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Oracle® Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementアップグレード・ガイド
11gリリース2 (11.1.2.3.0)
E69899-05
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17 Oracle Access Management高可用性環境のアップグレード

この章では、手動アップグレード手順を使用して、Oracle WebLogic Server上のOracle Access Management高可用性環境をOracle Access Management 11gリリース2 (11.1.2.3.0)にアップグレードする方法を説明します。


注意:

既存のOracle Identity and Access Management環境がライフ・サイクル管理(LCM)ツールを使用してデプロイされた場合は、自動アップグレード手順を使用してOracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2.3.0)にアップグレードする必要があります。自動アップグレード手順、サポートされる開始ポイントおよびトポロジの詳細は、第2章「Oracle Identity and Access Managementの自動アップグレードの理解」を参照してください。

Oracle Access Managementマルチデータ・センター環境をアップグレードする必要がある場合は、第18章「Oracle Access Managementマルチデータ・センター環境のアップグレード」を参照してください。



注意:

手順を進める前に、既存のOracle Access Managementバージョンで高可用性アップグレードがサポートされているかどうかを確認してください。高可用性アップグレードでサポートされている開始ポイントの詳細は、第3.3項「Oracle Identity and Access Management手動アップグレードでサポートされる開始ポイント」を参照してください。

この章では、次の項目について説明します。

17.1 Oracle Access Management高可用性アップグレード・トポロジの理解

図17-1に、この章で説明されている手順に従うことにより11.1.2.3.0にアップグレード可能なOracle Access Managementクラスタ設定を示します。

図17-1 Oracle Access Management高可用性アップグレード・トポロジ

図17-1の説明が続きます
「図17-1 Oracle Access Management高可用性アップグレード・トポロジ」の説明

OAMHOST1では、次のインストールが実行されています。

  • Oracle Access Management Access ManagerインスタンスがWLS_OAM1管理対象サーバーにインストールされています。

  • WebLogic管理サーバーがインストールされています。通常の運用時は、これがアクティブ管理サーバーになります。

OAMHOST2では、次のインストールが実行されています。

  • Oracle Access Management Access ManagerインスタンスがWLS_OAM2管理対象サーバーにインストールされています。

  • WebLogic管理サーバーがインストールされています。通常の運用時は、これがパッシブ管理サーバーになります。OAMHOST1の管理サーバーが使用できなくなった場合は、この管理サーバーをアクティブにします。

OAMHOST1およびOAMHOST2ホスト上のWLS_OAM1およびWLS_OAM2管理対象サーバーのインスタンスは、OAM_CLUSTERという名前のクラスタで構成されています。

17.2 アップグレード手順

表17-1に、図17-1で示されているOracle Access Management高可用性環境を11.1.2.3.0にアップグレードする手順を示します。

表17-1 Oracle Access Management高可用性アップグレードの手順

タスク番号 タスク 詳細の参照先

1

Oracle Access Management高可用性アップグレード・トポロジを確認して、現在の設定でOAMHOST1およびOAMHOST2を特定します。

「Oracle Access Management高可用性アップグレード・トポロジの理解」を参照してください

2

OAMHOST1およびOAMHOST2上の管理サーバーおよびすべての管理対象サーバーを停止します。

「OAMHOST1およびOAMHOST2上の管理サーバーおよび管理対象サーバーの停止」を参照してください。

3

既存の環境をバックアップします。

「既存の環境のバックアップ」を参照してください。

4

OAMHOST1を11.1.2.3.0にアップグレードします。これは、アクティブな管理サーバーを実行しているホストです。

「OAMHOST1の11.1.2.3.0へのアップグレード」を参照してください。

5

開始ポイントがOracle Access Manager 11gリリース1 (11.1.1.5.0)である場合、OAMHOST1で、OAMパッケージを11.1.2.3.0にアップグレードする必要があります。

「OAMHOST1上のコンポーネント・バージョンの更新」を参照してください。

6

OAMHOST2でOracle WebLogic ServerおよびAccess Managerのバイナリを更新します。

「OAMHOST2上のWebLogic ServerおよびAccess Managerのバイナリの更新」を参照してください。

7

開始ポイントがOracle Access Manager 11.1.1.5.0である場合、OAMHOST1をアップグレードした後で、OAMHOST1上のドメインをパックし、OAMHOST2で解凍することで、OAMHOST2に構成をレプリケートする必要があります。

「OAMHOST2でのドメイン構成のレプリケート」を参照してください

8

Oracle Access Manager 11.1.1.5.0環境をアップグレードしている場合、OAMHOST1でAccess Managerサーバー・アプリケーションおよび共有ライブラリを再デプロイして、これらをOAM_CLUSTERにターゲット指定します。

「OAMHOST1上のAccess Manager サーバー・アプリケーションと共有ライブラリの再デプロイ」を参照してください。

9

OAMHOST1およびOAMHOST2で、WebLogic管理サーバーおよび管理対象サーバーを起動します。

「OAMHOST1およびOAMHOST2上の管理サーバーおよび管理対象サーバーの起動」を参照してください。


17.3 OAMHOST1およびOAMHOST2上の管理サーバーおよび管理対象サーバーの停止

アップグレード・プロセスを開始する前に、OAMHOST1およびOAMHOST2上のWebLogic管理サーバーおよびすべてのAccess Manager管理対象サーバーを次の順序で停止します。

  1. OAMHOST1およびOAMHOST2上の両方で、Access Manager管理対象サーバーを停止します。

  2. OAMHOST1上のWebLogic管理サーバーを停止します。

管理対象サーバーの停止の詳細は、第24.1.9.1項「管理対象サーバーの停止」を参照してください。

管理サーバーの停止の詳細は、24.1.9.2項「WebLogic管理サーバーの停止」を参照してください。

17.4 既存の環境のバックアップ

すべてのサーバーの停止後は、アップグレード・プロセスを続行する前に次をバックアップする必要があります。

  • OAMHOST1およびOAMHOST2上の両方の、内包されているOracleホーム・ディレクトリを含むMW_HOMEディレクトリ(ミドルウェア・ホーム・ディレクトリ)。

  • OAMHOST1およびOAMHOST2上の両方のOracle Access Managementドメイン・ホーム・ディレクトリ。

  • 次のデータベース・スキーマ:

    • Oracle Access Managerのスキーマ

    • MDSスキーマ

    • 監査スキーマおよびその他の依存スキーマ

    スキーマをバックアップする方法の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

17.5 OAMHOST1の11.1.2.3.0へのアップグレード

Oracle Access Management高可用性環境を11.1.2.3.0にアップグレードするには、初めにアクティブな管理サーバーが含まれるOAMHOST1をアップグレードする必要があります。次に、OAMHOST1の11.1.2.3.0へのアップグレードに含まれる重要なタスクの一部を示します。

  • 以前のバージョンを使用している場合は、Oracle WebLogic Serverの10.3.6へのアップグレード。

  • Oracle Access Managementバイナリの11.1.2.3.0へのアップグレード。

  • データベース・スキーマのアップグレード

  • 変更されたドメインMBean構成のコピー

  • システム構成のアップグレード

OAMHOST1のアップグレード手順は、開始ポイントにより異なります。

17.6 OAMHOST1上のコンポーネント・バージョンの更新

開始ポイントがOracle Access Manager 11gリリース1 (11.1.1.5.0)で、Oracle Access Manager - Oracle Adaptive Access Manager統合設定を使用している場合は、11gリリース1 (11.1.1.5.0)から11gリリース2 (11.1.2.3.0)に次のパッケージをアップグレードする必要があります。

  • oracle.dogwood.top

  • oracle.oam.server

  • oracle.idm.oinav

  • oracle.sdp.client

  • oracle.oaam.suite

  • oracle.oaam.oaam_admin

  • oracle.oaam.oaam_server

  • oracle.oaam.oaam_offline


注意:

開始ポイントがAccess Manager 11gリリース2 (11.1.2.2.0)、11gリリース2 (11.1.2.1.0)または11gリリース2 (11.1.2)である場合は、このタスクをスキップします。

パッケージをアップグレードするには、OAMHOST1domain-info.xmlを更新するドメイン・アップデータ・ユーティリティ(com.oracle.cie.domain-update_1.0.0.0.jar)を実行する必要があります。OAMHOST1は、管理サーバーを実行しているホストです。

必要なOracle Access Managerパッケージを11.1.2.3.0にアップグレードするには、OAMHOST1で次の手順を実行します。

  1. $ORACLE_HOME/oaam/upgradeディレクトリに移動します。このディレクトリに、ドメイン・アップデータ・ユーティリティcom.oracle.cie.domain-update_1.0.0.0.jarファイルがあります。

  2. 次のコマンドを使用して、パッケージをアップグレードします。

    java -cp MW_HOME/utils/config/10.3/config-launch.jar:./com.oracle.cie.domain-update_1.0.0.0.jar com.oracle.cie.external.domain.DomainUpdater <DOMAIN_HOME> <package_name>:11.1.1.5.0,:11.1.2.3.0

    このコマンドで、<DOMAIN_HOME>はOracle Access Managementドメインへの絶対パスを表し、<package_name>はアップグレードするパッケージを表します。

    次のすべてのパッケージについて、このコマンドを実行します。

    • oracle.dogwood.top

    • oracle.oam.server

    • oracle.idm.oinav

    • oracle.sdp.client

    • oracle.oaam.suite

    • oracle.oaam.oaam_admin

    • oracle.oaam.oaam_server

    • oracle.oaam.oaam_offline

17.7 OAMHOST2上のWebLogic ServerおよびAccess Managerのバイナリの更新

OAMHOST1でAccess Manager環境をアップグレードした後に、OAMHOST2でOracle WebLogic Serverのバイナリを更新する必要があります(以前のバージョンを使用している場合)。また、Oracle Identity and Access Management 11.1.2.3.0インストーラを使用してOAMHOST2上のOracle Access Managerのバイナリを11.1.2.3.0に更新する必要があります。

Oracle WebLogic Serverの10.3.6へのアップグレードの詳細は、第24.1.5項「Oracle WebLogic Serverの11gリリース1 (10.3.6)へのアップグレード」を参照してください。

Oracle Access Managerバイナリの11.1.2.3.0へのアップグレードの詳細は、第24.1.6項「Oracle Identity and Access Managementバイナリの11gリリース2 (11.1.2.3.0)への更新」を参照してください。

17.8 OAMHOST2でのドメイン構成のレプリケート

この手順は、Oracle Access Manager 11gリリース1 (11.1.1.5.0)を11.1.2.3.0にアップグレードする場合に適用されます。

OAMHOST1でOracle Access Manager 11.1.1.5.0を11.1.2.3.0にアップグレードした後、OAMHOST2で構成をレプリケートする必要があります。このタスクには、OAMHOST1でのアップグレード済ドメインのパック実行およびOAMHOST2でのパックの解凍が含まれます。


注意:

この手順を実行する前に、管理対象サーバーが停止されていることを確認します。このタスクが完了するまで、管理対象サーバーを起動しないでください。

これを行うには、次の手順を実行します。

  1. OAMHOST1で、次のコマンドを$MW_HOME/oracle_common/common/binから実行して、アップグレード済のドメインをパックします。

    UNIXの場合:

    sh pack.sh -domain=<Location_of_OAM_domain> -template=<Location_where_domain_configuration_jar_to_be_created> -template_name="OAM Domain" -managed=true

    Windowsの場合:

    pack.cmd -domain=<Location_of_OAM_domain> -template=<Location_where_domain_configuration_jar_needs_to_be_created> -template_name="OAM Domain" -managed=true

  2. OAMHOST1上でpackコマンドにより作成されたドメイン構成jarファイルを、OAMHOST2上の任意のアクセス可能な場所にコピーします。

  3. OAMHOST2で、次のコマンドを$MW_HOME/oracle_common/common/binから実行して、ドメインを解凍します。

    UNIXの場合:

    sh unpack.sh -domain=<Location_of_OAM_domain> -template=<Location_on_OAMHOST2_where _you_copied_jar_file_created_by_pack_command> -overwrite_domain=true

    Windowsの場合:

    unpack.cmd -domain=<Location_of_OAM_domain> -template=<Location_on_OAMHOST2_where _you_copied_jar_file_created_by_pack_command> -overwrite_domain=true

17.9 OAMHOST1上のAccess Managerサーバー・アプリケーションと共有ライブラリの再デプロイ

OAMHOST1でOracle Access MAnager 11.1.1.5.0をアップグレードしている場合、次の理由により、Access Manager サーバー・アプリケーションおよび共有ライブラリを再デプロイして、アプリケーションおよび共有ライブラリをOAM_CLUSTERにターゲット指定する必要があります。

  • Access Managerサーバー・アプリケーションが依存している新しい共有ライブラリを取り込むため。

  • Access Managerの管理サーバー・アプリケーションおよび管理対象サーバー・アプリケーションをより新しいバージョンで取り込むため。

Access Managerサーバー・アプリケーションおよび共有ライブラリの再デプロイの詳細は、第12.13項「Access Managerサーバー・アプリケーションと共有ライブラリの再デプロイ」を参照してください。


注意:

  • redeployOAMコマンドを実行する前に、Access Manager管理対象サーバーがRUNNING状態にあり、ADMIN状態ではないことを確認します。

    サーバーがADMIN状態の場合は、次の手順を実行します。

    1. 次のURLを使用して、WebLogic管理サーバーにログインします。

      http://host:port/console

    2. 「デプロイメント」をクリックします。

    3. 「デプロイメントのサマリー」ページでoam_server(11.1.2.0.0)をクリックします。

    4. 「サーバーのサマリー」ページで「OAM_SERVER」をクリックします。

    5. 「制御」タブに移動し、「再開」をクリックします。

  • Access Managerサーバー・アプリケーションおよび共有ライブラリを第17.5項「OAMHOST1の11.1.2.3.0へのアップグレード」で再デプロイした場合は、このタスクをスキップします。


17.10 OAMHOST1およびOAMHOST2上の管理サーバーおよび管理対象サーバーの起動

OAMHOST1およびOAMHOST2で、WebLogic管理サーバーおよびAccess Manager管理対象サーバーを次の順序で起動します。

  1. OAMHOST1のWebLogic管理サーバーを起動します。

  2. OAMHOST1およびOAMHOST2で、Access Manager管理対象サーバーを起動します。

WebLogic管理サーバーの起動の詳細は、24.1.8.2項「WebLogic管理サーバーの起動」を参照してください。

管理対象サーバーの起動の詳細は、第24.1.8.3項「管理対象サーバーの起動」を参照してください。