Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Plusユーザーズ・ガイド 11gリリース1 (11.1.1) E51907-01 |
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この章では、Oracle Business Intelligence Discoverer (Oracle BI Discoverer)について説明します。項目は次のとおりです。
Oracle BI Discovererは、直観的で非定型のクエリー、レポート作成、分析およびWebパブリッシングのツールセットで、ビジネス・ユーザーによるデータベース情報への即時アクセスを提供します。
Oracle BI Discovererによって、組織のあらゆるレベルのビジネス・ユーザーが、情報に基づいたビジネス上の意思決定をすみやかに行うことができます。標準のWebブラウザを使用して、リレーショナルとマルチディメンション両方のデータ・ソースのデータへのセキュアな即時アクセスが可能です。Oracle BI Discovererに用意されているビジネス・ビューによって、ユーザーは基礎となるデータ構造の複雑さから解放されるため、ビジネス上の問題の解決に集中できます。
Oracle BI Discovererは、Oracleデータベースとともに動作する統合された複数のコンポーネントで構成され、完全な統合ビジネス・インテリジェンス・ソリューションを提供します。
使用するOracle BI Discovererのコンポーネントは、実行するタスクによって異なります。
新規ワークシートを作成し、リレーショナルとマルチディメンション両方のデータ・ソースのデータをWeb上で分析する場合は、Discoverer Plusを使用します。
新規ワークシートを作成し、PC上のWindowsアプリケーションを使用してリレーショナル・データ・ソースのデータを分析する場合は、Discoverer Desktopを使用します。
既存のワークシートのデータを分析する場合は、Discoverer Viewerを使用するか、Discoverer Portlet Providerを使用してOracle PortalページまたはOracle WebCenter Spacesに追加されたDiscovererポートレットを使用します。
Discoverer接続、ワークブック、ワークシートを取得して、Oracle BI Publisherでクエリーを実行したり、SOAPプロトコルを使用してJavaクライアント・アプリケーションからクエリーを実行する場合は、Discoverer Web Servicesを使用します。
Discovererワークシートをダッシュボード形式のポータルにゲージとして表示する場合は、Discoverer Portlet ProviderおよびDiscovererポートレットを使用します。
リレーショナル・データのエンド・ユーザー・ビューを管理するには、Discoverer Administratorを使用します。
Oracle BI Discovererのコンポーネントでは、Discoverer End User LayerまたはDiscovererカタログに格納されているDiscovererオブジェクトの定義を使用します。
Oracle BI Discovererコンポーネントの詳細は、「Oracle BI Discovererの様々なコンポーネント」を参照してください。
従来の他のデータ・アクセス方法とOracle BI Discovererを比較すると、Oracle BI Discovererが優れている理由を理解できます。データベース内の情報を分析する場合を考えてみます。今までは、通常次のことが必要でした。
データベースの理解およびデータを検索するためのSQLと呼ばれるプログラミング言語の理解(またはプログラマへのデータ検索の依頼)
データが検索されるまでの長時間待機
分析用にデータを再フォーマットすること(通常、スプレッドシート・パッケージ、グラフ・パッケージまたは統計分析パッケージへのエクスポートが必要)
Oracle BI Discovererでは、参照するデータを含むワークブックを開いて分析を開始するのみです。データベースに関する知識は必要ありません。情報の取得に長時間待機する必要はありません。データの分析に別のアプリケーションを使用する必要はありません。
Oracle BI Discovererの強力で直観的なユーザー・インタフェースによって、次のことを実行できます。
データベース内のデータを検索できます。
コンピュータによるデータベース全体の検索を待たずに、すばやくデータにアクセスできます。
読みやすく、理解しやすい一般的なスプレッドシート・フォーマットでデータを表示できます。
次のような強力な技術を使用してデータを分析できます。
データのドリルアップとドリルダウン
特定の条件に一致するデータ、または指定範囲内のデータの検索
データのソート
分析結果を示すレポートを準備できます。
データを他者および他のアプリケーション(Microsoft Excelなど)と共有できます。
Oracle BI Discovererを使用して情報を分析するには、Discovererのワークブックとワークシートを作成して使用します。
ワークブックは、ワークシートの集まりに名前を付けたものです。各ワークシートには、データベースからビジネス情報を抽出するために必要なデータやグラフが含まれています。各ワークシートにはクエリーの結果が表示されます。
ワークシートには情報を次のように表示できます。
セル内のデータ・ポイントとして表示できます(テーブルまたはクロス集計としてフォーマットされます)。
グラフとして表示できます(Oracle BI Discovererでは、様々なタイプのグラフがサポートされています)。
ワークシートを作成および分析するには、Discoverer PlusおよびDiscoverer Desktopを使用します。
ワークシートを表示、分析およびカスタマイズするには、Discoverer ViewerおよびDiscovererポートレットを使用します。
Oracle BI Discovererへの理解が深まるにつれて、ユーザーは各自に最も適したワークフローがわかるようになります。
通常、Oracle BI Discovererは次の3つの段階に分けて使用します。
Oracle BI Discovererで作業するときは、次の方法で必要なデータを取得します。
Discovererマネージャまたは他のDiscovererユーザーが作成した既存のワークブックを使用する方法
Discoverer PlusまたはDiscoverer Desktopを使用して、新しい方法でデータを分析するために新しいワークブックを作成する方法
Oracle BI Discovererを使用するうえでの最終目標は、データを分析して有効なビジネス上の意思決定を行うことです。そのためには、自社のビジネスに関する質問事項を作成します。次に例を示します。
心臓移植患者の平均入院期間
最近12か月間に採用した技術者数
帯域幅を増やす必要がある電話回線
Discovererのデータ分析ツールを使用すると、次の作業によって、こうした質問やその他のビジネス上の質問に対する解答が見つかります。
データをピボットして比較します。
データをドリルアップおよびドリルダウンして、統合された情報または詳細な情報を表示します。
ドリルアウトして、別のアプリケーションでデータを分析します。
総計を作成してパーセントを計算し、カスタム計算を作成します。
グラフおよびチャートでデータを視覚的に表示します。
最終結果は一連のワークシートおよびグラフに示され、ビジネス上の意思決定を説得力のある手法で支援します。
取得したデータの分析結果は、組織内、顧客またはビジネス・パートナなどの他の人々と共有できます。
データを共有する相手もOracle BI Discovererを使用している場合は、次のことが可能です。
Discovererのワークブックとワークシートを共有できます(ワークブックの共有方法の詳細は、「ワークブックの共有について」を参照)。
Discoverer Plusユーザーは、ワークシートを開き、個人用のコピーをデータベースに保存できます。Discoverer Viewerユーザーは、ワークシートを表示し、独自のパーソナライズを保存できます(パーソナライズは、データベース内のソース・ワークシートには影響を与えません)。
Discoverer Portlet Providerを使用して、Oracle Portalページ上のポートレットとしてワークシートを公開できます(詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discovererポートレット公開ガイドを参照)。
データを共有する相手がOracle BI Discovererを使用していない場合は、一般的なアプリケーション・フォーマット(Microsoft ExcelやHTMLなど)にDiscovererワークシートをエクスポートできます。ワークシートのエクスポート方法の詳細は、「他のアプリケーションへのDiscovererデータのエクスポート」を参照してください。
Oracle BI Discovererは、次のコンポーネントで構成されています。
Oracle Business Intelligence Discoverer Plus
このコンポーネントはインターネットまたはイントラネット上で実行されます。次のことができます。
新規ワークシートおよびグラフを作成し、必要なデータを取得する。
データを分析する。
ワークシートおよびグラフを他の人と共有する。
詳細の参照先は、次のとおりです。
Discoverer Plus Relationalの使用方法の詳細は、「Discoverer Plusをリレーショナル・データ・ソースで使用する方法」を参照してください。
Discoverer Plus OLAPの使用方法の詳細は、「Discoverer Plusをマルチディメンション・データ・ソースで使用する方法」を参照してください。
Oracle Business Intelligence Discoverer Viewer
このOracle BI Discovererコンポーネントは、インターネットまたはイントラネット上のWebブラウザ内部で実行されます。Discoverer Viewerを使用すると、Discoverer PlusおよびDiscoverer Desktopで作成したワークシート内のデータを分析できます。ワークシートをパーソナライズし(アイテムの再配置など)、変更内容を保存できます。
Discoverer Viewerの詳細は、『Oracle Business Intelligence Discoverer Viewerユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle Business Intelligence Discoverer Portlet ProviderおよびDiscovererポートレット
これらのOracle BI Discovererコンポーネントは、インターネットまたはイントラネット上のWebブラウザ内部で実行されます。Discoverer Portlet Providerを使用すると、Discovererワークシートを既存のOracle Portalページの領域(またはポートレット)として追加できます。Discoverer Portlet Providerを使用して、次のタイプのDiscovererポートレットを公開できます。
ワークシートのリスト・ポートレット
ワークシート・ポートレット
ゲージ・ポートレット
ワークシートをパーソナライズし(ストップライト・フォーマットの追加など)、変更内容を保存できます。
Oracle BI Discoverer Desktop
このOracle BI Discovererコンポーネントは、新規ワークシートを作成してリレーショナル・データ・ソースのデータを分析できるようにする、Windows専用アプリケーションです。Discoverer Desktopで作成したワークシートは、Discoverer Plus、Discoverer ViewerおよびDiscovererポータルで使用できます。
Discoverer Desktopの詳細は、『Oracle Business Intelligence Discoverer Desktopユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle BI Discoverer Administrator
このOracle BI Discovererコンポーネントは、Discovererマネージャがビジネス指向のリレーショナル・データ・ビューの作成とメンテナンスに使用する、Windows専用アプリケーションです。Discoverer Administratorには、次のタスクを行うウィザードとダイアログが用意されています。
データに対するアクセス制御
サマリー・データの管理
バッチ・スケジュールの管理
Discoverer Administratorの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer管理者ガイド』を参照してください。
Oracle BI Discoverer End User Layer (EUL)
Discoverer End User Layerコンポーネントは、リレーショナル・データ・ソースのクエリー時に使用するオブジェクトの定義を格納および取得するためのリポジトリです。
End User Layerの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer管理者ガイド』を参照してください。
Oracle BI Discovererカタログ
Discovererカタログ・コンポーネントは、マルチディメンション・データ・ソースのクエリー時にユーザー・オブジェクトの定義を格納および取得するためのリポジトリです。
Discovererカタログの詳細は、「Discovererカタログ」を参照してください。
Discovererマネージャは、Discovererの設定およびメンテナンスを担当する組織内のユーザーです。Discovererマネージャが、Discovererユーザーのために事前定義ワークブックを作成する場合もあります。
Discovererマネージャは、Discoverer Administratorコンポーネントを使用して次の作業を行います。
組織のデータベース内のデータをビジネスエリアに編成します。
Discovererユーザーに、参照権限があるデータへのアクセス権を付与します。
Discovererのパフォーマンスを最適化します。
Discovererマネージャは、Discovererカタログのメンテナンスも行います。
Discovererマネージャのロールの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer管理者ガイド』を参照してください。