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Oracle® Fusion Middleware Oracle Access Management管理者ガイド
11g リリース2 (11.1.2.3) for All Platforms
E61950-08
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7.2 コンポーネント・イベント・メッセージのロギング

ロギング・インフラストラクチャは、問題診断に使用できるメッセージを記録します。セキュリティ・トークン・サービスはJ2EE Webアプリケーションで、Access Manager J2EEアプリケーションの一部です。どちらもOJDLをロギング目的に使用します。セキュリティ・トークン・サービスでは、パートナとのやり取りをタイムスタンプとともに取得します。管理者は、ロガーの定義対象となる各コンポーネントに対してログ・レベルを指定することにより、メッセージに記録される情報の量を制御します。

一般に、ユーザーは、問題診断のためにOracleテクニカル・サポートへ送るファイルを作成するためにロギングを有効にします。ログ・メッセージに関するドキュメントはありません。場合によっては、ログ・ファイルを参照することによってユーザー自身で問題を診断できることもあります。

Oracle Access Managementでは、表7-1に示すファイルを使用します。

表7-1 ロギング・ファイル

ファイル・タイプ 説明

ロギング構成ファイル

ロギング・レベルとロギングに関するその他の構成情報を提供します。このファイルは次のパスに格納されています。

$DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/SERVER-NAME/logging.xml

ノート: デフォルトでは、セキュリティ・トークン・サービスとIdentity Federationのメッセージは、OAMサーバーのログ・ファイルに記録されます。ただし、便宜上、「セキュリティ・トークン・サービスおよびIdentity Federationのロギングの構成」で説明しているとおり、logging.xmlを編集してセキュリティ・トークン・サービスまたはIdentity Federationの情報を別のログ・ファイルに記録するようにできます。

ログ・ファイル

記録された情報は次の場所に格納されます。

$DOMAIN_HOME/servers/SERVER-NAME/logs/ SERVER-NAME-diagnostics.log

Oracle Access Managementでは、表7-2に示すWebLogicコンテナのロギングのデフォルトを使用します。

表7-2 ロギングのデフォルト

ログのタイプ 説明

イベント

次のイベントは自動的に記録されます。

  • OAMサーバー・イベント(管理されたランタイム・サーバー)

  • 管理イベント(コンソールを使用した構成変更に対して生成)

レベル

デフォルトでは、すべてのOracle Access Managementコンポーネントのログ・レベルが「通知」レベルになっています。「エラー」レベルでのロギングで生成される出力は少量ですが、他のログ・レベルではロギング出力が大量になることがあり、その場合はパフォーマンスに影響します。本番環境では、通常はロギングを無効にするか、ロギング出力量が少くなるようなレベル(たとえばエラー・レベル)に設定します。

詳細は、次を参照してください。

関連項目:

7.2.1 セキュリティ・トークン・サービスとAccess Managerのコンポーネント・ロガー

セキュリティ・トークン・サービスとAccess Managerのコンポーネント・ロガーは異なります。

セキュリティ・トークン・サービスにあるロガーは、oracle.security.fedの1つのみです。詳細は、「セキュリティ・トークン・サービスおよびIdentity Federationのロギングの構成」を参照してください。

次の表に示すように、それぞれのAccess Managerコンポーネントには対応するロガー名が関連付けられています。

表7-3 Oracle Access Managementのサーバー側コンポーネントのロガー

コンポーネント名 OAMロガー名 説明

プロトコル・バインディング

oracle.oam.binding

ワイヤ・プロトコルのリクエストとレスポンスのJavaオブジェクト表現へのマーシャリング/アンマーシャリングを処理します

SSOコントローラ

oracle.oam.controller.sso

ユーザー・セッションのライフサイクル管理と、SSOおよびログアウト・フローの編成を処理します

OAMプロキシ

oracle.oam.proxy.oam

OAPプロトコルのリクエストとレスポンスのマーシャリング/アンマーシャリングによるOAM Webゲートとの相互作用と、OAPリクエスト/レスポンスを処理するOAMサーバーを支援するために必要なデータ/メッセージ変換の実行を処理します

OSSOプロキシ

oracle.oam.proxy.osso

リクエストとレスポンスのマーシャリング/アンマーシャリングによるOSSOエージェントとの相互作用と、mod_ossoリクエスト/レスポンスを処理するOAMサーバーを支援するために必要なデータ/メッセージ変換の実行を処理します

OpenSSOプロキシ

oracle.oam.proxy.opensso

リクエストとレスポンスのマーシャリング/アンマーシャリングによるOpenSSO WebおよびJavaエージェントとの相互作用と、OpenSSOリクエスト/レスポンスを処理するOAMサーバーを支援するために必要なデータ/メッセージ変換の実行を処理します

資格証明コレクタ

oracle.oam.credcollector

認証スキームが要求する必須情報を取得するためのユーザーとの相互作用を処理します

パートナのリモート登録

oracle.oam.engine.remotereg

OAMサーバーへのパートナの登録と、それに関連付けられた保護済ポリシーの管理を処理します

Oracle Access Managementコンソール

oracle.oam.admin.console

Access Managementデプロイメントの管理とモニタリングをサポートするコンソールです

管理サービス構成

oracle.oam.admin.service.config

構成を管理するUIコンソールが使用するモジュールです

診断とモニタリング

oracle.oam.diag

診断とモニタリングを可能にするためにOAMサーバー・コンポーネントが使用するインストゥルメンテーションを提供します

表7-4 Oracle Access Management共有サービス・エンジン・コンポーネントのロガー

コンポーネント名 OAMロガー名 説明

認証エンジン

oracle.oam.engine.authn

指定した認証スキームが要求する資格証明とその他のデータを検証することで、ユーザー・アイデンティティの確立をサポートします

ポリシー・サービス・エンジン

oracle.oam.engine.policy

認証、認可およびトークン発行のポリシー管理をサポートします。さらに、ランタイム処理をサポートするポリシー決定サービスも提供します

セッション管理エンジン

oracle.oam.engine.session

ユーザー/管理者が開始したイベントとタイムアウト・ベースのイベントのサポートがある、ユーザー・セッションとトークン・コンテキスト情報の管理をサポートします

トークン・エンジン

oracle.oam.engine.token

生成から取消しまでのトークンの全ライフ・サイクルの管理をサポートします

SSOエンジン

oracle.oam.engine.sso

ユーザー・ログイン・セッションのライフサイクルを管理することで、シングル・サインオンの操作性をサポートします。

PartnerTrustMetadataエンジン

oracle.oam.engine.ptmetadata

パートナ・メタデータと信頼情報の管理をサポートします

認可エンジン

oracle.oam.engine.authz

OAPランタイム・リクエスト操作に直接マップするメソッドを提供するラッパーです

表7-5 Oracle Access Management Foundation APIコンポーネントのロガー

コンポーネント名 OAMロガー名 説明

セッション・アクセス

oracle.oam.session.access

** コードを逆コンパイルしないかぎり、有用ではありません

セッション・アクセス実行

oracle.oam.session.accessimpl

** コードを逆コンパイルしないかぎり、有用ではありません

ポリシー・アクセス

oracle.oam.policy.access

** コードを逆コンパイルしないかぎり、有用ではありません

7.2.2 サンプルのロガーおよびログ・ハンドラの定義

ここでは、Access Manager専用のサンプルのロガーおよびログ・ハンドラを示します。

セキュリティ・トークン・サービスにあるのは、「セキュリティ・トークン・サービスおよびIdentity Federationのロギングの構成」で説明しているように、ロガーとログ・ハンドラそれぞれ1つずつのみです。

次の例に、logging.xmlファイルでのAccess Managerのロガーとログ・ハンドラの構成を示します。

<logging_configuration>

  <log_handlers>
    <log_handler name='oam-handler' class='oracle.core.ojdl.logging.
    ODLHandlerFactory'>
      <property name='path' value='oam/diagnostic'/>
      <property name='maxFileSize' value='10485760'/>
      <property name='maxLogSize' value='104857600'/>
    </log_handler>
  </log_handlers>

  <loggers>
    <logger name='oracle.security.am' level='NOTIFICATION:1'>
      <handler name='oam-handler'/> 
      ...
    </logger>
  </loggers>

</logging_configuration>

関連項目:

Java EEアプリケーション・ロギングの詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』の付録I、I.1.1項を参照してください。

7.2.3 ロギング・レベルについて

Oracle Access Managementでは、ロガーにより出力されるデータの量はロガーのレベルによって制御され、レベルが高くなるほどより多くの情報が記録されます。

ロガーのレベルは、logging.xmlファイルの中で<logger>要素により、次の書式で指定されます。

<logger name="loggerName" level="notifLevel"/>

ここで、loggerNameはロガー名であり(「セキュリティ・トークン・サービスとAccess Managerのコンポーネント・ロガー」を参照)、notifLevelはODLメッセージ・レベルとJavaメッセージ・レベルのどちらかです。

表7-6に、ODLメッセージ・レベルとJavaメッセージ・レベルの対応を昇順に示します。

表7-6 ODLレベルとJavaレベルの対応

ODLメッセージ・レベル Javaメッセージ・レベル

INCIDENT_ERROR:1

SEVERE.intValue()+100

ERROR:1

SEVERE (例外を記録)

WARNING:1

WARNING (例外を記録)

NOTIFICATION:1

INFO (デフォルト)

NOTIFICATION:16

CONFIG

NOTIFICATION:32

INFOとCONFIG

TRACE:1

FINE(状況によっては本番環境に推奨)

TRACE:16

FINER(本番環境にはお薦めしない)

TRACE:32

FINEST(本番環境にはお薦めしない)

上記に挙げられていない他のJavaレベル値は(つまり、SEVERE.intValue()+100からFINESTまでの範囲にないもの)、ODLレベルのUNKNOWNに相当します。

ノート:

メッセージを最も詳細レベルで記録するフィルタをoracle.security.fedパッケージおよびサブパッケージ(セキュリティ・トークン・サービスのクラス)に定義すると、サーバーを再起動した後でOAMサーバーのログが表示されます。詳細は、「セキュリティ・トークン・サービスおよびIdentity Federationのロギングの構成」を参照してください。