Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理 11gリリース1 (11.1.1.9.0) E51441-06 |
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この章では、WebCenter Portalをそのライフ・サイクル全体を通して管理するためのタスク、ツールおよび手法について説明します。
この章には次のトピックが含まれます:
注意: Portal Frameworkアプリケーションには異なるライフ・サイクルがあります。詳細は、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』の「WebCenter Portal Frameworkアプリケーション・ライフ・サイクルの理解」を参照してください。 |
権限: この章のタスクを実行するには、次のロールが付与されている必要があります。
第1.8項「管理操作、ロールおよびツールの理解」も参照してください。 |
ポータルのライフ・サイクルとは、ポータル・ビルダーを使用したデプロイメントによるポータルの作成から本番インスタンスまでの過程を表します。開発者、コンテンツ・モデラー、コンテンツ・コントリビュータ、IT管理者、ポータル・サイト管理者を含む多くのアクターが、ライフ・サイクルに関与します。ライフ・サイクルのフェーズには、通常、開発、テスト、ステージングおよび本番が含まれます。各フェーズでは特定のタスクを実行する必要があります。コンテンツ・リポジトリの設定など、一部のタスクは一度だけ実行します。その他のタスクは、バックアップの作成や夜間ビルドの実行などで頻繁に実行されます。ポータルのライフ・サイクルのフェーズを、表39-1に示します。
表39-1 WebCenter Portalのライフ・サイクルのフェーズ
ライフ・サイクル・フェーズ | 主要なアクター/ロール | 説明 |
---|---|---|
開発 |
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開発者は、WebCenter Portalのブラウザベースのツールであるポータル・ビルダーを使用して、新しいポータルを開発できます。 高度な要件に対応するために、開発者はJDeveloperを使用して、ポータル・アセットと共有ライブラリ(カスタム・ポータル・コンポーネントを含む)のさらなる開発およびデプロイを行うことができます。 開発ポータルは、通常、テストのデータとコンテンツを使用します。ライフ・サイクルのこのフェーズで開発される機能の一部は、次のとおりです。
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テスト |
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開発ポータルは、独立したテスト環境にデプロイされます。テスト環境には、通常、独自のMetadata Service (MDS)とデータベース・ベースのポリシー・ストア、および専用のOracle WebCenter Contentインスタンスが含まれています。 テスト環境には、本番ポータルには組み込まれないテスト・データやテスト・コンテンツが含まれることもあります。 ポートレット・プロデューサは、テスト環境と開発環境で共有される場合もあります。ただし、使用負荷が高い場合には、個別インスタンスの作成をお薦めします。 |
ステージング |
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ステージング環境では、ポータルが本番に移行する前に最終的な構成およびテストが行われる安定した環境が提供されます。コンテンツ・コントリビュータはコンテンツを追加して、ポータルの構造を調整します。 一般に、ステージング環境には、専用のOracle WebCenter Contentサーバーだけでなく、専用のポートレット・プロデューサ・サーバー(WC_Portlet)、分析、アクティビティ・グラフおよびデータ統合のためのユーティリティ・サーバー(WC_Utilities)、およびディスカッションとお知らせのためのコラボレーション・サーバー(WC_Collaboration)が含まれます。ステージング・サーバーは、通常、本番サイトのミラーとして保持されます。 |
本番 |
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本番ポータルはライブで、エンド・ユーザーも使用できます。本番のポータルは、オンライン状態のときに、ポータル・ビルダー、「アセット」ページおよびコンポーザなどのツールで変更できます。たとえば、管理者はポータルにポートレットをさらに追加したり、ポータルのコンテンツを再構成できます。 適切な権限を持った個々のユーザーは、ビューをカスタマイズすることも可能です。 WebCenter Portalでは、ポータルとコンテンツを本番環境に移行するための一連のWLSTコマンドを用意しています。第40.7項「ステージングから本番へのポータルの移動」を参照してください。 一部のバックエンド・データは手動で移動する必要があります。詳細は、第40.8項「ステージングから本番への外部ポータル・データの移動」を参照してください。 注意: 管理者は、2つの環境が「同期」状態の場合、つまり、必ず最初にステージの変更を行い、その後デプロイメントまたは伝播を使用してメタデータの変更を本番にプッシュすることにより、ステージングのメタデータの変更を本番に伝播できます。詳細は、第40.9項「本番でのポータルの管理」を参照してください。 |
ライフ・サイクルの各フェーズでは、特定のタスクを実行するアクター(開発者、管理者、コンテンツ・コントリビュータなど)が必要です。ここでは、ポータルのライフ・サイクルの各フェーズで実行されるタスクの種類の概要を示します。
WebCenter Portalに対して開発、テスト、ステージおよび本番の各環境を設定するには、特定の準備手順を実行する必要があります。表39-2に、これらの予備設定タスクおよびそれを適用する環境の一般的なリストを示します。
第39.7項「WebCenter Portalのステージング環境または本番環境の初回の設定」を参照してください。
表39-2 一般的な1回かぎりの設定タスク
設定タスク | JDeveloperの開発 (アセットと共有ライブラリのみ) |
ポータル・ビルダーの開発/テスト | ステージ | 本番 |
---|---|---|---|---|
Oracle JDeveloperおよびJDeveloperのWebCenter Portal拡張機能のインストール |
はい |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
Oracle WebCenter Portalのインストール |
いいえ |
はい |
はい |
はい |
Oracle WebLogic Serverのインストール(ドメインおよび管理対象サーバーの作成) |
いいえ |
はい |
はい |
はい |
RCUによる必要なデータベース・スキーマの作成 |
いいえ |
はい |
はい |
はい |
Oracle WebCenter Contentのインストールおよび構成 |
はい |
はい |
はい |
はい |
Oracle Access Managerなどのアイデンティティ管理コンポーネントのインストール |
いいえ |
はい |
はい |
はい |
ポリシー・ストアでの必須のOracle Platform Security Servicesポリシーの作成 |
いいえ |
はい |
はい |
はい |
資格証明ストアでの必要なユーザー資格証明の作成 |
いいえ |
はい |
はい |
はい |
バックエンド・サーバーへの接続の作成 |
はい |
はい |
はい |
はい |
ソース・コントロールおよび夜間ビルド・スクリプトの設定 |
はい |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
デプロイおよび構成スクリプトの作成 |
いいえ |
はい |
はい |
はい |
バックアップ・スクリプトの作成 |
いいえ |
いいえ |
はい |
はい |
WebCenter Portalのパーソナライズの統合/構成 |
はい |
はい |
はい |
はい |
開発者は、WebCenter Portalのブラウザベースのツールであるポータル・ビルダーを使用して、新しいポータルおよびポータル・コンポーネントを開発できます。
高度な要件に対応するために、開発者はJDeveloperを使用して、ポータル・アセット、共有ライブラリ(カスタム・ポータル・コンポーネントを含む)およびポートレットのさらなる開発およびデプロイを行うことができます。JDeveloper開発環境では、各開発者に、ソース・コントロール・システムおよび共有Oracle WebCenter Contentリポジトリに接続されている、ローカルのJDeveloperインスタンスがあります。
WebCenter Portalは、開発環境よりステージング環境において、より大きな役割を果たします。しかし、ポートレット、タスク・フローおよびポータル・アセットに対して開発から時折更新が発生した場合、これをステージ環境にデプロイする必要があります。これらの断続的な更新を容易に実行するために、WebCenter Portalでは、一連のWLSTコマンドおよびWebCenter Portal内の同等のメニュー・オプションが用意されており、ポータル・アセットの更新を開発からステージにインポートすることができます。ステージング環境でポートレットとタスク・フローを更新する場合は、通常の方法で再デプロイします。
詳細は、第39.4.1項「WebCenter Portalのステージング環境の設定」および第40章「ポータル、テンプレート、アセットおよび拡張機能のデプロイ」を参照してください。
ステージ環境で変更をテストして承認したら、これらを本番環境にプッシュする必要があります。WebCenter Portalでは、一連のWLSTコマンドおよびWebCenter Portal内のインポート/エクスポート・オプションが用意されており、ステージでデプロイされたポータル・サーバー全体または個々のポータル、ポータル・テンプレートおよびアセットを本番にプッシュすることができます。詳細は、第41.5項「別のターゲットへのWebCenter Portal全体の移行」および第40.7項「ステージングから本番へのポータルの移動」を参照してください。
さらに、WebCenter Portalでは、ポータルのメタデータへの変更のみをステージから本番サーバーに伝播するWLSTコマンドが用意されています。詳細は、第40.9.3項「ステージングから本番へのポータル変更の伝播」を参照してください。
エクスポート/インポート・プロセス時に、必要に応じて、サーバー名、ポート、コンテンツ管理接続など、環境間で異なる接続情報を分けて変更できます。
注意: ステージからの変更および更新をデプロイすると、ステージ環境に存在しない新しい接続がターゲット上に作成されますが、本番で構成された既存の接続が変更されることはありません。 |
多くの様々な人がポータルのライフ・サイクルに関与します。通常、その人々(表39-1における主要なアクター)は次の一般的なロールのいずれかに(複数の場合もあり)分類されます。
開発者: JDeveloperを使用して、WebCenter Portal用のポートレット、タスク・フロー、ポータル・アセットおよび共有ライブラリを構築/拡張/デプロイし、ソース・コントロールの管理も行います。
Web開発者: ポータル・ビルダーを使用して、ポータルの構築および開発を行います。
システム管理者: WLSTコマンドを使用して、異なる環境間でポータルを移動します。バックアップを作成して、バックアップからリストアします。ビルドおよびソース・コントロール・システムをメンテナンスします。
WebCenter Portalに対する完全な管理権限を持っています。WebCenter Portal管理を使用して、グローバルなレイアウトの変更、ツールとサービスの有効化、セキュリティ設定の委任などを行います。
アプリケーション・スペシャリスト: 「アセット」ページを使用して、ポータル構造の拡張およびポータルに対する再利用可能なコンポーネントの定義を行います。
コンテンツ・モデラー: Oracle WebCenter ContentのSite Studioデザイナを使用してコンテンツをモデリングします。
コンテンツ・コントリビュータ: イメージ、ドキュメント・ファイル、ビデオおよびオーディオ・コンテンツなど、ポータルに表示される、またはポータルから使用できるすべてのコンテンツを開発します。
ナレッジ・ワーカー: 本番ポータルのエンド・ユーザーまたはコンシューマ。コンテンツの検索、作成および更新を行います。他のビジネス・ユーザーとコラボレーションします。
この項では、ポータルのライフ・サイクルのステージング・フェーズおよび本番フェーズについて説明します。図39-1に、ステージング環境から本番環境への一般的な流れを示します。この図では、最初にWebCenter Portalインスタンス全体のステージング環境から本番環境への移行を示しています。
後でポータルが更新されたり、ステージで新しいポータルが開発された場合、それらを必要に応じて本番に移行することができます。WLSTのdeployまたはpropagateコマンドを使用して、ステージでの更新を直接本番に移行したり、ポータル・ビルダーまたはWLSTのexportおよびimportコマンドを使用して、ステージでの更新のファイルへのエクスポートおよび本番サーバーへのインポートを行うことができます。
ステージング環境では、ポータルが本番に移行する前に最終的な構成およびテストが行われる安定した環境が提供されます。一般に、ステージング環境には、専用のコンテンツ・サーバー、ディスカッション・サーバーだけでなく、専用のポートレット・プロデューサ・サーバーおよびユーティリティ・サーバー(分析、アクティビティ・グラフおよびデータ統合用)が含まれます。ステージング環境では、外部のLDAPベースのアイデンティティ・ストア(Oracle Internet Directoryなど)も設定する必要があります。一般的な設定タスクのリストは、表39-2 「一般的な1回かぎりの設定タスク」を参照してください。
初めてステージング環境を設定する場合には、次を参照してください。
ステージング環境への増分変更の詳細は、次を参照してください。
コンテンツ開発者は、コンテンツをステージング・サーバーに直接追加できます。Oracle WebCenter Contentのコンテンツ・ワークフロー機能を使用して、コンテンツの承認を管理できます。また、WebCenter Portalにはポータル・コンテンツの作成および編集用のブラウザ・ツールが備わっています。
ポータルを作成またはデプロイする際、WebCenter Portalではバックエンド・コンテンツ・サーバー上にポータル専用のフォルダを作成します。ポータルをステージから本番に移動するときに、オプションで、ポータルとともにポータルのコンテンツ・フォルダを移動できます。第40.7項「ステージングから本番へのポータルの移動」を参照してください。
ステージング環境は、プロビジョニングおよびテストが完了すると、本番環境に移行してユーザーがアクセスできるようになります。初めてステージング環境を本番環境にコピーする場合は、ステージのWebCenter Portalインスタンス全体を本番環境に移行します。その後、本番環境がライブ状態になったら、WLSTコマンド、自動WLSTスクリプトおよびレプリケーション・テクニックを使用して、ポータルのメタデータ、コンテンツおよびアセットに対する増分更新を実行できます。
通常、ポータルの更新はシステム管理者が実行します。詳細は、第40.7項「ステージングから本番へのポータルの移動」を参照してください。
更新プロセス時に、必要に応じて、サーバー名、ポート、コンテンツ管理接続など、環境間で異なる接続情報を分けて変更できます。詳細は、第40.6項「ステージングから本番への接続の詳細の移動」を参照してください。
注意: ステージからの変更および更新をデプロイすると、ステージ環境に存在しない新しい接続がターゲット上に作成されますが、本番で構成された既存の接続が変更されることはありません。 |
新規の/更新されたポータル・テンプレートおよびアセットは、アプリケーション・スペシャリストが本番サーバーにプッシュすることができます。第40.2項「ポータル・テンプレートのデプロイ」および第40.3項「アセットのデプロイ」を参照してください。
WebCenter Portalには、ポータルの設計、構築、デプロイ、および開発 - テスト - ステージ - 本番環境間またはWebCenter Portalインストール間での情報の移動を行うことができる、一連のツールおよびユーティリティが用意されています。
Oracle JDeveloperおよびOracle ADF: Oracle JDeveloperおよびOracle ADFには、ポートレットの構築とデプロイおよびポータル・アセットの拡張とデプロイを行うためのツールとフレームワークが備わっています。
ポータル用のカスタム・タスク・フローやその他のカスタム・コンポーネントを開発し、WebCenter Portalの共有ライブラリにデプロイして使用することもできます。
ラウンドトリップ開発: ラウンドトリップ開発とは、メンテナンスや機能強化のために、ポータル・アセットをWebCenter PortalからエクスポートしてJDeveloperにインポートしなおすことができる機能および手法です。ラウンドトリップ開発の詳細は、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』の反復およびラウンドトリップ開発手法の使用に関する項を参照してください。
エンタープライズ・デプロイメント: ポータルを本番環境にデプロイする準備が整ったら、WLSTのexportWebCenterPortals
およびimportWebCenterPortals
コマンドを使用できます。詳細は、第40.9.2項「ステージングから本番へのポータルの直接デプロイ」および第40.1.2項「ポータル・アーカイブのデプロイ」を参照してください。
または、メタデータの変更をステージから本番に伝播できるように、ステージ環境と本番環境を接続して「同期」状態を維持する場合、WLSTコマンドdeployWebCenterPortals
を使用します。第40.1項「ポータルのデプロイ」も参照してください。
ブラウザベースの管理ツール: 次に示す様々なブラウザベースのツールにより、管理者はポータル・デプロイメントを構成、管理およびモニターできます。
ポータル・ビルダー管理
Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソール
WebLogic Server管理コンソール
詳細は、第1.13項「Oracle WebCenter Portalの管理ツール」を参照してください。表39-3「ライフ・サイクル操作のためのWebCenter PortalおよびWebLogic Serverの権限の要件 」も参照してください。
スクリプト・ツール: システム管理者は、ポータル・デプロイメントを構成、管理、バックアップおよびリストアできます。
詳細は、第1.13.3項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)」を参照してください。
表39-3は、ライフ・サイクル操作の実行に必要なWebLogic ServerのロールおよびWebCenter Portalの権限を示しています。
表39-3 ライフ・サイクル操作のためのWebCenter PortalおよびWebLogic Serverの権限の要件
WebCenter Portalオブジェクト | ツール | WebLogic Serverのロール |
WebCenter Portalの権限 |
---|---|---|---|
ポータル |
|||
ポータルをWebCenter Portalから直接デプロイ |
WLST |
|
|
ポータルをWebCenter Portalから直接伝播 |
WLST |
|
|
ポータル・アーカイブをインポートまたはエクスポート |
WLST |
|
|
ポータル・アーカイブをインポートまたはエクスポート |
WebCenter Portal |
- |
|
ポータル・テンプレート |
|||
ポータル・テンプレート・アーカイブをインポートまたはエクスポート |
WLST |
|
|
ポータル・テンプレート・アーカイブをインポートまたはエクスポート |
WebCenter Portal |
- |
|
ポータル・アセット |
|||
アセット・アーカイブをインポートまたはエクスポート |
WLST |
|
次のいずれか:
|
アセット・アーカイブをインポートまたはエクスポート |
WebCenter Portal |
- |
および次のいずれか:
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アセット・アーカイブをインポートまたはエクスポート |
JDeveloper |
- |
- |
ポータル拡張機能 (ADF共有ライブラリ) |
|||
ポータル拡張機能をJDeveloperから直接デプロイ |
JDeveloper |
|
|
ポータル拡張機能アーカイブをインポートまたはエクスポート |
JDeveloper |
- |
- |
ポータル接続 |
|||
接続をインポートまたはエクスポート |
WLST |
|
- |
共有アセット |
|||
アセット・アーカイブをインポートまたはエクスポート |
WLST |
|
|
アセット・アーカイブをインポートまたはエクスポート |
WebCenter Portal |
- |
|
アセット・アーカイブをインポートまたはエクスポート |
JDeveloper |
- |
- |
WebCenter Portal (すべてのポータル) |
|||
アーカイブをインポートまたはエクスポート |
WLST |
|
|
アーカイブをインポートまたはエクスポート |
Fusion Middleware Control |
|
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初めてWebCenter Portalのステージ環境および本番環境を設定する場合は、『Oracle WebCenter Portalインストレーション・ガイド』の指示に従います。両方の環境が設定され、ステージ環境を本番サーバーに移行する準備が整ったら、第41章「別のターゲットへのWebCenter Portal全体の移行」
セキュリティ・ポリシーおよび資格証明を初めて環境に移動する際の詳細は、 第39.11項「WebCenter Portalのライフ・サイクルを通したセキュリティの管理」も参照してください。
注意: ステージ・インスタンスからFusion Middleware本番インスタンス全体をクローニングすることは、「テストから本番へ」と呼ばれることもあります。WebCenter Portalインスタンスを他のFusion Middlewareコンポーネントとともにクローニングする方法の詳細は、管理者ガイドのOracle WebCenter Portalの新しいターゲット環境への移動に関する項を参照してください。 |
新しいポータル・アセットおよび拡張機能のテストが完了したら、開発者は通常、新しいコンポーネントをアーカイブにデプロイし、WebCenter Portalへのデプロイメントのために管理者に提供します。たとえば、ポータル・アセット・アーカイブ(.ear
ファイル)、ADFライブラリ(.jar
ファイル)および共有ライブラリ(.war
ファイル)などです。
開発者は、適切な権限が与えられた場合、JDeveloperからWebCenter Portalにアセット/拡張機能を直接デプロイすることができます。たとえば、開発者がテスト環境でアセット/拡張機能のデプロイを許可されても、ステージ・サーバーおよび本番サーバーにデプロイできない場合があります。詳細は、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』の拡張機能のポータル・サーバーへの直接デプロイに関する項およびアセットのWebCenter Portalへの直接アップロードに関する項を参照してください。
実際には、ステージング環境と本番はステージ環境に変更が施されるまでは同一のままです。承認された変更は、次の2つの方法で本番に移動できます。
ステージでの更新をファイルにエクスポートし、次にポータル・ビルダーまたはWLSTコマンドを使用してファイルの変更を本番サーバーにインポートします。
WLSTのdeployまたはpropagateコマンドを使用して、ステージでの更新を本番に直接デプロイします。
伝播機能は、ポータル・メタデータ(ページ、アセット、ページで削除されたポートレットなど)の変更を移行する場合に便利です。伝播ではポータル・メタデータの変更のみが転送されるため、本番サーバーを再起動する必要はなく、ダウンタイムは生じません。伝播機能を使用する場合、本番に対する変更の最初のセットを、deployWebCenterPortal
コマンドを使用して移動する必要があります - このコマンドにより、本番インスタンス上にステージ・ポータル全体が再作成され、ステージ・ポータルおよび本番ポータル上に照合ラベル(たとえば、LABEL_1)が作成されます。その後、変更をステージから本番に伝播するときに、ステージと本番の両方の環境で、ポータルのラベルが1だけ増分されます。ラベルが一致した場合のみ、ポータルの変更を別のポータル・インスタンスに伝播できます。
詳細は、第40.9項「本番でのポータルの管理」を参照してください。
付録E「WebCenter Portalのライフサイクル中のラベル付け」も参照してください。
WLSTコマンドまたはポータル・ビルダー管理を使用して、個々の本番ポータルをアーカイブにエクスポートし、ステージング・サイトにインポートしなおすことができます。詳細は、第40.1.2.2項「別のサーバーへのポータル・アーカイブのデプロイ」を参照してください。
本番システム全体をステージにミラー化する場合、本番WebCenter Portalインスタンスをバックアップ/リストアするか、または本番WebCenter Portalインスタンスを実行しているWebLogic Serverをクローニングします。詳細は、第41章「WebCenter Portalのバックアップ、リカバリおよびクローニングの管理」を参照してください。
この項では、ポータルのセキュリティ・ポリシーと資格証明をあるWebCenter Portal環境から別の環境へ移行する手法について説明します。
単一のポータルのセキュリティ・ポリシー
ポータルごとに、独自のセキュリティ・ポリシーがあります。初めてWebCenter Portalインスタンスにポータルをデプロイする場合、ポータルのセキュリティ・ポリシーを組み込む必要があります。再デプロイ時には、セキュリティ・ポリシーはオプションになります。たとえば、ポータルをステージングから本番に再デプロイするときには、多くの場合、本番システム上で行われたポリシーの変更をオーバーライドしないことが重要です。第40.1項「ポータルのデプロイ」も参照してください。
WebCenter Portalアプリケーション全体のセキュリティ・ポリシー(ホーム・ポータルを含む、すべてのポータル)
WebCenter Portalアプリケーション全体をバックアップ(またはエクスポート)するときには、ホーム・ポータルまたは個々のポータルのセキュリティ・ポリシーがアーカイブに含まれるので、セキュリティ情報をあるインスタンスから別のインスタンスに移動/リストアすることができます。詳細は、第41.5項「別のターゲットへのWebCenter Portal全体の移行」を参照してください。
WebCenter Portalに対するバックエンドのアイデンティティ・ストアおよび資格証明ストア
別のインスタンスに移行する場合、アイデンティティ・ストア、資格証明ストア、ポリシー・ストアなどの、セキュリティに関するバックエンド・コンポーネントを移行する必要があります。詳細は、第41.6.7項「ポリシー・ストアのバックアップおよびリストア(LDAPとデータベース)」および第41.6.8項「資格証明ストアのバックアップおよびリストア(LDAPとデータベース)」を参照してください。
詳細は、第41章「WebCenter Portalのバックアップ、リカバリおよびクローニングの管理」を参照してください。