社会保険ルールについて

この項では、次について説明します。

  • 標準報酬の計算。

  • 保険料の計算。

この項では、次の計算に使用するルールとエレメントについて説明します。

  • 報酬月額。

  • 標準報酬月額および等級。

  • 定時決定または随時改定に対する資格。

  • 固定的賃金の遡及支給または遡及減額。

報酬月額

システムは、報酬月額の計算をサポートするルールとエレメントが付属しています。その一部を次に説明します。

  • 累計では、社会保険料および給与の固定的賃金部分の月次変動の対象となる、現金支給と現物支給が管理されます。

  • 変数、フォーミュラおよび累計では、支給タイプごとに、毎月の支給の支払い基礎日数が管理および評価されます。

  • フォーミュラによって、その従業員が基礎日数を満たして働いた算定月に対する平均報酬月額が計算されます。

標準報酬月額および等級

PeopleSoft では、標準報酬月額表を配布および管理しています。「標準報酬月額保険料額表 JPN」ページのこの表で値と等級を表示します。

定時決定または随時改定に対する資格

給与計算実行の際には、随時改定または定時決定の資格を管理するために、次の 4 つの値が使用されます。

フィールドまたはコントロール

定義

随時改定

随時改定のすべての条件を満たしている従業員に対し指定されます。

随時改定候補

2 か月前より固定的賃金総額が増加または減少している従業員に対し指定されます。過去 3 か月間に対するその従業員の標準報酬月額が計算され、随時改定の資格の有無が判定されます。

定時決定

定時決定の資格のある従業員に対し指定されます。

該当なし

この値は、システム入力値を無効にするために使用されます。

レポート作成でどの計算を実行し、どの従業員を選択するかを決定するために、これらの値が使用されます。

固定的賃金の遡及支給または遡及減額

従業員に固定的賃金の遡及支給または遡及減額がある場合、遡及支払い対象月の基礎日数が満たされれば、算定期間に対する修正平均報酬月額が計算されます。随時改定の資格は、修正平均報酬月額を基に決定されます。

この項では、次の項目の決定方法について、注意する必要がある重要な情報を説明します。

  • 給与に対する保険料計算。

  • 賞与に対する保険料計算。

  • 被保険者資格の取得者および喪失者に対する保険料控除。

  • 事業主負担分の保険料。

給与に対する保険料計算

月給に対する社会保険料は、その月の月末時点の標準報酬月額に基づいて計算され、その次の月の給与から差し引かれます。

給与から控除される社会保険料は、支払いが行われる月の前月の末日時点の次のデータの値に基づいて計算されます。

  • 従業員の標準報酬月額。

  • 標準報酬等級表。

  • 「社会保険料率」ページで事業所に対して設定されている保険料率。

  • 「社会保険データ管理 JPN」ページに入力されている従業員の社会保険データ。

これは、5 月に行われる控除には、同年の 4 月 30 日時点の有効日を持つ値が使用されることを意味します。月末時点で有効なデータが、翌月に控除される保険料の計算で使用するデータになっていることを確認する必要があります。

注: 月給に対する社会保険料は、その月の月末時点の標準報酬月額のみに基づいて計算されます。その月の実際の給与支給額は、保険料にまったく影響しません。

賞与に対する保険料計算

賞与から控除される社会保険料は、「社会保険料率」ページで設定されている、賞与が支給される月の月末時点の有効日を持つ事業所の保険料率の値に基づいて計算されます。計算に使用される標準賞与額は、実際の賞与総額から 1,000 円未満を切り捨てた額になります。健康保険および厚生年金保険に対し、標準賞与額には上限があります。

被保険者資格の取得者および喪失者に対する保険料控除

システムでは、従業員の社会保険データを参照して、支払いの月またはその前月に被保険者資格の取得または喪失の変更理由があるかどうかが確認されます。被保険者資格の取得または喪失の変更理由がある場合は、給与に対して適切な控除が計算されます。

社会保険の被保険者資格喪失データは、受給者の最後の支給が処理される前に入力する必要があります。

たとえば、従業員の最終勤務日が 5 月 10 日、最後の支給の支給期間が 4 月 16 日から 5 月 15 日であるとします。給与計算は 5 月 20 日に行われます。この場合は、5 月 20 日に最後の支給が処理される前に、5 月 11 日を有効日とする、この従業員の社会保険の被保険者資格喪失データを入力する必要があります。

事業主負担分の保険料

システムには、受給者社会保険フラグ変数 SC VR CALC ER FLG が含まれています。この変数を使用して、事業主負担分の保険料を計算するかどうかを指定します。このフラグの値が真の場合、事業主および従業員に対する次の保険料が計算されます。

  • 健康保険。

    健康保険の事業主負担分が変数 SC VR HEL CO として計算されます。計算された値は、書込み可能アレイ GPJP WA SC RPT SAL および GPJP WA SC RPT BON によって GPJP_WA_SCRPT テーブルに保存されます。

  • 介護保険。

    介護保険の事業主負担分が変数 SC VR NUR CO として計算されます。計算された値は、書込み可能アレイ GPJP WA SC RPT SAL および GPJP WA SC RPT BON によって GPJP_WA_SCRPT テーブルに保存されます。

  • 厚生年金保険。

    厚生年金保険の事業主負担分が変数 SC VR PEN CO として計算されます。計算された値は、書込み可能アレイ GPJP WA SC RPT SAL および GPJP WA SC RPT BON によって GPJP_WA_SCRPT テーブルに保存されます。

  • 厚生年金基金。

    厚生年金基金の事業主負担分が変数 SC VR FND CO として計算されます。計算された値は、書込み可能アレイ GPJP WA SC RPT SAL および GPJP WA SC RPT BON によって GPJP_WA_SCRPT テーブルに保存されます。

「社会保険料率」ページで、健康保険、介護保険、厚生年金保険および厚生年金基金の保険料に対する負担率を設定できます。

「社会保険料率 JPN」ページ」を参照してください。

児童手当拠出金も計算されます。この拠出金は厚生年金報酬総額に基づいて、社会保険チェック レポートの一部として計算されます。