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Oracle® Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementデプロイメント・ガイド
11gリリース2 (11.1.2.3.0)
E61954-03
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A IAMデプロイメント再実行の前に環境をクリーンアップする

runIAMDeployment.shコマンドを使用してOracle Identity and Access Managementをデプロイする場合は、次のステージを開始する前にトポロジの各ステージを完了する必要があります。あるステージに失敗すると、クリーンアップを行ってもう一度やり直す必要があります。この章では、クリーンアップおよびリカバリ・タスクの実行方法を説明します。

この項の内容は次のとおりです。

A.1 クリーンアップおよびリストア機能について

デプロイメントに失敗した場合は、失敗が発生したフェーズの名前をメモし、ログを確認して原因を判断します。

クリーンアップの準備ができ、別のデプロイメントを試行する場合は、次のいずれかを行います。

  • デプロイメントが事前構成またはインストール・フェーズで失敗した場合、クリーンアップおよびリストアを使用して環境をクリーンアップし、デプロイメントを最初から再び開始できるようにします。

  • 事前構成ステージと検証ステージの間でデプロイメントが失敗した場合は、クリーンアップおよびリストア機能を使用して、環境をクリーンアップしてインストール後ステージに戻します。

たとえば、事後構成ステージでデプロイメントが失敗した場合、「クリーンアップおよびリストア」オプションを使用して、インストール・ステージが正常に完了した後に行った変更をクリーンアップできます。

クリーンアップおよびリストアを実行するには、コマンド行デプロイメント・ツールまたはデプロイメント・ウィザードを使用します。

A.1.1 クリーンアップおよびリストアの影響を受けるディレクトリ

クリーンアップおよびリストアを使用すると、ライフサイクル管理ストアの場所(LCM_STORE)ディレクトリから次のディレクトリが削除されます。

  • lcmconfig

  • provisioning

  • internal

  • keystores

また、共有構成(IDMTOP/config)ディレクトリから、provisioningディレクトリを除くすべてのコンテンツが削除されます。プロビジョニング・ディレクトリは、クリーンアップおよびリストア機能に必要です。

A.1.2 クリーンアップおよびリストアでデータが保存される場所。

インストール・ステージが正常に完了すると、IDMLCM_HOMEディレクトリ内にバックアップ・ファイルrestore.zipが作成されます。クリーンアップおよびリストアでは、リストア操作中にこのファイルを使用して、削除されたディレクトリをリストアします。

A.1.3 クリーンアップおよびリストアを使用する場合のスキーマの管理について

自動インストーラを使用して必要なスキーマをデータベースに作成した場合、クリーンアップおよびリストアでは製品スキーマが自動的に削除され、再作成されます。

リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)でスキーマを手動で作成した場合は、RCUを使用してスキーマを手動で削除し、再作成する必要があります。

また、スキーマを手動で作成し、OIM、OAMおよびOMSS統合トポロジをデプロイしている場合は、RCUを2回実行して、OIMドメイン用に作成したスキーマを削除してから、もう一度実行してOAMドメイン用に作成したスキーマを削除する必要があります。

A.1.4 コマンド行デプロイメント・ツールを使用したクリーンアップおよびリストアの実行

ここでは、コマンド行デプロイメント・ツールを使用してクリーンアップとリストアを実行する方法を説明します。

事前構成またはインストール・フェーズで障害が発生した場合は、クリーンアップおよびリストア・コマンド行を1回実行して環境をクリーンアップし、デプロイメントを再び最初から試行します。

インストール・フェーズの後で障害が発生した場合は、2つのコマンドを実行する必要があります。最初に「クリーンアップ」コマンドを実行してから、「リストア」コマンドを実行します。「リストア」コマンドでは、環境をインストール後フェーズの状態にリストアします。

A.1.4.1 失敗したデプロイメントのコマンド行を使用したクリーンアップ

クリーンアップを実行するためのコマンド構文は次のとおりです。

IDMLCM_HOME/runIAMDeployment.sh -responseFile response_file_name -target cleanup-failed_phase_name

各項目の意味は次のとおりです。

  • IDMLCM_HOMEは、LCMツールのインストール時に作成したLCM Tool Oracleホームのフルパスで置換します。

    詳細は、第2.5項「デプロイメント・リポジトリおよびLCMツール・ディレクトリ構造について」を参照してください。

  • response_fileは、デプロイメント・レスポンス・ファイルの場所の完全パスで置換します。

    デプロイメント・レスポンス・ファイルを作成するためにウィザードを実行したときに、「サマリー」画面で指定したレスポンス・ファイル名とディレクトリ名です。

  • failed_phase_nameは、前のデプロイメント・セッションで失敗したフェーズの名前です。

クリーンアップおよびリストアで環境をクリーンアップする場合は、次の例をガイドとして使用します。

runIAMDeployment.sh -responseFile IDMLCM_HOME/provisioning/bin/provisioning.rsp -target cleanup-preconfigure

runIAMDeployment.sh -responseFile IDMLCM_HOME/provisioning/bin/provisioning.rsp -target cleanup-configure

runIAMDeployment.sh -responseFile IDMLCM_HOME/provisioning/bin/provisioning.rsp -target cleanup-configure-secondary

runIAMDeployment.sh -responseFile IDMLCM_HOME/provisioning/bin/provisioning.rsp -target cleanup-postconfigure

runIAMDeployment.sh -responseFile IDMLCM_HOME/provisioning/bin/provisioning.rsp -target cleanup-startup

runIAMDeployment.sh -responseFile IDMLCM_HOME/provisioning/bin/provisioning.rsp -target cleanup-validate

A.1.4.2 コマンド行を使用したインストール・フェーズ・コンテンツのリストア

リストアを実行するためのコマンド構文は次のとおりです。

IDMLCM_HOME/runIAMDeployment.sh -responseFile response_file_name -target restore-failed-phase_name

各項目の意味は次のとおりです。

  • IDMLCM_HOMEは、LCMツールのインストール時に作成したLCM Tool Oracleホームのフルパスで置換します。

    詳細は、第2.5項「デプロイメント・リポジトリおよびLCMツール・ディレクトリ構造について」を参照してください。

  • response_fileは、デプロイメント・レスポンス・ファイルの場所の完全パスで置換します。

    デプロイメント・レスポンス・ファイルを作成するためにウィザードを実行したときに、「サマリー」画面で指定したレスポンス・ファイル名とディレクトリ名です。

  • failed-phase_nameは、前のデプロイメント・セッションで失敗したフェーズの名前です。

クリーンアップおよびリストアで環境をリストアする場合は、次の例をガイドとして使用します。

runIAMDeployment.sh -responseFile IDMLCM_HOME/provisioning/bin/provisioning.rsp -target restore-preconfigure

runIAMDeployment.sh -responseFile IDMLCM_HOME/provisioning/bin/provisioning.rsp -target restore-configure

runIAMDeployment.sh -responseFile IDMLCM_HOME/provisioning/bin/provisioning.rsp -target restore-configure-secondary

runIAMDeployment.sh -responseFile IDMLCM_HOME/provisioning/bin/provisioning.rsp -target restore-postconfigure

runIAMDeployment.sh -responseFile IDMLCM_HOME/provisioning/bin/provisioning.rsp -target restore-startup

runIAMDeployment.sh -responseFile IDMLCM_HOME/provisioning/bin/provisioning.rsp -target restore-validate

A.1.5 Identity and Access Managementデプロイメント・ウィザードを使用したクリーンアップおよびリストアの実行

Identity and Access Managementデプロイメント・ウィザードを使用している場合、いずれかのプロビジョニング・フェーズが失敗すると、クリーンアップおよびリストアボタンが使用可能になります。

Identity and Access Managementデプロイメント・ウィザードを使用してクリーンアップおよびリストアを実行する手順:

  1. 「クリーンアップおよびリストア」をクリックします。

    クリーンアップおよびリストアダイアログ・ウィンドウが開き、クリーンアップおよびリストア・プロセスの現在の進行状況が表示されます。

  2. クリーンアップおよびリストアが正常に完了したら、ポップアップ・ダイアログのメッセージを読み、「OK」をクリックして「クリーンアップおよびリストア」ウィンドウを閉じます。

A.2 環境の手動クリーンアップ

何らかの理由でクリーンアップおよびリストア操作に失敗した場合、または別のデプロイメント・サイクルを開始する前にデプロイ済の環境を手動でクリーンアップする場合は、次の手順に従います。

  1. ホストで、すべてのIdentity and Access Managementプロセス、サービスおよびサーバーを停止します。

    事前構成および構成デプロイメント・フェーズを正常に完了した場合は、LCMツールに用意されている開始および停止スクリプトを使用できます。詳細は、第6.2項「自動デプロイメント後のOracle Identity and Access Managementコンポーネントの起動および停止」を参照してください。

    事前構成および構成デプロイメント・フェーズを正常に完了していない場合、すべてのプロセスおよびサーバーを確実に停止する1つの方法は、ホスト・コンピュータを再起動することです。

  2. ホストで、共有構成ディレクトリ(たとえば、IDMTOP/config)のコンテンツを削除します。

  3. ディレクトリLCM_STOREおよびIDMTOPの内容を削除します。

    LCM_STOREは「インストールと構成の場所の選択」画面で指定したライフサイクル管理ストアの場所のディレクトリであり、IDMTOP「ソフトウェア・インストールの場所」のディレクトリです。

    詳細は、第2.5項「デプロイメント・リポジトリおよびLCMツール・ディレクトリ構造について」を参照してください。

  4. RCUを使用してデータベース・スキーマを削除します。

    Oracle Internet Diretory (OID)を使用している場合は、デフォルトでは選択されていないODSスキーマを選択します。この手順を正しく実行しないと、Oracle Identity and Access Managementデプロイメントが次回の実行時に失敗します。

これらの手順を実行した後で、LCMツールを使用して別のデプロイメントを試行できます。