承認機能について
機能を組み合せることにより、さまざまなタイプの承認にルールを作成できます。このセクションでは、以下の事項について説明します。
アドホック パスの承認
アドホック レビュー
自己承認
依頼者へ転送
前のパスを省略
自動承認
代替承認者
差戻し
承認コメント
アドホック パスの承認
アドホック承認ステータス モニターが承認トランザクション用に実装されている場合、承認プロセスの間、承認者は他の承認者またはレビュー担当者を現在または後の承認プロセスのステージに追加できます。このアクションをアドホック承認と言い、他のリクエストに使用される基準のプロセス定義が、追加の発生によって影響を受けない場合の承認インスタンスにのみ適用されます。
既存の承認者に連続または並行して、アドホック承認者およびレビュー担当者を挿入できます。
連続する承認者の場合は、プロセス内の各承認が連番になります。
ユーザーが承認者やレビュー担当者を追加できるのは、現在の承認待ちステップの後またはそれ以降になります。
並行する承認の場合は、連番は関係なくなります。
ユーザーは、現在承認待ちの全てのステージまたは後続のステージにあるアドホック パス内にアドホック ステップを挿入できます。
トランザクションの送信後は、アドホック承認者を追加できます。アプリケーション開発者のコードにより要求されている場合に、承認フレームワークはプレビュー済みの承認プロセス インスタンスを起動します。
トランザクション レジストリでアドホック承認ユーザー リストが定義されていれば、そのリスト内のユーザーのみがアドホック承認者またはレビュー担当者として追加できます。
「トランザクション登録ページ」を参照してください。
アドホック レビュー
アドホック レビュー担当者は、承認者または依頼者がトランザクションのレビューを依頼したいと考えるユーザーです。プロセスで設定されていれば、アドホック レビュー担当者には通知が送信され、ワークリストの項目または電子メールでトランザクションへのリンクが送られます。アドホック レビュー担当者は、トランザクションを承認または却下することはなく、コメントを追加できます。ただし、コメント内では % 記号は有効な文字と認識されず、アプリケーションによってコメントから削除されるため、この記号を含めないでください。
自己承認
依頼者が承認者となることもできます。依頼者が自分自身のトランザクションを承認する場合、これは自己承認と呼ばれます。自己承認は、チェック ボックスの設定で有効にします。有効にした場合は依頼者の承認は引き受けられ、プロセスが続行します。ただし、依頼者の承認権限を制御するうえで役立つ条件を確立できます。たとえば、依頼者に金額の上限を設定し、トランザクションがその金額を超過した場合に、その依頼者を承認者として使用不可にできます。
自己承認が有効でない場合、依頼者は手動でトランザクションを承認する必要があります。
自己承認が有効でない場合、自己承認条件が指定される必要があります。次に、依頼者が承認者として示されている場合、この条件が評価されます。条件が満たされた場合、依頼者の承認は引き受けられ、そのステップの最小承認者数が 1 人減ります。
依頼者が承認者の場合、そのパスにある依頼者のステップより前のステップを省略するようにパスを設定できます。
自己承認は、ステップ レベルで設定されます。
依頼者へ転送
依頼者へ転送とは、承認を依頼者に送るようシステムに指示する機能です。依頼者は、承認パスに既にリストされている場合があります。この図に示すように、この操作のフローも、自己承認機能に依存します。
画像: 依頼者へ転送および自己承認機能フロー
次の図は、依頼者へ転送および自己承認機能フローを示しています。

依頼者へ転送が選択されている場合、自己承認が設定されているかどうかにかかわらず、依頼者は常に手動でトランザクションを承認する必要があります。
注: 自己承認条件を満たしていても、依頼者は手動でトランザクションを承認する必要があります。
依頼者へ転送と自己承認のどちらも選択されておらず、依頼者が唯一の承認者である場合、そのパス内の追加のステップの特定と、次のステップがあればそのステップへのトランザクションの転送が試みられます。追加のステップがない場合、システムでエラーが生成され、そのトランザクションは管理者に転送されます。
依頼者へ転送と自己承認のどちらも選択されておらず、そのパス内に他の承認者がいる場合、依頼者の承認は省略されます。
依頼者へ転送が選択されておらず、自己承認が選択されている場合、自己承認条件がチェックされます。依頼者が承認条件を満たした場合、承認は引き受けられ、自動承認されます。
依頼者が承認条件を満たさず、他の承認者が引き受け可能である場合、依頼者の承認は省略されます。自己承認条件が満たされず、同じステップに他の承認者がいない場合、そのトランザクションは、プロセス内に次のステップがあればそのステップに転送され、そのパス内に次のステップがない場合は管理者に転送されます。
前のパスを省略
依頼者以前の省略を有効にした場合、依頼者が認められた承認者となった時点のステップで承認フローが開始されます。
たとえば、副社長がサプライヤに自分で発注する場合、副社長が認められた承認者となるステップ以前の申請承認ステップは省略されます。
自動承認
自動承認を有効にすると、ヘッダー レベルまたは行レベルでそのプロセスの承認者のアクションが記憶され、承認フレームワーク ルーティングのそれ以降の出現箇所に、同じアクションが自動的に適用されます。
たとえば、承認者が 1 行目を承認し、特定の承認者の承認を求める行としてその行が再度出現した場合、その行に対する承認が記憶されます。この例では、承認はプロセス内のその特定の行のみに与えられています。しかし、この承認がヘッダー レベルで行われた場合、承認はそのヘッダー以下の全ての行に自動的に付与されます。
階層システムとして、承認フレームワークは、次の状況での自動承認に対応しています。
後続の別のヘッダー ステージがあるヘッダー ステージ。
後続の行ステージがあるヘッダー ステージ。
後続の行ステージがあり、その行ステージにさらに後続の別のヘッダー ステージがあるヘッダー ステージ。
後続の別の行ステージがある行ステージ。
自動承認は、後続のヘッダー ステージがある行ステージを含むプロセスには対応していません。このしくみである理由は、行の承認者は、同じヘッダー内の全てでなく一部の行のみに承認権限を持っていることがあり、このようなときに、自動承認オプションを介してヘッダーを承認する権限が与えられるべきでないからです。
代替承認者
代替ワークフロー承認者は、第 1 の承認者が不在の場合に、その承認者に代わって電子メールおよびワークリスト通知を受け取るよう任命されたユーザーです。代替承認者を識別する際は、代替承認者が代理を務める期間を入力します。代替承認者がその期間に在席かどうかは、自動的に判断されます。
注: 代替ユーザーは、ユーザー プロファイルで定義されます。 の順に選択します。
FindAlternate メソッドを EOAW_CORE:Utils クラス内で使用し、代替承認者を選択することもできます。
差戻し
差戻しは、承認のモニターに実装できるオプションの機能です。実装されていると、差戻しは、現在承認待ちのステップを承認待ちステータスから外し、前のステップをその承認者に戻します。差戻しは、承認者が前のステップでの承認に疑問を持ち、説明を求めていることを意味します。差戻しはパス内でのみ可能なため、パスの最初ステップを差し戻すことはできません。
注: 差戻し機能では自己承認は無視されます。
「承認モニター設定ページ」を参照してください。
承認コメント
依頼者はトランザクションにコメントを追加でき、承認者はそのコメントをリクエスト トランザクションではなく、承認プロセスに直接関連付けることができます。承認フレームワーク モニターには、コメントを特定のアプリケーション トランザクションにリンクした特定の承認プロセス インスタンスに関連付ける機能が用意されています。承認者は、他の承認者により追加されたコメントを参照することはできますが、前のコメントは変更できません。承認者は、トランザクションにコメントを追加する際に、% 記号を使用しないでください。この記号は有効な文字と認識されず、アプリケーションによってコメントから削除されるためです。