この章では、LTFS-LE システムをバックアップおよび復元する方法について説明します。次のトピックがあります。
バックアップおよび復元手順では、MySQL データベースおよびグローバル名前空間のメタデータを含む LTFS-LE 1.0.x 製品をバックアップ、アンインストール、再インストール、および復元するために従う手順の概要について説明します。この手順は、システム全体のエラーまたは障害が発生したときにも使用できます。
復元手順には、オペレーティングシステムおよび LTFS-LE 製品コンポーネント (システム全体のエラー) の完全な再インストールが含まれる場合があります。復元手順は、オペレーティングシステムを再インストールしないで実行できる場合もあります。この回復プロセスは、既存のシステムおよびプラットフォームのデータベースおよびグローバル名前空間のメタデータについて、現在のシステムの外部で維持される完全なバックアップが保存されていることに依存します。
この手順は、ハードウェア、ライブラリ構成、およびボリュームセットが変更されていない完全な LTFS-LE バックアップおよび復元にのみ当てはまります。その他の回復タイプでは、完全性およびポイントインタイム回復のサービスレベル目標のレベルに応じて手順が異なります。
注記:
回復レベルの想定が復元しているバックアップの時間にのみ依存することは非常に重要です。たとえば、データベースのバックアップが午前 1:14 に作成されたとします。この時間以降にデータベースに対する変更は、REDO ログに格納されるため、システムの完全な損失 (障害) が発生すると失われてしまいます。注記:
データベースの回復が完了する前に、製品の新しい更新またはバージョンを導入することはできません。そうしないと、結果が予期しないものになるという不要なリスクがもたらされ、製品またはプラットフォームが不安定でサポート不可能になることがあります。LTFS-LE 1.0.x MySQL データベースおよび LTFS-LE 1.0.x グローバル名前空間のメタデータのバックアップは、LTFS-LE システムの外部で自動化および格納する必要があります。手順は次のとおりです。
外部の NFS マウントポイントを用意し、ディスク領域およびバックアップローテーションを管理します。
エクスポートされた NFS マウントポイントの例:
/mnt/backups
上の例で、backups はバックアップディレクトリの名前であり、この章の例で使用します。
LTFS-LE BUI でシステム外にある外部の NFS マウントポイントを構成し、最低でも日次でシステムバックアップをスケジュールします。
LTFS-LE コンポーネントの既知のポイントインタイムバックアップに対して、次を実行します。
# /var/opt/mysql/mysql/scripts/backupDBAndMetadata.sh /mnt/backups
出力例:
/backups/LtfsleDB_SLV_Backup_1370896815.cur /backups/LTFS-LE-metadata_Backup_1370896816.tar
実行する必要がある復元のタイプに応じて、次のいずれかを選択します。
オペレーティングシステムおよび LTFS-LE コンポーネントを完全に再インストールします (システムエラーまたは障害が発生したとき)。
詳細については、『 StorageTek Linear Tape File System, Library Edition 1.0 計画およびインストールガイド』を参照してください。
LTFS-LE アンインストールプログラムを実行して、LTFS-LE コンポーネントを再インストールします (オペレーティングシステムは再インストールしない)。
注記:
このオプションは、既存のシステムおよびプラットフォームのデータベースおよびグローバル名前空間のメタデータについて、現在のシステムの外部で維持される完全なバックアップが保存されていることに依存します。詳細は、『StorageTek Linear Tape File System, Library Edition 1.0 計画およびインストールガイド』の「LTFS-LE のアンインストール」を参照してください。
(LTFS-LE のバックアップ後に) LTFS-LE をアンインストールするには、ダウンロードディレクトリに移動して、次のアンインストールスクリプトを実行します。
manageLtfsleServices -t manageLtfsleServices -i
注記:
manageLtfsleServices -i
コマンドの出力を調べて、すべての LTFS-LE サービスが終了していることを確認します。終了している場合、アンインストールスクリプトに進みます。終了していない場合、システムをリブートしてから、手順 1 で始まるアンインストールプロセスを再開します。./uninstallLTFSLE.sh
LTFS-LE 1.0.x の新規インストールを完了します。
注記:
データベースの回復が完了する前に、製品の新しい更新またはバージョンを導入することはできません。そうしないと、結果が予期しないものになるという不要なリスクがもたらされ、製品またはプラットフォームが不安定でサポート不可能になることがあります。はじめてのインストールの場合と同様に、『StorageTek Linear Tape File System, Library Edition 1.0 計画およびインストールガイド』に従います。LTFS-LE をすでにバックアップしてある場合は、オペレーティングシステムをインストールする必要はありません。
LTFS-LE プロセスの最後の再起動後、すべての LTFS-LE 1.0.x Linux サービスをシャットダウンします。
# /var/opt/Oracle/LTFS_LE/bin/manageLtfsleServices –t
LTFS-LE 1.0.x サービスがシャットダウンしていることを検証します。
# /var/opt/Oracle/LTFS_LE/bin/manageLtfsleServices –i
ファイルの日付と時間を保持している外部のマウントポイントから、MySQL データベースおよびグローバル名前空間の最新のバックアップをコピーします。次の例に示すように、ローカルの一時ディレクトリ (例: tmp/database) に対して -p (元の日付スタンプとタイムスタンプを保持) を使用します。
mkdir /tmp/database cp -pr /backups/* /tmp/database
データベースが適切なタイミングよりも早く起動しないように、すべての LTFS-LE サービスを無効にします。
# /var/opt/Oracle/LTFS_LE/bin/manageLtfsleServices –d
MySQL データベースを復元します。
# /var/opt/mysql/mysql/scripts/restoreDB.sh /tmp/database
新しい MySQL 1.0 データベースを強制的にバックアップします。
# /var/opt/mysql/mysql/scripts/backupDB.sh /backups
出力例:
/backups/LtfsleDB_SLV_Backup_1366311254.cur
システムの外部で維持されている TAR イメージバックアップから、LTFS-LE 1.0.x グローバル名前空間のメタデータを復元します。
例:
# cd / # tar -xvpf /tmp/database/LTFS-LE-metadata_Backup_1363958591.tar
以前に無効にしたすべての LTFS-LE 1.0.x Linux サービスを有効にします。
# /var/opt/Oracle/LTFS_LE/bin/manageLtfsleServices -a
次のどちらかのコマンドを使用してシステムを再起動します。
# reboot -n
# shutdown -n
X
-r
ここで、X はシステムがリブートするまでの時間 (分) です。
注記:
追加のオプションについては、# shutdown --help
と入力してください。すべてのサービスがすぐに (起動後 3 - 8 分で) 開始していることを検証します。
# /var/opt/Oracle/LTFS_LE/bin/manageLtfsleServices -i
LTFS-LE BUI を使用して「Storage」タブに移動し、データベースのデータが復元されていることを検証します。
LTFS-LE ソフトウェアは、再起動したときに自動再検出を自動的に実行します。ドライブがオンラインであること、およびボリュームが最後のバックアップを作成したときと同じ状態であることを検証します。