勤務管理データを使用した給与計算の実行

このトピックでは、遡及処理の概要と以下の項目について説明します。

  • 給与計算実行の準備。

  • 給与計算実行の起動。

  • 給与計算実行のキャンセル。

勤務管理で調整された給与支給対象時間では 2 行のデータが作成されます。1 つの行では古い値が取り消されたり、相殺されます。もう 1 つの行には新しい値が入ります。グローバル ペイロールでは、元の行と相殺行が無視され、新しく作成された行に対して処理が行われます。

勤務管理のデータを変更すると遡及トリガが作成され、現在の支給期間または繰越期間のどちらかで、支給期間の再計算と修正が行われます。

給与計算実行を準備するには、以下の手順に従います。

  1. 勤務時間管理プロセスが実行されていることを確認します。

    承認済みの各休暇欠勤イベントについて、休暇取得エレメントのコード、休暇の開始と終了日、さらに、1 日に満たない休暇欠勤があればその時間が勤務管理で参照されます。また、勤務管理のスケジュール決定プロセスもトリガされます。このプロセスにより、休暇欠勤日、つまり勤務日の既定時間の一部でも勤務時間として記録されていない日が検出され、従業員のデフォルトのスケジュールに基づいて、それぞれの休暇欠勤時間数が決定されます。

    勤務時間管理プロセスを実行して、レポート済みおよびスケジュール済みの勤務時間を給与支給対象時間に換算する必要もあります。

    注: 勤務管理では承認済みの休暇欠勤データだけが処理され、未承認の休暇欠勤データは勤務管理の給与支給対象時間テーブルに渡されません。

  2. 勤務管理データを選択するカレンダーを作成します。

    グローバル ペイロールのカレンダー - 定義ページを使用して給与計算実行用のカレンダーを作成する際には、以下のようにカレンダーを設定します。

    • 指定期間のデータを抽出します。

      [勤務カレンダー] フィールドで期間を選択します。全てのカレンダー期間を表示するプロンプト テーブルから選択します。[勤務カレンダー] フィールドを空白のままにしておくと、給与支給対象時間を抽出できません。勤務管理計算期間 ID は、計算期間 ID と同じにすることも、別にすることもできます。たとえば、勤務管理計算期間 ID が 3 月であり、現在の計算期間 ID が 4 月の場合、受給者が選択の対象となるには、3 月に給与支給対象時間があり、4 月に少なくとも 1 日は勤務している必要があります。

    • 実行タイプを選択して、処理対象の勤務時間レポート コードを指定します。

  3. 勤務時間管理プロセスが支給対象の受給者に対して実行されていることを確認します。

    注: グローバル ペイロールでは支給グループ別に給与計算プロセスを実行します。勤務管理ではワークグループ別に勤務時間管理プロセスを実行します。給与計算を開始する前に、給与計算実行の対象となる全受給者に対して勤務時間管理プロセスを必ず実行しておきます。

勤務管理との勤務スケジュールの共有」、「カレンダー - 定義ページ」を参照してください。

勤務管理データを使用して給与計算実行を開始するには、以下の手順に従います。

  1. 給与計算プロセスの確認フェーズを起動して受給者を選択します。

    グローバル ペイロールでは、カレンダー - 定義ページで指定した実行タイプと [勤務カレンダー] フィールドの期間にマッピングされた勤務時間レポート コードに給与支給対象時間のある受給者が検索されます。確認プロセスは、単独で起動することも、計算プロセスから起動することもできます。

  2. 計算フェーズを起動して給与支給対象時間を選択します。

    グローバル ペイロールでは、選択した受給者の給与支給対象時間がポジティブ入力作成テーブルにロードされます。また、以下の条件を満たす給与支給対象時間の行だけが検索されます。

    • カレンダー実行タイプにマッピングされた勤務時間レポート コード (TRC) がある。

    • 現在期間の入力については、以下のいずれかの給与支給ステータスを持つ。

      ES (見積済 - 給与計算実行可)

      AP (承認済 - 給与計算承認)

      SP (給与計算に送信)

      RP (給与計算で却下)

    • 遡及期間の入力について、給与支給ステータスが以下のもの以外であること。

      NA (要承認)

      CL (終了): 支給システム フィールドがグローバル ペイロールに設定されていないとき

      IG (無視)

      NP (支給なし)

      OE (オンラインでの見積のみ)

    • グローバル ペイロールでは、以下のように各入力の給与支給ステータスの更新も行われます。

      SP - グローバル ペイロールにロードされた全支給対象時間の入力に適用されます。ただし、ステータスが PD (支払済 - 労働コスト配分) または DL (支払済 - 平準労働単価) の入力は除きます。

      IG - 勤務管理で相殺値や新規入力が作成される変更が行われたために、今後使用されることのない全給与支給対象時間の入力に適用されます。

      「給与支給対象時間について」 (PeopleSoft 勤務管理)を参照してください。

  3. 結果を検証しエラーを修正します。

    受給者メッセージ ページで、処理エラーやメッセージを確認します。計算フェーズを完了した支給対象時間の入力は、ポジティブ給与計算ページで参照できます。ソースの値が "勤務管理" である入力を確認します。また、ポジティブ入力-給与計算ページには、バンドルされた給与支給対象時間の入力で、処理が終了したものも表示されます。

    勤務管理で作成された入力値を調整または修正する必要がある場合には、まず勤務管理でその値に変更を加えた後で計算フェーズを再び実行します。この操作を行うことにより、勤務管理とグローバル ペイロールのデータの同期を保つことができます。

給与計算実行をキャンセルすると、勤務管理からグローバル ペイロールにロードされた給与支給対象時間のデータが削除され、各給与支給対象時間入力の給与支給ステータスが RP (給与計算で却下) に更新されます (理由コードは ペイロールによるキャンセル)。ただし、以下の 2 つの条件に該当する場合は、例外となります。

  • 給与支給ステータスが "PD"、"DL"、"CL" または "TP" (取得済 - 給与計算で使用済) の場合。

  • 給与支給対象時間がほかの給与計算システムにも送信されている場合 (入力に関連付けられている給与計算システムのフラグに基づく)。