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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer管理者ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
E51906-01
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24 前のリリースのDiscovererからのEULのアップグレード

この章では、前のリリースのDiscovererからEnd User Layerをアップグレードする方法について説明します。この章の内容は次のとおりです。

24.1 DiscovererとEULのリリース

Discovererの特定のリリースが、EULの特定のリリースと互換性があります。

Discovererエンド・ユーザーは、使用しているDiscoverer製品のリリースと互換性のないEULには接続できません。

次の表は、Discovererのリリース番号と対応するEULのリリース番号を示したものです。

Discovererのリリース番号 EULのリリース番号
リリース11.1.1.1.0 リリース5.1.x.x
リリース10.1.2.x リリース5.1.x.x
リリース9.0.4.x リリース5.0.2.x
リリース9.0.2.53以降 リリース5.0.2.x
リリース9.0.2.52以前 リリース5.0.0.x
リリース4.1.x リリース4.1.x
リリース3.1.x/3.3.x リリース3.1.x

24.1.1 Discovererリリース10.1.2からリリース11.1.1.1.0へのアップグレード

Discovererリリース11.1.1.1.0では、Discoverer 10.1.2と同じリリースのEULを使用するので、EULのアップグレードは不要です。10.1.2より前のリリースのDiscovererを使用している場合は、この章の説明を読んで10.1.2にアップグレードしてください。

Discovererリリース10.1.2から11.1.1.1.0へのアップグレードの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererアップグレード・ガイドを参照してください。

24.2 前のリリースからDiscoverer 10.1.2へのアップグレード

この項では、Discoverer10.1.2とともに使用するEnd User Layerをアップグレードする方法について説明します。Discoverer 10.1.2とともに使用するEULをアップグレードすると、そのEULをDiscoverer 11.1.1.1.0ともに使用することもできます。

この項では、次の項目について説明します。

Discoverer Administratorリリース10.1.2を使用して、リリース4.1.x EULまたはリリース5.0.x.x EUL (Discovererリリース9.0.2または9.0.4)に接続しようとすると、EULをリリース5.1.x.xにアップグレードするように要求されます。このEULアップグレード・オプションによって操作が中断されることに注意してください。

この章におけるDiscovererリリース10.1.2に関する記述は、10.1.2.0.0、10.1.2.1および10.1.2.2を含むリリース10.1.2xのすべてに適用されます。

24.2.1 Discovererリリース10.1.2のアップグレード・パスの選択

Discovererのどのリリースからアップグレードするかによって、次のように、適切なアップグレード・パスが異なってきます。

図24-1は、様々なアップグレード・パスを示したものです。

図24-1 Discovererアップグレード・パス

図24-1の説明は前後にあります。

24.2.2 以前のリリースからDiscovererリリース10.1.2へのアップグレードの前提条件

Discovererリリース10.1.2にアップグレードするには、事前にDiscoverer Administratorリリース10.1.2をインストールしておく必要があります。

また、End User Layerをアップグレードするには、EUL所有者が次のデータベース権限を所有している必要があります。

  • CREATE PROCEDURE

  • CREATE SESSION

  • CREATE TABLE

  • CREATE VIEW

  • CREATE SEQUENCE

DiscovererをOracle9i以降のEnterprise Editionデータベースにアップグレードする場合は、サマリーがマテリアライズド・ビューとして実装されるため、EUL所有者には次の権限が必要になります。

  • CREATE ANY MATERIALIZED VIEW

  • DROP ANY MATERIALIZED VIEW

  • ALTER ANY MATERIALIZED VIEW

  • GLOBAL QUERY REWRITE

重要: アップグレードされたEULに転送されるデータの整合性を保つために、アップグレードの実行中は、前のリリースのEULでDiscoverer Administratorセッションを開始しないでください。

24.2.3 Discovererリリース10.1.2のアップグレード・プロセスの概要

アップグレード・プロセスでは、多くの手順を実行することになります。手順の中には、アップグレード前のDiscovererのリリースによって異なるものもあります。

実行する手順の概要は、次のとおりです。

  • データベース・エクスポート・ユーティリティを使用して、アップグレードする必要のある各EULのバックアップを作成します。EULエクスポートではなく、データベース・エクスポートを使用して、EUL表自体(データベースに保存されているワークブック定義およびクエリー統計を含む)とEULメタデータが確実に含まれるようにしてください。

  • アップグレード先のリリースのDiscoverer Administratorで各EULを開いて、EULをアップグレードします。リリース4.1 EULまたはリリース5.0.x.x EULの所有者としてDiscoverer Administratorにログインすると、EULをリリース5.1.x.xにアップグレードするように自動的に要求されます。

  • サマリー・フォルダをリフレッシュします。

  • ユーザーを新しいリリースのDiscovererに移行します。古いリリースのDiscovererのユーザーは、アップグレード後のEULにアクセスできません。次の点に注意してください。

    • Discovererリリース4.1のユーザーは、前のリリースであるリリース4.1 EULにアクセスできますが、ユーザーが行った変更はアップグレード後のリリース5.1.x.x EULでは表示されません。

    • リリース5.0.x.x EULにアクセスしていたDiscovererリリース9.0.2および9.0.4のユーザーは、そのEULがリリース5.1.x.xにアップグレードされた後はアクセスできなくなります。

  • 古いEULをデータベースから削除します(リリース9.0.xからのアップグレードでは不要です)。初めのうちは、前のEULへのアクセスを禁止して、ユーザーのアクセスをアップグレード後のEULのみに許可するようにお薦めします。すべてのユーザーがアップグレード後のEULに正常にアクセスできることを確認できたら、古いEULを削除します。

  • 古いリリースのDiscovererをクライアント・マシンから削除します。すべてのユーザーが最新リリースのDiscovererを使用してアップグレード後のEULに正常にアクセスできることを確認できたら、古いリリースのDiscovererを削除できます。

図24-2のフローチャートは、前述の手順を視覚的に表したものです。

図24-2 Discovererのアップグレードの手順

図24-2の説明は前後にあります。

Discovererシステムの設定方法により、他にも考慮すべき問題がある場合があります(詳細は、「Discovererリリース10.1.2へのアップグレードに関する注意」を参照)。

24.2.4 Discovererリリース3.1以前からDiscovererリリース10.1.2へのアップグレード

Discovererリリース3.1以前からDiscovererリリース10.1.2への直接的なアップグレード・パスはありません。かわりに、次のアップグレード・パスを使用します。

  • リリース3.1よりも前のDiscovererからアップグレードする場合は、Discovererリリース3.1にアップグレードします(詳細は、Oracle Discoverer 3.1インストレーションおよびアップグレード・ガイドを参照)。

  • Discovererリリース3.1からDiscovererリリース4.1にアップグレードします(詳細は、Oracle Discoverer 4.1インストレーションおよびアップグレード・ガイドを参照)。

  • Discovererリリース4.1からDiscovererリリース10.1.2にアップグレードします(詳細は、「Discovererリリース4.1からDiscovererリリース10.1.2へのアップグレード」を参照)。

24.2.5 Discovererリリース4.1からDiscovererリリース10.1.2へのアップグレード

この項では、Discovererリリース4.1からリリース10.1.2へのアップグレード方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。

24.2.5.1 Discovererリリース4.1からDiscovererリリース10.1.2へのアップグレード

何よりも先に、次のアップグレード手順に従ってリリース4.1 EULをバックアップします。

Discovererリリース10.1.2を使用するには、DiscovererユーザーがDiscovererリリース5.1のEnd User Layer (EUL)へのアクセス権を持っている必要があります。Discovererリリース4.1 EULを使用していたユーザーがDiscovererリリース10.1.2を使用してアクセスするには、EULをアップグレードする必要があります。

EULアップグレード・プロセスにより新しいリリース5.1のEULテーブルが作成され、リリース4.1のEULテーブルから新しいテーブルにメタデータがコピーされます。アップグレード・プロセスは中断を必要とするものではないため(リリース4.1のEULテーブルは削除されません)、既存ユーザーはアップグレード・プロセス中もDiscovererリリース4.1を引き続き使用できます。

次のアップグレード手順に従い、Discoverer Administratorを使用してEULをアップグレードします。

リリース4.1のEULがすべて正常にアップグレードされたことを確認した後、次のアップグレード手順を実行します。

すべてのユーザーをアップグレードし、すべてのリリース4.1 EULを削除した後、最後のアップグレード手順を実行します。

24.2.5.2 アップグレード手順1: リリース4.1 EULのバックアップ

Discovererリリース4.1 EULをDiscovererリリース5.1 EULにアップグレードするには、標準のデータベース・エクスポート・ユーティリティを使用してEUL所有者をエクスポートすることによって、EULテーブルをバックアップしておきます。

EUL所有者のエクスポート方法は次の条件により異なります。

  • マシンにインストールされているOracleクライアント・ソフトウェアのリリース

  • リリース4.1 EULが存在するOracleデータベースのリリース

OracleデータベースのリリースとマシンにインストールされたOracleデータベース・クライアント・ソフトウェアのリリースは、同じでなければなりません。リリースが異なる場合(EULがOracle9iデータベースにあり、Oracle10gクライアント・ソフトウェアがマシンにインストールされている場合など)は、この章の指示に従うことができない可能性があります。EULをエクスポートできない場合は、EULをエクスポートできるデータベース管理者に問い合せてください。

リリース4.1 EULをバックアップするには(EULがOracle9iデータベース上に存在し、Oracle Developer Suiteをインストール済のマシンを使用していることを前提とします)、「標準データベース・エクスポート・ユーティリティによるEULのエクスポート方法」の手順に従ってください。

24.2.5.3 アップグレード手順2: リリース4.1 EULのアップグレード

リリース4.1 EULをバックアップした後、リリース5.1にアップグレードできます。EULをアップグレードする手順は、この項の指示に従って最新リリースのDiscoverer AdministratorでEULを開くのみです。リリース4.1 EULを所有していたデータベース・ユーザーがリリース5.1 EULを所有します。

リリース4.1のエンド・ユーザーはアップグレードの影響を受けずに、リリース4.1 EULを引き続き使用できます。ただし、アップグレード・プロセスの開始後にリリース4.1 EULでエンド・ユーザーが行った変更(ワークブックの変更など)は、リリース5.1 EULでは表示されません。

重要: リリース5.1 EULに転送されるデータの整合性を保つために、アップグレードの実行中は、リリース4.1 EULでDiscoverer Administratorセッションを開始しないでください。

リリース4.1 EULをリリース5.1にアップグレードする手順は、次のとおりです。

  1. Windowsの「スタート」メニューで「プログラム」→「Oracle Business Intelligence - <BI TOOLS HOME NAME>」→「Discoverer Administrator」を選択すると、「Oracle Business Intelligence Discoverer Administratorに接続」ダイアログが表示されます。

  2. アップグレードするDiscovererリリース4.1 EULの所有者のデータベース・ユーザー名およびパスワードを入力します。

  3. 「OK」をクリックします。

    「EULのアップグレードが必要」ダイアログが表示されます。

    図24-3 「EULのアップグレードが必要」ダイアログ

    図24-3の説明は前後にあります。

    注意:

  4. 「続行」をクリックすると、「EULアップグレード」ダイアログが表示されます。

    図24-4 「EULアップグレード」ダイアログ

    図24-4の説明は前後にあります。
  5. 「はい、データベースのエクスポートを完了し、EULをアップグレードする準備ができました」オプションを選択し、Discovererリリース4.1 EULがエクスポートされていることを確認します。

  6. 「アップグレードを実行」をクリックし、リリース4.1 EULからコピーしたデータを使用して新しいリリース5.1 EULを作成します。

    「EULアップグレード」進行状況ウィンドウに、アップグレードのステータスが表示されます。

    図24-5 「EULアップグレード」進行状況ウィンドウ

    図24-5の説明は前後にあります。

    アップグレード・プロセス時に出力されたメッセージは、「End User Layerアップグレードのログ」ダイアログに表示されます。このダイアログはプロセスの最後に表示されます。識別子に含まれる無効な文字を参照するメッセージの詳細は、「Discovererリリース10.1.2用の無効な文字が含まれた識別子のアップグレードに関する注意」を参照してください。

    アップグレードされたEULの中にサマリー・フォルダがある場合は、サマリー・フォルダが無効であり、リフレッシュが必要であることを示す次のメッセージ・ダイアログが表示されます。

    図24-6 無効なサマリーの警告メッセージ・ダイアログ

    図24-6の説明は前後にあります。
  7. 図24-6のメッセージ・ダイアログが表示されたら、「OK」をクリックします。

    ロード・ウィザードが表示されます。

  8. 「取消」をクリックしてロード・ウィザードを終了します。

    EULアップグレードは完了しました。このEULを使用すると、Discoverer Administratorリリース10.1.2を使用してデータベースに接続できます。

24.2.5.4 アップグレード手順3: サマリー・フォルダのリフレッシュ

アップグレードしたEULの中にサマリー・フォルダがある場合には、サマリー・フォルダをリフレッシュする必要があります。

リリース4.1のサマリー・フォルダの定義が新しいリリース5.1 EULにコピーされ、アップグレードされたサマリー・フォルダのステータスが「リフレッシュ必須」に変更されます。アップグレードされたサマリー・フォルダの基礎となっているデータベース・テーブルまたはマテリアライズド・ビューは、サマリー・フォルダがリフレッシュされるまでは実際に作成されません。

アップグレードされたサマリー・フォルダをリフレッシュすると、次の処理が行われます。

  • Oracle Standard Editionデータベースでは、Discovererによりサマリー・テーブルが作成されます。

  • Oracle9i以降のEnterprise Editionデータベースでは、Discovererによりマテリアライズド・ビューが作成されます。

サマリー・テーブルまたはマテリアライズド・ビューが作成されると、Discovererでサマリー・フォルダを使用して最適化クエリーを作成できるようになります。

サマリー・フォルダ、サマリー・テーブルおよびマテリアライズド・ビューの詳細は、第14章「サマリー・フォルダの管理」を参照してください。

アップグレードされたサマリー・フォルダをリフレッシュする手順は、次のとおりです。

  1. アップグレードされたEULの所有者としてDiscoverer Administratorに接続します。

  2. リフレッシュするサマリー・フォルダを含むビジネスエリアを開きます。

  3. ワークエリアの「サマリー」タブを表示します。

  4. リフレッシュするサマリー・フォルダを選択します。

    サマリー・フォルダをDiscovererで使用できるようにするためには、まず、すべてのサマリー・フォルダをリフレッシュする必要があります。しかし、データの量によっては、すべてのサマリー・フォルダを同時にリフレッシュしない場合もあります。

  5. 「ツール」→「サマリーのリフレッシュ」を選択します。

    外部サマリー・テーブルに基づいていないサマリー・フォルダについて、「サマリーのリフレッシュ」ダイアログが表示されます。

    図24-7 「サマリーのリフレッシュ」ダイアログ

    図24-7の説明は前後にあります。
  6. 必要に応じてリフレッシュ・オプションを指定します。

    すぐにリフレッシュすることも、時間を指定してリフレッシュすることもできます。データの量に応じて、ピークを避けた時間帯にスケジュールすることも可能です。

  7. 「OK」をクリックしてサマリー・フォルダをリフレッシュします。

注意

  • アップグレードされたEULに、外部サマリー・テーブルに基づくサマリー・フォルダが含まれる場合は、これらのサマリー・フォルダもリフレッシュする必要があります。Discovererはリフレッシュ中に、外部サマリー・テーブルに基づいてサマリー・フォルダのEULメタデータを更新します。Oracle9i以降のEnterprise Editionデータベースを使用している場合は、Discovererにより外部サマリー・テーブルを参照するマテリアライズド・ビューが作成されます。

24.2.5.5 アップグレード手順4: Discovererリリース10.1.2へのユーザーの移行

リリース4.1 EULをすべてアップグレードし、アップグレード後のEULが使用可能な状態にあることを確認した後は、DiscovererユーザーをDiscovererリリース10.1.2に移行します。

組織で順次移行作業を行う間、ユーザーはDiscovererリリース4.1 (前のEULへのアクセス)またはDiscovererリリース10.1.2 (アップグレード後のEULへのアクセス)で作業を続けることができます。しかし、あるリリースのDiscoverer Administratorを使用して行った変更は、別のリリースのDiscovererユーザーは使用できませんので注意してください。

DiscovererユーザーをDiscovererリリース10.1.2に移行する方法は、使用されているDiscovererツールによって異なります。

Discoverer PlusおよびDiscoverer Viewerユーザーを移行する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Business Intelligence Discovererをインストールします。

  2. Oracle Application Server 10gの10g (10.1.2)へのアップグレードの手順に従って中間層のDiscovererコンポーネントをアップグレードします。

Discoverer Desktopユーザーを移行する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Business Intelligenceツールに付属しているCDを使用して、クライアント・マシンにDiscoverer Desktopをインストールします。

    Oracle Installerは、Discoverer Desktopリリース10.1.2をDiscovererリリース4.1のディレクトリとは異なるディレクトリにインストールします。

注意

ユーザーが初めてDiscovererにログインすると(Discoverer Plus、Discoverer DesktopまたはDiscoverer Viewerを使用)、Discovererではそのユーザーがアクセス権を持っているすべてのリリース5.1 EULが次のように検索されます。

  • 有効なEULが検出された場合、ユーザーは、Discovererリリース10.1.2に接続して作業を開始できます。

  • 有効なEULが検出されない場合は、ユーザーがデータベースに接続できないことがDiscovererにより警告されます。EULがアップグレードされていない可能性があるため、ユーザーはこの時点でDiscovererマネージャに連絡する必要があります。なお、既存のリリース4.1 EULに対してDiscovererリリース4.1を使用することは可能です。

24.2.5.6 アップグレード手順5: リリース4.1 EULの削除

リリース4.1 EULをアップグレードし、すべてのユーザーをDiscoverer10.1.2に移行した後は、リリース4.1 EULを削除できます。

初めのうちは、前のEULへのアクセスを禁止して、ユーザーのアクセスをアップグレード後のEULのみに許可するようにお薦めします。すべてのユーザーがアップグレード後のEULに正常にアクセスできることが確認できたら、古いEULを削除できます。

Discovererはeul4del.sqlという名前のSQLスクリプトを提供しています。このスクリプトを使用すると、リリース4.1のEULおよび関連するテーブル(サマリー・テーブルおよびマテリアライズド・ビューを含む)を削除できます。

次の点に注意してください。

  • eul4del.sqlスクリプトを実行すると、SYSTEMユーザーのパスワードを入力するように要求されます。SYSTEMユーザーのパスワードがわからない場合は、データベース管理者に問い合せてください。SYSTEMユーザーのパスワードを教えるかわりに、データベース管理者がスクリプトを実行する場合もあります。

  • EUL所有者以外のユーザーが所有するサマリー・フォルダがある場合、eul4del.sqlスクリプトは正常に終了しません。このスクリプトはこのようなサマリー・フォルダおよびその所有者をリスト表示します。リリース4.1 EULを削除するには、これらのサマリー・フォルダ所有者が自分のサマリー・フォルダを削除する必要があります。

  • Discoverer Administration Editionリリース4.1へのアクセス権がある場合は、eul4del.sqlスクリプトのかわりにEUL Managerを使用してEULを削除できます。

  • アップグレード後にユーザーがリリース4.1 EULを変更した場合、その変更はリリース10.1.2 EULでは反映されません。多くの変更が行われた可能性がある場合は、リリース4.1 EULを削除する前にバックアップすることをお薦めします(詳細は、「アップグレード手順1: リリース4.1 EULのバックアップ」を参照)。

eul4del.sqlスクリプトを使用してリリース4.1 EULを削除する手順は、次のとおりです。

  1. Windowsの「スタート」メニューから「ORACLE」→「Application Development」→「SQL*Plus」を選択し、SQL*Plusのログオン・ダイアログを表示します。

  2. 削除するDiscovererリリース4.1 EULの所有者のデータベース・ユーザー名、パスワードおよびデータベースを入力します。

  3. コマンド・プロンプトに次のように入力し、リリース4.1 EULの削除スクリプトを開始します。

    SQL> @<ORACLE_HOME>\discoverer\util\eul4del.sql
    

    削除スクリプトは指定されたリリース4.1 EULと、サマリー・テーブルおよびマテリアライズド・ビューを含めて関連するデータベース・オブジェクトをすべて削除します。

    削除スクリプトの概要が表示されます。

    Removing summary refresh jobs ...
    Discoverer End User Layer Database Tables (4.x Production) deinstallation
    This script will remove a version 4.x EUL and any associated database objects.
    It will:
    1.  Ask you to enter the ORACLE SYSTEM password and connect string.
    2.  Ask you to enter the name and password of the 4.x EUL owner.
    3.  Confirm that you wish to drop the 4.x EUL.
    4.  Check for database jobs for users other than the 4.x EUL owner.
    5.  Confirm whether to drop 4.x tutorial tables (if any).
    6.  Log in as the 4.x EUL owner and remove any database jobs for it.
    7.  Remove all summary database objects for the 4.x EUL.
    8.  Remove all scheduled workbook database objects for the 4.x EUL.
    9.  Remove the 4.x EUL tables.
    10. Remove user and public synonyms (if any) for the 4.x EUL tables.
    
  4. プロンプトが表示された時点で、SYSTEMユーザーのパスワードおよびデータベースTNS別名を入力します。

    SYSTEMユーザーのパスワードがわからない場合は、データベース管理者に問い合せてください。

  5. リリース4.1 EULの所有者の名前とパスワードを入力します。

    次のテキストが表示されます。

    Preparing to remove EUL 4.x owned by <username> at <today's date>
    If you continue, the specified 4.x End User Layer will be PERMANENTLY dropped.
     All End User Layer information and workbooks stored in the database will be deleted. 
    Any 5.x End User Layer tables will NOT be affected by this process.
    THIS PROCESS IS NON-REVERSIBLE.
    Do you wish to continue [N]: 
    

    EUL削除プロセスは元に戻すことはできませんので注意してください。

  6. Y」と入力して、リリース4.1 EULを削除することを確認します。

    スクリプトによりリリース4.1のチュートリアル・テーブルが検出された場合は、テーブルを削除するかどうかを確認するプロンプトが表示されます。

    このスクリプトはリリース4.1 EULの削除プロセス中に、EUL所有者以外のユーザーが所有するサマリー・フォルダがあるかどうかを確認します。

    • 他のユーザーが所有するサマリー・フォルダがない場合は、リリース4.1 EULは削除されます。削除プロセスの様々な段階を示す次のような多数のメッセージが表示されます。

      Removing summary refresh jobs ...
      Dropping internally managed summary data ...
      Removing scheduled workbook jobs ...
      Dropping scheduled workbook data ...
      Dropping 4.x End User Layer Tables  ...
      Removing public synonyms (if any) ...
      Connected.
      
      Finished removing 4.x End User Layer.
      
    • EUL所有者以外のユーザーが所有するサマリー・フォルダがある場合、スクリプトは停止し、次のテキストが表示されます。

      The following users have managed summaries which must be dropped before
       this EUL can be deinstalled:
      User: SCOTT, Summary: Scott's Summary
      User: FRED, Summary: Fred's Summary
      ...
      Quitting - no changes made.
      

    このメッセージが表示された場合、指定されたユーザーはDiscoverer Administration Editionリリース4.1にログインし、指定されたサマリー・フォルダを削除する必要があります(詳細は、「サマリー・フォルダの削除方法」を参照)。これらのサマリー・フォルダを削除した後、eul4del.sqlスクリプトを再実行し、リリース4.1 EULを削除します。


注意:

Discoverer 4iでは、ワークブック・スケジュール権限はロールに付与されます。Discoverer 9.0.4および10.xでは、ワークブック・スケジュール権限はユーザーに付与できますが、ロールにはできません。Discoverer 4.1から10.xにアップグレードすると、古いワークブック・スケジュール権限がEULに残ります。ワークブック・スケジュール権限は、del_shd_wbk_rol_priv.sqlスクリプトを実行して手動で削除できます。

24.2.5.7 アップグレード手順6: クライアント・マシンからのDiscovererリリース4.1製品の削除

DiscovererマネージャとユーザーがDiscovererリリース10.1.2に正常に接続でき、サマリー・フォルダが正しく機能していることを確認した後は、Discovererリリース4.1製品(Discoverer Administration EditionおよびDiscoverer Desktop Edition)をクライアント・マシンから削除できます。

クライアント・マシンからDiscovererリリース4.1製品を削除する手順は、次のとおりです。

  1. Discovererリリース4.1製品のインストールに使用したCDをコンピュータに挿入します。

    Oracle Installerが自動的に起動します。Installerが自動的に起動しない場合は、Windows ExplorerからCD-ROMにアクセスし、CDルート・ディレクトリからsetup.exeを実行します。

  2. Oracle Installerのダイアログを使用してDiscovererリリース4.1製品を削除します。

    Discovererリリース4.1で作成され、<ORACLE_HOME>\discvr4ディレクトリに保存されているワークブックは削除されません。

  3. (オプション)後で使用するために<ORACLE_HOME>\discvr4ディレクトリのワークブックを保持するには次の手順に従います。

    1. Discovererリリース4.1のワークブックを、<ORACLE_HOME>\discvr4ディレクトリからDiscovererリリース10.1.2で使用する新しいディレクトリに移動します。

    2. \discvr4ディレクトリを削除します。

24.2.6 Discovererリリース9.0.xからDiscovererリリース10.1.2へのアップグレード

この項では、Discovererリリース9.0.2またはDiscovererリリース9.0.4 (総称してDiscovererリリース9.0.xと呼びます)からDiscovererリリース10.1.2へのアップグレード方法について説明します。項目は次のとおりです。

Discovererリリース9.0.xからDiscovererリリース10.1.2へのアップグレードについて

アップグレード手順1: リリース5.0 EULのバックアップ

アップグレード手順2: リリース5.0 EULのアップグレード

アップグレード手順3: サマリー・フォルダのリフレッシュ

アップグレード手順4: Discovererリリース10.1.2へのユーザーの移行

アップグレード手順5: クライアント・マシンからのDiscovererリリース9.0.x製品の削除

24.2.6.1 Discovererリリース9.0.xからDiscovererリリース10.1.2へのアップグレードについて

Discovererリリース10.1.2を使用するには、DiscovererユーザーがDiscovererリリース5.1のEnd User Layer (EUL)へのアクセス権を持っている必要があります。

アップグレードが必要な各EULについて、次のアップグレード手順を実行します。

警告: EULアップグレード・プロセスによって既存のリリース5.0 EULテーブルが変更されます。既存のユーザーは、アップグレード・プロセス中またはアップグレード・プロセスの完了後に、Discovererリリース9.0.xを使用してEULにアクセスすることはできません。

アップグレードが必要なリリース5.0 EULがすべてアップグレードされたことを確認した後で、次のアップグレード手順を実行します。

すべてのユーザーをアップグレードした後で、次のアップグレード手順を実行します。

24.2.6.2 アップグレード手順1: リリース5.0 EULのバックアップ

EULをアップグレードする前に、まず標準のデータベース・エクスポート・ユーティリティを使用してEUL所有者をエクスポートし、EULテーブルをバックアップしておく必要があります。

EUL所有者のエクスポート方法は次の条件により異なります。

  • マシンにインストールされているOracleクライアント・ソフトウェアのリリース

  • EULが存在するOracleデータベースのリリース

OracleデータベースのリリースとマシンにインストールされたOracleデータベース・クライアント・ソフトウェアのリリースは、同じでなければなりません。リリースが異なる場合(EULがOracle9iデータベースにあり、Oracle10gクライアント・ソフトウェアがマシンにインストールされている場合など)は、この項の指示に従うことができない可能性があります。EULをエクスポートできない場合は、EULをエクスポートできるデータベース管理者に問い合せてください。

リリース5.0 EULをバックアップするには(EULがOracle9iデータベース上に存在し、Oracle Developer Suiteをインストール済のマシンを使用していることを前提とします)、「標準データベース・エクスポート・ユーティリティによるEULのエクスポート方法」の手順に従ってください。

24.2.6.3 アップグレード手順2: リリース5.0 EULのアップグレード

EULをバックアップしたら、そのEULをアップグレードできます。EULをアップグレードする手順は、この項の指示に従って最新リリースのDiscoverer AdministratorでEULを開くのみです。

EULをアップグレードした後、Discovererリリース9.0.xのユーザーはアップグレード後のEULを使用できなくなることに注意してください。

リリース5.0 EULをリリース5.1にアップグレードする手順は、次のとおりです。

  1. Windowsの「スタート」メニューで「プログラム」→「Oracle Business Intelligence Tools- <BI TOOLS HOME NAME>」→「Discoverer Administrator」を選択すると、「Oracle Business Intelligence Discoverer Administratorに接続」ダイアログが表示されます。

  2. アップグレードするEULの所有者のデータベース・ユーザー名およびパスワードを入力します。

  3. 「OK」をクリックします。

    「EULのアップグレードが必要」ダイアログが表示されます。

    図24-8 「Discoverer Administrator のアップグレード」ダイアログ

    図24-8の説明は前後にあります。

    注意:

  4. 「続行」をクリックすると、「EULアップグレード」ダイアログが表示されます。

    図24-9 「EULアップグレード」ダイアログ

    図24-9の説明は前後にあります。
  5. 「はい、データベースのエクスポートを完了し、EULをアップグレードする準備ができました」オプションを選択し、Discovererリリース5.0 EULがエクスポートされていることを確認します。

  6. 「アップグレードを実行」をクリックして、リリース5.0 EULをアップグレードします。

    「EULアップグレード」進行状況ウィンドウに、アップグレードのステータスが表示されます。

    アップグレード・プロセス時に出力されたメッセージは、「End User Layerアップグレードのログ」ダイアログに表示されます。このダイアログはプロセスの最後に表示されます。識別子に含まれる無効な文字を参照するメッセージの詳細は、「Discovererリリース10.1.2用の無効な文字が含まれた識別子のアップグレードに関する注意」を参照してください。

    アップグレードされたEULの中にサマリー・フォルダがある場合は、サマリー・フォルダが無効であり、リフレッシュが必要であることを示す次のメッセージ・ダイアログが表示されます。

    図24-10 無効なサマリーの警告メッセージ・ダイアログ

    図24-10の説明は前後にあります。
  7. 図24-10のメッセージ・ダイアログが表示されたら、「OK」をクリックします。

    ロード・ウィザードが表示されます。

  8. 「取消」をクリックしてロード・ウィザードを終了します。

    EULアップグレードは完了しました。このEULを使用すると、Discoverer Administratorリリース10.1.2を使用してデータベースに接続できます。

24.2.6.4 アップグレード手順3: サマリー・フォルダのリフレッシュ

アップグレードしたEULの中にサマリー・フォルダがある場合には、サマリー・フォルダをリフレッシュする必要があります。

リリース9.0.xのサマリー・フォルダの定義が新しいリリース5.1 EULにコピーされ、アップグレードされたサマリー・フォルダのステータスが「リフレッシュ必須」に変更されます。アップグレードされたサマリー・フォルダの基礎となっているデータベース・テーブルまたはマテリアライズド・ビューは、サマリー・フォルダがリフレッシュされるまでは実際に作成されません。

アップグレードされたサマリー・フォルダをリフレッシュすると、次の処理が行われます。

  • Oracle Standard Editionデータベースでは、Discovererによりサマリー・テーブルが作成されます。

  • Oracle Enterprise Editionデータベースでは、Discovererによりマテリアライズド・ビューが作成されます。

サマリー・テーブルまたはマテリアライズド・ビューが作成されると、Discovererでサマリー・フォルダを使用して最適化クエリーを作成できるようになります。

サマリー・フォルダ、サマリー・テーブルおよびマテリアライズド・ビューの詳細は、第14章「サマリー・フォルダの管理」を参照してください。

アップグレードされたサマリー・フォルダをリフレッシュする手順は、次のとおりです。

  1. アップグレードされたEULの所有者としてDiscoverer Administratorに接続します。

  2. リフレッシュするサマリー・フォルダを含むビジネスエリアを開きます。

  3. ワークエリアの「サマリー」タブを表示します。

  4. リフレッシュするサマリー・フォルダを選択します。

    サマリー・フォルダをDiscovererで使用できるようにするためには、まず、すべてのサマリー・フォルダをリフレッシュする必要があります。しかし、データの量によっては、すべてのサマリー・フォルダを同時にリフレッシュしない場合もあります。

  5. 「ツール」→「サマリーのリフレッシュ」を選択します。

    外部サマリー・テーブルに基づいていないサマリー・フォルダについて、「サマリーのリフレッシュ」ダイアログが表示されます。

    図24-11 「サマリーのリフレッシュ」ダイアログ

    図24-11の説明は前後にあります。
  6. 必要に応じてリフレッシュ・オプションを指定します。

    すぐにリフレッシュすることも、時間を指定してリフレッシュすることもできます。データの量に応じて、ピークを避けた時間帯にスケジュールすることも可能です。

  7. 「OK」をクリックしてサマリー・フォルダをリフレッシュします。

注意

  • アップグレードされたEULに、外部サマリー・テーブルに基づくサマリー・フォルダが含まれる場合は、これらのサマリー・フォルダもリフレッシュする必要があります。Discovererはリフレッシュ中に、外部サマリー・テーブルに基づいてサマリー・フォルダのEULメタデータを更新します。Oracle9i以降のEnterprise Editionデータベースを使用している場合は、Discovererにより外部サマリー・テーブルを参照するマテリアライズド・ビューが作成されます。

24.2.6.5 アップグレード手順4: Discovererリリース10.1.2へのユーザーの移行

リリース5.0 EULをすべてアップグレードし、アップグレード後のEULが使用可能な状態にあることを確認した後は、DiscovererユーザーをDiscovererリリース10.1.2に移行します。

ユーザーをDiscovererリリース10.1.2に移行するまで、ユーザーはアップグレード後のEULにアクセスできません。

DiscovererユーザーをDiscovererリリース10.1.2に移行する方法は、使用されているDiscovererツールによって異なります。

Discoverer PlusおよびDiscoverer Viewerユーザーを移行する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Business Intelligence Discovererをインストールします。

  2. Oracle Application Server 10gの10g (10.1.2)へのアップグレードの手順に従って中間層のDiscovererコンポーネントをアップグレードします。

Discoverer Desktopユーザーを移行する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Business Intelligenceツールに付属しているCDを使用して、クライアント・マシンにDiscoverer Desktopをインストールします。

    Oracle Installerは、Discoverer Desktopリリース10.1.2をDiscovererリリース9.0.xのディレクトリとは異なるディレクトリにインストールします。

注意

ユーザーが初めてDiscovererリリース10.1.2にログインしたとき(Discoverer Plus、Discoverer DesktopまたはDiscoverer Viewerを使用)、Discovererではそのユーザーがアクセス権を持っているすべてのリリース5.1 EULが次のように検索されます。

  • 有効なEULが検出された場合、ユーザーは、Discovererリリース10.1.2に接続して作業を開始できます。

  • 有効なEULが検出されない場合は、ユーザーがデータベースに接続できないことがDiscovererにより警告されます。EULがアップグレードされていない可能性があるため、ユーザーはこの時点でDiscovererマネージャに連絡する必要があります。ユーザーはアップグレードされていないEULに対し、引き続きDiscovererリリース9.0.xを使用できます。

Discovererリリース10.1.2がインストールされ、データベースへの接続がリリース5.1 EULを通じて正常に確立された後は、Discovererリリース9.0.x製品(Discoverer DesktopおよびDiscoverer Administrator)をクライアント・マシンから削除できます。

24.2.6.6 アップグレード手順5: クライアント・マシンからのDiscovererリリース9.0.x製品の削除

DiscovererマネージャとユーザーがDiscovererリリース10.1.2を使用してリリース5.1 EULに正常に接続できたら、Discovererリリース9.0.x製品(Discoverer Administrator、Discoverer Desktop)をクライアント・マシンから削除できます。

Discovererリリース9.0.x製品をクライアント・マシンから削除する手順は、次のとおりです。

  1. Discovererリリース9.0.x製品のインストールに使用したCDをコンピュータに挿入します。

    Oracle Installerが自動的に起動します。Installerが自動的に起動しない場合は、Windows ExplorerからCD-ROMにアクセスし、CDルート・ディレクトリからsetup.exeを実行します。

  2. Oracle Installerのダイアログを使用してDiscovererリリース9.0.x製品を削除します。

    Discovererリリース9.0.xで作成され、<ORACLE_HOME>\discoverer902ディレクトリ(リリース9.0.2)または<ORACLE_HOME>\discovererディレクトリ(リリース9.0.4)に保存されているワークブックは削除されません。

  3. (オプション)後でDiscovererリリース10.1.2で使用するためにDiscovererリリース9.0.xのワークブックを保持する手順は、次のとおりです。

    1. Discovererリリース9.0.xのワークブックを新しいディレクトリに移動します。

    2. 元のディレクトリを削除します。

24.2.7 Discovererリリース10.1.2へのアップグレードに関する注意

この項では、Discovererリリース10.1.2へのアップグレードに関する注意を説明します。

24.2.7.1 Discovererリリース10.1.2用のOracle Applications EULのアップグレードに関する注意

Oracle Applications EULをアップグレードするときには、EULテーブルのMAXEXTENTS記憶域プロパティが、EULが作成された表領域のMAXEXTENTS記憶域プロパティよりも大きな値になっている可能性がありますので注意してください。このような場合には、EULのアップグレードは次の理由により失敗します(ORA-01631エラー)。

  • アップグレード・プロセスは、新しいEULテーブルを作成するときに、元のEUL表領域のMAXEXTENTS値を使用します。

  • このため、新しいEULテーブルは、元のEULテーブルからのデータを含めるだけの十分な大きさを持たないものになります。

EULテーブルのMAXEXTENTS値がEULの表領域のMAXEXTENTS値よりも大きいときには、EULをアップグレードする前に、元のEULの表領域のMAXEXTENTS値を増加するようにデータベース管理者に依頼してください。新しいEUL表領域および新しいEULテーブルは、より大きなMAXEXTENTS値を持つように作成されます。

24.2.7.2 Discovererリリース10.1.2用の分析関数を含むEULのアップグレードに関する注意

Discovererリリース4.1 EULをDiscovererリリース5.1 EULにアップグレードすると、新しいOracle9i分析関数がEULテーブルに追加されます。

新しい関数と同じ名前(または同じ一意識別子)の既存のユーザー定義関数がある場合、Discovererは次の処理を実行します。

  • 既存のユーザー定義関数の名前を変更

  • アップグレード・プロセスの最後にログ・メッセージを表示

  • ログ・ファイルにメッセージを保存するオプションの提供

注意: Discovererの内部参照システムにより、Discovererエンド・ユーザーは名前を変更されたユーザー定義関数を含むワークブックを引き続き使用できます。

24.2.7.3 Discovererリリース10.1.2用のVideo Storesチュートリアルのアップグレードに関する注意

Video Storesチュートリアルは、Discovererの特定のリリースに固有のものです。

Discovererの新しいリリースにアップグレードしたときは、チュートリアルをアップグレードするのではなく、適切なリリースのDiscoverer Administratorを使用して、Video Storesサンプル・データをインストールしてください。

24.2.7.4 Discovererリリース10.1.2用のスケジュール・ワークブックのアップグレードに関する注意

リリース3.1 EULをリリース4.1 EULにアップグレードしたときは、別個の実行可能ファイル(dis4sch.exe)を実行してスケジュール・ワークブックをアップグレードする必要があります(詳細は、Discoverer 4.1のリリース・ノートを参照)。

リリース4.1 EULをリリース5.1 EULにアップグレードすると、スケジュール・ワークブックは自動的にアップグレードされます。ただし、スケジュール・ワークブックの結果はリリース5.1 EULにコピーされません。アップグレード後のスケジュール・ワークブックの結果は、スケジュール・ワークブックが次に実行されるまで利用できません。

24.2.7.5 Discovererリリース10.1.2用の.disファイルに保存されたワークブックのアップグレードに関する注意

Discoverer Desktopユーザーが.disファイル内のファイル・システムにワークブックを保存した場合、.disファイルをアップグレードするまで最新リリースのDiscovererでワークブックを使用できません。

.disファイルをアップグレードする手順は、ユーザーが.disファイルを最新リリースのDiscovererで開き、そのファイルを再びファイル・システムまたはデータベース(ファイルをDiscoverer PlusおよびDiscoverer Viewerで開く場合)に保存するのみです。.disファイルがアップグレードされると、前のリリースのDiscoverer Desktopのユーザーはファイルを開くことができなくなります。

24.2.7.6 Discovererリリース10.1.2用のEUL Gatewayを使用するDiscovererシステムのアップグレードに関する注意

Discovererシステムでは、EUL Gatewayを使用して、データベースのオンライン・ディクショナリ以外のソース(Oracle Designerなど)からのメタデータがEULに移入されることがあります。

このようなシステムをアップグレードする場合は、アップグレード・プロセスの完了後にEUL Gatewayを再インストールして再構成する必要があります。EUL Gatewayのインストールおよび構成の詳細は、<ORACLE_HOME>\discoverer\kitsディレクトリにあるeulgatew.docドキュメントを参照してください。

24.2.7.7 Discovererリリース10.1.2用の集合演算子を含むサマリー・フォルダのアップグレードに関する注意

リリース3.1 EULを、Oracle9i以降のEnterprise Editionデータベース上のリリース4.1 EULにアップグレードする場合は、集合演算子(UNION、UNION ALL、MINUS、INTERSECTなど)に基づくサマリー・フォルダが無効になる可能性があります。

アップグレード・プロセスの間に、サマリー・フォルダはマテリアライズド・ビューに変換されます。しかし、Oracle9i以降のEnterprise Editionデータベースでは、マテリアライズド・ビュー内の集合演算子(UNION、UNION ALL、MINUS、INTERSECTなど)の使用が制限されます。

マテリアライズド・ビュー内の集合演算子の使用に関する制限は、Oracle 9.2以降のデータベースでは削除されています。

24.2.7.8 Discovererリリース10.1.2用の無効な文字が含まれた識別子のアップグレードに関する注意

Discovererの今後のリリースでは、識別子で使用できる有効な文字が変更され、一部の文字はサポートされない可能性があります(詳細は、「識別子」を参照)。文字がサポートされなくなる場合、Discovererでは、変更が必要なリリースでの無効な文字が自動的に変更されます。

注意: 9.0.2から9.0.4へのアップグレード中に、Discovererでは、識別子に含まれる無効な文字が検出され、今後のリリースでは文字の変更が必要なことを警告するメッセージが表示されます。実際には、Discovererによって、変更が必要となるリリースでの無効な文字が自動的に変更されます。

24.2.8 スケジュール・ワークブックと、Discoverer 10.1.2およびOracle9iより前のデータベース・リリースとの互換性

新しいバッチPL/SQLパッケージがユーザーのスキーマにインストールされます。

Oracle9iより前のデータベース上のEULをDiscoverer 10.1.2にアップグレードすると、既存のパッケージに加えて、新しいバッチPL/SQLパッケージがユーザーのスキーマにインストールされます。既存のPL/SQLパッケージが保持されるため、既存のスケジュール・ワークブックのバッチ・ジョブが破壊されることはありません。ただし、新しいバッチPL/SQLパッケージ内の関数名は、既存のバッチPL/SQLパッケージと同じままです。

スクリプトを実行して、スケジュール・ワークブック結果スキーマが結果テーブルを所有するように指定します。

EULを、Oracle9iより前のデータベース・リリースからDiscoverer 10.1.2にアップグレードするときは、次の条件を満たしているかどうかを確認してください。

  • ワークブックをスケジュールするデータベース・ユーザーが、ワークブックの結果を含むデータベース・テーブルを所有しない。

  • 別のデータベース・ユーザー(スケジュール・ワークブック結果スキーマ)が、ワークブックの結果を含むデータベース・テーブルを所有する。

この場合は、SQLスクリプトbatchusr.sqlを使用して、新しいバッチPL/SQLパッケージ(EUL5_BATCH_REPOSITORY)をインストールする必要があります。このスクリプトは、<ORACLE_HOME>\discoverer\utilディレクトリにあります。新しいバッチPL/SQLパッケージは、スケジュール・ワークブック結果スキーマ(ワークブックの結果を含むテーブルを所有するユーザーのスキーマ)にインストールできます。詳細は、「スクリプトを使用して、スケジュール・ワークブック結果スキーマ(ワークブックをスケジュールするデータベース・ユーザーではなく)が、スケジュール・ワークブックの結果テーブルを所有するように指定する方法」を参照してください。

注意: EULを、Oracle9iより前のデータベースからDiscovererリリース10.1.2にアップグレードする場合、バッチPL/SQLパッケージは同一のためアップグレードする必要はありません。

スケジュール・ワークブックの詳細は、第8章「ワークブックのスケジュール」を参照してください。