給与レート換算での周期について
次の各トピックでは、以下の項目について説明します。
給与レートへの係数の適用
給与レートの他の周期への換算
職務データ給与レート周期
PeopleSoft HCM では、2 つの標準的な周期換算の計算式を使用して、時間、日次、週次、月次、その他の周期で給与レートを計算および表示します。換算される周期によって、以下の係数を 1 つ以上、給与レートに適用することで計算が実行されます。
給与周期年次化係数
職務標準勤務時間
標準勤務周期の年次化係数
FTE (常勤換算) 係数
標準勤務時間と標準勤務周期
時間給与レートを換算する際に、職務の標準勤務時間と標準勤務周期を使用して計算が行われます。職務の標準勤務時間では、従業員に義務付けられる勤務時間を定義します。標準勤務周期では、標準勤務時間を完了するための勤務周期を定義します。周期テーブル コンポーネントで定義した周期 ID (およびその年次化係数) を選択することで、標準勤務周期を定義します。
標準勤務時間と標準勤務周期は、以下のページで定義します。
コンポーネント |
ページ |
割り当てレベル |
---|---|---|
インストール テーブル |
HCM オプション |
ユーザー組織 |
プライマリ権限リスト基本設定 (OPR_DEF_TBL_HR) |
設定 (OPR_DEF_TBL_HR2) |
プライマリ権限リスト |
ポジション データ (POSITION_DATA) |
ポジション情報 (POSITION_DATA1) |
ポジション |
給与プラン定義 |
給与プラン テーブル (SALARY_PLAN_TABLE) |
給与プラン |
職務コード |
職務コード プロファイル |
職務コード |
職務データ |
職務情報 (JOB_DATA_JOBCODE) |
従業員 |
人材募集 (HRS_JOB_OPENING) |
人材募集 (HRS_JOB_OPENING) |
採用管理アプリケーション |
BU オプション デフォルト ページ (BUS_UNIT_OPT_HR) で定義した標準勤務時間下限、標準勤務時間上限、および標準勤務周期が、職務データ コンポーネントとポジション データ コンポーネントで確認編集に使用されます。
標準勤務時間と標準勤務周期のデフォルト
標準勤務時間と標準勤務周期の両方が定義されていれば、それらの値はデフォルト情報として自動挿入されます。以下に、指定された条件において職務データで使われるデフォルトのソースを示します。
条件 |
デフォルト ソース |
---|---|
従業員に給与プランを割り当てた場合 |
給与プラン テーブル ページ |
従業員にポジションを割り当てた場合 |
ポジション データ コンポーネントのポジション情報ページ |
従業員に職務コードを割り当てた場合 |
職務コード コンポーネントの職務コード プロファイル ページ |
給与プラン テーブル、職務コード テーブル、またはポジション データ テーブルで標準勤務時間を指定していない場合 |
インストール コンポーネントの HCM オプション ページ |
常勤換算
FTE (常勤換算) とは、その従業員の通常の勤務時間を、常勤従業員の勤務時間に対するパーセント値で表したものです。FTE の計算には、ユーザーが定義した標準勤務時間と標準勤務周期が使用されます。
給与コンポーネントで [FTE 適用] を選択すると、PeopleSoft ヒューマン リソース管理では、標準勤務時間および勤務周期を使用して FTE が計算され、パートタイムと時間給の従業員に対して、休日勤務時間および支給額が比例配分計算によって算出されます。
注: (FRA) フランスの法定区域に属している従業員については、PAID_FTE フィールドを使ってパートタイム時間給従業員の休日勤務時間および支給額が比例配分計算されます。
画像: FTE の方程式
PeopleSoft ヒューマン リソース管理では、次の方程式に示すように、職務標準勤務時間に職務標準勤務周期の年次化係数を乗じた積を、デフォルト標準勤務時間にデフォルト常勤標準勤務周期の年次化係数を乗じた積で除算して FTE を計算します。

デフォルト常勤標準勤務時間およびデフォルト常勤標準勤務周期のソースは以下のとおりです。
給与プラン コンポーネント (給与プランが従業員に設定されており、標準勤務時間と勤務周期の両方がこの給与プランに定義されている場合)
プライマリ権限リスト基本設定コンポーネント (給与プランが従業員に設定されておらず、標準勤務時間と勤務周期の両方がプライマリ権限リスト基本設定コンポーネントで定義されている場合)
給与レートは、標準の計算式によって、日次、月次などの周期に自動換算されます。時間給与との換算を行う計算式では、標準勤務時間と標準勤務周期が考慮されます。
給与レートの換算は、次の手順で行われます。
従業員の給与の年間レートが算出されます。
非年次化換算計算式を使った年間レートの除算によって、目的の周期でレートが算出されます。
給与コンポーネントの [FTE 適用] が選択されている場合は、換算された給与レートと FTE 係数との乗算が実行されます。
注: (FRA) フランスの法定区域に所属する従業員の場合は、換算した給与レートに掛ける数字として PAID_FTE が使われます。
レートの年次化の計算
給与レートの年次周期への換算には、以下の計算式が使われます。
元の周期 |
年次周期への換算に使用する計算式 |
---|---|
時間毎 |
年間給与 = 給与レート × 職務標準勤務時間 × 標準勤務周期の周期年次化係数 |
月次、日次、その他 |
年間給与 = 給与レート × 周期年次化係数 |
レートの非年次化の計算
給与レートの年次周期から他の周期への換算には、以下の計算式が使われます。
年次以外の周期 |
年次周期からの換算に使用する計算式 |
---|---|
時間毎 |
時間給 = 給与レート / (職務標準勤務時間 × 標準勤務周期の周期年次化係数) |
月次、日次、その他 |
年間給与以外の給与 = 給与レート / 周期年次化係数 |
上記の計算式の使用例を示します。
時間毎から月次への給与レート換算例
Teresa Johnson には、以下の職務データ情報があります。
職務データの変数 |
値 |
---|---|
給与レート (時間給与) |
10 |
職務標準勤務時間 |
35 |
標準勤務周期の周期年次化係数 |
52 |
月次の周期年次化係数 |
12 |
次の表では、Teresa Johnson の月間 FTE (常勤換算) 給与レートの計算方法を示します。結果は、1 週間の勤務時間が 35 時間、1 年間を 52 週とした場合の、Teresa の月間給与を表します。
レート |
計算式 |
---|---|
年次 |
10 × 35 × 52 = 18,200 |
月次 |
年次化給与レート / 月次の周期年次化係数 18,200 / 12 = 1516.67 |
月次から隔週への給与レート換算例
Bill McKenny には、以下の職務データ情報があります。
職務データの変数 |
値 |
---|---|
給与レート (月次) |
2000 |
月次の周期年次化係数 |
12 |
隔週の周期年次化係数 |
26 |
[FTE 適用] の選択 |
オン |
FTE 係数 |
0.95 |
次の表は、Bill McKenny の隔週給与レートの計算方法を示しています。
レート |
計算式 |
---|---|
年次 |
給与レート × 月次の周期年次化係数 2000 × 12 = 24,000 |
非年次化レート |
年次化給与レート / 隔週の周期年次化係数 24,000 / 26 = 923.08 |
FTE で乗算 |
923.08 × 0.95 = 876.85 |
国別のデフォルト周期は、"職務データ - 給与" ページにある [給与レート] グループ ボックス内の給与レートの計算と表示に使用されます。デフォルト周期テーブルで従業員の国に関連付けられた周期が検索されます。このテーブルで周期をリストした順序で、[給与レート] グループ ボックス内の給与レートが表示されます。これまでのトピックで前述した標準計算式を使用して、給与レートがデフォルト周期に換算されます。
PeopleSoft グローバル ペイロールおよび PeopleSoft Payroll for North America では、支給グループに設定された周期を使用して日次と月次の給与レートが計算されるため、"職務データ - 給与" ページに表示される給与レートが、支給グループの日次と月次の周期を使用して計算された給与レートと異なる可能性があります。これは、その支給グループの日次または月次の周期が、デフォルト周期ページで国別に指定した日次または月次の周期と異なる場合に発生します。できるだけ、各国のデフォルト周期と一致する支給グループの周期を設定することをお勧めします。
支給グループ周期で計算された給与レートは、JOB.ANNUAL_RT、JOB.MONTHLY_RT、JOB.DAILY_RT、および JOB.HOURLY_RT フィールドの JOB レコードで使用されます。これらのフィールドは、人事異動サマリ ページおよび PS クエリーで参照できます。