この章では、Oracle Fusion Middlewareのバックアップおよびリカバリの概要(Oracle Fusion Middlewareコンポーネントに関するバックアップおよびリカバリの推奨事項を含む)について説明します。
この章には次のトピックが含まれます:
Oracle Fusion Middleware環境には、様々なコンポーネントや構成を含めることができます。通常のOracle Fusion Middleware環境は、Oracle SOA SuiteなどのJavaコンポーネントが含まれるOracle WebLogic Serverドメイン、およびIdentity Managementコンポーネントが含まれるWebLogic Serverドメインで構成されます。また、Oracle HTTP Server、Oracle Web Cache、Oracle Internet Directory、Oracle Virtual Directoryなどのシステム・コンポーネントを含むOracleインスタンスを含めることもできます。
Oracle Fusion Middleware環境内のインストールでは、構成情報、アプリケーションおよびデータの同期が保たれ、相互に依存します。たとえば、構成を変更すると、構成ファイル内の情報が更新されます。アプリケーションをデプロイすると、ドメインまたはクラスタ内のすべての管理対象サーバーへのデプロイが必要な場合があります。
したがって、バックアップおよびリカバリを実行するときは、Oracle Fusion Middleware全体の環境を考慮することが重要になります。Oracle Fusion Middleware環境全体を一度に、その後定期的にバックアップしてください。そうすれば、ファイルやデータなどが失われた場合でも、環境を一貫性のある状態にリストアできます。
次の各項目では、バックアップとリカバリを理解するために重要な概念について説明します。
管理サーバーで発生した障害が、ドメイン内の管理対象サーバーの操作に影響を与えることはありませんが、管理者がドメインの構成を変更できなくなります。管理サーバーのホスト・コンピュータ上のハードウェアまたはソフトウェアの障害が原因で管理サーバーに障害が発生した場合は、同じコンピュータ上のその他のサーバー・インスタンスが同様に影響を受けることがあります。
管理対象サーバー・インスタンス(クラスタ化されているものも、そうでないものも)が実行されている場合に、そのドメインの管理サーバーが使用できなくなっても、管理対象サーバーは継続して実行されます。周期的に、これらの管理対象サーバーは管理サーバーへの再接続を試みます。クラスタ化された管理対象サーバー・インスタンスでは、ドメイン構成でサポートされているロード・バランシングおよびフェイルオーバーの機能を引き続き使用できます。
管理対象サーバーを初めて起動する場合は、管理サーバーに接続して構成のコピーを取得する必要があります。これで、管理サーバーが実行されていない場合でも、管理対象サーバーを起動できます。この場合、管理対象サーバーでは、起動構成用にドメインの構成ファイルのローカル・コピーが使用され、周期的に管理サーバーとの接続が試行されます。管理サーバーに接続されると、管理対象サーバーの構成状態が管理サーバーの構成状態に同期されます。
管理対象サーバーでは、ドメイン構成のローカル・コピーが保持されます。管理対象サーバーは、起動時に管理サーバーに接続し、管理対象サーバーが前回停止してからドメイン構成に変更が行われた場合は、その変更を取得します。管理対象サーバーが起動時に管理サーバーに接続できない場合は、ローカルにキャッシュされている構成情報を使用できます。これは、管理対象サーバーが前回停止した時点での構成です。管理サーバーに接続して構成の更新を確認できずに起動した管理対象サーバーは、管理対象サーバーの独立(MSI)モードで実行されます。デフォルトでは、MSIモードが有効になっています。ただし、初めて起動する場合は、管理サーバーが停止しているとキャッシュされた構成を使用できないため、管理対象サーバーはMSIモードでも起動できません。
構成の変更は、次の場合に管理対象サーバーで更新されます。
管理対象サーバーが再起動するたびに、管理サーバーから最新の構成が取得されます。これは、その管理対象サーバーが実行されているノードのノード・マネージャが停止している場合でも行われます。管理対象サーバーの再起動時に管理サーバーが使用できない場合、およびMSI(管理対象サーバーの独立)モードが管理対象サーバーで有効になっている場合は、管理対象サーバーは構成のローカル・コピーを読み取って起動し、管理サーバーが使用可能になったときに管理サーバーと同期します。デフォルトでは、MSIモードが有効になっています。
構成の変更、アプリケーションのデプロイまたは再デプロイ、トポロジの変更など、管理上の変更がアクティブ化されるたびに、管理サーバーから管理対象サーバーに最新の構成がプッシュされます。管理対象サーバーが実行されていない場合は、管理対象サーバーが起動したときに、管理サーバーから管理対象サーバーに最新バージョンの構成がプッシュされます。
Oracle Fusion Middleware環境のバックアップに使用できるものは次のとおりです。
copy、xcopy、tar、jarなどのファイル・コピー用ユーティリティ。ユーティリティでは、次のことを確認してください。
シンボリック・リンクが保持されること
長いファイル名がサポートされること
ファイルの権限と所有権が保持されること
例:
Windowsの場合、オンライン・バックアップにはcopyまたはxcopyを使用し、オフライン・バックアップにはcopy、xcopyまたはjarを使用します。長いファイル名や拡張子には対応していないため、Winzipは使用しないでください。
一部のバージョンのWindowsでは、ファイル名が256文字を超えていると失敗します。この問題が発生しないようにするには、次のスイッチを指定したxcopyコマンドを使用できます。
xcopy /s/e "C:\Temp\*.*" "C:\copy"
構文と制限の詳細は、xcopyのヘルプを参照してください。
LinuxおよびUNIXでは、オンラインおよびオフラインのバックアップにtarを使用します。
Oracle Fusion Middlewareで使用されるデータベース・ベースのメタデータ・リポジトリとすべてのデータベースのバックアップに使用するOracle Recovery Manager (RMAN)。RMANでは、全体バックアップまたは増分バックアップを実行できます。RMANを使用したデータベースのバックアップについては、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
長期間バックアップを保持する場合は、たとえばOracle Secure Backupを使用して、テープにバックアップできます。
構成ファイルのバックアップ・コピーを作成するようにOracle WebLogic Serverを構成することもできます。これによって、構成の変更を元に戻す必要がある場合や、ほとんど可能性はなくとも構成ファイルが破損した場合のリカバリが簡単になります。管理サーバーの起動時に、構成ファイルを格納したconfig-booted.jarという名前の.jarファイルが保存されます。構成ファイルを変更した場合、変更前のファイルは、ドメイン・ディレクトリの下のconfigArchiveディレクトリに、config-1.jarなどの続き番号が付けられた.jarファイルとして保存されます。ただし、構成アーカイブは常に、管理サーバー・ホストのローカルとして保存されます。アーカイブは外部の場所にバックアップすることをお薦めします。
Oracle Fusion Middleware環境は、オフラインまたはオンラインでバックアップできます。
オフライン・バックアップでは、ファイルのバックアップを行う前に環境を停止する必要があります。オフライン・バックアップを行う場合は、管理サーバー、ドメイン内のすべての管理対象サーバーおよびOracleインスタンス内のすべてのシステム・コンポーネントを停止する必要があります。
インストール後およびパッチやアップグレードの適用後はすぐに、オフラインで環境をバックアップしてください。
オンライン・バックアップでは、ファイルのバックアップを行う前に環境を停止しません。バックアップの矛盾を防ぐために、バックアップが完了するまでは、いずれの構成も変更しないでください。WebLogic Serverドメインで変更が行われないようにするには、第3.4.2項で説明しているようにWebLogic Serverの構成をロックします。
Oracle Fusion Middleware環境全体をバックアップすることも、頻繁に変更されるファイルであるランタイム・アーティファクトをバックアップすることもできます。
全体バックアップを実行するには、静的ファイルおよび静的ディレクトリとともに、ランタイム・アーティファクトをバックアップする必要があります。これらについては、第17.3.2項で説明します。
バックアップ・アーティファクトには、静的ファイルや静的ディレクトリ、およびランタイム・アーティファクトが含まれます。
静的ファイルや静的ディレクトリは、頻繁に変更されるものではありません。これには次のものがあります。
Middlewareホーム(MW_HOME)。Middlewareホームは、WebLogic Serverホーム(Oracle WebLogic Server製品ディレクトリが含まれます)、Oracle共通ホーム、およびオプションでOracleホームで構成されます。また、Oracle WebLogic Serverドメインを格納したuser_projectsディレクトリや、静的ファイルではないOracleインスタンス・ホームが含まれる場合もあります。
OraInventory
LinuxおよびUNIXの場合はoraInst.locファイル。これは、次のディレクトリにあります。
(Linux and IBM AIX) /etc (Other UNIX systems) /var/opt/oracle
LinuxおよびUNIXの場合はoratabファイル。これは、次のディレクトリにあります。
/etc
beahomelistファイル。これは、次の場所にあります。
(UNIX) user_home/bea/beahomelist
(Windows) C:\bea\beahomelist
Windowsの場合は次のレジストリ・キー。
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\oracle
また、Oracle Web Cacheなどのシステム・コンポーネント用に、次のWindowsレジストリ・キーをバックアップする必要があります。
HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services
ランタイム・アーティファクトは頻繁に変更されるファイルです。これらのファイルは、全体バックアップの実行時、および定期的にバックアップします。ランタイム・アーティファクトには次のものがあります。
管理サーバーおよび管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリ(デフォルトでは、ドメイン・ディレクトリはMW_HOMEの中にありますが、別の場所を指すようにユーザーが構成できます)
ほとんどの場合、管理対象サーバーのディレクトリを個別にバックアップする必要はありません。管理サーバーのドメインには管理対象サーバーすべてに関する情報が格納されているためです。
すべてのOracleインスタンス・ホーム。これはデフォルトでMW_HOMEの中にありますが、別の場所に置くように構成できます。
.earファイルや.warファイルなど、ドメインの外にあるアプリケーション・アーティファクト。
管理対象サーバーのディレクトリ構造のアプリケーション・アーティファクトは、管理対象サーバーの起動時に管理サーバーから取得できるため、バックアップする必要はありません。
MDSリポジトリなどのデータベース・アーティファクト。
Oracle Fusion Middlewareが使用する、データベース・ベースのメタデータ・リポジトリ。Oracleのデータベースをバックアップするには、Oracle Recovery Manager (RMAN)を使用します。
JMSプロバイダやトランザクション・ログなどの永続性ストア。これはデフォルトでuser_projectsディレクトリにありますが、別の場所に置くように構成できます。
この項では、バックアップの実行に際し推奨される戦略について説明します。この戦略に従って、このマニュアルで説明するリカバリ手順を実行することができます。
オフラインの全体バックアップの実行: これには、第17.3.1項で説明しているエンティティのバックアップも含まれます。オフラインの全体バックアップは、次の時点で実行します。
Oracle Fusion Middlewareのインストール直後
Oracle Fusion Middleware環境のアップグレードの直前
オペレーティング・システム・ソフトウェアのアップグレード直後
Oracle Fusion Middlewareのアップグレードまたはパッチ適用直後
ランタイム・アーティファクトのオンライン・バックアップの実行: これには、第17.3.1項で説明しているランタイム・アーティファクトのバックアップも含まれます。ランタイム・アーティファクトをバックアップすることにより、構成とメタデータを最後にバックアップした時点の一貫性のある状態に環境をリストアすることができます。バックアップの矛盾を防ぐために、バックアップが完了するまでは、いずれの構成も変更しないでください。ランタイム・アーティファクトのオンライン・バックアップは、次の時点で実行します。
定期的。ランタイム・アーティファクトのバックアップは夜間に行うことをお薦めします。
コンポーネントに対して構成の変更を行う前。
コンポーネントに対して構成の変更を行った後。
管理対象サーバーまたはクラスタにカスタムのJava EEアプリケーションをデプロイする前。
サーバーやクラスタの作成など、デプロイメント・アーキテクチャに対して大きな変更が行われた後。
データベースの全体バックアップまたは増分バックアップの実行: RMANを使用してデータベースをバックアップします。RMANの使用方法および推奨されるデータベースのバックアップ方法については、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
リカバリ戦略により、実データの損失などの重大な障害からのリカバリが可能になります。損失のタイプにもよりますが、次のファイル・タイプのどのような組合せでもリカバリできます。
Oracleソフトウェア・ファイル
構成ファイル
Oracleシステム・ファイル
Windowsレジストリ・キー
アプリケーション・アーティファクト
Oracle Fusion Middleware環境のリカバリは、Oracle Fusion Middlewareがオフラインのときに実行できます。
Oracle Fusion Middleware環境のリカバリに使用できるものは次のとおりです。
copy、xcopy、tarなどのファイル・コピー用ユーティリティ
ファイルのリストア時、圧縮ファイルの解凍には、それに適したツールを使用します。
Windowsでのオンライン・リカバリには、copyまたはxcopyを使用します。オフライン・リカバリには、copy、xcopyまたはjarを使用します。
一部のバージョンのWindowsでは、ファイル名が256文字を超えていると失敗します。この問題が発生しないようにするには、次のスイッチを指定したxcopyコマンドを使用できます。
xcopy /s/e "C:\Temp\*.*" "C:\copy"
構文と制限の詳細は、xcopyのヘルプを参照してください。
長いファイル名や拡張子には対応していないため、Winzipは使用しないでください。
LinuxおよびUNIXの場合はtarを使用します。
使用しているツールが、ファイルの権限とタイムスタンプを保持することを確認してください。
データベース・ベースのメタデータ・リポジトリのリカバリにはOracle Recovery Manager (RMAN)
Oracle Fusion Middleware環境は、部分的にまたは全体をリカバリできます。次のリカバリが可能です。
Middlewareホーム
WebLogic Serverドメイン
WebLogic Server管理サーバー
WebLogic Server管理対象サーバー
Oracleホーム
Oracleインスタンス・ホーム
Oracle SOA SuiteやOracle HTTP Serverなどのコンポーネント
WebLogic Serverクラスタ
デプロイ済アプリケーション
リカバリに関しては次の重要な点に注意してください。
Oracle Fusion Middleware環境は、リカバリの実行中はオフラインにする必要があります。
必要なファイルを間違ってオーバーライドしないよう、バックアップからファイルをリストアする前に既存の重要なファイルおよびディレクトリの名前を変更してください。
1、2個のファイルのみが消失または破損しているように見える場合もありますが、1、2個のファイルのみをリストアするのではなく、Oracleインスタンス・ホームやドメインなど要素全体のディレクトリ構造をリストアする必要があります。そうすることで、リカバリが成功する可能性が高くなります。
ポイント・イン・タイム・リカバリを使用して、データベースを最新の状態にリカバリします(データベースがアーカイブ・ログ・モードで構成されている場合)。これは通常、データベースに障害が発生する直前の状態です。
次の各項では、具体的なOracle Fusion Middlewareコンポーネントのバックアップおよびリカバリに関する推奨事項について説明します。
これらの項目には、特定のコンポーネントの構成ファイルに関する情報が含まれています。ファイルのリストが包括的なリストではないことに注意してください。個々のファイルをバックアップしたりリカバリするわけではありません。一般的に、バックアップまたはリカバリするのは、Middlewareホーム、ドメイン、OracleホームまたはOracleインスタンスです。
環境のバックアップ手順は、第18.3項を参照してください。コンポーネントのリカバリ手順は、第19章を参照してください。
次の各項では、Oracle WebLogic Serverのバックアップおよびリカバリに関する推奨事項について説明します。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle WebLogic Serverのデータについて説明します。
構成ファイル
構成ファイルおよびアプリケーションは、ドメイン・ホームに格納されています。
データベース・リポジトリに依存するもの
デフォルトでは、Oracle WebLogic Serverは、いずれのデータベース・リポジトリにも依存しません。ただし、Oracle WebLogic Serverにデプロイされたアプリケーションでは、データ・ソースとしてデータベースが使用される場合があります。データベースをバックアップするには、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
バックアップに関する推奨事項
Middlewareホームおよびドメインをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
障害が発生したものによっては、次のリカバリが必要になることがあります。
ドメイン: 第19.2.2項を参照
管理サーバーの構成: 第19.2.5項を参照
管理対象サーバー: 第19.2.6項を参照
クラスタ: 第19.2.8項を参照
アプリケーション: 第19.2.9項を参照してください。
サーバー全体の移行機能を使用する場合、リース情報はデータベースの表に格納されます。Oracle WebLogic Serverをリカバリする場合は、リース表の情報を破棄する必要があります。(サーバー全体の移行の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの使用』のサーバー全体の移行に関する項を参照。)
ホストの破損後には、次のリカバリが必要になることがあります。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle WebLogic Server JMSのデータについて説明します。
構成ファイル
DOMAIN_HOME/config/jms
ファイルシステムでアクセス可能なストアがJMSで使用されている場合、デフォルトのファイルシステム・ストアは、config.xmlで指定されているユーザー構成の場所か、または次の場所にあります。
DOMAIN_HOME/servers/server_name/data/store/default
データベース・リポジトリに依存するもの
JMSがデータベース・ベースの場合のみ
バックアップに関する推奨事項
ドメインをバックアップします。
データベース・ベースのJMSを使用している場合は、RMANを使用してデータベースをバックアップします。
ファイル・ベースのJMSを使用している場合は、ストレージのスナップショット技術を使用して一貫性のあるオンライン・バックアップを取ります。または、ファイル・システムのコピーを使用してオフライン・バックアップを実行することもできます。
リカバリに関する推奨事項
ドメインをリカバリします。
JMS永続ストアがファイルベースの場合は、バックアップからリカバリします。JMS永続ストアがデータベース・ベースの場合は、必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。次の点に注意してください。
JMSデータは常に、できるだけ最新に保つようにします。これを実現するには、データベース・ベースの永続性を確保する場合はOracle Databaseのポイント・イン・タイム・リカバリ機能を使用して直近の時間にリカバリするか、またはSAN/NASなど可用性の高いRAID対応ストレージ・デバイスを使用します。
ファイル・ベースのJMSを使用している場合は、ストレージのスナップショットを使用してリカバリできます。
どのような理由であれ、JMSデータを前の時点にリストアする必要がある場合、リストアによって影響が及ぶ可能性があります。システムの状態を前の時点にリストアすると、メッセージを複製する可能性だけでなく、メッセージを失う可能性もあります。この場合に失われたメッセージは、システムのリストア時点の前または後にエンキューされていた未処理のメッセージです。
重複メッセージを処理しないようにするには、リカバリの前に次の手順を実行して、永続ストアのリカバリ後にJMSキュー内のメッセージを排出する必要があります。
注意: メッセージを排出および破棄する前に、保存の必要なデータがメッセージに含まれていないことを確認してください。リカバリしたメッセージには、処理済の重複メッセージの他に、重要なアプリケーション・データが含まれる未処理のメッセージが含まれている可能性があります。 |
Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。
新しいメッセージが生成されたり宛先に挿入されたりしないように、また失効したメッセージを排出する前に宛先から消費されないようにするため、リカバリの前に、起動時の生成、挿入、消費の各操作を休止するようにJMSサーバーを構成します。これを行うには:
「サービス」を開いてから「メッセージング」を開き、「JMSサーバー」をクリックします。
「JMSサーバー」ページの「サマリー」で、メッセージを休止するように構成するJMSサーバーをクリックします。
「構成: 全般」ページで「詳細」をクリックして、メッセージの休止オプションを定義します。「起動時に挿入を休止」、「起動時に生成を休止」および「起動時に消費を休止」を選択します。
「保存」をクリックします。
リカバリ後に実行する手順は次のとおりです。
永続ストアのリカバリ後に、管理対象サーバーを起動します。
次の手順を実行して、失効したメッセージをJMS宛先から排出します。
「サービス」を開いてから「メッセージング」を開き、「JMSモジュール」を開きます。
JMSモジュールを選択して、ターゲットを選択します。
「モニタリング」を選択して、「メッセージの表示」を選択します。
「すべて削除」をクリックします。
次の手順を実行して、操作を再開します。
「サービス」を開いてから「メッセージング」を開き、「JMSサーバー」を開きます。
「JMSサーバー」ページの「サマリー」で、メッセージを休止するように構成するJMSサーバーをクリックします。
「構成: 全般」ページで「詳細」をクリックします。「起動時に挿入を休止」、「起動時に生成を休止」および「起動時に消費を休止」を選択解除します。
「保存」をクリックします。
永続ストアがJMS専用でない場合は、Oracle WebLogic Server JMSメッセージ管理ツールを使用します。このツールでは、操作のインポート、エクスポート、移動および削除を、管理コンソール、MBeanおよびWLSTから実行できます。
キューイングの他に、パブリッシュおよびサブスクライブも使用するアプリケーションの場合は、キューに加えてトピック・サブスクリプションを操作する必要があります。
次の各項では、Oracle Identity Managementのバックアップおよびリカバリに関する推奨事項について説明します。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Internet Directoryのデータについて説明します。
構成ファイル
ORACLE_INSTANCE/config/tnsnames.ora ORACLE_INSTANCE/OID/admin ORACLE_INSTANCE/OID/ldap/server/plugin ORACLE_INSTANCE/OID/component_name ORACLE_INSTANCE/config/OID/component_name
データベース・リポジトリに依存するもの
ODSスキーマおよびODSSMスキーマ
バックアップに関する推奨事項
Oracle Internet Directoryコンポーネント・ディレクトリ、およびOracle Internet Directoryが含まれるOracleインスタンス・ホームをバックアップします。ODSスキーマおよびODSSMスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle Internet Directoryが含まれるOracleインスタンス・ホームをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
Oracle Internet Directoryを含むOracleインスタンス・ホームのリカバリ手順は、第19.2.4項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.5.1項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Virtual Directoryのデータについて説明します。
構成ファイル
ORACLE_INSTANCE/OVD/component_name ORACLE_INSTANCE/config/OVD/component_name ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OVD/component_name
データベース・リポジトリに依存するもの
なし
バックアップに関する推奨事項
Oracle Virtual Directoryが含まれるOracleインスタンス・ホームをバックアップします。ODSSMスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle Virtual Directoryが含まれるOracleインスタンス・ホームをリストアします。
Oracle Virtual Directoryを含むOracleインスタンス・ホームのリカバリ手順は、第19.2.4項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.5.2項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Directory Integration Platformのデータについて説明します。
構成ファイル
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/dip_version_number/configuration/dip-config.xml
ファイルdip-config.xmlは、Oracle Directory Integration Platformアプリケーションの一部です。これは、管理サーバーのドメインのバックアップ時にバックアップされます。
データベース・リポジトリに依存するもの
Oracle Internet Directoryで使用されるODSSMスキーマ
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメインのディレクトリ、管理対象サーバーのディレクトリ、およびOracle Internet Directoryとそれに依存するものをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle Directory Integration Platformアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーをリカバリします。
Oracle Internet Directoryをリカバリします。
管理対象サーバーのリカバリ手順は、第19.2.6項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.5.3項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Directory Services Managerのデータについて説明します。
構成ファイル
Oracle Directory Services Managerは、Oracle Internet DirectoryおよびOracle Virtual Directoryのグラフィカル・ユーザー・インタフェースであり、構成ファイルはありませんが、アプリケーションの.earファイルに含まれるserverlist.txtで、Oracle Internet DirectoryおよびOracle Virtual Directoryのホストおよびポート情報を追跡します。
DOMAIN_HOME/servers/server_name/tmp/_WL_user/odsm_version/nx1i7i/war/WEB-INF/serverlist.txt
データベース・リポジトリに依存するもの
なし
バックアップに関する推奨事項
ドメインをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle Directory Services Managerをリストアするには、Oracle Internet DirectoryまたはOracle Virtual Directoryに接続するためのユーザー名およびパスワードを入力します。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Identity Federationのデータについて説明します。
構成ファイル
DOMAIN_HOME/servers/server_name/stage/OIF/version/OIF/configuration
データベース・リポジトリに依存するもの
OIFスキーマ
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメイン、管理対象サーバー、およびOIFスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle Identity Federationアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
管理対象サーバーのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.5.4項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Access Managerのデータについて説明します。
構成ファイル
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/oam-config.xml
データベース・リポジトリに依存するもの
Oracle Access Managerポリシー・ストアで使用されるスキーマ
バックアップに関する推奨事項
Middlewareホーム、およびOracle Access Managerサーバーのドメイン・ホームをバックアップします。Webゲートが含まれるOracle HTTP ServerのOracleホームとOracleインスタンス、およびOracle Access Managerポリシー・ストアで使用されるスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Middlewareホーム、およびOracle Access Managerサーバーのドメイン・ホームをリカバリします。必要に応じて、Webgateが含まれるOracle HTTP ServerのOracleホームおよびOracleインスタンスをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
Oracle Access Managerのリカバリ手順は、第19.2.7.5項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.5.7項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Adaptive Access Managerのデータについて説明します。
構成ファイル
構成ファイルは、ドメイン・ホームに格納されています。
データベース・リポジトリに依存するもの
OAAM、OAAM_PARTN、OAAM_OFFLINEの各スキーマ
バックアップに関する推奨事項
ドメイン、Oracleホーム、およびスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
障害の程度に応じて、ドメインまたはOracleホームをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
Oracle Adaptive Access Managerのリカバリ手順は、第19.2.7.6項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.5.8項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Identity Managerのデータについて説明します。
構成ファイル
Oracle WebLogic Serverに固有の構成ファイルは、ドメイン・ホームに格納されています。Oracle Identity Managerの構成ファイルoim-config.xmlおよびその他の構成ファイルは、MDSに格納されています。
Oracle Identity Managerでは、ワークフローにOracle SOA Suiteが使用されるため、Oracle SOA Suiteの構成ファイルを参照してください。これは、第17.5.3項で説明しています。
データベース・リポジトリに依存するもの
OIM、MDS、OPSS、Oracle SOA Suiteの各スキーマ、およびオプションでOIDスキーマ
バックアップに関する推奨事項
ドメイン、Oracleホーム、およびスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
障害の程度に応じて、ドメインまたはOracleホームをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
Oracle Identity Managerのリカバリ手順は、第19.2.7.3項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.5.5項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Identity Navigatorのデータについて説明します。
構成ファイル
構成ファイルは、ファイルベースのMDSリポジトリに格納されています。
データベース・リポジトリに依存するもの
MDSスキーマ
バックアップに関する推奨事項
ドメインおよびOracleホームをバックアップします。WLST exportMetadataコマンドを使用して、ファイルベースのMDSリポジトリをバックアップします。例:
exportMetadata(application='oinav',server='server_name',toLocation='export_directory')
リカバリに関する推奨事項
ドメイン、OracleホームおよびファイルベースのMDSリポジトリをリカバリします。
Oracle Identity Navigatorのリカバリ手順は、第19.2.7.4項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.5.6項を参照してください。
次の各項では、Oracle SOA Suiteのバックアップおよびリカバリに関する推奨事項について説明します。
コンポーネントのリカバリに必要な手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.6項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle BPEL Process Managerのデータについて説明します。
構成ファイル
構成ファイルは、データベースに格納されています。
データベース・リポジトリに依存するもの
プロセス定義と構成ファイルは、MDSスキーマに格納されています。デハイドレーション・ストアは、SOAINFRAスキーマに格納されています。
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメインのディレクトリをバックアップします。グローバル・フォルト・ポリシー、ワークフローのコールバック・クラス、スーツケースの外部にある可能性のあるリソース・バンドルに対する変更など、構成に変更があった場合はその変更後にデータベースをバックアップします。また、データベースは、新しいコンポジットのデプロイまたはコンポジットの再デプロイの後にもバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。ポイント・イン・タイム・リカバリを使用すると、最新のプロセス定義および進行中のインスタンスがリストアされます。ただし、これによってプロセスの手順が再実行される場合があります。できるかぎり、Oracle BPEL Process Managerの冪等プロセスを使用することをお薦めします。冪等以外のプロセスがシステムに含まれている場合は、それらをデハイドレーション・ストアからクリーンアップしてからOracle Fusion Middlewareを起動する必要があります。詳細は、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド』を参照してください。
インスタンスでは、プロセス定義とアーティファクトがすべてデータベースから取得されるため、データベースを最新の状態にリカバリした後で構成をリカバリする必要はありません。インスタンスは、引き続き正常に機能します。
再デプロイしたコンポジットの場合、データベースのリカバリによって、デハイドレーションされた進行中のプロセスとそれに対応する定義との整合性が確保されます。これは、デハイドレーションされたインスタンスも格納されているデータベース・リポジトリにプロセス定義が格納されているためです。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.6項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Business Activity Monitoringのデータについて説明します。
構成ファイル
SOA_ORACLE_HOME/bam DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/AdminServer/adml/server-oracle_bamweb-11.0.xml DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/AdminServer/adml/server-oracle_bamserver-11.0.xml DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/bam-server-name/adml/server-oracle_bamweb-11.0.xml DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/bam-server-name/adml/server-oracle_bamserver-11.0.xml
データベース・リポジトリに依存するもの
ORABAMスキーマ
バックアップに関する推奨事項
Middlewareホーム、管理サーバーのドメイン、管理対象サーバーのディレクトリ、およびORABAMスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
障害の程度に応じて、管理対象サーバーとMiddlewareホームのいずれかまたは両方をリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.6項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle B2Bのデータについて説明します。
構成ファイル
DOMAIN_HOME/config/soa-infra/configuration/b2b-config.xml
データベース・リポジトリに依存するもの
MDSスキーマ
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメイン、Oracleホーム(Oracle B2Bの構成ファイルが変更された場合)、およびMDSスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
soa-infraアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
リカバリ後、ファイルXengine.tar.gzが解凍されていない場合は解凍します。例:
cd B2B_ORACLE_HOME/soa/thirdparty/edifecs
tar xzvf XEngine.tar.gz
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.6項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリカバリが必要なOracle Service Busのデータについて説明します。
構成ファイル
DOMAIN_HOME/osb/config/core
データベース・リポジトリに依存するもの
Oracle Service Busでは、レポート機能が有効になっている場合にはデータベースが必要です。ユーザー指定のスキーマに、WLI_QS_REPORT_DATAとWLI_QS_REPORT_ATTRIBUTEという2つの表が作成されます。
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメイン、およびOracle Service Busの表が含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
管理対象サーバーをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
コンポーネントのリカバリに必要な手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.6項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Mediatorのデータについて説明します。
構成ファイル
DOMAIN_HOME/config/soa-infra/configuration/mediator-config.xml DOMAIN_HOME/config/soa-infra/configuration/mediator-xpath-functions-config.xml
データベース・リポジトリに依存するもの
MDSスキーマおよびSOAINFRAスキーマ。
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメインと、MDSスキーマおよびSOAINFRAスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
soa-infraアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
コンポーネントのリカバリに必要な手順は、第19.2.7項および第19.3.4項を参照してください。
ホストの破損からのリカバリに固有の推奨事項は、第19.3.4.6項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Business Rulesのデータについて説明します。
構成ファイル
DOMAIN_HOME/config/soa-infra/configuration/businessrules-config.xml
データベース・リポジトリに依存するもの
MDSスキーマ
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメイン、およびMDSスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
soa-infraアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.6項を参照してください。
Oracle Business Process Managementの場合、第17.5.3.1項で説明しているOracle BPEL Process Managerの場合と同じデータをバックアップおよびリストアします。この項では、Oracle Business Process Managementに固有のデータについて説明します。
構成ファイル
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/logging/oracle.bpm-logging.xml DOMAIN_HOME/config/jms/bpmjmsmodule-jms.xml
データベース・リポジトリに依存するもの
プロセス定義と構成ファイルは、MDSスキーマに格納されています。
バックアップに関する推奨事項
第17.5.3.1項で説明しているOracle BPEL Process Managerの場合の推奨事項に加えて、クラスタ内のすべてのOracleホームを含め、Oracleホームをバックアップする必要があります。SOAのドメインをOracle Business Process Managementに拡張してOracle Business Process Managementを構成する場合、このプロセスによってOracle Business Process ManagementのOracleホームにファイルが追加されます。ただし、クラスタ内のその他のOracleホームには、これらのファイルはコピーされません。Oracle Business Process Managementの構成後に、クラスタ内の他のOracleホームにファイルをコピーしておく必要がありました。結果として、クラスタ内のOracleホームをすべてバックアップする必要があります。
リカバリに関する推奨事項
第17.5.3.1項で説明しているOracle BPEL Process Managerの場合の推奨事項に加えて、クラスタ内のOracleホームをすべてリカバリする必要があります。
Oracle Business Process Managementのリカバリ手順は、第19.2.7.7項を参照してください。
次の各項では、Oracle WebCenter Portalのバックアップおよびリカバリに関する推奨事項について説明します。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle WebCenter Portalデータについて説明します。
構成ファイル
構成ファイルはすべて、ドメイン内に格納されているEARファイルにバンドルされています。
データベース・リポジトリに依存するもの
WEBCENTERスキーマおよびMDSスキーマ
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメインと、WEBCENTERスキーマおよびMDSスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle WebCenter Portalドメインをリカバリします。
必要に応じて、WEBCENTERスキーマおよびMDSスキーマが含まれるデータベースを直近の時点にリカバリします。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle WebCenter Portalのポートレット・プロデューサのデータについて説明します。
構成ファイル
構成ファイルはすべて、ドメイン内に格納されているEARファイルにバンドルされています。
データベース・リポジトリに依存するもの
PORTLETスキーマ
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメイン、およびPORTLETスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle WebCenter Portalドメインをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle WebCenter Portalのディスカッション・サーバーのデータについて説明します。
構成ファイル
一部の構成ファイルは、ドメイン内に格納されているEARファイルにバンドルされているか、またはドメイン内の他の場所に格納されています。その他の構成ファイルの格納場所は次のとおりです。
DOMAIN_HOME/fmwconfig/server/server_name/owc_discussions
データベース・リポジトリに依存するもの
DISCUSSIONSスキーマ
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメイン、およびDISCUSSIONSスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle WebCenter Portalドメインをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle WebCenter Portalのアクティビティ・グラフのデータについて説明します。
構成ファイル
構成情報は、ACTIVITIESスキーマに格納されます。
データベース・リポジトリに依存するもの
ACTIVITIESスキーマ
バックアップに関する推奨事項
Oracleホーム、ドメイン・ホーム、およびACTIVITIESスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracleホームおよびドメイン・ホームをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
Oracle WebCenter Portalのアクティビティ・グラフのリカバリ手順は、第19.2.7.8項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle WebCenter Portal分析データについて説明します。
構成ファイル
分析の構成情報は、ACTIVITIESスキーマに格納されます。
データベース・リポジトリに依存するもの
ACTIVITIESスキーマおよびMDSスキーマ
バックアップに関する推奨事項
Oracleホーム、ドメイン・ホーム、およびACTIVITIESスキーマとMDSスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracleホームおよびドメイン・ホームをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
Oracle WebCenter Portal分析データのリカバリの手順は、第19.2.7.9項を参照してください。
Oracle WebCenter Contentのバックアップおよびリカバリについては、第17.5.11.3項を参照してください。
データベース・リポジトリに依存するもの
OCSスキーマ
次の各項では、複数のタイプのインストールを使用してインストールされているコンポーネントのバックアップとリカバリに関する推奨事項について説明します。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Web Services Managerのデータについて説明します。
構成ファイル
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/policy-accessor-config.xml
データベース・リポジトリに依存するもの
データベース・ベースのMDSリポジトリを使用する場合、Oracle Web Services Managerでは、MDSスキーマでパーティションが使用されます。
バックアップに関する推奨事項
Oracle Web Services Managerドメインをバックアップします。
Oracle Web Services ManagerでファイルベースのMDSリポジトリが使用されている場合は、ファイル・コピー・メカニズムを使用してバックアップします。データベース・ベースのMDSリポジトリが使用されている場合は、RMANを使用してデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle Web Services Managerの管理対象サーバーをリストアします。
Oracle Web Services ManagerでファイルベースのMDSリポジトリが使用されている場合は、バックアップからリストアします。データベース・ベースのMDSリポジトリが使用されている場合は、必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Platform Security Servicesのデータについて説明します。
構成ファイル
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/jps-config.xml
データベース・リポジトリに依存するもの
データベース・ベースのOracle Platform Securityリポジトリを使用する場合、Oracle Platform SecurityではOPSSスキーマでパーティションが使用されます。
Oracle Internet DirectoryベースのOracle Platform Securityリポジトリを使用する場合、Oracle Platform SecurityではOracle Internet Directoryが使用されます。
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメインをバックアップします。Oracle Platform SecurityでOracle Internet Directoryベースのリポジトリを使用する場合は、Oracle Internet Directoryをバックアップします。
Oracle Platform Securityでデータベース・ベースのリポジトリを使用する場合は、OPSSスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
jps-config.xmlファイルをリストアします。
Oracle Platform Securityでデータベース・ベースのリポジトリを使用する場合は、データベースを直近の時点にリカバリします。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4項および第19.3.4.5.1項を参照してください。
次の各項では、Web層インストールのバックアップおよびリカバリに関する推奨事項について説明します。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle HTTP Serverのデータについて説明します。
構成ファイル
ORACLE_INSTANCE/config/OHS/component_name ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OHS/component_name
データベース・リポジトリに依存するもの
なし
バックアップに関する推奨事項
Oracle HTTP Serverが含まれるOracleインスタンスをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle HTTP Serverが含まれるOracleインスタンスをリストアします。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4項および第19.3.4.7.1項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Web Cacheのデータについて説明します。
構成ファイル
ORACLE_INSTANCE/config/WebCache/component_name ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/WebCache/component_name
データベース・リポジトリに依存するもの
なし
バックアップに関する推奨事項
Oracle Web Cacheが含まれるOracleインスタンスをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle Web Cacheが含まれるOracleインスタンスをリストアします。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4項および第19.3.4.7.2項を参照してください。
次の各項では、これらのコンポーネントのバックアップおよびリカバリに関する推奨事項について説明します。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Portalのデータについて説明します。
構成ファイル
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WLS_PORTAL/applications/portal/configuration/appConfig.xml DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WLS_PORTAL/applications/portal/configuration/portal_dads.conf DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WLS_PORTAL/applications/portal/configuration/portal_plsql.conf DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WLS_PORTAL/applications/portal/configuration/portal_cache.conf
データベース・リポジトリに依存するもの
PORTAL、PORTAL_DEMO、PORTAL_APP、PORTAL_PUBLIC、PORTAL_APPROVALの各スキーマ
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメイン、管理対象サーバーのディレクトリ、Oracle Portalが含まれるOracleインスタンスおよび前述のスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
WebLogic Serverドメイン、およびOracle Portalが含まれるOracleインスタンスをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4項および第19.3.4.8.1項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Forms Servicesのデータについて説明します。
構成ファイル
Formsのコンポーネント:
ORACLE_INSTANCE/config/FormsComponent/forms ORACLE_INSTANCE/Forms/forms
Formsの共通コンポーネント:
ORACLE_INSTANCE/config/FRComponent/frcommon ORACLE_INSTANCE/Forms/frcommon
Forms EEアプリケーションおよびその構成ファイル:
DOMAIN_HOME/forms_managed_server/tmp/_WL_user/formsapp_version DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/forms_managed_server/applications/formsapp_version/config
データベース・リポジトリに依存するもの
Oracle Forms Servicesアプリケーション用にユーザーが構成したデータベース。
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメイン、管理対象サーバーのディレクトリ、およびOracle Forms Servicesが存在するOracleインスタンス・ホームをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle Forms Servicesが配置されているOracleインスタンス・ホームをリストアします。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4項および第19.3.4.8.2項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Reportsのデータについて説明します。
構成ファイル
Reports Serverの場合:
ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServerComponent/server_name/rwserver.conf ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServerComponent/server_name/jdbcpds.conf ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServerComponent/server_name/xmlpds.conf ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServerComponent/server_name/textpds.conf ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServerComponent/server_name/rwnetwork.conf ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServerComponent/server_name/pcscomponent.conf ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServerComponent/server_name/component-logs.xml ORACLE_INSTANCE/config/ReportsServerComponent/server_name/logging.xml
Oracle Reportsサーブレットの場合:
次のパスで、server_name
は通常、WLS_REPORTSまたはWLS_REPORTSnで、version
はソフトウェアのバージョン(例、11.1.1.4.0)です。
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/cgicmd.dat DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/rwservlet.properties DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/rwserver.conf DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/jdbcpds.conf DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/xmlpds.conf DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/textpds.conf DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/rwnetwork.conf DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/logging.xml DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/applications/reports_version/configuration/logmetadata.xml
Oracle Reports Bridgeの場合:
ORACLE_INSTANCE/config/ReportsBridge/bridge_name/rwbridge.conf ORACLE_INSTANCE/config/ReportsBridge/bridge_name/rwnetwork.conf ORACLE_INSTANCE/config/ReportsBridge/bridge_name/component-logs.xml ORACLE_INSTANCE/config/ReportsBridge/bridge_name/logging.xml ORACLE_INSTANCE/config/ReportsBridge/bridge_name/pcscomponent.xml
Oracle Reportsツールの場合:
ORACLE_INSTANCE/config/ReportsToolsComponent/rwbuilder.conf ORACLE_INSTANCE/config/ReportsToolsComponent/rwnetwork.conf ORACLE_INSTANCE/config/ReportsToolsComponent/jdbcpds.conf ORACLE_INSTANCE/config/ReportsToolsComponent/xmlpds.conf ORACLE_INSTANCE/config/ReportsToolsComponent/textpds.conf ORACLE_INSTANCE/config/ReportsToolsComponent/pcscomponent.xml ORACLE_INSTANCE/config/ReportsToolsComponent/rwservlet.properties ORACLE_INSTANCE/config/ReportsToolsComponent/cgicmd.dat ORACLE_INSTANCE/config/ReportsToolsComponent/component-logs.xml ORACLE_INSTANCE/config/ReportsToolsComponent/logging.xml
その他のディレクトリおよびファイル:
ORACLE_INSTANCE/reports/server/*.dat ORACLE_INSTANCE/reports/cache/ ORACLE_INSTANCE/reports/fonts/ ORACLE_INSTANCE/reports/plugins/resource ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/reports/ReportsServer ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/reports/ReportsBridge ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/reports/ReportsTools (UNIX) ORACLE_INSTANCE/config/reports/bin/rw*.sh (Windows) ORACLE_INSTANCE\config\reports\bin\rw*.bat (UNIX) ORACLE_INSTANCE/config/reports/bin/reports.sh (Windows) ORACLE_INSTANCE\config\reports\bin\reports.bat (UNIX) ORACLE_INSTANCE/config/reports/bin/namingservice.sh (Windows) ORACLE_INSTANCE\config\reports\bin\namingservice.bat
データベース・リポジトリに依存するもの
Oracle Reportsは、スケジュール済ジョブのデータ、過去のジョブのデータ、ジョブ・ステータスのデータなど、ジョブ関連情報をデータベースに格納するように構成できます。
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメイン、管理対象サーバーのディレクトリ、およびOracle Reportsが存在するOracleインスタンス・ホームをバックアップします。
データベースがOracle Reports用に構成されている場合は、データベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle Reportsが配置されているOracleインスタンス・ホームをリストアします。
データベースがOracle Reports用に構成されている場合は、必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4項および第19.3.4.8.3項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Business Intelligence Discovererのデータについて説明します。
構成ファイル
ORACLE_INSTANCE/config/PreferenceServer/disco-comp-name/pref.txt ORACLE_INSTANCE/config/PreferenceServer/disco-comp-name/.reg_key.dc DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WLS_DISCO/applications/discoverer_version/configuration/configuration.xml DOMAIN_HOME/config/config.xml DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/logging.xml
ログ・ファイル
ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/PreferenceServer/Discoverer_instance_name/console* ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/PreferenceServer/Discoverer_instance_name/log* DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/discoverer/diagnostic-*.xml DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/discoverer/diagnostics*.xml DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/WLS_DISCO-diagnostic-*.xml
データベース・リポジトリに依存するもの
DISCOVERERスキーマおよびDISCOVERER_PSスキーマ
バックアップに関する推奨事項
管理サーバーのドメイン、管理対象サーバーのディレクトリ、およびOracle BI DiscovererのOracleインスタンス・ホームをバックアップします。
DISCOVERERおよびDISCOVERER_PSスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle BI Discovererが含まれるOracleインスタンスをリストアします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
コンポーネントのリカバリ手順は、第19.2.7項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4項および第19.3.4.8.4項を参照してください。
次の各項では、Oracle Business Intelligenceのバックアップおよびリカバリに関する推奨事項について説明します。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle BI EEのデータについて説明します。
構成ファイル
ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBIApplication ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBIClusterControllerComponent ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBIJavaHostComponent ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBIPresentationServicesComponent ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBISchedulerComponent ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBIServerComponent ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBIODBCComponent ORACLE_INSTANCE/config/OracleBIApplication ORACLE_INSTANCE/config/OracleBIClusterControllerComponent ORACLE_INSTANCE/config/OracleBIJavaHostComponent ORACLE_INSTANCE/config/OracleBIPresentationServicesComponent ORACLE_INSTANCE/config/OracleBISchedulerComponent ORACLE_INSTANCE/config/OracleBIServerComponent ORACLE_INSTANCE/config/OracleBIODBCComponent ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OracleBIApplication ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OracleBIClusterControllerComponent ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OracleBIJavaHostComponent ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OracleBIPresentationServicesComponent ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OracleBISchedulerComponent ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OracleBIServerComponent ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OracleBIODBCComponent
加えて、ファイルベースのリポジトリ内の次のファイル:
ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBIServerComponent/comp_instance name/repository/*.rpd ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBIPresentationServicesComponent/comp_instance name/catalog/catalog-name
NQSConfig.INI構成ファイルは、RPD名を指します。NQSConfig.INIファイルは、次の場所に存在する必要があります。
ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBIServerComponent/comp_instance name/repository/
データベース・リポジトリに依存するもの
MDSスキーマおよびBIPLATFORMスキーマ
バックアップに関する推奨事項
Middlewareホーム、ドメイン・ホーム、およびOracle BI EEコンポーネントが含まれるOracleインスタンスをバックアップします。Windowsでは、第18.3.3項の説明に従って、Oracle BI EEのレジストリ・エントリをエクスポートします。
Oracle BI EEのスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
注意: バックアップを実行する前に、Oracle BI Presentation Catalogをロックして、カタログとRPDの同期が確保されるようにする必要があります。次のスクリプトを実行します。
ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBIPresentationServicesComponent/coreapplication_obips1/catalogmanager/runcat.sh
次のコマンドを使用します。 ./runcat.sh -cmd maintenanceMode -on -online OBIPS_URL -credentials credentials_properties_file バックアップが完了したら、runcatコマンドを使用してメンテナンス・モードをオフにします。このコマンドの詳細は、次のようにヘルプを参照してください。 ./runcat.sh -cmd maintenanceMode -help |
リカバリに関する推奨事項
障害の程度に応じて、Middlewareホーム、ドメイン、およびOracle BI EEコンポーネントが含まれるOracleインスタンスをリカバリします。Windowsでは、Oracle BI EEのレジストリ・エントリをインポートします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
Oracle BI EEのリカバリ手順は、第19.2.7.10項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.9項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Business Intelligence Publisherのデータについて説明します。
構成ファイル
構成ファイルは、Middlewareホーム、ドメイン・ホームおよびOracle Business Intelligence Publisherリポジトリに格納されています。
データベース・リポジトリに依存するもの
BIPLATFORMスキーマ
バックアップに関する推奨事項
Middlewareホーム、ドメイン、およびBI Publisherリポジトリをバックアップします。
BI Publisherリポジトリは、ファイルベースの場合もデータベース・ベースの場合もあります。
リカバリに関する推奨事項
Oracle BI Publisherコンポーネントが含まれる管理対象サーバーをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
Oracle BI Publisherのリカバリ手順は、第19.2.7.11項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.10項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Real-Time Decisionsのデータについて説明します。
構成ファイル
構成ファイルは、Middlewareホームおよびドメイン・ホームに格納されています。
データベース・リポジトリに依存するもの
分析モデルおよびRTDスキーマが含まれるデータベース
バックアップに関する推奨事項
Middlewareホーム、ドメイン・ホーム、および分析モデルが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
Oracle Real-Time Decisionsコンポーネントが含まれる管理対象サーバーをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
Oracle Real-Time Decisionsのリカバリ手順は、第19.2.7.12項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.11項を参照してください。
次の各項では、Oracle Hyperion Enterprise Performance Management Systemのバックアップおよびリカバリに関する推奨事項について説明します。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Essbaseのデータについて説明します。
構成ファイル
構成ファイルは次の場所にあります。
ORACLE_HOME HYPERION_HOME ESSBASEPATH ARBORPATH ARBORPATH/bin/essbase.sec
Oracle Fusion Middlewareコンポーネントに依存するもの
Oracle Internet Directory、Oracle Fusion Middleware Extensions for Applicationsおよび資格証明ストア
サード・パーティ製品に依存するもの
なし
データベース・リポジトリに依存するもの
Oracle Essbaseスキーマ
バックアップに関する推奨事項
ストレージのスナップショット技術を使用して一貫性のあるオンライン・バックアップを取ることで、Oracle Essbaseをバックアップします。または、ファイル・システムのコピーを使用してオフライン・バックアップを実行することもできます。
リカバリに関する推奨事項
次のファイルをリカバリします。
ARBORPATH/app/appname/*.otl ARBORPATH/app/appname/*.csc ARBORPATH/app/appname/*.rul ARBORPATH/app/appname/*.eqd ARBORPATH/app/appname/*.sel ARBORPATH/bin/essbase.sec
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
障害の度合いに応じて、必要な粒度でリカバリを実行する必要があります。Oracle Essbaseのリカバリ手順は、第19.2.7.13項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.12項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Hyperion Calculation Managerのデータについて説明します。
構成ファイル
構成ファイルは、データベースに格納されています。
Oracle Fusion Middlewareコンポーネントに依存するもの
なし。
サード・パーティ製品に依存するもの
なし。
データベース・リポジトリに依存するもの
アーティファクトは、データベースに格納されています。
バックアップに関する推奨事項
Oracle Hyperion Calculation Managerがデプロイされている管理対象サーバーをバックアップします。Oracle Hyperion Calculation Managerエクスポート・ツールを使用してデータベース内のアーティファクトをバックアップします。(Calculation Managerで、「ファイル」→「エクスポート」を選択します。)
リカバリに関する推奨事項
Oracle Hyperion Calculation Managerがデプロイされている管理対象サーバーをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。Oracle Hyperion Calculation Managerインポート・ツールを使用してアーティファクトをインポートします。
障害の度合いに応じて、必要な粒度でリカバリを実行する必要があります。Oracle Hyperion Calculation Managerのリカバリ手順は、第19.2.7.14項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.13項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Hyperion Financial Reportingのデータについて説明します。
構成ファイル
ORACLE_HOME/Oracle_BI1/common (HIT common files) ORACLE_HOME/Oracle_BI1/products/biplus ORACLE_INSTANCE/products/biplus
他のOracle Fusion Middlewareコンポーネントに依存するもの
Oracle JRF、Oracle Enterprise Scheduler (ESS)およびOracle Platform Security Services
サード・パーティ製品に依存するもの
なし
データベース・リポジトリに依存するもの
データベースに格納されているHyperion RegistryのEPMスキーマ
バックアップに関する推奨事項
OracleホームとOracleインスタンスをバックアップします。
EPMスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
Oracle BI EEのリポジトリとアノテーション・データベース(jndi:raframework_database)の同期を維持する必要があります。両方とも同じ時点からバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
OracleホームとOracleインスタンスをリカバリします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
Oracle BI EEのリポジトリとアノテーション・データベース(jndi:raframework_database)の同期を維持する必要があります。この2つを同じ時点からリカバリします。
障害の度合いに応じて、必要な粒度でリカバリを実行する必要があります。Oracle Hyperion Financial Reportingのリカバリ手順は、第19.2.7.15項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.14項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Hyperion Smart Viewのデータについて説明します。
構成ファイル
構成ファイルは、ユーザーが指定したOracle Hyperion Smart Viewのインストール場所にあります。Oracleホームやこの場所にインストールされているコンポーネントへの依存性はありません。
Oracle Fusion Middlewareコンポーネントに依存するもの
なし
サード・パーティ製品に依存するもの
なし
データベース・リポジトリに依存するもの
なし
バックアップに関する推奨事項
Oracle Hyperion Smart Viewのデータをバックアップします。これらのデータは、次のタイプのファイルに格納されています。ファイルの場所は、Oracle Hyperion Smart Viewのインストール時に決まります。
Microsoft Excelファイル(XLSおよびXLSX)
Microsoft Wordファイル(DOCおよびDOCX)
Microsoft Powerpointファイル(PPTおよびPPTX)
リカバリに関する推奨事項
Oracle Hyperion Smart Viewのデータをリカバリします。
障害の度合いに応じて、必要な粒度でリカバリを実行する必要があります。Oracle Hyperion Smart Viewのリカバリ手順は、第19.2.7.16項を参照してください。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Data Integratorのデータについて説明します。
構成ファイル
ODI_Oracle_Home/oracledi/agent/web.xml
データベース・リポジトリに依存するもの
ODI_REPOスキーマ
バックアップに関する推奨事項
ドメイン、Oracleホーム、およびスタンドアロン・エージェントがインストールされている各マシンのODI_Oracle_Home/oracledi/agentフォルダをバックアップします。
Oracle Data Integratorスキーマを含むデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
障害の程度に応じて、ドメインとOracleホームのいずれかまたは両方をリストアします。
必要に応じて、データベースを直近の時点にリカバリします。
Oracle Data Integratorのリカバリ手順は、第19.2.7.17項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.5項を参照してください。
次の各項では、Oracle WebCenter Contentのバックアップおよびリカバリに関する推奨事項について説明します。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle Information Rights Managementのデータについて説明します。
構成ファイル
構成ファイルは、ドメイン・ホームに格納されています。
データベース・リポジトリに依存するもの
ORAIRMスキーマ(DB2およびSQL Serverのデータベースの場合はIRM。名前がIRMであることを確認する必要があります)
バックアップに関する推奨事項
ドメイン、Oracleホーム、およびORAIRMスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。また、LDAPディレクトリおよびキーストアもバックアップします。キーストアの名前は通常、irm.jksまたはirm.jceksです。
データベースとキーストアの同期を維持する必要があります。両方とも同じ時点からバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
障害の重大度に応じて、ドメイン、Oracleホームおよび共有ファイル・システムをリストアします。
必要に応じて、ORAIRMスキーマが含まれるデータベースを直近の時点にリカバリします。
データベースとキーストアの同期を維持する必要があります。一方をリストアしたら、もう一方も同じ時点にリストアします。
Oracle Information Rights Managementのリカバリ手順は、第19.2.7.18項を参照してください。ホストの破損からのリカバリにも、同じ手順を使用します。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle WebCenter Content: Imagingのデータについて説明します。
構成ファイル
構成ファイルは、ドメイン・ホームに格納されています。
データベース・リポジトリに依存するもの
IPMスキーマおよびOCSスキーマ
バックアップに関する推奨事項
ドメイン、Oracleホーム、およびスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。
リカバリに関する推奨事項
障害の重大度に応じて、ドメインおよびOracleホームをリストアします。
必要に応じて、前述のスキーマが含まれるデータベースを直近の時点にリカバリします。
Oracle WebCenter Content: Imagingのリカバリ手順は、第19.2.7.19項を参照してください。ホストの破損からのリカバリにも、同じ手順を使用します。
この項では、バックアップおよびリストアが必要なOracle WebCenter Contentのデータについて説明します。
構成ファイル
DOMAIN_HOME/ucm/CONTEXT-ROOT/bin/intradoc.cfg DOMAIN_HOME/ucm/CONTEXT-ROOT/config/config.cfg
データベース・リポジトリに依存するもの
OCSスキーマ
バックアップに関する推奨事項
ドメイン、Oracleホーム、およびOCSスキーマが含まれるデータベースをバックアップします。ドメイン・ディレクトリにVaultディレクトリもWebLayoutディレクトリも配置されていない場合は、次のファイルで指定されているそれらのディレクトリをバックアップします。
DOMAIN_HOME/ucm/CONTEXT-ROOT/config/config.cfg
次のディレクトリもバックアップします。これは、共有ファイル・システムに配置されています。
DOMAIN_HOME/ucm/CONTEXT-ROOT/config
リカバリに関する推奨事項
障害の重大度に応じて、ドメインと、VaultディレクトリおよびWebLayoutディレクトリが含まれる共有ファイル・システムをリストアします。
必要に応じて、OCSスキーマが含まれるデータベースを直近の時点にリカバリします。
Oracle WebCenter Contentのリカバリ手順は、第19.2.7.20項を参照してください。ホストの破損からのリカバリに固有の手順は、第19.3.4.16.1項を参照してください。
Oracle WebCenter Content: Recordsは、Oracle WebCenter Contentに依存しており、追加でバックアップまたはリカバリするアーティファクトがないため、Oracle WebCenter Contentのバックアップおよびリカバリに関する推奨事項(第17.5.11.3項)を参照してください。
次の前提と制限は、このマニュアルに記載されているバックアップおよびリカバリ手順に適用されます。第18.2項に一覧表示されている制限も参照してください。
バックアップおよびリカバリの操作は、製品をインストールするユーザーまたはOracle Fusion Middlewareがインストールされているディレクトリへのアクセス権限を持つユーザーのみが実行可能である必要があります。
1つの管理対象サーバーと管理サーバーが別々のホスト上で実行されていて、その管理対象サーバーがクラスタに属していない場合、管理対象サーバーでpackコマンドおよびunpackコマンドを使用して、適切な構成を取得する必要があります。
関連項目: Cold Failover ClusterまたはDisaster Recoveryを使用している場合、詳細は『高可用性ガイド』を参照してください。 |