この章では、実装計画のアクティビティーとタスクの概要を示します。これらは、顧客の要件に従って VSM 6 システムが適切に構成、テストおよび認証されるように設計されています。
実装計画プロセスは、VSM 6 VTSS をサイトに物理的に設置したあとに実施する構成作業やパフォーマンスチューニング、およびパフォーマンステストの各種アクティビティーを特定し、完了までのスケジュールを作成するためのものです。
主要顧客担当者 (システム管理者、ネットワーク管理者、データセンターマネージャー、およびシステムオペレータ) と Oracle Professional Services の担当者 (テクニカルサポートスペシャリスト、システムエンジニア、顧客保守マネージャー) で構成されるチームが次の主要タスクを実施します。
既存のデバイスとシステムを VSM 6 システムに統合するための計画を定義します。
ほかのデバイスおよびシステムから VSM 6 システムにデータを移行する計画を定義します。
VSM 6 VTSS とほかのシステムデバイスの物理レイアウト要件およびフロアスペース要件に対応するための計画を定義します。
VSM 6 システムハードウェア (チャネルリソースや物理ディスクなど)、ソフトウェア (ExLM、HSC、MVS、NCS、VTCS) および仮想エンティティー (VTD、VTV) を構成するための計画を定義します。
データセンター環境での VSM 6 システムハードウェアおよびソフトウェアのパフォーマンスチューニング、パフォーマンステスト、および認証について、完了までの計画を定義します。
担当者の研修の必要性を把握し、必要な知識を伝達するためのトレーニング日程を設定します。
アクティビティー、タスク、および参加者の計画には、次が含まれます。
ほかのデバイスとシステムを VSM 6 システムに統合するための計画を定義します。
ほかのデバイスおよびシステムから VSM 6 にデータを移行する計画を定義します。
VSM 6 システムのデフォルト設定を決定します。
システムハードウェア (チャネルリソースや物理ディスクなど) を構成および管理するための計画を定義します。
VSM 6 システムソフトウェア (ExLM、HSC、MVS、NCS、VTCS) を構成および管理する計画を定義します。
VSM 6 システム仮想エンティティーを構成および管理するポリシーを定義します。
VSM 6 システムのパフォーマンスチューニング、テスト、および認証の計画を定義します。
担当者への知識伝達およびハンズオントレーニングの必要性を評価し、トレーニングアクティビティーのスケジュール作成を管理して早期の完了を目指します。
可能であれば、VSM 6 が到着する前に、設置時間を最小限に抑えるため、IP アドレス、VLAN 用ネットワークスイッチ、またはその他の設定 (ケーブルの配線など) の構成を行います。次のように、ネットワークで VSM 6 との接続の準備ができていることを確認します。
VSM 6 サーバーに直接接続するすべてのネットワークスイッチおよびルーターには、Gigabit Ethernet プロトコルが必要です。サーバーは 1 Gb 速度への速度ネゴシエーションのみ実行します。
適切な (お客様提供の) 1GigE Ethernet ケーブルを使用していることを確認してください。
CAT5 以下のケーブルは GigE 伝送では許容されません。
CAT5E ケーブル: パッチパネルを通す場合は 90 m、ストレートケーブルの場合は 100 m 許容可能です。
CAT6 ケーブル: パッチパネル構成に関係なく、100 m 許容可能です。
Oracle では、構成でスイッチまたはルーターを使用している場合、1 つのユニットの損失によって構成全体が停止することがないように、各場所に 2 台以上のスイッチやルーターを構成に含めることをお勧めします。
VSM 6 VTSS とほかの VTSS または VLE との間に必要な TCP/IP 接続は 1 つだけです。ただし、冗長性を確保するために Oracle では合計 4 つの接続を作成し、それらの VTSS 接続のターゲットが別のサーバー上になるようにすることを強く推奨します。特定の VTSS から特定の VLE または VTSS への各接続が別々のインタフェースになるようにしてください。
IP アドレスが VSM 6 サーバー上のポートで絶対に重複しないようにしてください。たとえば、ノード 1 につながる 192.168.1.1 の REP ポートまたは ASR 接続がある場合、ノード 2 で IP アドレスとして 192.168.1.1 を使用して、別の REP ポートまたは ASR 接続を作成しないでください。
顧客ネットワーク上に構成する VSM 6 ノード上のポートは別々のネットワークに所属している必要があります。この制限に関する詳細は、第6章 VSM 6 Ethernet (IP) データパス接続を参照してください。
VSM 6 では、検出された機能に使用するため次の TCP ポートが予約されています。
50000 - IFF/IP レプリケーション制御ポート (REP1、REP2、REP3、REP4 のラベルが各ノードに付いています)
51000-55000 - IFF/IP レプリケーションデータポート (REP1、REP2、REP3、REP4 のラベルが各ノードに付いています)
61300 - CLI サーバー (NET0 または NET2 のラベルが付いています)
61000 - ECAM over IP (NET0 のラベルが付いています)
63001 - 拡張レプリケーション制御ポート (REP1、REP2、REP3、REP4 のラベルが各ノードに付いています)
63002-63999 - 拡張レプリケーションデータ接続 (REP1、REP2、REP3、REP4 のラベルが各ノードに付いています)
443 – ASR (CAM/ASR のラベルが付いています)
6789 - CAM GUI - Web コンソール (CAM/ASR のラベルが付いています)
8654 - CAM GUI - Web サーバー (CAM/ASR のラベルが付いています)
VSM 6 製品では、ほかの Oracle 製品と共通の標準 Oracle サービス戦略を使用します。VSM 6 でイベントが発生し、システムの保守が必要な可能性があることを Oracle VSM Support に通知するための送信イベント通知インタフェースとして、VSM 6 では Automated Service Response (ASR) が使用されています。
さらに、ASR と組み合わせて、ASR イベントと、ASR イベントを調査するために必要な VSM 6 ログ情報を含むサポートファイルバンドルの詳細を記載した送信メールも送信されます。
ASR 機能の利点は、My Oracle Support サイトのナレッジ記事ドキュメント ID 1285574.1、ASR FAQ にも詳しく記載されています。
Oracle では、送信 ASR と Oracle VSM Support との電子メール通信を許可するように VSM 6 を構成することを期待します。VSM 6 送信 ASR 通知をサポートするには、インストールを実施する Oracle フィールドエンジニアに次の情報をお客様から提供していただく必要があります。
サイト情報 (会社名、サイト名、場所など)
顧客連絡先情報 (名前や電子メールなど)
Oracle オンラインアカウント情報 (顧客 Oracle CSI ログイン名やパスワードなど)
Oracle ASR 設定情報 (プロキシホスト名、プロキシポート、プロキシ認証のユーザー名とパスワードなど)
プロキシサーバーを使用していない場合や、プロキシサーバーで ID およびパスワードが必要ない場合、一部のフィールドは不要です。お客様が CSI 電子メール ID およびパスワードを提供しない場合は、お客様がインストールプロセス中に直接それを入力できます。
ASR の登録は、VSM 6 のインストールの CAM 構成部分で行われます。インストールのこの部分で、VSM 6 は ASR 認定製品として、自分自身を Oracle サーバーに登録します。
次に、お客様は My Oracle Support (MOS) にログインして、VSM 6 の登録を承認する必要があります。お客様によってこの承認が完了するまで、VSM 6 は MOS からのケースの自動生成ができません。
イベントおよびログ情報の電子メール通知については、お客様から次の情報も提供していただく必要があります。
電子メールの構成: SMTP サーバー名、SMTP サーバーのユーザー名、SMTP サーバーのユーザーパスワード
電子メール受信者
電子メールサーバーで、ユーザー名とパスワードが必要でない場合、これらのフィールドは空のままにできます。
インストール時に送信通信手順が完了していない場合、またはまったく許可されない場合、Oracle サービスチームのサポートを必要とするイベントへのタイムリーな対応のための Oracle のオプションは著しく少なくなります。このシナリオでは VSM 6 は、イベントとログ情報を含む電子メールを、指定したお客様の内部電子メールアドレスに直接送信できます。この電子メールの受信者は Oracle とのサービスリクエストを直接開始して、VSM 6 から受信したすべての電子メールを Oracle VSM Support に転送できます。このケースでは、VSM 6 電子メールが送信される電子メールアドレスをお客様から提供していただく必要があります。