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Oracle® Fusion Middleware Oracle Unified Directoryのインストール
11g リリース2 (11.1.2.3)
E61964-03
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6 Oracle Unified Directoryソフトウェアの更新

この章では、サービスを中断することなく、Oracle Unified Directoryディレクトリ・サービスを最新バージョンに更新する方法を説明します。また、個別のディレクトリ・サーバー・インスタンスを更新する方法を説明し、Oracle WebLogic Server上のOracle Directory Services Manager (ODSM)の考慮事項を提供します。

この章の内容は以下のとおりです。

6.1 Oracle Unified Directory更新の開始ポイント

Oracle Unified Directoryの更新は、次の開始ポイントがサポートされています。

  • Oracle Unified Directory 11g リリース1 (11.1.1.5)

  • Oracle Unified Directory 11g リリース2 (11.1.2.0)

  • Oracle Unified Directory 11g リリース2 (11.1.2.1.0)

  • Oracle Unified Directory 11g リリース2 (11.1.2.2.0)

6.2 グローバル索引カタログの考慮事項

11g リリース1 (11.1.1.5)または11g リリース2 (11.1.2.0)のgicadmを使用して構成されたグローバル索引カタログは更新できません。Oracle Unified Directoryを現在のリリースに更新した場合は、さらにgicadmを使用してグローバル索引カタログを再構成する必要があります。

グローバル索引カタログ構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Unified Directoryの管理』を参照してください。

6.3 サービスを中断せずにディレクトリ・サービスを更新

レプリケートされたOracle Unified Directoryトポロジの更新には、サーバー・インスタンスごとのソフトウェアの個別の更新が含まれます。更新中にサービスを保持するための戦略は、デプロイメントの詳細によって決まりますが、通常は、サービスを中断することなくトポロジ全体を更新できます。更新プロセス中は特定のディレクトリ・サーバー・インスタンスを停止する必要があるため、更新中にサービスを保持するには、特定のサーバーが停止している間にクライアント・リクエストを処理できる代替サーバーが必要です。

デプロイメントに、クライアント・リクエストをバックエンド・サーバーにルーティングする1つ以上のプロキシ・サーバー・インスタンスが含まれる場合、一度に1つずつディレクトリ・サーバーを安全に停止し、そのサーバー・インスタンスを更新できます。プロキシ・サーバーは、サービスが中断されないようにクライアント・リクエストを再ルーティングします。プロキシ・サーバー・インスタンスをアップグレードするには、同じ構成を持つ複数のプロキシ・サーバー・インスタンスが必要です。

デプロイメントにプロキシ・サーバーが含まれない場合、特定のディレクトリ・サーバー・インスタンスの更新中にリクエストを代替サーバーに送信するよう、クライアント・アプリケーションを構成する必要があります。

次の各項では、各トポロジのために従うべきステップの概要を示します。

6.3.1 プロキシ・サーバーが含まれるトポロジのアップグレード

この項で説明するトポロジは次のとおりです。

6.3.1.1 同一ホスト上のレプリケーション・サーバーおよびとディレクトリ・サーバーのトポロジのアップグレード

このトポロジでは、ディレクトリ・サーバーおよびレプリケーション・サーバー(RS)が同じホスト上にインストールされています。

レプリケーション・サーバーおよびディレクトリ・サーバーの両方が単一ホストに含まれており、これらのサーバーが同じORACLE_HOMEディレクトリに関連付けられている場合、サーバーは同時に停止および更新されます。

次の図のグループ1およびグループ2は、構成されたレプリケーション・グループを参照します。レプリケーション・グループの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Unified Directoryの管理』を参照してください。

図6-1 プロキシ・サーバーRSおよびDSが同一ホスト上にあるレプリケートされたトポロジ

すべてのサーバーが同じホストにインストールされているトポロジ。

同じホストにインストールされたディレクトリ・サーバーおよびレプリケーション・サーバーのトポロジを更新する手順:

  1. クライアントのリクエストがディレクトリ・サーバーAにルーティングされないように、プロキシ・サーバーAの構成を変更します。

  2. ディレクトリ・サーバーAを停止します。このホスト上で動作するレプリケーション・サーバーは、同時に停止します。

  3. 第6.4項「既存のOracle Unified Directoryサーバー・インスタンスの更新」の手順を実行して、ディレクトリ・サーバーAを更新します。

  4. ディレクトリ・サーバーAを再起動します。

  5. 次のサーバーをアップグレードする前に、ディレクトリ・サービスが正しく機能しているかどうかテストします。

  6. そのレプリケーション・グループ内の各ディレクトリ・サーバーについて、ステップ1-5を繰り返します。

  7. トポロジ内の各レプリケーション・グループについて、ステップ1-6を実行します。

  8. プロキシ・サーバーAを停止します。

  9. 第6.4項「既存のOracle Unified Directoryサーバー・インスタンスの更新」の手順を実行して、プロキシ・サーバーAを更新します。

  10. プロキシ・サーバーAを再起動します。

  11. トポロジ内の残りのプロキシ・サーバーについて、ステップ8-10を繰り返します。

6.3.1.2 異なるホスト上のレプリケーション・サーバーおよびとディレクトリ・サーバーのトポロジのアップグレード

このトポロジでは、ディレクトリ・サーバーおよびレプリケーション・サーバー(RS)が異なるホスト上にインストールされています。次の図のグループ1およびグループ2は、構成されたレプリケーション・グループを参照します。レプリケーション・グループの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Unified Directoryの管理』を参照してください。

図6-2 プロキシ・サーバーRSおよびDSが異なるホスト上にあるレプリケートされたトポロジ

すべてのサーバーが異なるホストにインストールされているトポロジ。

異なるホストにインストールされたディレクトリ・サーバーおよびレプリケーション・サーバーのトポロジを更新する手順:

  1. リクエストがディレクトリ・サーバーAにルーティングされないように、プロキシ・サーバーAの構成を変更します。

  2. ディレクトリ・サーバーAを停止します。

  3. 第6.4項「既存のOracle Unified Directoryサーバー・インスタンスの更新」の手順を実行して、ディレクトリ・サーバーAを更新します。

  4. ディレクトリ・サーバーAを再起動します。

  5. 次のサーバーをアップグレードする前に、ディレクトリ・サービスが正しく機能しているかどうかテストします。

  6. そのレプリケーション・グループ内の各ディレクトリ・サーバーについて、ステップ1-5を繰り返します。

  7. レプリケーション・サーバー1を停止します。

    レプリケーション・メカニズムにより、ディレクトリ・サーバーAおよびBがレプリケーション・サーバー2に接続するようになります。

  8. 第6.4項「既存のOracle Unified Directoryサーバー・インスタンスの更新」の手順に従い、レプリケーション・サーバー1を更新します。

  9. レプリケーション・サーバー1を再起動します。

  10. トポロジ内の各レプリケーション・グループについて、ステップ1-9を実行します。

  11. プロキシ・サーバーAを停止します。

  12. 第6.4項「既存のOracle Unified Directoryサーバー・インスタンスの更新」の手順を実行して、プロキシ・サーバーAを更新します。

  13. プロキシ・サーバーAを再起動します。

  14. トポロジ内の残りのプロキシ・サーバーについて、ステップ11-13を繰り返します。

6.3.2 プロキシ・サーバーが含まれないトポロジのアップグレード

プロキシ・サーバー・インスタンスが含まれないトポロジでは、更新のためにディレクトリ・サーバーを停止させるたびに代替ディレクトリ・サーバーを指すよう、クライアント・アプリケーションを更新する必要があります。

次の各ダイアグラムは、プロキシ・サーバーが含まれないレプリケートされたトポロジを示しています。このトポロジでは、ディレクトリ・サーバーおよびレプリケーション・サーバーが同じORACLE_HOMEディレクトリにインストールされていることを前提としています。

次の図のグループ1およびグループ2は、構成されたレプリケーション・グループを参照します。レプリケーション・グループの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Unified Directoryの管理』を参照してください。

図6-3 プロキシ・サーバーがないレプリケートされたOracle Unified Directoryトポロジ

プロキシ・サーバーがないレプリケートされたトポロジ

プロキシ・サーバーが含まれないトポロジの更新

  1. アプリケーションがディレクトリ・サーバーAに直接アクセスしないように、クライアント・アプリケーション構成を変更します。

  2. ディレクトリ・サーバーAを停止します。このホスト上のレプリケーション・サーバーは、同時に停止および更新されます。

  3. 第6.4項「既存のOracle Unified Directoryサーバー・インスタンスの更新」の手順を実行して、ディレクトリ・サーバーAを更新します。

  4. ディレクトリ・サーバーAを再起動します。

  5. 次のサーバーをアップグレードする前に、ディレクトリ・サービスが正しく機能しているかどうかテストします。

  6. アプリケーションがディレクトリ・サーバーBに直接アクセスしないように、クライアント・アプリケーション構成を変更します。

  7. ディレクトリ・サーバーBを停止します。

  8. 第6.4項「既存のOracle Unified Directoryサーバー・インスタンスの更新」の手順に従い、ディレクトリ・サーバーBを更新します。

  9. トポロジ内の各レプリケーション・グループについて、ステップ1-8を実行します。

6.4 既存のOracle Unified Directoryサーバー・インスタンスの更新

既存のORACLE_HOMEの上に更新済のソフトウェア・バージョンをインストールすることで、特定のORACLE_HOMEディレクトリに関連付けられたOracle Unified Directoryサーバー・インスタンスをすべて更新できます。

既存のOracle Unified Directoryサーバー・インスタンスの更新手順:

  1. Oracle Software Delivery Cloudから、最新バージョンのOracle Unified Directoryをダウンロードします。

    詳細は、第2.1項「Oracle Unified Directoryをインストールするためのソフトウェアの入手」を参照してください。

  2. アップグレードするORACLE_HOMEディレクトリに関連付けられたOracle Unified Directoryサーバー・インスタンスをすべて停止します。

    UNIXおよびLinuxシステムの場合:

    $ instance-dir/OUD/bin/stop-ds
    

    Windowsシステムの場合:

    instance-dir\OUD\bat\stop-ds.bat
    

    別のORACLE_HOMEに関連付けられたトポロジ内のサーバーは更新されないため、停止は必要ありません。

  3. 第2.2項「Oracle Unified Directoryのインストール」で説明されている手順に従います。

    インストールの場所を指定する必要がある場合、元のインストールについて指定したものと同じOUDベースのホームおよびOracleホーム・ディレクトリ(ORACLE_HOME)を入力します。

    これらのディレクトリの詳細は、第1.4項「Oracle Unified Directoryのインストール・ディレクトリの理解」を参照してください。

    インストーラにより既存のインストールが認識され、関連バイナリ・ファイルが更新されます。サーバー・インスタンスを再作成しないでください。

  4. Windowsシステムの場合、start-ds.batファイル(INSTALL_DIR\bat\start-ds.batに格納されている)を手動でコピーし、更新が必要なインスタンスのstart-ds.batファイルを置き換える必要があります。

  5. ORACLE_HOMEディレクトリに関連付けられたOracle Unified Directoryサーバー・インスタンスをすべて更新します。


    注意:

    start-ds --upgradeコマンドを実行してOracle Unified Directoryソフトウェアを以前のリリースから11gリリースR2 PS3 (11.1.2.3)に更新する前に、Oracle Identity Management Suiteバンドル・パッチ11.1.2.3.2の一部であるOracle Unified Directoryバンドル・パッチ11.1.2.3.1を適用する必要があります(My Oracle SupportのDoc ID 2067482.1および1494151.1を参照)。そうしないと、未確定の状態になることがあります。

    UNIXおよびLinuxシステムの場合:

    $ instance-dir/OUD/bin/start-ds --upgrade
    

    Windowsシステムの場合:

    instance-dir\OUD\bat\start-ds.bat --upgrade
    

    注意:

    サーバー・インスタンスが大規模な静的グループを持つ、またはすべての静的グループ内の全メンバーの数が多い場合は、インスタンスを11g リリース2 (11.1.2.3)に更新するのに時間がかかることがあります。そのため、更新が完了する前に終了させないでください(Ctrl-Cを使用してプロセスを終了させるなど)。更新を早い時点で終わらせてしまうと、サーバー・インスタンスを不明な状態のままにすることになります。

    start-ds --upgradeコマンドの出力は、INSTANCE_PATH/logs/server.outディレクトリに記録されます。

  6. ステップ1で停止したサーバー・インスタンスを再起動します。

    UNIXおよびLinuxシステムの場合:

    $ instance-dir/OUD/bin/start-ds
     
    

    Windowsシステムの場合:

    instance-dir\OUD\bat\start-ds.bat
    

6.5 Oracle WebLogic ServerでのODSMの更新

Oracle Unified Directoryを管理するためにOracle WebLogic ServerでODSMを実行している場合は、次の各項を考慮してください。

6.5.1 ODSMのバージョン要件

このガイドで説明しているODSMのバージョンは、11g リリース2 (11.1.2.3)です。Oracle Unified Directoryソフトウェアを11g リリース2 (11.1.2.3)に更新すると、ODSMも同じリリースに更新されます。

Oracle Unified DirectoryとともにODSMを使用するための要件は次のとおりです。

  • ODSM 11g リリース2 (11.1.2.3)は、Oracle Unified Directory 11g リリース2 (11.1.2.3)の管理にのみ使用できます。

  • ODSMのバージョン11.1.2.3は、以前のバージョンのOracle Unified Directory、Oracle Internet DirectoryまたはOracle Virtual Directoryの管理には使用できません。逆に、どのバージョンのOracle Unified Directoryも、その管理にOracle Internet DirectoryまたはOracle Virtual Directoryに同梱されているバージョンのODSMは使用できません。


注意:

Oracle Unified Directoryを更新後に、更新されたバージョンのODSMにアクセスしようとすると、Oracle WebLogic Serverで問題が発生する場合があります。この問題は、通常はブラウザを使用して以前のバージョンのODSMにアクセスした場合に発生します。更新操作中に、ODSM URLが変更される場合があります。

したがって、更新されたバージョンのODSMにアクセスするには、ブラウザのキャッシュとCookieを最初に消去します。


6.5.1.1 ODSMの複数インスタンスの更新

レプリケーション・トポロジでODSMのインスタンスが複数ある場合は、次の要件を考慮してください。

  • 1つのODSMインスタンスを11g リリース2 (11.1.2.3)に更新したら、すべてのODSMおよびレプリケートされたインスタンスを更新する必要があります。

  • ODSMを11g リリース2 (11.1.2.3)に更新したら、Oracle Unified Directoryも同じバージョンが必要です。更新されたODSMバージョンは、Oracle Unified Directoryの以前のバージョンではサポートされません。

6.5.2 Oracle WebLogic Serverのアップグレード

ODSM 11g リリース2 (11.1.2.3)は、Oracle WebLogic Server 11g リリース1 (10.3.6)と互換性があります。

Oracle WebLogic Serverを10.3.5などの旧バージョンから10.3.6にアップグレードするには、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverアップグレード・ガイド』の手順に従います。

WebLogic Serverをインストールする必要がある場合は、第2.3.1項「Oracle WebLogic Serverのインストール」を参照してください。

6.5.3 Oracle Application Development Framework(Oracle ADF)のアップグレード

ODSM 11g リリース2 (11.1.2.3)は、Oracle Application Development Framework 11g リリース1 (11.1.1.9)と互換性があります。

Oracle ADFを11.1.1.5または11.1.1.6から11.1.1.9にアップグレードするには、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』の手順に従います。