プロファイル管理について

組織では通常、次の 2 つのタイプのプロファイルが使用されます。

  • 非個人プロファイル。

    特定の職務コード、ポジション、職務系列、給与等級などのシステムのエンティティについて、コンピテンシー、資格および責務を記述します。

  • 個人プロファイル。

    個人の技能、コンピテンシー、資格、業績を記述します。プロファイル管理では、従業員と非従業員のプロファイルを作成できます。職務レコードを持たない関係者は、サポートされません。

プロファイル管理ビジネス プロセスで、すべてのプロファイルを作成する基盤となるのがコンテンツ カタログです。

画像: コンテンツ カタログから選択したコンテンツ タイプとコンテンツ アイテムを使用したプロファイル

次の図は、コンテンツ カタログで定義されているコンテンツ タイプとコンテンツ アイテムから選択してプロファイル (マーケティング管理者用の任務プロファイル) を構成する例を示しています。

コンテンツ カタログから選択したコンテンツ タイプとコンテンツ アイテムを使用したプロファイル

組織に適したコンテンツ カタログを設定するのと同様に、ユーザーの要件に即して設定されたプロファイルのセットを定義します。プロファイルを作成する際、従業員、管理者、およびプロファイル管理責任者は、使用するプロファイル タイプを選択します。

プロファイル タイプによって、新しいプロファイルの次の要素が決定されます。

  • ユーザーがプロファイルをリンクできるエンティティのタイプ。

  • プロファイルのコンテンツ。

  • プロファイルのセキュリティ (誰がプロファイルを更新できるか)。

  • プロファイルの変更に承認が必要かどうか。

エンティティ タイプ

プロファイルは次の 2 つのカテゴリに分類されます。

  • 非個人プロファイル (任務プロファイルとも呼ばれます)。

    ポジションや職務コードなどのビジネス エンティティに対して作成されるプロファイルです。

  • 個人プロファイル。

    個人プロファイルは、特定の個人 ID に対して作成されます。

プロファイル タイプを定義する際、ユーザーがプロファイルの作成時に選択できるエンティティのタイプを指定します。たとえば、プロファイル タイプを作成し、それを職務コードおよび給与等級にリンクできるように指定すると仮定します。このプロファイル タイプに基づいてプロファイルを作成する場合、ユーザーが新しいプロファイルに選択できるのは、職務コード、給与等級、またはその両方のみになります。プロファイル タイプを、ビジネス エンティティと個人の両方にリンクすることはできません。個人プロファイルでは、PERSON テーブルにリンクされている識別子が自動的に追加されます。個人プロファイルでその他の識別子を定義することはできません。

プロファイル タイプをリンクできるエンティティは、プロファイル識別タイプと呼ばれています。使用可能なプロファイル識別タイプのリストを管理するには、「プロファイル識別タイプ」ページを使用します。

プロファイル識別タイプの他に、プロファイル管理ビジネス プロセス以外のエンティティにプロファイル タイプをリンクすることもできます。これらのエンティティはプロファイル関連先と呼ばれます。ePerformance-パフォーマンス管理のテンプレートは、この方法でプロファイル タイプにリンクされます。プロファイル関連先は、記入票作成プロセスで ePerformance テンプレートを検索するために使用します。ePerformance テンプレートは現在、唯一サポートされている外部エンティティです。

プロファイル コンテンツ

画像: プロファイル タイプのコンテンツは、タブとコンテンツ セクションに分けられます

次の図は、プロファイル タイプ (およびそのプロファイル タイプから作成されるプロファイル) のコンテンツが、どのようにタブとコンテンツ セクションに分けられるかを示しています。この図は、汎用的なアーキテクチャーとともに、責務、コンピテンシーおよび資格のタブを持つ例を示しています。

プロファイル タイプのコンテンツは、タブとコンテンツ セクションに分けられます

プロファイル タイプを設定する際、各タブの名称と、プロファイルでタブが表示される順序を定義します。各タブに 1 つ以上のコンテンツ タイプを追加して、コンテンツ セクションを作成します。たとえば、上の図では、「資格」 というラベルのタブに、「表彰/報奨」、「免許/資格」、「会員資格」という 3 つのコンテンツ タイプ (セクション) に対応した 3 つのコンテンツ セクションがあります。ユーザーがこのプロファイル タイプ (PERSON) を使用してプロファイルを作成する場合、「免許/資格」コンテンツ セクションには LIC (免許/資格) タイプのコンテンツ アイテムのみを追加できます。タブ内でコンテンツ セクションがリストされる順序も定義します。

各コンテンツ セクションは、サポート プロパティ (フィールド) で構成されます。コンテンツ セクションでは、フィールド、コンテンツ アイテム (特定の必須または取得済学位など)、およびその他の関連データ (学校名や日付など) を指定できます。たとえば、従業員が 2007 年 6 月に理学士を取得したことを入力できます。

注: プロファイル タイプ定義にコンテンツ アイテムは含まれません。プロファイル タイプの目的は、詳細なコンテンツではなく、新しいプロファイルの構造を提供することにあります。ユーザーは、プロファイルを作成するときにプロンプト リストからコンテンツ アイテムを選択します。

各フィールド プロパティには、プロパティ カテゴリが関連付けられます。これにより、コンテンツ セクションに含めるフィールドを簡単に取得することができます。プロファイルのプロパティは、次のプロファイル カテゴリに分類されます。

プロファイル カテゴリ

用途

キャリア プロパティ

標準の「異動希望」コンテンツ タイプに関連付けられたプロパティ。「希望勤務地」、「希望勤務地域」、「希望海外勤務地」、「希望出張地」など。(プロパティをカスタム コンテンツで使用した場合、これらのプロパティの一部ではデフォルトの動作が保証されません)。

共通プロパティ

複数のコンテンツ セクションで使用されるプロパティ。各プロパティには、特定のトランスレート値のセットまたはプロンプト テーブルが関連付けられます。

国別プロパティ

標準の学歴コンテンツ セクションに関連付けられたプロパティ。「学歴」、「学位」、「専攻分野」など。これらのプロパティは、国別指定のセクションの個別のページに編成され、ほとんどに特定のトランスレート値またはプロンプト リストが関連付けられています。

学歴プロパティ

標準の学歴コンテンツ セクションに関連付けられた国別指定でないプロパティ。「学歴」、「学位」、「専攻分野」など。

キー プロパティ

レコードのキー ストラクチャに含まれるプロパティと、特殊なプロセス インジケータのプロパティ。

ユーザー定義プロパティ

標準のコンテンツ セクションの拡張や新しいコンテンツ セクションの定義に使用できるプロパティ。次のタイプが提供されています。

整数

小数部桁数

パーセント

チェック ボックス

日付

テキスト (254)

テキスト (1325)

カスタム プロンプト (12 文字)

「学歴関連の情報の定義」 (「アプリケーションの基礎」) も参照してください。

プロファイルのセキュリティ

コンテンツ セクションを設定する際、プロファイルのそのセクションを表示できるプロファイル管理ロールを指定します。これによって、ユーザーのタイプごとにセクションの表示/非表示を変えることができます。追加のチェック ボックスを使用すると、どのロールでセクションのアイテムを更新できるかをコントロールできます。使用可能なロールは次の 3 つです。

  • 管理責任者

    管理責任者は、人材開発の「プロファイル管理」メニューにアクセスできる任意のユーザーです。

  • 責任者

    責任者は、「管理者セルフサービス」メニューを使用してプロファイル管理のセルフサービス トランザクションにアクセスできるユーザーです。

  • 従業員

    従業員は、従業員セルフ サービスを使用してプロファイル管理のセルフサービス トランザクションにアクセスします。

管理者および従業員のセルフ サービス トランザクションは、eDevelopment-人材開発で提供されます。

「eDevelopment-人材開発」を参照してください。

プロファイル承認

プロファイル管理ではオプションとして承認処理を行うことができます。承認ワークフローを使用してプロファイルの変更を管理するには、次の手順に従います。

  1. 標準の承認フレームワーク エンジンを使用して承認処理を設定します。

  2. 承認の定義をプロファイル タイプに関連付けます。

    「プロファイル タイプ - 属性」ページで、プロファイル タイプに対する承認ワークフロー トランザクションと承認定義を 1 つずつ定義します。

  3. 識別タイプに承認が必要かどうかを指定します (非個人プロファイルのみ)。

    ユーザーが非個人プロファイルに関連付けられたプロファイル識別タイプを追加または変更したときに承認ワークフローがトリガされるように指定できます。そのためには、「プロファイル タイプ - 識別タイプ」ページで「識別タイプ承認必須」チェック ボックスを選択します。これは非個人プロファイルにのみ適用されます。個人プロファイルの場合、このチェック ボックスは使用できません。

  4. どのコンテンツ セクション ロールで承認が必要かを指定します。

    プロファイル タイプ内の各コンテンツ セクションには、セキュリティ ロールごとに「要承認」チェック ボックスがあり、指定された個人またはロールによってコンテンツ セクションの変更を承認する必要があるかどうかをこれでコントロールできます。ユーザーがプロファイルにアイテムを追加するか、既存のアイテムを削除または変更したときの承認処理をコンテンツ セクションに設定している場合は、これで承認処理が開始されます。

  5. (オプション) コンテンツ セクションに、ワークフロー ステータスを追跡するプロパティを追加します。

    承認が必要なコンテンツ セクションには、ワークフロー ステータス プロパティ (JPM_WF_STATUS) を追加してください。そうすると、プロファイル アイテムが承認ワークフローで処理されるときにそのステータスをユーザーが表示できるからです。その他、最終更新日時のプロパティ (LASTUPDDTTM) や、最新更新ユーザー ID のプロパティ (LASTUPDOPRID) も、承認追跡に役立ちます。

「承認について」 (「アプリケーションの基礎」) を参照してください。

「コンテンツ セクション」ページ」を参照してください。

画像: プロファイル管理の設定手順

次の図は、プロファイル管理の設定手順 (省略可と必須) を示しています。

プロファイル管理の設定手順

プロファイル管理を設定するには、次の項目を定義します。

  • (オプション) カスタム プロンプト。

  • カスタム プロンプトは JPM_PROMPT プロパティのプロンプト リストを定義するために使用し、これにより、入力が許可されている値リストをカスタマイズできます。

  • (オプション) インスタンス識別子。

    インスタンス識別子は、プロファイル アイテムの追加のキー フィールドとして使用されます。インスタンス識別子でテーブルのプロンプトを使用しないようにしたり、インスタンス識別子内に有効な値を定義することができます。インスタンス識別子は、プロファイルまたは評価タイプの更新者を特定するために使用されます。また、インスタンス識別子を使用して、セルフサービス トランザクションを使用する従業員や管理者に表示するプロファイル アイテム行を制限することもできます。

  • プロファイル識別タイプ。

  • (オプション) プロファイル関連先。

    注: プロファイル管理ビジネス プロセスでは、プロファイル関連先を定義する必要はありません。しかし、ePerformance-パフォーマンス管理をインストールしており、パフォーマンス記入票またはキャリア開発記入票の作成にプロファイル コンテンツを使用したい場合は、ePerformance-パフォーマンス管理にプロファイル関連先を定義する必要があります。

  • プロファイル タイプとプロファイル タイプのコピー。

    プロファイル タイプを簡単に作成するため、プロファイル タイプのコピー アプリケーション エンジン プロセスを使用して既存のプロファイル タイプをコピーすることができます。その後、プロファイル タイプ コンポーネントを使用して新しいプロファイル タイプを修正します。

    注: CLUSTER、ROLE、JOB および PERSON については、プロファイル タイプ設定が配布されます。これらのタイプに変更を加える必要がある場合には、そのプロファイル タイプに対して、新しい有効日のエントリを追加することをお薦めします。ROLE および PERSON コンテンツ セクションを変更するときには、統合要件が存在する可能性があるため、注意が必要です。プロファイル コンテンツを活用するビジネス プロセスを決定するには、「プロファイル管理の統合」のトピックを参照してください。標準のプロパティを削除するときには、そのプロパティに関連付けられている処理が存在する場合があるため、注意が必要です。

    プロファイル データがすでに存在する場合、新しいプロパティには「必須」の属性を指定しないでください。他の製品との統合時に切捨てが発生しないようにするため、「最大長」値は変更しないことをお薦めします。

    プロファイル管理の統合」を参照してください。

  • デフォルト プロファイル タイプの割当て。

    プロファイル管理と連携して機能する製品では、主要個人プロファイル タイプと主要非個人プロファイル タイプが使用されます。

  • (オプション) プロファイル グループ タイプとプロファイル グループ。

    プロファイル グループ タイプとプロファイル グループを使用すると、プロファイル タイプをカテゴリに分類することができます。プロファイル グループ タイプは、個人または非個人として定義されます。プロファイルの検索/比較機能で、検索条件としてプロファイル グループを使用して、検索結果を絞り込みます。

  • (オプション) プロファイル アクション

    プロファイル アクションを使用すると、管理責任者、管理者および従業員は非個人プロファイル ページおよび個人プロファイル ページから直接トランザクションを実行できます。

注: プロファイル管理を使用するには、事前に「プロファイル管理インストール設定」ページでインストール設定を行う必要もあります。これについては、次の項で説明します。