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Oracle® Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementアップグレード・ガイド
11gリリース2 (11.1.2.3.0)
E69899-05
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9 Oracle Adaptive Access Manager 11gリリース2 (11.1.2.x.x)環境のアップグレード

この章では、手動アップグレード手順を使用して、Oracle WebLogic Server上のOracle Adaptive Access Manager 11gリリース2 (11.1.2.1.0)および11gリリース2 (11.1.2)環境をOracle Adaptive Access Manager 11gリリース2 (11.1.2.3.0)にアップグレードする方法を説明します。


注意:

既存のOracle Identity and Access Management環境がライフ・サイクル管理(LCM)ツールを使用してデプロイされた場合は、自動アップグレード手順を使用してOracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2.3.0)にアップグレードする必要があります。

自動アップグレード手順、サポートされる開始ポイントおよびトポロジの詳細は、第2章「Oracle Identity and Access Managementの自動アップグレードの理解」を参照してください。



注意:

この章では、Oracle Adaptive Access Manager 11gリリース2 (11.1.2)環境および11gリリース2 (11.1.2.1.0)環境を、11.1.2.x.xと呼びます。

この章では、次の項目について説明します。

9.1 Oracle Adaptive Access Managerのアップグレード手順


注意:

次のタスク表に記載されている手順を正確に実行しなかった場合、Oracle Adaptive Access Managerを正常にアップグレードできない可能性があります。

表9-1に、Oracle Adaptive Access Managerのアップグレード手順を示します。

表9-1 Oracle Adaptive Access Manager 11.1.2.x.xから11.1.2.3.0へのアップグレード手順

Sl番号 タスク 詳細の参照先

1

アップグレード・プロセスを開始する前に必要なアップグレード前タスクを実行します。

「アップグレード前に必要なタスクの実行」を参照

2

アップグレード・プロセスを開始する前に、WebLogic管理サーバーおよびOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーを停止します。

「管理サーバーおよび管理対象サーバーの停止」を参照してください。

3

既存のOracle Adaptive Access Manager 11.1.2.x.x環境をバックアップします。

「Oracle Adaptive Access Manager 11.1.2.x.xのバックアップ」を参照してください。

4

必要に応じて、Oracle WebLogic Serverを10.3.6にアップグレードします。

「オプション: Oracle WebLogic Serverのアップグレード」を参照してください。

5

Oracle Adaptive Access Manager 11.1.2.x.xのバイナリを11.1.2.3.0に更新します。

「Oracle Adaptive Access Managerバイナリの11.1.2.3.0への更新」を参照してください。

6

パッチ・セット・アシスタントを使用して、OAAM、MDS、IAUおよびOPSSスキーマをアップグレードします。

「OAAM、MDS、IAUおよびOPSSスキーマのアップグレード」を参照してください。

7

Oracle Platform Security Servicesをアップグレードします。

「Oracle Platform Security Servicesのアップグレード」を参照してください。

8

WebLogic管理サーバーおよびOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーを起動します。

「サーバーの起動」を参照してください。

9

Oracle Adaptive Access Manager 11.1.2から11.1.2.3.0にアップグレードする場合は、サーバーを起動した後にアプリケーションを再デプロイする必要があります。

「Oracle Adaptive Access Managerアプリケーションの再デプロイ」を参照してください

10

WebLogic管理サーバーおよびOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーを再起動します。

「サーバーの再起動」を参照してください。

11

Oracle Adaptive Access Managerのアップグレードを確認します。

「Oracle Adaptive Access Managerのアップグレードの確認」を参照してください


9.2 アップグレード前に必要なタスクの実行

アップグレードを開始する前に、次の前提条件を満たす必要があります。

9.3 管理サーバーと管理対象サーバーの停止

このアップグレード・プロセスには、バイナリおよびスキーマへの変更が含まれます。したがって、アップグレード・プロセスを開始する前に、WebLogic管理サーバーおよびOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーを停止する必要があります。

WebLogic管理サーバーおよび管理対象サーバーの停止の詳細は、第24.1.9項「サーバーの停止」を参照してください。

9.4 Oracle Adaptive Access Manager 11.1.2.x.xのバックアップ

Oracle Adaptive Access Manager 11.1.2.3.0にアップグレードする前に、Oracle Adaptive Access Manager 11.1.2.x.x環境をバックアップする必要があります。

サーバーを停止した後に、次をバックアップする必要があります。

  • MW_HOMEディレクトリ(ミドルウェア・ホーム内のOracleホーム・ディレクトリを含む)

  • Oracle Adaptive Access Managerドメイン・ホーム・ディレクトリ

  • Oracle Adaptive Access Managerスキーマ

  • IAUスキーマ(Oracle Adaptive Access Manager 11.1.2.x.xスキーマに含まれる場合)

  • MDSスキーマ

ミドルウェア・ホームおよびスキーマのバックアップの詳細は、第24.1.2項「既存の環境のバックアップ」を参照してください。

9.5 オプション: Oracle WebLogic Serverのアップグレード

Oracle Identity and Access Management 11.1.2.3.0は、Oracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.6)で動作することが保証されています。したがって、既存のOracle Adaptive Access Manager環境でOracle WebLogic Server 10.3.5以下のバージョンを使用している場合、Oracle WebLogic Serverを10.3.6にアップグレードする必要があります。


注意:

Oracle WebLogic Server 10.3.6をすでに使用している場合は、必須パッチを適用して、Oracle WebLogic Server 10.3.6の特定の問題を解決してください。

Oracle WebLogic Server 10.3.6に適用する必要がある必須パッチを特定するには、『Oracle Fusion Middleware Infrastructureリリース・ノート』の必須パッチのダウンロードと適用に関する項を参照してください。

リリース・ノートにリストされているパッチはMy Oracle Supportで入手できます。パッチ適用手順は、各パッチに付属するREADME.txtファイルに記載されています。


Oracle WebLogic Serverの10.3.6へのアップグレードの詳細は、第24.1.5項「Oracle WebLogic Serverの11gリリース1 (10.3.6)へのアップグレード」を参照してください。

9.6 Oracle Adaptive Access Managerバイナリの11.1.2.3.0への更新

Oracle Adaptive Access Manager 11.1.2.x.xのバイナリを11.1.2.3.0に更新するには、Oracle Identity and Access Management 11.1.2.3.0インストーラを使用する必要があります。この手順の間は、ミドルウェア・ホームを既存の11.1.2.x.xミドルウェア・ホームに向けます。Oracleホームは11.1.2.x.xから11.1.2.3.0にアップグレードされます。

Oracle Adaptive Access Managerバイナリの11.1.2.3.0への更新の詳細は、第24.1.6項「Oracle Identity and Access Managementバイナリの11gリリース2 (11.1.2.3.0)への更新」を参照してください。

9.7 OAAM、MDS、IAUおよびOPSSスキーマのアップグレード

パッチ・セット・アシスタントを使用して、次のスキーマをアップグレードする必要があります。

  • OAAMスキーマ

  • MDSスキーマ

  • OPSSスキーマ

  • IAUスキーマ(監査スキーマ(IAU)は、11.1.2.x.xスキーマの一部である場合にのみアップグレードする必要があります)


注意:

パッチ・セット・アシスタントを使用してスキーマをアップグレードする場合、アップグレードを完了するには、必要に応じてOAAMまたはOAAM_PARTNを選択し、すべての画面で詳細を指定する必要があります。

パッチ・セット・アシスタントを使用したスキーマのアップグレードの詳細は、第24.1.4「パッチ・セット・アシスタントを使用したスキーマのアップグレード」を参照してください。

9.8 Oracle Platform Security Servicesのアップグレード

スキーマをアップグレードした後、Oracle Platform Security Services (OPSS)をアップグレードする必要があります。

Oracle Platform Security Servicesをアップグレードするには、Oracle Adaptive Access Managerの構成ストアとポリシー・ストアを11.1.2.3.0にアップグレードする必要があります。ここでは、jps-config.xmlファイルとポリシー・ストアがアップグレードされます。

Oracle Platform Security Servicesのアップグレードの詳細は、第24.1.7項「Oracle Platform Security Servicesのアップグレード」を参照してください。

9.9 サーバーの起動

WebLogic管理サーバーおよびOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーを起動します。

WebLogic管理サーバーおよび管理対象サーバーの起動の詳細は、第24.1.8項「サーバーの起動」を参照してください。

9.10 Oracle Adaptive Access Managerアプリケーションの再デプロイ

サーバーの起動後に、Oracle Adaptive Access Manager 11.1.2.3.0サーバー上にOracle Adaptive Access Managerアプリケーションを再デプロイする必要があります。

コマンド行またはWebLogic管理コンソールを使用して、アプリケーションを再デプロイできます。次の項のいずれかで説明されている手順を実行して、アプリケーションを再デプロイします。

コマンド行を使用したアプリケーションの再デプロイ

コマンド行を使用してOracle Adaptive Access Manager 11.1.2.3.0サーバー上にアプリケーションを再デプロイするには、次の手順を実行します。

  1. IAM_HOME/common/binから次のコマンドを実行して、WebLogic Scripting Tool (WLST)を起動します。

    UNIXの場合: ./wlst.sh

    Windowsの場合: wlst.cmd

  2. 次のコマンドを使用して管理サーバーに接続します。

    connect('weblogic-username','weblogic-password','weblogic-url')

    次に例を示します。

    connect('wlsuser','wlspassword','localhost:7001')

  3. 次のコマンドを実行してアプリケーションを停止します。

    • stopApplication('oaam_admin')

    • stopApplication('oaam_server')


    注意:

    設定にOracle Adaptive Access Managerオフライン・サーバーが含まれている場合は、stopApplication()コマンドを実行して'oaam_offline'も停止します。

  4. 次のコマンドを実行してアプリケーションを再デプロイします。

    • redeploy('oracle.oaam.extensions')

    • redeploy('oaam_admin')

    • redeploy('oaam_server')


    注意:

    設定にOracle Adaptive Access Managerオフライン・サーバーが含まれている場合は、redeploy()コマンドを実行して'oaam_offline'上にもアプリケーションを再デプロイします。

  5. 次のコマンドを実行してアプリケーションを起動します。

    • startApplication('oaam_admin')

    • startApplication('oaam_server')


    注意:

    設定にOracle Adaptive Access Managerオフライン・サーバーが含まれている場合は、startApplication()コマンドを実行して'oaam_offline'も停止します。

  6. exit()コマンドを使用してWLSTコンソールを終了します。

redeployコマンドの使用方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のredeployに関する項を参照してください。

WebLogic管理コンソールを使用したアプリケーションの再デプロイ

WebLogic管理コンソールを使用してOracle Adaptive Access Manager 11.1.2.3.0サーバー上にアプリケーションを再デプロイするには、次の手順を実行します。

  1. 次のURLを使用してWebLogic管理コンソールにログインします。

    http://admin_host:admin_port/console

  2. 「デプロイメント」タブに移動します。

  3. 左側のパネルにあるロックして編集をクリックします。

  4. oaam_adminおよびoaam_serverアプリケーションを停止します。oaam_offlineが環境で使用可能な場合は、これも停止します。

  5. 「oaam_extension_library」を選択します。

  6. 「更新」をクリックします。

  7. コンソールに、.earファイルの場所が表示されます。表示された場所がデプロイする.earファイルの場所として適切かどうかを確認し、正しくない場合は場所を変更します。

  8. 「終了」をクリックします。

  9. デプロイメントが完了したら、「構成の解放」をクリックします。

  10. 必要に応じて、OAAM_ADMINOAAM_SERVERおよびOAAM_OFFLINEについてもこの手順を繰り返します。

9.11 サーバーの再起動

アプリケーションの再デプロイ後に、WebLogic管理サーバーおよびOracle Adaptive Access Manager管理対象サーバーを再起動します。


注意:

アプリケーションの再デプロイ後に、サーバーを初めて停止したときに、次の例外が表示されることがあります。
<Error> <oracle.oaam> <BEA-000000> <Exception writing monitor data: 
java.lang.IllegalStateException: Attempting to execute an operation on a closed EntityManagerFactory. at 
org.eclipse.persistence.internal.jpa.EntityManagerFactoryDelegate.verifyOpen(EntityManagerFactoryDelegate.java:305) at 
org.eclipse.persistence.internal.jpa.EntityManagerFactoryDelegate.createEntity ManagerImpl(EntityManagerFactoryDelegate.java:276) at 
org.eclipse.persistence.internal.jpa.EntityManagerFactoryImpl.createEntityManagerImpl(EntityManagerFactoryImpl.java:294) at 
org.eclipse.persistence.internal.jpa.EntityManagerFactoryImpl.createEntityManager(EntityManagerFactoryImpl.java:272) at 
com.bharosa.common.toplink.TopLink11gDBMgr.createSession(TopLink11gDBMgr.java: 313) at 
com.bharosa.common.db.BharosaDBMgr.beginSession(BharosaDBMgr.java:166) at 
com.bharosa.common.dataaccess.DataAccessMgr.beginSession(DataAccessMgr.java:95) at 
java.lang.Thread.run(Thread.java:662) > 
<Nov 24, 2014 2:43:22 AM PST> <Error> <oracle.oaam> <BEA-000000> <Session not found in endSession for database default. 
This is not okay. refCount=null java.lang.Throwable at 
com.bharosa.common.db.BharosaDBMgr.endSession(BharosaDBMgr.java:245) at 
com.bharosa.common.dataaccess.DataAccessMgr.endSession(DataAccessMgr.java:137) at
com.bharosa.common.monitoring.Monitor.run(Monitor.java:113) at java.lang.Thread.run(Thread.java:662) > 

これは1回のみの例外であり、アップグレード後にサーバーを初めて停止したときに表示されます。この例外は無視できます。


サーバーの停止の詳細は、第24.1.9項「サーバーの停止」を参照してください。

サーバーの起動の詳細は、第24.1.8項「サーバーの起動」を参照してください。

9.12 Oracle Adaptive Access Managerのアップグレードの確認

Oracle Adaptive Access Managerのアップグレードを確認するには、次の手順を実行します。

  • MW_HOME/oracle_common/upgrade/logsの場所にあるログ・ファイルを確認して、アップグレードが成功したことを確認します。

  • OAAM_schema_userとしてOAAMスキーマに接続し、次の問合せを実行して、OAAMスキーマのバージョンを確認します。

    select version,status,upgraded from schema_version_registry where owner=<OAAM_SCHEMA_NAME>;

    バージョン番号が11.1.2.3.0であることを確認します。

  • 次のURLを使用して、OAAM管理コンソールにログインします。

    http://oaam.example.com:<admin_port>/oaam_admin

    Oracle Adaptive Access Managerのバージョン番号が11.1.2.3.0であるかどうかを確認します。

9.13 トラブルシューティング

アップグレードに関連する既知の問題とその回避策のリストは、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementリリース・ノート』のOracle Identity and Access Managementのアップグレードおよび移行の問題に関する項を参照してください。