4 VSM 6 ハードウェアの構成の計画

この章では、構成を計画する際の考慮事項について概説します。

VSM 6 構成オプション

VSM 6 は基本ユニットとオプションの容量アップグレードで構成されます。

VSM 6 基本の構成

基本ユニットは最小構成の VSM 6 で、次が含まれています。

  • 標準の Sun Rack II キャビネット、モデル 1242

  • 配電盤 (PDU)。VLE50HZ-POWER-Z (x 2) または VLE60HZ-POWER-Z (x 2) (国によって異なる)

  • Sun SPARC T4-2 サーバー (x 2)。VSM 6 用の構成で工場で事前構成されたもの

  • ディスクシェルフ (x 2)。構成は製造日によって異なります。

    • 2013 年 12 月以降に製造された VSM 6 ユニットには、基本ユニットに Oracle ストレージドライブエンクロージャー DE2-24C ディスクシェルフ (x 2) が含まれています。各 DE2-24C ディスクシェルフには、73G バイトまたは 200G バイトのフラッシュ SSD (x 3) と 4T バイトの SAS HDD ドライブ (x 21) が含まれており、ユーザー容量は約 370T バイトです (構成済み、4:1 圧縮)。

    • 2013 年 12 月より前に製造された VSM 6 には、基本ユニットに Sun J4410 ディスクシェルフ (x 2) が含まれ、それぞれに 73G バイトのフラッシュ SSD (x 3) と 3T バイトの SAS HDD ドライブ (x 21) が搭載されており、ユーザー容量は約 270T バイトです (構成済み、4:1 圧縮)。

ストレージ容量アップグレード

ストレージ容量アップグレードには、基本ユニットの組み立て時に工場で構築される基本容量アップグレードと、現場で設置されるフィールド容量アップグレードがあります。

ストレージ容量アップグレードキットは 2 台のディスクシェルフとしてパッケージングされています。VSM 6 基本ユニットに設置できるアップグレードキットは最大 3 つで、ユニット内のディスクシェルフの数は合計で 4、6、または 8 台になります。

注記:

容量アップグレードのディスクシェルフ製品は、基本構成で使用されているのと同じ製品である必要があります。VSM 6 内で Oracle DE2-24C と Sun J4410 のディスクシェルフを混在させることはできません。

Oracle DE2-24C ディスクシェルフを含む VSM 6 の容量アップグレード

Oracle DE2-24C ディスクシェルフを含む VSM 6 の場合、容量アップグレードキットには Oracle DE2-24C ディスクシェルフ (x 2) が含まれ、それぞれに 4T バイトの SAS HDD ドライブ (x 24) が含まれており、ユーザー容量は約 400T バイトです (構成済み、4:1 圧縮)。

基本ユニットに、1、2、または 3 つの容量アップグレードキットを設置した場合の、合計のユーザー容量は (構成済み、4:1 圧縮) は次のようになります。

  • Oracle DE2-24C ディスクシェルフ (x 4) を含む VSM 6: 800T バイト

  • Oracle DE2-24C ディスクシェルフ (x 6) を含む VSM 6: 1200T バイト

  • Oracle DE2-24C ディスクシェルフ (x 8) を含む VSM 6: 1600T バイト

Sun J4410 ディスクシェルフを含む VSM6 の容量アップグレード

Sun J4410 ディスクシェルフを含む VSM 6 の場合、容量アップグレードキットには Sun J4410 ディスクシェルフ (x 2) が含まれ、それぞれに 3T バイトの SAS HDD ドライブ (x 24) が含まれており、ユーザー容量は約 300T バイトです (構成済み、4:1 圧縮)。

基本ユニットに、1、2、または 3 つの容量アップグレードキットを設置した場合の、合計のユーザー容量は (構成済み、4:1 圧縮) は次のようになります。

  • Sun J4410 ディスクシェルフ (x 4) を含む VSM 6: 600T バイト

  • Sun J4410 ディスクシェルフ (x 6) を含む VSM 6: 900T バイト

  • Sun J4410 ディスクシェルフ (x 8) を含む VSM 6: 1200T バイト

FICON アップグレード

FICON アップグレードオプションでは、最大 8 個の長波 SFP を含めることができ、VSM 6 VTSS の FICON HBA に含まれる一部またはすべての短波 SFP と置き換えることができます。VSM 6 VTSS には合計で 8 個の SFP があります。これらを長波または短波のいずれかに統一することも、サーバー間で長波 SFP と短波 SFP が均衡するように両者を混在させることもできます。

ZIL SSD アップグレード

ZIL SSD のアップグレードでは 2 つの 200G バイトの SSD を VSM 6 ストレージプールに追加します。これらの SSD は、特定の同期イベントを高速化することによって同期書き込みパフォーマンスを向上させるための ZFS インテントログ (ZIL) 専用のものです。

このアップグレードは、4 つ以上のディスクシェルフが設置されている VSM 6 構成の場合のみ使用できます。

4T バイトディスクを搭載した VSM 6 システム用の ZIL パフォーマンスアップグレードは、製造年月日がおおむね 2013 年 12 月から現在までの VSM 6 ユニットが対象です。Oracle サービス担当者は、VSM 6 構成を確認できます。

3T バイトディスクを搭載した VSM 6 用の ZIL パフォーマンスアップグレードは、製造年月日がおおむね 2012 年 11 月から 2013 年 11 月までの VSM 6 ユニットが対象です。Oracle サービス担当者は、VSM 6 構成を確認できます。

このアップグレードは、VTV が小さく (1M バイトから 2M バイト)、同時 VTV マウント操作数が多いホストワークロードがある VSM 6 構成で推奨されます。このようなワークロードの場合、SSD を VSM 6 ストレージプールに追加するとパフォーマンスが大幅に改善されます。

構成計画の概要

特定の顧客要件を満たす最適化された VSM 6 システムを設計するには、システムの選定および実装に関与する顧客側の意思決定者と Oracle 担当者との間に緊密な連携が必要になります。より複雑なシステム実装では、Oracle Advanced Customer Services (ACS) グループからの助言が必要になる場合があります。

構成の計画アクティビティー、タスク、および参加者は次のとおりです。

主要概略アクティビティー

  1. 顧客要件を定義します。

  2. 予算的な制約を評価します。

  3. 定義した要件および制約を基に最適化された VSM 6 システムを設計します。

主要サブタスク

  1. 詳細な構成情報が記載されている VSM 6 計画スプレッドシートと計画プロセス時に参照用として使用するサンプル構成を参照してください。このスプレッドシートを使用できるのは Oracle VSM Support のアカウントチームです。

  2. 容量要件を見積り、システム構成を提案します。

  3. 提案する VSM 6 システム構成の概略的な概念図を作成します。

  4. 提案する VSM 6 システム構成の詳細な設計図を作成します。

  5. VSM 6 システムの物理および機能構成計画を主要意思決定者に提示します。

主要参加者

  • 顧客: ネットワーク管理者、データセンターマネージャー

  • Oracle: アカウント担当者、システムサポートスペシャリスト、技術サポートスペシャリスト、システムエンジニア