この章では、Oracle Database ApplianceでOracle Databaseの管理タスクを実行する方法について説明します。この章で説明するタスクは次のとおりです。
http://docs.oracle.com
のOracle Help CenterページのOracle Databaseドキュメントで説明されている、Oracle Databaseの管理に関連する多くのタスクは、Oracle Database Appliance上のデータベースでも必要です。ただし、Oracle Database Applianceは、システムのすべてのコンポーネントを管理するための独自のコマンドライン・ツール、Oracle Appliance Kitコマンドライン・インタフェース(OAKCLI)を提供しています。これには、データベースを作成およびアップグレードしたりデータベースにパッチ適用するコマンド、Oracleホームを作成およびアップグレードするコマンド、データベース作成パラメータ・ファイルを作成および変更するコマンドなどが含まれています。
また、Oracle Database Applianceではデータベース管理者ロールの機能がroot
ユーザーに組み合されているため、データベースの作成および関連タスクが簡略化されており、常にOAKCLIを使用して実行する必要があります。すべてのOAKCLIコマンドの構文および使用方法の詳細は、第4章を参照してください。
Oracle Enterprise Manager Database Control
データベースを管理する主要なツールはWebインタフェースであるOracle Enterprise Manager Database Control (Database Control)です。Oracle Databaseをインストールし、データベースを作成またはアップグレードしてネットワークを構成した後で、Database Controlを使用してデータベースを管理します。また、Database Controlは、パフォーマンス・アドバイザ用およびSQL*Loader、Oracle Recovery Manager (RMAN)などのOracle Databaseユーティリティ用のインタフェースも提供します。
関連項目: Database Controlの概要は『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照 |
既存のデータベースからOracle Database Applianceにデータをロードまたはデータを移行する場合は、SQL*Loader、Oracle Data Pump、トランスポータブル表領域およびRMANなどのツールを使用できます。また、RMANユーティリティはOracle Database Applianceでデータベースをバックアップおよびリカバリする場合にも使用できます。
Oracle Clusterware
Oracle Clusterwareでは、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)に必要なクラスタ・テクノロジが提供されます。さらに、Oracle Clusterwareでは、アプリケーションおよびプロセスはOracle Clusterwareに登録するリソースとして管理されます。アプリケーションを管理するためにOracle Clusterwareに登録するリソースの数は、アプリケーションによって異なります。1つのプロセスでのみ構成されるアプリケーションは、ほとんどの場合、1つのリソースでのみ表されます。複数のプロセスまたはコンポーネント上に構築されたより複雑なアプリケーションでは、複数のリソースが必要な場合があります。
関連項目: Oracle Clusterwareを使用したアプリケーションの可用性の向上の詳細は『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照 |
Oracle RAC One Node
Oracle RAC One Nodeは、クラスタ内の1つのノードで実行されるOracle RACデータベースのシングル・インスタンスです。インスタンスを停止および起動するかわりに、Oracle RAC One Nodeのオンライン・データベース再配置機能を使用して、Oracle RAC One Nodeインスタンスを別のサーバーに再配置できます。
Oracle RAC One Nodeデータベースの管理は、Oracle RACまたはシングル・インスタンスのOracle Databaseとは若干異なります。Oracle RAC One Nodeデータベースでは、一方のノードが主要ノードで、もう一方のノードが候補ノードになり、主要ノードがエラーになったりメンテナンスのために停止した場合にサービスを引き受けることができます。ノード、データベースおよびデータベース・サービスは汎用サーバー・プールに格納されます。
関連項目: Oracle RAC One Nodeの管理の詳細は『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照 |
Oracle Real Application Clusters
Oracle RACは、2つ以上の個々のコンピュータをリンクして1つのシステムとして機能させるテクノロジです。Oracle Database Appliance上にデプロイされたOracle RACによって、各ノードはデータベースへのアクセスを共有できます。一方のノードがエラーまたはオフラインになっても、もう一方のノードは引き続き稼働し、Oracle RACデータベース全体が使用可能なままになります。各ノードは、1つのコンピュータとしてアプリケーションに表示されます。
関連項目: Oracle RACの管理の詳細は『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照 |
Oracle Database Applianceでは現在、データベース管理者によってデータベースの各インスタンスがクラスタ内の特定のノードに割り当てられる管理者管理型データベースのみがサポートされています。ポリシー管理型データベースでは、データベース管理者はデータベース・インスタンスが稼働するノードではなく、要求されたデータベース・インスタンスの数を定義するため、Oracle Database Applianceでは利用できません。
管理者管理データベースのデータベース・リソースを確認すると、そのOracle Databaseと同じ名前で定義されたサーバー・プールが表示されます。このサーバー・プールは、Oracleで定義される特別なサーバー・プールの一部で、Genericと呼ばれます。Oracle RACは、Genericサーバー・プールを管理して管理者管理データベースをサポートします。サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)またはOracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用して管理者管理型データベースを追加または削除すると、Oracle RACは汎用のメンバーであるサーバー・プールを作成または削除します。SRVCTLまたはOracle Clusterware Control (CRSCTL)ユーティリティ・コマンドを使用して、汎用サーバー・プールを変更することはできません。
関連項目: Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersの詳細は『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』および『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください |
構成時に、2つの管理アカウントがOracle Database Applianceに作成されます。1つは、ユーザーID (UID) 1000のユーザー、grid
で、もう1つはUID 1001のユーザー、oracle
です。ユーザーgrid
はOracle Grid Infrastructureインストール所有者であり、ユーザーoracle
はOracle Databaseインストール所有者およびすべてのOracle Databaseホームの所有者です。デフォルトでは、これらのユーザーは次の表に示すグループに属します。
表2-1 gridおよびoracleユーザーのグループ・メンバーシップ
グループ名 | グループID (GID) | gridはメンバーである | oracleはメンバーである |
---|---|---|---|
|
1001 |
はい(主グループ) |
はい(主グループ) |
|
1002 |
いいえ |
はい |
|
1003 |
はい |
はい |
|
1004 |
はい |
はい |
|
1005 |
はい |
いいえ |
|
1006 |
はい |
いいえ |
デプロイ時に初期データベースを作成する場合、SYS
およびSYSTEM
ユーザーのパスワードはwelcome1
です。両方のユーザーのこのパスワードを速やかに変更し、これらの特権アカウントを使用したデータベースへの不正アクセスを防止する必要があります。
関連項目: オペレーティング・システムの権限グループに関する情報はOracle Grid Infrastructure for Linux、Oracle ASMシステム権限に関する情報は『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください |
この項では、次の作業について説明します。
Oracle Database Applianceでデータベースを作成および管理するには、第4章「Oracle Appliance Managerコマンドライン・インタフェース」で説明しているように、Oracle Appliance Managerコマンドを使用する必要があります。これにより、control_files
、db_create_file_dest
、db_recovery_file_dest
などのデータベース・ファイルの場所に関連するパラメータの変更など、データベースの機能を低下させる恐れのあるコマンドおよびパラメータの使用を避けることができます。
oakcli create database
コマンドを使用して、Oracle Database Applianceでデータベースを追加作成します。
このコマンドを実行するとき、データベースに適用するオプションに対応する番号を入力して各プロンプトに応答します。デフォルトが表示され、その値(通常オプション1として表示)を使用する場合は、[Enter]キーを押してその値を受け入れます。多数のオプションがあり目的の値が表示されていない場合、[0]を押してすべてのオプションが見えるようにできます。
詳細は、「oakcli create database」を参照してください。
oakcli
create
db_config_params
-conf
filename
コマンドを使用して、Oracle Database Applianceで複数のデータベースを構成するための構成ファイルを作成します。filename
は、生成する構成ファイルの名前です。
このコマンドを実行するとき、データベースに適用するオプションに対応する番号を入力して各プロンプトに応答します。デフォルトが表示され、その値(通常オプション1として表示)を使用する場合は、[Enter]キーを押してその値を受け入れます。多数のオプションがあり目的の値が表示されていない場合、[0]を押してすべてのオプションが見えるようにできます。
既存のデータベース構成ファイルを参照するには、oakcli show db_config_params
コマンドを使用します。次に例を示します。
# oakcli show db_config_params Available DB configuration files are: default largedb extralargedb mytest.params
出力にはデフォルト以外の拡張子のみが含まれ、デフォルト拡張子(.dbconf
)は表示されません。
データベース構成ファイルを使用して1つのデータベースを作成する場合、あるいはプロファイルが同一のデータベースを多数作成する場合は、oakcli
create database
コマンドを使用し、その中に-params
-conf
file_name
オプションを含めます(file_nameは、必須構成ファイルの名前です)。
不要なデータベース構成ファイルを削除するには、oakcli delete db_config_params -conf
コマンドを使用し、構成ファイル名を-conf
パラメータ値として指定します。データベース構成ファイルと関連する他のOracle Appliance Managerコマンドと同様、ファイルの拡張子値がデフォルトである場合(.dbconf
)は、拡張子を含める必要がありません。
Oracleのスナップショット・データベースは、ソース・データファイルが存在するACFSファイル・システムのスナップショットを取得することで作成されます。ソース・データベースは、シングル・インスタンス、Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeのいずれかです。データベースのコピーを作成する他の方法と比較して、スナップショット・データベースでは、必要な時間と記憶域領域が軽減され、ソース・データベースの停止時間も不要です。また、他のタイプおよびクラスから任意のデータベース・タイプおよびクラスを作成できます。たとえば、Oracle RAC One NodeデータベースからOracle RACデータベースを作成できます。同様に、ソース・データベースとはサイズの異なるデータベースを作成できます。
Oracle Database Applianceでは、Oracle ASM Cluster File Systems (ACFS)に格納された任意のOracle Databaseからスナップショット・データベースを作成できます。Oracle Database Applianceリリース12.1.2.0.0以降、システム上で作成またはアップグレードされたOracle Databaseリリース11.2.0.4以上のデータベースが含まれています。スナップショット・データベースのソースとして使用するデータベースの追加要件には、次の要件が含まれます。
スタンバイ・データベースまたはコンテナ・データベースでないこと
読取り専用モード、制限モードまたはオンライン・バックアップ・モードで動作していないこと
ARCHIVELOGモードになっていること
定義済データファイルがすべて使用可能でオンラインになっていること
また、スナップショット・データベースを作成する前に、2つのOracle Database Applianceノードのシステム・クロックが同期していることを確認してください。スナップショット・データベースを作成するには、o
akcli create snapshotdb
コマンドを、次の例に示すように使用します(prod
というデータベースからsnapprod
というスナップショット・データベースを作成します)。
oakcli create snapshotdb -db snapprod -from prod
コマンドを発行する前に、2つのOracle Database Applianceノードのシステム・クロックが同期していることを確認してください。クロックが著しく異なる場合は、コマンドが失敗することがあります。
注意: Oracle Database Applianceでは、透過的データ暗号化を使用した集中管理ウォレットをサポートしません。ソース・データベースが外部の集中管理ウォレットに依存している場合、暗号化データのリカバリがスナップショット・データベースで失敗することがあります。 |
rconfig
コマンドライン・ユーティリティを使用して、単一インスタンス・データベースをOracle RACまたはOracle RAC One Nodeのいずれかに変換します。ConvertToRAC_AdminManaged.xml
ファイルの内容により、変換済データベースの特性(タイプなど)が決定します。
関連項目: 単一インスタンスのデータベースを変換する手順は『Oracle Real Application Clustersインストレーションおよび構成ガイド』の付録C「単一インスタンスのOracle DatabaseからOracle RACおよびOracle RAC One Nodeへの変換」を参照。 |
Oracleホームは、Oracle Databaseバイナリをインストールするディレクトリで、ここからOracle Databaseを実行します。Oracle Appliance Manager (oakcli
コマンド)を使用して、Oracle Database Applianceで複数のOracleホームおよびデータベースを作成および管理します。Oracle Appliance Managerでは、Optimal Flexible Architecture (OFA)標準に準拠したOracle Database Oracleホームが自動的に作成されます。
Oracle Database Applianceは、Oracle Database 11gリリース2、11gR2およびOracle Databaseリリース12cリリース1の様々なバージョンを含む、複数のOracle Homeをサポートします。正確なリリースは、バージョンによって異なります。特定のバージョンについては、関連するRead Meファイルまたはリリース・ノートを確認してください。
関連項目: 使用可能なデータベース・バージョンの詳細は、https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=888888.1 のMy Oracle Supportノート888888.1を参照してください。 |
oakcli
コマンドを使用してOracle Database Applianceで複数のホームを作成する場合、コマンドにより、Oracle Grid Infrastructureが使用するクローニング・プロセスが開始されます。現在のリリースでは、ユーザーoracle
がすべてのOracleホームを所有しています。
注意: 前のリリースからアップグレードしない場合は、インストール対象のOracle Databaseバージョンに対するOracle Database Applianceエンドユーザー・バンドルをダウンロードしてください。詳細は、次のノート888888.1を参照してください。
|
oakcli
コマンドを使用して、複数のOracleホーム機能を使用したOracle Database Applianceで複数のデータベースを作成、管理、アップグレード、および複数のデータベースにパッチ適用します。oakcli create database
コマンドを使用すると、ユーザー入力を最小限に抑えながらデータベースを作成できます。追加オプションなしでこのコマンドを使用すると、新規のデータベース・ホームが作成されます。または、-oh
オプションを使用して既存のホームにデータベースを作成します。なお、RDBMSパッチは直接適用せず、ソフトウェア・スタック全体での動作がテストされたOracle Database Applianceパッチ・バンドルのみを使用することをお薦めします。
注意: oakcli コマンドを使用して、新規データベースを既存のOracleホームまたは新規のOracleホームのいずれかに作成します。 |
Oracle Databaseには、複数のデータベース・インスタンスを実行する複数CPUサーバーでCPU割当てを管理する方法が用意されています。この方法はインスタンス・ケージングと呼ばれます。インスタンス・ケージングとOracle Database Resource Manager (リソース・マネージャ)が連携して、複数インスタンス間で必要なサービス・レベルをサポートします。統合により、アイドル・リソースを最小限に抑え、効率を最大限に高め、コストを下げることができます。
Oracle Database Applianceテンプレートは、各データベース・インスタンス・ワークロードのサイズに合せて事前チューニングされています。特定のコア数で動作するよう設計されています。インスタンス・ケージングによって、各データベースのワークロードは、テンプレートで割り当てられたコアのセットに制限されます(これによって、複数のデータベースを同時に、パフォーマンスを低下させることなく、Oracle Database Applianceの容量まで、実行できるようになります)。計画的成長に備えるために、現在のニーズよりも大きいデータベース・テンプレート・サイズを選択できます。
注意: Oracle Database Applianceテンプレートはベスト・プラクティスを実装しており、特にOracle Database Appliance用に構成されているため、これらのテンプレートを使用することを強くお薦めします。 |
ヒント: Oracle Appliance Managerコンフィギュレータは、データベースのクラスとしてデータベースのサイズ設定テンプレートを参照します。 |
デフォルトでは、Oracle Database Applianceインスタンス・ケージングは有効ではありません。インスタンス・ケージングを有効にするには、Oracle Database Appliance上の各データベースに初期パラメータRESOURCE_MANAGER_PLAN
を設定します。このパラメータでは、リソース・マネージャが現行のインスタンスに対して使用するプランを指定します。このパラメータを設定すると、リソース・マネージャがデータベース間のコア・リソースを割り当てるようになります。このパラメータでプランを指定しない場合、リソース・マネージャが有効にならないため、インスタンス・ケージングは有効になりません。
各データベースに対して選択したOracle Database Applianceデータベース・テンプレートのサイズに従って、コア・リソースのインスタンス・ケージング割当てが有効になります。CPU_COUNT
初期化パラメータは、テンプレートに設定されます。統合する各データベースのサイズと一致するCPU_COUNT
設定を使用して、インスタンス・ケージングを構成するための標準の指示に従います。
関連項目: インスタンス・ケージングとリソース・マネージャの有効化および構成の詳細は『Oracle Database管理者ガイド』を参照。 |
Oracle Database Applianceには、特定操作のパフォーマンスを向上させるためにSSDが含まれています。SSDは次に使用されます:
Oracle Database Applianceには、スロット20-23にデータベースREDOログ専用の4つのSSDが含まれます。デプロイメント・プロセスでは、データベースREDOログ書込み操作をスピードアップさせて待機時間を短縮するために、高い冗長性を持つ+REDOという名前のASMディスク・グループがプロビジョニングされます。データベースはこれらのSSDを自動的に利用し、他のファイルをSSDでホストすることはできません。
Oracle Database Appliance X5-2には、スロット番号16-19に400GBの追加のSSDが実装されており、データベース・ファイルをホストするために使用したり、バッファ・キャッシュとともにデータベース・フラッシュ・キャッシュとして使用できます。
通常の冗長性を持つ+FLASHという名前のASMディスク・グループが、これらのSSDでプロビジョニングされます。+FLASHディスクグループ内のすべての記憶域はASM動的ボリューム(フラッシュデータ)に割り当てられ、ACFSファイル・システムとしてフォーマットされます。その後、このフラッシュデータ・ファイル・システムの記憶域はACFSファイル・システムとして使用可能になり、読取り操作をスピードアップさせるデータベース・フラッシュ・キャッシュ・ファイルの作成に使用されます。各データベースにフラッシュ・キャッシュを含むファイルが自動的に作成され、データベースのinit.oraパラメータdb_flash_cache_file
を使用して指定されます。デフォルトでは、十分な領域がない場合を除き、flash_cache_file_size
はSGAの3倍のサイズ(最大196GB)に設定されます。十分な領域がない場合、サイズ・パラメータは0に設定されます。flash_cache_file_size
パラメータを変更した場合、新たなサイズのフラッシュ・キャッシュを使用するために、データベースの再起動が必要になります。
関連項目: データベース・スマート・フラッシュ・キャッシュの構成については、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください |
Oracle Appliance Managerコンフィギュレータとoakcli create database
コマンドにより、400GBのSSD (フラッシュ・キャッシュにも使用)でフラッシュデータACFSファイル・システムを使用して、データベース全体をフラッシュに格納できます。
フラッシュに十分な空き領域がない場合、oakcli create database
コマンドはフラッシュにデータベースを格納するオプションをプロンプト表示せず、データベース・ファイルは+DATAディスクグループで自動的に作成されます。データベース・データ・ファイルをフラッシュとHDDの両方に格納することもできますが、これは手動で管理する必要があります。データベースの使用パターンを完全に理解している必要があり、上級管理者にのみ推奨されます。
この方法には次の制限があります:
Oracle Databaseバージョンが11.2.0.4以降であること
データベース・タイプがOLTPであること
フラッシュに完全に格納できるのは非CDBデータベースのみです
+FLASHディスクグループに160GBの空き領域が必要です
関連項目:
|
Oracle Databaseにパッチを適用するには、適切なOracle Database Applianceパッチ・バンドルを使用します。通常、インフラストラクチャのパッチを適用してから、Grid Infrastructureのパッチを適用し、Oracle Databaseのパッチを適用します。この項では、個々の使用可能なデータベース・パッチを適用する手順について説明します。これらのパッチでは、ノード0にパッチを適用したら自動的にノード1にパッチを適用するローリング・アップグレードを行います。
Oracle Databaseにパッチを適用するには、特定の要件について説明している項の手順を実行します。
前のOracle Database 11.2.0.3.xリリースからOracle Database 11.2.0.3.12への更新
Oracle Database 11.2.0.2.xリリースからのOracle Database 11.2.0.3.12へのアップグレード
ノード0でのみoakcli show databases
コマンドを実行して、この更新に適しているリリース番号のデータベースがあるかを確認します。コマンドとその出力は、次の例のようになります。
# oakcli show databases Database Name Database Type Database HomeName Database HomeLocation Database Version tpcc RAC dbhome11203 /u01/app/oracle/product/11.2.0.3/dbhome_1 11.2.0.3.2(13696216,13696251) EE RACOneNode dbhome11203 /u01/app/oracle/product/11.2.0.3/dbhome_1 11.2.0.3.2(13696216,13696251)
ノード0でのみoakcli update -patch 12.1.2.2.0 --database
コマンドを実行すると、自動的に両方のノードにパッチが適用されます。パッチ適用が可能なデータベース・ホームが複数ある場合、選択リストが表示され、そのリストから更新するデータベース・ホームを1つ、一部または全部選択します。
注意: リリース11.2.0.3.xから11.2.0.3.12への個別のデータベース更新は実行できません。更新するホームを実行するすべてのデータベース(ステップ1の例でリストされた2つのデータベースなど)に、Oracle Database 11.2.0.3.12へのパッチが適用されます。 |
両方のノードでコマンドが完了したら、ノード0でoakcli show databases
コマンドを使用してデータベース・バージョンを確認します。コマンドとその出力は、ここでは次の例のようになります。
# oakcli show databases Database Name Database Type Database HomeName Database HomeLocation Database Version tpcc RAC dbhome11203 /u01/app/oracle/product/11.2.0.3/dbhome_1 11.2.0.3.12(18522512,17592127) EE RACOneNode dbhome11203 /u01/app/oracle/product/11.2.0.3/dbhome_1 11.2.0.3.12(18522512,17592127)
ノード0で次の処理を実行して、11.2.0.3.12データベース・ホームがあることを確認します。
コマンドoakcli show dbhome
を実行します。出力は、次の例の結果のようになります。
Oracle Home Name Oracle Home version Home Location dbhome11202 11.2.0.2.5(13343424,13343447) /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1 OraDb112011_home1 11.2.0.3.12(18522512,17592127) /u01/app/oracle/product/11.2.0.11/dbhome_1
前述の例のように、コマンドからの出力に11.2.0.3.12ホームが含まれている場合は、ステップ2に進みます。ただし、出力は、次のように11.2.0.3.12ホームが表示されない可能性があります。
Oracle Home Name Oracle Home version Home Location dbhome11202 11.2.0.2.5(13343424,13343447) /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1
必要とされる11.2.0.3.12ホームが表示されない場合は、ステップ2に進む前に次の処理を実行します。
ノード0でのみoakcli show databases
コマンドを実行して、このアップグレードに適しているリリース番号のデータベースがあるかを確認します。コマンドとその出力は、次の例のようになります。ここでは、アップグレードの候補として3つのデータベースが表示されています。
# oakcli show databases Database Name Database Type Database HomeName Database HomeLocation Database Version tpcc RAC dbhome11202 /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1 11.2.0.2.5(13343424,13343447) RACOne RACOneNode dbhome11202 /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1 11.2.0.2.5(13343424,13343447) EE SINGLE dbhome11202 /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1 11.2.0.2.5(13343424,13343447)
ノード0でのみ、アップグレードするデータベースの名前と、ステップ1の11.2.0.3.12データベース・ホームの名前を指定してoakcli upgrade database
コマンドを実行し、データベースをアップグレードします。次の例は、ステップ1に示す例で確認したOraDb11203_home1を使用して、ステップ2でリストされたtpccデータベースをアップグレードする方法を示しています。
# oakcli upgrade database -db tpcc -to OraDb11203_home1
コマンドが完了したら、ノード0でoakcli show databases
コマンドを再度使用してデータベース・バージョンを確認します。コマンドとその出力は、ここでは次の例のようになります。
# oakcli show databases Database Name Database Type Database HomeName Database HomeLocation Database Version tpcc RAC OraDb11203_home1 /u01/app/oracle/product/11.2.0.3/dbhome_1 11.2.0.3.12(18522512,17592127) RACOne RACOneNode dbhome11202 /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1 11.2.0.2.5(13343424,13343447) EE SINGLE dbhome11202 /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1 11.2.0.2.5(13343424,13343447)