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Oracle® Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementアップグレード・ガイド
11gリリース2 (11.1.2.3.0)
E69899-05
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8 Oracle Access Management 11gリリース2 (11.1.2.x.x)環境のアップグレード

この章では、手動アップグレード手順を使用して、Oracle WebLogic Server上の既存のOracle Access Management 11gリリース2 (11.1.2.2.0)、11gリリース2 (11.1.2.1.0)および11gリリース2 (11.1.2)環境をOracle Access Management 11gリリース2 (11.1.2.3.0)にアップグレードする方法を説明します。


注意:

既存のOracle Identity and Access Management環境がライフ・サイクル管理(LCM)ツールを使用してデプロイされた場合は、自動アップグレード手順を使用してOracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2.3.0)にアップグレードする必要があります。自動アップグレード手順、サポートされる開始ポイントおよびトポロジの詳細は、第2章「Oracle Identity and Access Managementの自動アップグレードの理解」を参照してください。

Oracle Access Managementマルチデータ・センター環境をアップグレードする必要がある場合は、第18章「Oracle Access Managementマルチデータ・センター環境のアップグレード」を参照してください。



注意:

この章では、Oracle Access Management Access Manager 11gリリース2 (11.1.2)、11gリリース2 (11.1.2.1.0)および11gリリース2 (11.1.2.2.0)環境を、11.1.2.x.xと呼びます。

この章には次の項が含まれます:

8.1 Oracle Access Managementのアップグレード手順


注意:

次のタスク表に記載されている手順を正確に実行しなかった場合、Oracle Access Managementを正常にアップグレードできない可能性があります。

表8-1に、Oracle Access Management 11.1.2.x.x環境を11.1.2.3.0へアップグレードする手順を示します。

表8-1 Oracle Access Management 11.1.2.x.xを11.1.2.3.0にアップグレードする手順。

タスク番号 タスク 詳細の参照先

1

アップグレード・プロセスを開始する前にアップグレード前タスクを実行します。

「アップグレード前に必要なタスクの実行」を参照

2

Oracle WebLogic Serverを10.3.6にアップグレードし(Oracle WebLogic Server 10.3.6を使用していない場合)、Oracle Access Managerに必須パッチを適用し、Oracle Access Managerバイナリを11.1.2.3.0にアップグレードすることで、Oracleホームをアップグレードします。

「Oracleホームのアップグレード」を参照

3

アップグレード後にOracle Mobile Security Suiteを構成する場合は、Oracleモバイル・セキュリティ・マネージャ(OMSM)スキーマを作成します。

「OMSMスキーマの作成」を参照してください

4

パッチ・セット・アシスタントを使用して、次のスキーマをアップグレードします。

  • Oracle Access Manager (OAM)スキーマ

  • Oracle Platform Security Services(OPSS)スキーマ

  • 監査サービス(IAU)スキーマ

Oracle Access Manager (OAM)スキーマを選択した場合、OPSSおよびIAUスキーマも選択されます。

「データベース・スキーマのアップグレード」を参照してください。

5

Oracle Platform Security Services (OPSS)をアップグレードします。この手順を実行することをお薦めします。

「Oracle Platform Security Servicesのアップグレード」を参照してください。

6

Oracle Access Management 11.1.2を11.1.2.3.0にアップグレードする場合は、変更されたシステムまたはドメインのMBean構成をコピーする必要があります。

Oracle Access Management 11.1.2.1.0または11.1.2.2.0を11.1.2.3.0,にアップグレードする場合は、このタスクをスキップします。

「変更されたシステムMBean構成のコピー」を参照してください。

7

WebLogic管理サーバーおよびAccess Manager管理対象サーバーを再起動します。

「サーバーの再起動」を参照してください。

8

coherence#3.7.1.1ライブラリをアンデプロイします。

「coherence#3.7.1.1ライブラリのアンデプロイ」を参照してください

9

Oracle Access Managementのシステム構成をアップグレードします。この手順は、11.1.2.3.0機能を動作させるために必要です。

Oracle Access Management 11.1.2.x.xアップグレードでは互換性モードがサポートされるため、この手順を実行しない場合、アップグレードされた環境が依然として機能します。

「システム構成のアップグレード」を参照してください。

10

Oracle Mobile Security Suiteおよびポリシー・マネージャを含むようにOracle Access Managementドメインを拡張します。

「Mobile Security Suiteおよびポリシー・マネージャを含めるためのOracle Access Managementドメインの拡張」を参照してください

11

WebLogic管理サーバーおよびOracle Access Management Access Manager (Access Manager)管理対象サーバーを起動します。

「サーバーの起動」を参照してください。

12

必要なアップグレード後のタスクを実行します。

「アップグレード後に必要なタスクの実行」を参照してください

13

Oracle Access Managementのアップグレードを確認します。

「Oracle Access Managementのアップグレードの確認」を参照してください


8.2 アップグレード前に必要なタスクの実行

アップグレードを開始する前に、次の前提条件を満たす必要があります。

  • Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様およびOracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ドキュメントを参照して、インストールまたはアップグレードする製品の最小要件をシステムが満たしていることを確認します。詳細は、第24.1.1項「動作保証、システム要件および相互運用性の確認」を参照してください。

  • 使用しているJava Development Kit (JDK)のバージョンが、Oracle Identity and Access Management 11.1.2.3.0でサポートおよび動作保証されていることを確認します。

    Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成のページで動作保証情報を確認して、必要なJDKバージョンを確認できます。

    JDKは、Oracle Technology Network (OTN)の「Java SE Development Kit 7 Downloads」ページからダウンロードできます。


    注意:

    JDKバージョン要件の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementのシステム要件と仕様11gリリース2 (11.1.2)ドキュメントのOracle WebLogic ServerとJDKの考慮事項に関するトピックを参照してください。

  • Oracle Access Management 11gリリース2 (11.1.2.0, 11.1.2.1, 11.1.2.2)環境をアップグレードしている場合、または11gリリース1からアップグレードされている場合(あるいはその両方の場合)、upgrade.propertiesファイルがDOMAIN_HOME/config/fmwconfigに存在するかを確認します。存在する場合は、アップグレードを開始する前に、そのファイルを別の名前に変更します。

  • DOMAIN_HOME/config/fmwconfigディレクトリのすべてのファイルをバックアップします。

  • Oracle Access Management 11.1.2.3.0には、管理サーバーに構成された追加コンポーネントがあります。したがって、WebLogicドメイン・メモリー設定がマシン構成を満たすように更新されていることを確認します。

    サーバーがコマンドラインを使用して起動される場合は、setDomainEnv.shファイルのメモリー設定を更新する必要があります。サーバーがノード・マネージャを使用して起動される場合は、WebLogic管理コンソールを使用してメモリー設定を更新する必要があります。両方を行うことをお薦めします。

    setDomainEnv.shファイルのメモリー設定を更新するには、次の手順を実行します。

    1. DOMAIN_HOME/binディレクトリに移動します。

    2. ファイルsetDomainEnv.sh (UNIXの場合)またはsetDomainEnv.cmd (Windowsの場合)のバックアップを作成します。

    3. setDomainEnv.sh (UNIXの場合)またはsetDomainEnv.cmd (Windowsの場合) をエディタで開き、次の行を検索します。

      UNIXの場合:

      # IF USER_MEM_ARGS the environment variable is set, use it to override ALL
      # MEM_ARGS values 
      
      if [ "${USER_MEM_ARGS}" != "" ] ; then 
      MEM_ARGS="${USER_MEM_ARGS}" 
      export MEM_ARGS 
      fi
      

      Windowsの場合:

      @REM IF USER_MEM_ARGS the environment variable is set, use it to override ALL MEM_ARGS values
      
      if NOT "%USER_MEM_ARGS%"=="" ( 
      set MEM_ARGS=%USER_MEM_ARGS% 
      ) 
      
    4. 次の例に示すように、USER_MEM_ARGS設定を追加します。

      UNIXの場合:

      # IF USER_MEM_ARGS the environment variable is set, use it to override ALL MEM_ARGS values 
      
      # Added for OAM 11.1.2.3 upgrade 
      USER_MEM_ARGS="-Xms4096m -Xmx4096m -XX:MaxPermSize=512m" 
      export USER_MEM_ARGS 
      
      if [ "${USER_MEM_ARGS}" != "" ] ; then 
      MEM_ARGS="${USER_MEM_ARGS}" 
      export MEM_ARGS 
      fi 
      

      Windowsの場合:

      @REM IF USER_MEM_ARGS the environment variable is set, use it to override ALL MEM_ARGS values 
      
      @REM Added for OAM 11.1.2.3 upgrade 
      set USER_MEM_ARGS=-Xms4096m -Xmx4096m -XX:MaxPermSize=512m 
      
      if NOT "%USER_MEM_ARGS%"=="" ( 
      set MEM_ARGS=%USER_MEM_ARGS% 
      ) 
      
    5. ファイルに対する変更を保存します。

    WebLogic管理コンソールを使用してメモリーを更新するには、次の手順を実行します。

    1. 次のURLを使用してWebLogic管理コンソールにログインします。

      http://host:port/console

    2. 左側のナビゲーション・ペインの「サーバー」をクリックします。

    3. OAMサーバーを選択します。

    4. 「サーバーの起動」タブに移動します。

    5. 「引数」をクリックします。

    6. OAMサーバーのJVM引数の値を設定します。次に例を示します。

      -Xms4096m -Xmx4096m

    7. 変更を保存します。

    Oracle Identity and Access Managementのメモリー要件の詳細は、11gリリース2 (11.1.2)のOracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementのシステム要件と仕様のOracle Fusion MiddlewareおよびOracle Identity and Access Managementのメモリーおよびスペース要件に関する項を参照してください。

  • WebLogic管理サーバーおよびAccess Manager管理対象サーバーを停止します。サーバーの停止の詳細は、第24.1.9項「サーバーの停止」を参照してください。

  • アップグレードを進める前に次のものをバックアップします。

    • MW_HOMEディレクトリ(ミドルウェア・ホーム内のOracleホーム・ディレクトリを含む)

    • ドメイン・ホーム・ディレクトリ

    • Oracle Access Managerスキーマ

    • MDSスキーマ

    • 監査スキーマおよびその他の依存スキーマ

    • Oracle Recovery Manager (RMAN)を使用するデータベース・インスタンス。データベース・インスタンスをリポジトリ・データベース・バックアップとしてバックアップする詳細は、『Fusion Middleware管理者ガイド』バックアップ計画の概要に関する項を参照してください。

ミドルウェア・ホームおよびスキーマのバックアップの詳細は、第24.1.2項「既存の環境のバックアップ」を参照してください。

8.3 Oracleホームのアップグレード

この項では、既存のOracleホームをアップグレードする際に実行するタスクについて説明します。

この項には次のトピックが含まれます:

8.3.1 Oracle WebLogic Serverの10.3.6へのアップグレード

Oracle Identity and Access Management 11.1.2.3.0は、Oracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.6)で動作することが保証されています。したがって、既存のOracle Access Management環境でOracle WebLogic Server 10.3.5以下のバージョンを使用している場合、Oracle WebLogic Serverを10.3.6にアップグレードする必要があります。

Oracle WebLogic Serverのアップグレードの詳細は、第24.1.5項「Oracle WebLogic Serverの11gリリース1 (10.3.6)へのアップグレード」を参照してください。

8.3.2 Oracle WebLogic Serverの必須パッチの適用

Oracle WebLogic Server 10.3.6の特定の問題を解決するために必須パッチを適用します。

Oracle WebLogic Server 10.3.6に適用する必要がある必須パッチを特定するには、『Oracle Fusion Middleware Infrastructureリリース・ノート』の必須パッチのダウンロードと適用に関する項を参照してください。

リリース・ノートにリストされているパッチはMy Oracle Supportで入手できます。パッチ適用手順は、各パッチに付属するREADME.txtファイルに記載されています。

8.3.3 Oracle Access Managementバイナリの11.1.2.3.0へのアップグレード

Oracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2.3.0)インストーラを使用して、Oracle Access Managementバイナリをアップグレードします。この手順では、ミドルウェア・ホームが既存の11.1.1.x.x Oracle Access Managementミドルウェア・ホームを指すようにします。


注意:

Oracle Access Managementバイナリを11gリリース2 (11.1.2.3.0)にアップグレードする前に、ORACLE_HOMEおよびMW_HOME/oracle_commonでOPatchのバージョンが11.1.0.10.3であることを確認してください。別のバージョンのOPatchでは、パッチ適用が失敗する場合があります。opatchをこれより新しいバージョンにアップグレード済である場合は、バージョン11.1.0.10.3にロール・バックする必要があります。

Oracle Access ManagementバイナリのOracle Access Management Access Manager 11.1.2.3.0へのアップグレードの詳細は、第24.1.6項「Oracle Identity and Access Managementバイナリの11gリリース2 (11.1.2.3.0)への更新」を参照してください。

8.4 OMSMスキーマの作成

Oracle Mobile Security Suite (OMSS)をアップグレード後に構成する場合は、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU) 11.1.1.9.0を使用してOracleモバイル・セキュリティ・マネージャ(OMSM)スキーマを作成する必要があります。

リポジトリ作成ユーティリティの実行を使用したスキーマの作成の詳細は、第24.1.3項「リポジトリ作成ユーティリティを使用したデータベース・スキーマの作成」を参照してください。

8.5 データベース・スキーマのアップグレード

Oracle Access Managementバイナリを11.1.2.3.0にアップグレードした後で、パッチ・セット・アシスタント(PSA)を実行して次のスキーマをアップグレードする必要があります。

  • Oracle Access Manager (OAM)スキーマ

  • Oracle Platform Security Services(OPSS)スキーマ

  • 監査サービス(IAU)スキーマ

  • Oracle Metadata Services (MDS)スキーマ

PSAを実行してスキーマをアップグレードする場合、Oracle Access Manager (OAM)スキーマを選択します。これにより、Oracle Platform Security Services (OPSS)スキーマと監査サービス(IAU)スキーマが自動的に選択されます。これらのスキーマをアップグレードした後で、PSAを再度実行してOracle Metadata Services (MDS)スキーマをアップグレードします。


注意:

Oracle Mobile Security Suite (OMSS)には、Oracle Metadata Services (MDS)スキーマが必要です。したがって、アップグレード後にOracle Mobile Security Suite (OMSS)を構成するには、Oracle Metadata Services (MDS)スキーマをアップグレードする必要があります。

パッチ・セット・アシスタントを使用したスキーマのアップグレードの詳細は、第24.1.4「パッチ・セット・アシスタントを使用したスキーマのアップグレード」を参照してください。

8.6 Oracle Platform Security Servicesのアップグレード

スキーマをアップグレードした後、Oracle Platform Security Services (OPSS)をアップグレードすることをお薦めします。

Oracle Platform Security Servicesをアップグレードするには、Oracle Access Managerの構成ストアとポリシー・ストアを11.1.2.3.0にアップグレードする必要があります。ここでは、jps-config.xmlファイルとポリシー・ストアがアップグレードされます。

Oracle Platform Security Servicesのアップグレードの詳細は、第24.1.7項「Oracle Platform Security Servicesのアップグレード」を参照してください。

8.7 変更されたシステムMBean構成のコピー

Oracle Access Management 11.1.2からOracle Access Management 11.1.2.3.0にアップグレードする場合は、Access Managerのバイナリを11.1.2.3.0に更新した後、変更されたシステムまたはドメインのMBean構成をOAM_ORACLE_HOMEからDOMAIN_HOMEにコピーする必要があります。


注意:

Oracle Access Management 11.1.2.2.0または11.1.2.1.0を11.1.2.3.0にアップグレードする場合は、この項をスキップします。

これを行うには、次の手順を実行します:

  1. $ORACLE_HOME/common/binの場所から次のコマンドを実行して、WebLogic Scripting Tool (WLST)を起動します。

    UNIXの場合: wlst.sh

    Windowsの場合: wlst.cmd

  2. 次のコマンドを実行します。

    copyMbeanXmlFiles('DOMAIN_HOME','OAM_ORACLE_HOME')

    このコマンドで、DOMAIN_HOMEはAccess Manager WebLogicドメインへの絶対パス、OAM_ORACLE_HOMEはOAM Oracleホームへの絶対パスです。2番目のパラメータOAM_ORACLE_HOMEはオプションです。

    次に例を示します。

    UNIXの場合:

    copyMbeanXmlFiles('/Oracle/Middleware/user_projects/domains/base_domain','/Oracle/Middleware/Oracle_IDM1')

    Windowsの場合:

    copyMbeanXmlFiles('C:\\Oracle\\Middleware\\user_projects\domains\\base_domain','C:\\Oracle\\Middleware\\Oracle_IDM1')

  3. 変更されたシステムまたはドメインのMBean構成が正常にコピーされると、次のステータスがコマンド行に表示されます。

    STATUS: SUCCESS 
    The mbean xml files have been upgraded to new version. 
    The original mbean xml is saved in "<domain_directory>/output/upgrade". 
    Please restart the admin and oam servers. 
    

    STATUSSUCCESSと表示されている場合は、WebLogic管理サーバーおよびAccess Manager管理対象サーバーを起動します。

    サーバーの起動の詳細は、第24.1.8項「サーバーの起動」を参照してください。

8.8 coherence#3.7.1.1ライブラリのアンデプロイ

coherence#3.7.1.1ライブラリはAccess Manager 11.1.2.3.0に付属していないため、システム構成をアップグレードした後でアンデプロイする必要があります。coherence#3.7.1.1ライブラリは、WLSTコマンドundeploy()を実行するか、WebLogic管理コンソールを使用してアンデプロイできます。


注意:

このライブラリを参照するアプリケーションのデプロイメントは、ライブラリをアンデプロイする前に停止し、削除する必要があります。

このライブラリを参照するアプリケーションのリストについては、WebLogic管理コンソールにログインし、「ドメイン構造」「デプロイメント」に移動し、「coherence(3.7.1.1,3.7.1.1)」をクリックし、「概要」タブに移動します。このライブラリを参照するアプリケーションは、ページの下部に表示されます。


WLSTコマンドを使用してcoherence#3.7.1.1ライブラリをアンデプロイするには、次の手順を実行します。

  1. まだ起動していない場合は、WebLogic管理サーバーとAccess Manager管理対象サーバーを起動します。

    サーバーを起動する方法の詳細は、第24.1.8項「サーバーの起動」を参照してください。

  2. ORACLE_HOME/common/binから次のコマンドを実行して、WebLogic Scripting Tool (WLST)を起動します。

    UNIXの場合: ./wlst.sh

    Windowsの場合: wlst.cmd

  3. 次のコマンドを実行して、WebLogic管理サーバーに接続します。

    connect('wls_admin_username','wls_admin_password','t3://hostname:port')

    このコマンドでは、次のように指定します。

    wls_admin_usernameは、WebLogic管理サーバーへの接続に使用するユーザー名です。

    wls_admin_passwordは、WebLogic管理サーバーへの接続に使用するパスワードです。

    hostnameは、WebLogic管理サーバーが実行されているホストです。

    portは、WebLogic管理サーバーのポートです。

  4. 次のコマンドを実行して、coherence#3.7.1.1ライブラリをアンデプロイします。

    undeploy('coherence#3.7.1.1@3.7.1.1')

WebLogic管理コンソールを使用してcoherence#3.7.1.1ライブラリをアンデプロイするには、次の手順を実行します。

  1. 次のURLを使用してWebLogic管理コンソールにログインします。

    http://host:port/console

  2. 管理コンソールの「チェンジ・センター」で、「ロックして編集」をクリックします。

  3. 左のナビゲーション・ペインで「ドメイン構造」「デプロイメント」をクリックします。

  4. coherence(3.7.1.1,3.7.1.1)ライブラリを選択し、「削除」をクリックします。

  5. 「変更のアクティブ化」をクリックします。


注意:

サーバーを再起動する前に、coherenceをアップグレードした後にoam_serverサーバーおよびoam_adminサーバーを追加します。

8.9 サーバーの再起動

WebLogic管理サーバーおよびAccess Manager管理対象サーバーを再起動します。

サーバーの停止の詳細は、第24.1.9項「サーバーの停止」を参照してください。

サーバーの起動の詳細は、第24.1.8項「サーバーの起動」を参照してください。

8.10 システム構成のアップグレード

Oracle Access Management 11.1.2.3.0機能が動作するためには、管理サーバーをホストしているマシンでupgradeConfig()ユーティリティを実行する必要があります。このユーティリティは、Oracle Access Managementのシステム構成とポリシー・ストアを11.1.2.3.0にアップグレードします。


注意:

Oracle Access Management 11.1.2.1.0を11.1.2.3.0にアップグレードする場合は、upgradeConfig.shコマンドを実行する前に次の手順を実行する必要があります。
  1. ディレクトリORACLE_HOME/common/script_handlersに移動します。

  2. 次のコマンドを実行して、すべての.classファイルを削除します。

    rm *.class


Oracle Access Managementのシステム構成をアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. WebLogic管理サーバーおよびAccess Manager管理対象サーバーを停止します。詳細は、第24.1.9項「サーバーの停止」を参照してください。

  2. upgradeConfigコマンドは、IPv4スタックを使用して実行する必要があります。したがって、ORACLE_HOME/common/binにあるwlst.shファイル(UNIXの場合)またはwlst.cmdファイル(Windowsの場合)に次のプロパティを追加する必要があります。

    -Djava.net.preferIPv4Stack=true

    これを行うには、テキスト・エディタでwlst.shまたはwlst.cmdファイルを開き、プロパティを追加し、ファイルを保存します。

  3. 次のコマンドを実行して、ORACLE_HOME/common/binからWebLogic Scripting Tool (WLST)を起動します。

    UNIXの場合: ./wlst.sh

    Windowsの場合: wlst.cmd

  4. アップグレードの問題が発生した場合の確認のために、upgradeConfig()コマンドを実行する前に、upgradeConfigコマンドの出力がログ・ファイルに取得されていることを確認します。これを行うには、次のコマンドを実行します。

    redirect('outputFile')

    このコマンドで、outpufFileはログ・ファイルの名前です。

    次に例を示します。

    redirect('wlst.log')

  5. 次のコマンドをオフライン・モードで実行します。

    upgradeConfig("domain_home", "sysdbaUser", "sysdbaPwd", "oamSchemaOwner", "oamdbJdbcUrl")

    このコマンドでは、次のように指定します。

    • domain_homeは、Oracle Access Management WebLogicドメインへの絶対パスです。

    • sysdbauserは、sysdba権限を持つデータベース・ユーザー名です。

    • sysdbapwdは、sysdba権限を持つデータベース・ユーザーのパスワードです。

    • oamSchemaOwnerは、OAMスキーマのデータベース・ユーザー名です。

    • oamdbjdbcUrlは、Access Managerデータベースに接続するためのJDBC URLです。JDBC URLは、"jdbc:oracle:thin:@<server_host>:<server_port>/<service_name>"という形式で指定されている必要があります。

    次に例を示します。

    UNIXの場合:

    upgradeConfig("/Oracle/Middleware/user_projects/domains/base_domain", "sys", "pwd", "PREFIX_OAM", "jdbc:oracle:thin:@localhost:1521/orcl")

    Windowsの場合:

    upgradeConfig("C:\\Oracle\\Middleware\\user_projects\\domains\\base_domain", "sys", "pwd", "PREFIX_OAM", "jdbc:oracle:thin:@localhost:1521/orcl")

8.11 Mobile Security Suiteおよびポリシー・マネージャを含めるためのOracle Access Managementドメインの拡張

Oracle Mobile Security Suiteおよびポリシー・マネージャを含むようにOracle Access Managementドメインを拡張します。Oracle Mobile Security Suiteの機能の使用はオプションです。ただし、この手順を実行してPolicy Managerを有効にする必要があります。

詳細は、第24.3.1項「Mobile Security Suiteおよびポリシー・マネージャを含めるための11.1.2.3.0 Access Managerドメインの拡張」を参照してください。

8.12 サーバーの起動

サーバーを起動する前に、DOMAIN_HOME/config/fmwconfigディレクトリからバックアップした.oamkeystoreファイルをリストアしてからアップグレードを起動します。

WebLogic管理サーバー、Oracle Access Management Access Manager管理対象サーバーおよびOMSSサーバーを起動します。

サーバーを起動する方法の詳細は、第24.1.8項「サーバーの起動」を参照してください。

8.13 アップグレード後に必要なタスクの実行

この項では、Oracle Access Management 11.1.2.3.0の機能を有効にするために必要なアップグレード後タスクについて説明します。このタスクは任意で実行します。

この項には次のトピックが含まれます:

8.13.1 オプション: Oracle Mobile Security Suiteの有効化

Oracle Mobile Security Suiteの機能を使用する場合は、Oracle Mobile Security SuiteコンポーネントでOracle Access Managementドメインを拡張した後で、Oracle Mobile Security Suiteを有効にする必要があります。

詳細は、第24.3.2項「Oracle Mobile Security Suiteの有効化」を参照してください。

8.13.2 オプション: Oracle Access Management Mobile and Serviceのアップグレード

Oracle Access Management Mobile and Serviceのソーシャル・アイデンティティ機能を使用している場合は、msUpgrade()コマンドを実行して、ソーシャル・アイデンティティ構成を更新する必要があります。これを行うには、次の手順を実行します:

  1. $ORACLE_HOME/common/binの場所から次のコマンドを実行して、WebLogic Scripting Tool (WLST)を起動します。

    UNIXの場合: ./wlst.sh

    Windowsの場合: wlst.cmd

  2. 次のコマンドを実行して、ソーシャル・アイデンティティ構成を更新します。

    msUpgrade()

8.13.3 オプション: Oracle Access Management Identity Federationのアップグレード

Oracle Access Management Identity Federationを構成した場合は、Oracle Access Management Identity Federationを11.1.2.3.0にアップグレードする必要があります。

Oracle Access Management Identity Federationの11.1.2.3.0へのアップグレードの詳細は、第24.3.3項「Oracle Access Management Identity FederationおよびOracle Access Managementセキュリティ・トークン・サービスのアップグレード」を参照してください。

8.13.4 管理者への必要なロールの割当て

ロール条件をIDM管理者「管理者」またはOAM管理者に設定することで、グローバル・ロール「管理」に必要なロールを割り当てます。

グローバル・セキュリティ・ロールの作成および管理の詳細は、11gリリース1 (10.3.6)の『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Administration Consoleオンラインヘルプ』のグローバル・セキュリティ・ロールの作成に関する項を参照してください。

8.14 Oracle Access Managementのアップグレードの確認

Oracle Access Management管理コンソール11gリリース2 (11.1.2.3.0)にアクセスすることで、Oracle Access Managementのアップグレードを確認します。

Oracle Mobile Security Suite (OMSS)を有効にし、OMSSの機能を使用する場合は、次のURLを使用して、Oracle Access Management管理コンソールにアクセスします。

http://<oam_admin_server_host>:<oam_admin_server_port>/access

Oracle Mobile Security Suite (OMSS)を有効にしていない場合は、次のURLを使用して、Oracle Access Management管理コンソールにアクセスします。

http://<oam_admin_server_host>:<oam_admin_server_port>/oamconsole

8.15 トラブルシューティング

Oracle Access Managementのアップグレード・プロセス中に発生する可能性のある一般的な問題のリストは、第25.2項「Oracle Access Managementのアップグレードの問題のトラブルシューティング」を参照してください。

アップグレードに関連する既知の問題とその回避策のリストは、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementリリース・ノート』のOracle Identity and Access Managementのアップグレードおよび移行の問題に関する項を参照してください。