この章では、Oracle Unified Directoryをインストールする前に検討すべき情報を含め、必要な計画について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Unified Directoryまたはその関連製品をインストールする前に、ご使用の環境がインストールする製品の最小要件を満たしているのかどうか、動作保証マトリックスおよびシステム要件を確認してください。次のドキュメントをOracle Technology Network (OTN)から入手できます。
動作保証マトリックスには、サポートされているインストール・タイプ、プラットフォーム、オペレーティング・システム、データベース、JDKおよびサードパーティ製品の情報が記載されています。
このドキュメントを表示する手順:
次の「Oracle Fusion Middleware Supported System Configurations」ページにアクセスします。
http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html
Oracle Identity and Access Management 11g リリース2 (11.1.2.3.0)のシステム要件およびサポート対象プラットフォームまでスクロールします。
xls
リンクをクリックして、動作保証マトリックスを表示します。
『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementパッチ適用ガイド』で、Oracle Fusion Middleware Identity and Access Management 11g Release 2 (11.1.2.3)デプロイメントのパッチ適用の手順が説明されています。
Oracle Unified Directoryのインストール前の考慮事項には、次のものがあります。
Windowsシステムでは、Oracle Unified Directoryソフトウェアのインストールに管理者権限が必要です。
インストーラを実行する前に、システムでDISPLAY
環境変数を設定します。
UNIXおよびLinuxシステムでは、rootユーザーでのインストールはサポートされていません。
Oracle Unified Directoryソフトウェアは、グローバル・ゾーン、フル・ローカル・ゾーンおよびスパース・ゾーンを、独立した物理システムとして扱います。したがって、Oracle Unified DirectoryをどのタイプのSolarisゾーンにインストールしても、独立したシステムへのインストールと同様になります。Oracle Unified Directoryは、サービスまたはファイルの場所を他のゾーンと共有しません。
ヘルス・チェッカは、Oracle Identity and Access Management環境の様々な構成をテストするために実行できるツールです。ヘルス・チェッカは、Oracle Unified Directoryデプロイメントの構成後処理の段階で実行できます。
ヘルス・チェッカにより、ご使用の環境からデータが取得され、そのデータが様々な構成設定の推奨値と比較されます。ヘルス・チェッカでは、チェックされた項目のそれぞれについての詳細な情報を提供するレポートが生成されます。
ヘルス・チェッカの実行方法などの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Management環境の検証を参照してください。
このガイドでは、Oracle Unified Directory用のチェックリストを含め、Oracle Identity and Access Managementのコンポーネントを本番環境にデプロイするための手動のチェックリストを提供します。
Oracle Unified Directoryは、次の3つのモード、つまり役割で機能します。
次の各項では、Oracle Unified Directoryのどのモードを使用すべきか、要件に基づいて説明します。
原則として、サーバーという総称を使用する場合は、ディレクトリ・サーバー、プロキシ・サーバーまたはレプリケーション・ゲートウェイを指します。
ディレクトリ・データを格納するLDAPディレクトリを作成する場合、ディレクトリ・サーバーとしてOracle Unified Directoryを設定します。詳細は、第3章「ディレクトリ・サーバーとしてのOracle Unified Directoryの設定」を参照してください。
Oracle Unified DirectoryをLDAPプロキシ・サーバーとして設定した場合、このサーバーは、データが格納されているリモートLDAPサーバーとクライアントの間のインタフェースとしての役割を果たします。プロキシ・サーバーは、ロード・バランシングまたはデータ分散(あるいはその両方)を通じて、クライアント・リクエストを管理します。プロキシにはデータは格納されません。プロキシは、クライアントによって送信されたデータまたはリモートLDAPサーバーから受信したデータを操作することもできます(DNリネーム、RDN変更、変換またはエンタープライズ・ユーザー・セキュリティなど)。
Oracle Unified Directoryプロキシを使用する場合、データは1つ以上のリモートLDAPサーバーまたはデータ・センターに格納されますが、これには、Oracle Unified Directoryディレクトリ・サーバーまたはOracle Directory Server Enterprise Editionなど、LDAPv3準拠の任意のディレクトリ・サーバーを指定できます。
詳細は、第4章「プロキシ・サーバーとしてのOracle Unified Directoryの設定」を参照してください。
Oracle Unified Directoryをレプリケーション・ゲートウェイとして設定した場合、サーバーは、Oracle Directory Server Enterprise EditionとOracle Unified Directoryの間でのレプリケーションを有効にするゲートウェイの役割を果たします。
詳細は、第5章「レプリケーション・ゲートウェイとしてのOracle Unified Directoryの設定」を参照してください。
JAVA_HOME
環境変数の設定Oracle Unified Directoryに対して、JAVA_HOME
環境変数の設定でJavaインストールの場所に関する情報を提供する必要があります。JAVA_HOME
環境変数が設定されていないか、サポートされているJavaインストール(JRE 7またはJDK 7)を指していない場合、設定スクリプトは動作しません。
たとえば、UNIXまたはLinuxシステムで、ご使用のシェルに応じて次のようなコマンドを実行します。
$ export JAVA_HOME=/usr/lang/JAVA/jre1.7
または、Windowsシステムでは次の手順を実行します。
デスクトップで「コンピューター」アイコンを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
「システム」ウィンドウで、左ペインの「システムの詳細設定」を選択します。
「システムのプロパティ」ウィンドウで「詳細設定」タブを選択し、「環境変数」をクリックします。
「環境変数」ウィンドウで、「ユーザー環境変数」ペインの下にある「新規」をクリックします。
「新しいユーザー変数」ウィンドウで、次の情報を入力します。
変数名: JAVA_HOME
と入力します。
変数値: サポート対象のJavaインストール(JRE 7またはJDK 7)のパスを入力します。次に例を示します。
C:\Program Files\Java\jdk1.7.0
「OK」をクリックします。
注意: JAVA_HOME の設定には、次のようなコマンドを実行することもできます。
set JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.7.0 |
ソフトウェアのインストール時に、複数のインストール・ディレクトリを指定するよう求められます。これらのディレクトリについて、ならびにインストールの完了時に格納される内容について理解しておくと役立ちます。次のディレクトリが作成されます。
Oracleミドルウェア・ホームは、Oracle Unified Directory、Oracle WebLogic ServerおよびOracle Application Development Frameworkがインストールされるディレクトリです。Oracle Directory Services Manager (ODSM)を使用してOracle Unified Directoryを管理する予定である場合、Oracle WebLogic ServerおよびApplication Development Frameworkをインストールする必要があります。
注意: Oracle Unified Directory、Oracle WebLogic ServerおよびOracle ADFのインストールを計画している場合は、同じミドルウェア・ホーム・ディレクトリを使用して、これらのコンポーネントをすべてインストールする必要があります。 |
Oracleホームには、特定の製品のホスティングに必要なファイルがインストールされています。バイナリやライブラリなどの、コンポーネントのホストに必要なファイルがOracleホーム・ディレクトリにインストールされます。個々のインスタンスを設定するためのOracle Unified Directoryセットアップ・ファイルが格納されます。また、そのOUD_ORACLE_HOME
に関連付けられたすべてのサーバー・インスタンスに対するデフォルトのスキーマ・ファイルが格納されます。
Oracleホームは、ミドルウェア・ホームのディレクトリ構造の内部にあります。各Oracleホームは、複数のOracleインスタンスやOracle WebLogic Serverドメインと関連付けることができます。
デフォルトのOUD_ORACLE_HOME
ディレクトリはOracle_OUD1
です。
このディレクトリは、「Oracleミドルウェア・ホームの場所」フィールドに入力した場所の下に、インストーラによって作成されます。このディレクトリにはApplication Development Frameworkが含まれます。
デフォルト・ディレクトリはoracle_common
です。
WebLogicドメインには、ドメイン内のすべてのリソースを一元的に構成および管理する、管理サーバーという特別なWebLogic Serverインスタンスが含まれます。
通常、ドメインは、管理対象サーバーという追加のWebLogic Serverインスタンスを含めるように構成します。Webアプリケーション、EJB、WebサービスなどのJavaコンポーネントおよびその他のリソースを管理対象サーバーにデプロイし、管理サーバーは構成および管理目的にのみ使用します。
ドメインのディレクトリ構造は、WebLogic Serverホームのディレクトリ構造とは別個です。任意の場所に配置でき、ミドルウェア・ホーム・ディレクトリ内に配置する必要はありません。ドメインはOracleインスタンスのピアです。
Oracle Fusion Middleware構成ウィザードは、デフォルトでミドルウェア・ホーム・ディレクトリ(MW_HOME
)の下のuser_projects
というディレクトリにサブディレクトリとしてドメインを作成します。
次の例は、すべてデフォルト値を使用した単一ホスト上のOracle Unified Directoryのインストール・ディレクトリの構造を示しています。
この例では、install-directory
をシステムの任意のディレクトリにすることができます。Oracle Unified Directoryをインストールする前は、このディレクトリは空です。
例1-1 Oracle Unified Directoryのインストール・ディレクトリ構造
install-directory/
coherence_3.7
domain-registry.xml
logs
modules
ocm.rsp
Oracle_OUD1
oracle_common
registry.dat
registry.xml
user_projects
utils
wlserver_10.3
注意: Oracle Directory Services Manager (ODSM)を使用してOracle Unified Directoryを管理することを計画している場合、Oracle WebLogic ServerおよびOracle ADFもインストールする必要があります。これらの製品をすべてインストールするには、同じミドルウェア・ホーム・ディレクトリを指定する必要があります。 |