ適用ツールを使用した場合は、Oracle Database Applianceインベントリが更新されず、その後のパッチ更新を実行できません。 |
Oracle Database Applianceパッチ・バンドルは、四半期ごとのスケジュールでリリースされます。My Oracle Supportのノート888888.1には、最新のOracle Database Applianceパッチ・バンドルに関する情報が記載されています。
システムに適用するパッチを確認するには、次のようにします。
次の場所にあるMy Oracle Supportにログオンします。
https://support.oracle.com
ノート888888.1を検索します。
使用しているソフトウェアに対して使用可能なパッチがある場合、ノート888888.1の指示に従い、これらをダウンロードして適用します。
次の手順および例では、Oracle Database Appliance上のソフトウェアにパッチを適用するための一般的な手順を概説します。個々のパッチを適用する方法の詳細は、そのパッチのReadmeおよびヘルプ情報を参照してください。
Oracle Database Applianceの登録ソフトウェア所有者のサポートIDを使用してMy Oracle Supportにログインします。
https://support.oracle.com
My Oracle Supportノート888888.1の情報を確認して、システム用のパッチの識別、ダウンロードおよび適用を行います。対象のパッチ・バンドルのパッチ適用手順は、標準の手順と異なる場合があります。
「パッチ検索」で、「製品」リストからOracle Database Appliance、「リリース」リストからパッチ・リリース番号を選択します。「検索」をクリックします。次に、1つ以上のパッチを選択し、「ダウンロード」をクリックします。
root
としてログインします。
Oracle Database Applianceの各ノード上の一時ディレクトリ(たとえば/tmp
)にパッチを移動します。
インストールのためのパッチを準備するには、各ノードでoakcli unpack -package
コマンドを使用して、パッチ・ファイルを解凍します。次のコマンド構文を使用します。path
はパッチ・ファイルへの絶対パスです。
# oakcli unpack -package path
たとえば、Oracle Database Applianceリリース12.1.2.3.0のパッチ・ファイルを準備するには、パッチ・ファイル(p20690087_121230_Linux-x86-64_1of2.zip
およびp20690087_121230_Linux-x86-64_2of2.zip
)を各ノードの/tmp
ディレクトリにコピーした後、次のoakcli unpack -package
コマンドを実行します。
ノード0の場合:
# oakcli unpack -package /tmp/p20690087_121230_Linux-x86-64_1of2.zip # oakcli unpack -package /tmp/p20690087_121230_Linux-x86-64_2of2.zip
ノード1の場合:
# oakcli unpack -package /tmp/p20690087_121230_Linux-x86-64_1of2.zip # oakcli unpack -package /tmp/p20690087_121230_Linux-x86-64_2of2.zip
パッチをインストールする前に、ノード0でoakcli validate -c ospatch
-ver
patch_version
コマンドを実行することをお薦めします。たとえば、次のコマンドを使用して、12.1.2.3.0パッチに発生する可能性のある問題がないか確認します。
# oakcli validate -c ospatch -ver 12.1.2.3.0
出力により、パッチが成功したかどうかが示されます。解凍したパッチのバージョンがシステムで使用できない場合など、発生する可能性のある問題が出力に示される場合は、停止時間を確保して、想定される問題を修正するまでパッチの適用を遅らせることができます。
パッチをインストールするには、ノード0でoakcli update -patch
コマンドを実行します。次のコマンド構文を使用します。version
はパッチ更新バージョン番号です。
# oakcli update -patch version
たとえば、パッチ12.1.2.3.0に更新するには、ノード0でoakcli update -patch
コマンドを次のように実行します。
# oakcli update -patch 12.1.2.3.0
ほとんどの新しいパッチ、特にOracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureのパッチは、自動的に両方のノードにインストールされます。片方のノードにパッチがインストールされている場合は、パッチ・プロセスによって表示された出力を見るとわかります。単一のノードにのみインストールされる古いパッチの場合は、2番目のノードでoakcli update -patch
コマンドを繰り返します。