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Oracle® Fusion Middleware構成ウィザードによるドメインの作成
11gリリース1 (10.3.6)
B61005-05
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2 WebLogicドメインの作成

この章では、構成ウィザードをグラフィカル・モードで使用して新しいWebLogicドメインを作成する方法を説明します。また、ドメインおよび管理サーバーの起動方法についても説明します。

次の項目について説明します。

始める前に

構成ウィザードを実行してUNIXまたはLinuxオペレーティング・システムでドメインを作成する前に、まだ設定していない場合は、CONFIG_JVM_ARGS環境変数に次の値を設定します。

-Djava.security.egd=file:/dev/./urandom

これにより、ドメインを作成または更新するために構成ウィザードにかかる時間を短縮することができます。

ドメイン作成プロセス

構成ウィザードでは、製品コンポーネントを選択してドメインに含めることで、またはドメイン・テンプレートJARファイルを選択することで、対象環境のためのWebLogicドメインの作成プロセスをガイドします。必要な場合は、管理対象サーバー、クラスタおよびマシン定義を追加および構成することで、または事前定義されたJDBCデータ・ソースおよびJMSファイル・ストア・ディレクトリをカスタマイズすることで、ご使用の環境に適したドメインをカスタマイズすることもできます。

次の状況でドメインをカスタマイズできます。

  • デフォルト設定の使用時にマルチ・サーバーまたはクラスタ化ドメインを作成するには。事前定義されたすべてのWebLogic Serverテンプレート(WebLogic Serverで提供されるもの)は、単一サーバー・ドメインを作成します。

  • ドメインまたは拡張テンプレート内のデフォルト・データベースとは異なるデータベースを使用するには。この場合、JDBC設定をカスタマイズして、適切なデータベースを指すようにする必要があります。

  • リスニング・ポートおよびSSLポートをカスタマイズするには。

  • 受け取ったドメイン・テンプレートを使用することでテスト環境を作成するには、および要件に基づいてテスト環境で機能するようドメイン構成を変更するには。

図2-1に、WebLogicドメインを作成する構成ウィザードの手順をまとめています。破線のボックス内に示された手順は、RCUを使用するものやJDBCデータ・ソースを必要とするものなど、特定の製品を含むWebLogicドメインを作成する場合にのみ関係します。

図2-1 WebLogicドメインの作成

図2-1の説明が続きます
「図2-1 WebLogicドメインの作成」の説明

グラフィカル・モードでの構成ウィザードの起動

製品のインストールが常駐するマシンのためのコンソールは、JavaベースのGUIをサポートしている必要があります。Windowsベースのすべてのコンソールは、JavaベースのGUIをサポートしており、UNIXベースのコンソールのサブセットのみが、JavaベースのGUIをサポートしています。


注意:

グラフィカル表示をサポートしていないシステム上で構成ウィザードをグラフィカル・モードで起動しようとすると、構成ウィザードはコンソール・モードで起動します。

Windowsの「スタート」メニューまたはコマンド・ラインから、グラフィカル・モードで構成ウィザードを起動できます。

  • Windowsプラットフォームでグラフィカル・モードで構成ウィザードを起動するには、「スタート」「すべてのプログラム」「Oracle WebLogic」「WebLogic Server」「ツール」「構成ウィザード」を選択します。

  • Windowsのコマンド・プロンプトから、またはUNIXシステムで、グラフィカル・モードで構成ウィザードを起動するには、次の手順に従います。

    1. 製品がインストールされているシステムにログインします。

    2. MS-DOSコマンド・プロンプト・ウィンドウ(Windowsの場合)またはコマンド・シェル(UNIXの場合)を開きます。

    3. 次のディレクトリに移動します。

      Windowsの場合: WLHOME\common\bin

      UNIXの場合: WLHOME/common/bin

      WLHOMEは、WebLogic Serverがインストールされているディレクトリです。

    4. 次のコマンドを実行します。

      Windowsの場合: config.cmd

      UNIXの場合: sh config.sh


      注意:

      config.cmdまたはconfig.shコマンドを実行するときに、デフォルトのキャッシュ・ディレクトリが有効ではないことを示すために次のエラー・メッセージが表示される場合があります。

      *sys-package-mgr*: can't create package cache dir

      コマンド・ラインに-Dpython.cachedir=valid_directoryオプションを含めることで、キャッシュ・ディレクトリを変更できます。


      「ようこそ」画面が表示されます。

グラフィカル・モードでのWebLogicドメインの作成

構成ウィザードをグラフィカル・モードで使用して新しいWebLogicドメインを作成するには、「グラフィカル・モードでの構成ウィザードの起動」の説明に従って構成ウィザードを起動します。


注意:

構成ウィザードをGUIモードで実行できない状況では、WLSTスクリプトを使用してドメインを作成または拡張することをお薦めします。詳細は、『Oracle WebLogic Scripting Tool』のドメイン・テンプレートの作成と使用(オフライン)に関する項を参照してください。

構成ウィザードでは、一連の画面が、表2-1に示されている順序で表示されます。各画面の詳細は、第4章「構成ウィザードの画面」の関連する項を参照するか、「画面」列内のリンクをクリックしてください。

表2-1 新しいWebLogicドメインを作成するための構成画面

番号 画面 この画面はいつ表示されるか 次の操作の実行

1

ようこそ


常時

新規WebLogicドメインの作成を選択します。

「次へ」をクリックして続行します。

2

ドメイン・ソースの選択


常時

次のいずれかを行います:

  • 「以下の製品をサポートするために、自動的に構成されたドメインを生成する」を選択してから、ドメインに含める各製品に対応するチェック・ボックスを選択します。

  • 「既存のテンプレートを、このドメインのベースにする」を選択してから、「参照」ボタンを使用して、ローカル・ドライブまたはネットワークでテンプレートを探します。

「次へ」をクリックして続行します。

3

「ドメイン名と場所の指定」


常時

ドメインの名前またはディレクトリの場所を指定します。

「次へ」をクリックして続行します。

4

「管理者ユーザー名およびパスワードの構成」


常時

ドメインの管理者アカウント用のユーザー名およびパスワードを指定します。

「次へ」をクリックして続行します。

5

「サーバーの起動モードおよびJDKの構成」


常時

使用する起動モードを選択します。

ドメインで使用するJDKを選択します。

「次へ」をクリックして続行します。

6-8

スキーマの構成

データベース・スキーマをロードするためにOracle Fusion Middleware Repository Creation Utility (RCU)の使用を必要とするコンポーネント(SOAなど)がドメインに含まれている場合のみ

これらの画面の詳細は、「スキーマの構成」を参照してください。

9-12

データ・ソースの構成

ドメインに、JDBCデータ・ソースまたはOracle RACマルチ・データ・ソースを必要とするコンポーネントが含まれている場合のみ

これらの画面の詳細は、「データ・ソースの構成」を参照してください。

13

キーストア資格証明の構成


ドメインに、キーストア・パスワードを必要とする製品が含まれている場合のみ

パスワード・フィールドの各セットに対し、キーストアに使用するパスワードを入力して確認します。

「次へ」をクリックして続行します。

14

オプションの構成を選択


常時

詳細な構成作業を実行する各カテゴリのためのチェック・ボックス(存在する場合)を選択します

選択可能なチェック・ボックスは、選択した製品またはテンプレート内で構成されるリソースによって異なります。

「次へ」をクリックして続行します。

15

管理サーバーの構成


「オプションの構成を選択」画面で「管理サーバー」を選択した場合のみ

必要に応じて、管理サーバーの設定を変更します。

「次へ」をクリックして続行します。

16

「JMS分散宛先タイプの選択」


「オプションの構成を選択」画面で「JMS分散宛先」オプションを選択した場合のみ

各JMSシステム・リソースに対し、分散宛先タイプを選択します。

「次へ」をクリックして続行します。

17

管理対象サーバーの構成


「オプションの構成を選択」画面で管理対象サーバー、クラスタ、およびマシンを選択した場合のみ

必要に応じて、管理対象サーバーを追加、削除または再構成します。

「次へ」をクリックして続行します。

18

クラスタの構成


「オプションの構成を選択」画面で管理対象サーバー、クラスタ、およびマシンを選択した場合のみ

必要に応じて、クラスタを追加、削除または再構成します。

「次へ」をクリックして続行します。

19

サーバーのクラスタへの割当


「オプションの構成を選択」画面で管理対象サーバー、クラスタ、およびマシンを選択し、ドメインに1つ以上のクラスタが含まれている場合のみ

ドメイン内のクラスタにサーバーを追加するか、そこからサーバーを削除します。

「次へ」をクリックして続行します。

20

HTTPプロキシ・アプリケーションの作成


「オプションの構成を選択」画面で管理対象サーバー、クラスタ、およびマシンを選択し、ドメインに1つ以上のクラスタ、およびクラスタに割り当てられていない1つ以上の管理対象サーバーが含まれている場合のみ

各クラスタについて、クラスタのためにHTTPプロキシ・アプリケーションを作成するかどうかを指定します。クラスタに対して「HTTPプロキシの作成」チェック・ボックスを選択する場合は、そのクラスタのために使用するプロキシ・サーバーを選択します。

「次へ」をクリックして続行します。

21

マシンの構成


「オプションの構成を選択」画面で管理対象サーバー、クラスタ、およびマシンを選択した場合のみ。

必要に応じて、マシンを追加、削除または再構成します。

「次へ」をクリックして続行します。

22

サーバーのマシンへの割当


「オプションの構成を選択」画面で管理対象サーバー、クラスタ、およびマシンを選択し、ドメインに1つ以上の構成されたマシンが含まれている場合のみ

管理サーバーと管理対象サーバーを適切なマシンに割り当てます。

「次へ」をクリックして続行します。

23

「デプロイメントのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」


「オプション構成の選択」画面で「デプロイメントとサービス」を選択し、選択された製品またはテンプレートにJava EEアプリケーションまたはライブラリがある場合のみ

アプリケーションまたはライブラリをデプロイする対象サーバーまたはクラスタを選択します。

選択したターゲット上にデプロイする各アプリケーションまたはライブラリのためのチェック・ボックスを選択します。

「次へ」をクリックして続行します。

24

「サービスのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」


「オプション構成の選択」画面で「デプロイメントとサービス」を選択した場合のみ

対象サーバーまたはクラスタを選択します。

対象とする各サービスのためのチェック・ボックスを選択します。

「次へ」をクリックして続行します。

25

JMSファイル・ストアの構成


「オプション構成の選択」画面で「JMSファイル・ストア」を選択した場合のみ

各JMSファイル・ストアのための設定を必要に応じて変更し、各ファイル・ストアの同期書込みポリシーを選択します。

「次へ」をクリックして続行します。

26

「RDBMSセキュリティ・ストア・データベースの構成」


「オプションの構成を選択」画面で「RDBMSセキュリティ・ストア」を選択した場合のみ

リレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)用の設定を指定します。

「次へ」をクリックして続行します。

27

構成のサマリー


常時

「サマリー・ビュー」を選択してからそのビューのリスト内の個々の項目を選択することで、ドメインの構成を確認します。

ドメインが希望どおりに構成されている場合は、「作成」をクリックしてドメインを作成します。

構成を変更する必要がある場合は、「前へ」をクリックして、変更する設定のための適切な画面に戻ります。

28

ドメインの作成中


常時

ドメイン作成の進行状況を表示します。

処理が終了したら、「完了」をクリックします。


スキーマの構成

データベース・スキーマをロードするためにOracle Fusion Middleware Repository Creation Utility (RCU)の使用を必要とするコンポーネント(SOAなど)がドメインに含まれている場合のみ、この項で説明されている画面が構成ウィザードに表示されます。表2-2に、一連のスキーマ関連画面をリストします。各画面の詳細は、第4章「構成ウィザードの画面」の関連する項を参照するか、「画面」列内のリンクをクリックしてください。

この項内の画面を構成したら、表2-1の9行目に戻ります。

表2-2 スキーマ構成画面

番号 画面 この画面はいつ表示されるか 次の操作の実行

6

「JDBCコンポーネント・スキーマの構成」


データベース・スキーマをロードするためにOracle Fusion Middleware Repository Creation Utility (RCU)の使用を必要とするコンポーネント(SOAなど)がドメインに含まれている場合のみ

選択したテンプレートにマルチ・データ・ソース定義またはGridLinkデータ・ソース定義が含まれているかどうかに応じて、この画面には2つのバージョンがあります。

この画面に表示される各コンポーネントのスキーマについて、スキーマの所有者とパスワードを指定します。この画面上のフィールドに加えた変更は、表内で選択されているすべてのコンポーネントのスキーマに適用されます。

たとえば、スキーマがすべて同じデータベースに常駐している場合には、表の中にあるそのようなスキーマをすべて選択してから、そのスキーマに適したデータベース値を指定します(「DBMS/サービス」、「ホスト名」および「ポート」)。

各スキーマのパスワードが異なる場合などは、スキーマを個々に選択し、そのスキーマ専用のパスワードを指定する必要があります。

「次へ」をクリックして続行します。

7a

GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成


データベース・スキーマをロードするためにOracle Fusion Middleware Repository Creation Utility (RCU)の使用を必要とするコンポーネント(SOAなど)がドメインに含まれており、選択したコンポーネント・スキーマをGridLinkデータ・ソース・スキーマとして構成済オプションを選択した場合のみ

この画面に表示される各コンポーネントのスキーマについて、スキーマの所有者とパスワードを指定します。この画面上のフィールドに加えた変更は、表内で選択されているすべてのコンポーネントのスキーマに適用されます。

たとえば、スキーマがすべて同じデータベースに常駐している場合には、表の中にあるそのようなスキーマをすべて選択してから、そのスキーマに適したデータベース値を指定します(サービス名、サービス・インスタンス、ONSホスト、ウォレット・ファイルおよびウォレット・パスワードなど)。

各スキーマのパスワードが異なる場合などは、スキーマを個々に選択し、そのスキーマ専用のパスワードを指定する必要があります。

「次へ」をクリックして続行します。

7b

RACマルチ・データ・ソース・スキーマの構成


データベース・スキーマをロードするためにOracle Fusion Middleware Repository Creation Utility (RCU)の使用を必要とするコンポーネント(SOAなど)がドメインに含まれており、選択したコンポーネント・スキーマをRACマルチ・データ・ソース・スキーマとして構成済オプションを選択した場合のみ

この画面に表示される各コンポーネントのスキーマについて、スキーマの所有者とパスワードを指定します。この画面上のフィールドに加えた変更は、表内で選択されているすべてのコンポーネントのスキーマに適用されます。

たとえば、スキーマがすべて同じデータベースに常駐している場合には、表の中にあるそのようなスキーマをすべて選択してから、そのスキーマに適したデータベース値を指定します(サービス名、ホスト名、インスタンス名およびポート)。

各スキーマのパスワードが異なる場合などは、スキーマを個々に選択し、そのスキーマ専用のパスワードを指定する必要があります。

「次へ」をクリックして続行します。

8

コンポーネント・スキーマのテスト


データベース・スキーマをロードするためにOracle Fusion Middleware Repository Creation Utility (RCU)の使用を必要とするコンポーネント(SOAなど)がドメインに含まれている場合のみ

前の画面でデータ・ソースに指定した構成をテストします。

「次へ」をクリックして続行します。


データ・ソースの構成

JDBCデータ・ソースまたはOracle RACマルチ・データ・ソースを必要とするコンポーネントがドメインに含まれている場合のみ、この項で説明されている画面が構成ウィザードに表示されます。表2-3に、スキーマ関連の一連の画面をリストします。各画面の詳細は、第4章「構成ウィザードの画面」の関連する項を参照するか、「画面」列内のリンクをクリックしてください。

この項で説明している画面を構成したら、表2-1の13行目に戻ります。

表2-3 データ・ソース構成画面

番号 画面 この画面はいつ表示されるか 次の操作の実行

9

JDBCデータ・ソースの構成


ドメインに、JDBCデータ・ソースを必要とするコンポーネントが含まれている場合のみ

構成するデータ・ソースを選択してから、次のいずれかを実行します。

  • データ・ソースのためのフィールドを構成します

  • 選択したデータ・ソースをRACマルチ・データ・ソースとして構成するオプションを選択します。

「次へ」をクリックして続行します。

10a

GridLink RACデータ・ソースの構成


ドメインに、JDBCデータ・ソースを必要とするコンポーネントが含まれており、「JDBCデータ・ソースの構成」画面上の1つ以上のデータ・ソースのために選択したデータ・ソースをGridLink RACデータ・ソースとして構成オプションを選択した場合のみ

Gridlink RACデータ・ソースのためのフィールドを構成します(サービス名、サービス・インスタンス、ONSホスト、ウォレット・ファイルおよびウォレット・パスワードなど)。

「次へ」をクリックして続行します。

10b

Oracle RACマルチ・データ・ソースの構成


ドメインに、JDBCデータ・ソースを必要とするコンポーネントが含まれており、選択したデータ・ソースをRACマルチ・データ・ソースとして構成画面上の1つ以上のデータ・ソースのために選択したデータ・ソースをGridLink RACデータ・ソースとして構成オプションを選択した場合のみ

Oracle RACマルチ・データ・ソースのためのフィールドを構成します(Oracle RACホスト名、インスタンス名およびポートなど)

「次へ」をクリックして続行します。

11

JDBCデータ・ソースのテスト


ドメインに、JDBCデータ・ソースを必要とするコンポーネントが含まれている場合のみ

テストするデータ・ソースを選択し、「接続のテスト」をクリックします。接続テストの完了を待機します。

注意: 接続をテストするためには、接続しようとしているデータベースが実行されている必要があります。

この時点で接続をテストする必要がない場合は、すべてのデータ・ソースを選択解除してください。

「次へ」をクリックして続行します。

12

データベース・スクリプトの実行


選択した製品またはテンプレートに、データベース・タイプ別に編成されているSQLファイル一式が含まれている場合のみ

データベース・スクリプトを実行するデータ・ソースを選択します。

データベース・バージョンを選択します。

「スクリプトの実行」をクリックします。

必要なすべてのスクリプトを実行したら、「次へ」をクリックして続行します。


管理サーバーの起動に関する項

ドメインの作成が終了したら、管理サーバーを起動できます。管理サーバーを開始するための様々な方法の詳細は、『Oracle WebLogic Serverのサーバーの起動と停止の管理』のサーバーの起動と停止に関する項を参照してください。