4 LTFS-LE のインストール

この章では、LTFS-LE をインストールする手順について説明します。次のようなタスクがあります。

LTFS-LE をインストールする前に

インストールを実行するシステムで Integrated Lights Out Manager (ILOM) または Virtual Network Computing (VNC) クライアントを実行する必要があります。サーバーが Oracle サーバーである場合は、ILOM がすでに利用可能です。

LTFS-LE のインストール

LTFS-LE インストールプログラムは、グラフィカルユーザーインタフェースから実行する必要があります。システムに直接接続されたモニターである ILOM または VNC を使用できます。

  1. Oracle ユーザーとして Oracle Linux デスクトップ環境にログインします。

  2. 端末セッションを開始します。

  3. LTFSLE の untar を実行したディレクトリに移動します。例:

    cd /downloads
    
  4. installLTFSLE.sh を実行します。

    ./installLTFSLE.sh
    

    installLtfsle.sh スクリプトによって、LTFSLE の前提条件となるすべてのソフトウェアがシステムにインストールされていることがチェックされます。

    前提条件となるいずれかのソフトウェアが見つからない場合は、見つからないソフトウェアが存在することが通知されます。前提条件となるすべてのソフトウェアがインストールされている場合は、WebLogic の管理ユーザー名 (例: ltfsleadmin) およびパスワードが要求されます。これは、LTFS-LE を管理するために使用するユーザーです。

    • Username

      ユーザー名は 8 文字以上 20 文字以下で、英数字値 (a-z、A-Z、0-9) のみが含まれる必要があります。空白や特殊文字は使用できません。

    • Password

      パスワードは 8 文字以上 20 文字以下とします。空白を含めることはできません。

      インストール時のみ、パスワードには英数字値 (a-z、A-Z、0-9) のみが含まれる必要があります。特殊文字を含めることはできません。

      インストール後、WebLogic 管理コンソールから、特殊文字を含めるように WebLogic パスワードを変更できます。

    WebLogic 管理者ユーザーおよびパスワードは、安全な場所に保存してください。

    Oracle Universal Installer の画面が表示されます。

  5. 「Specify Source Location」画面で「Next」をクリックします。

    ソースの場所が自動的に次に設定されます。

    /downloads/Disk1/stage/products.xml
    
  6. 「Specify Home Details」画面で「Next」をクリックします。ディレクトリがすでに存在するというメッセージが表示された場合は、「Yes」をクリックして続行します。ホームの詳細が自動的に次のように設定されます。

    「Name」: LTFS_LE

    「Path」: /var/opt/Oracle/LTFS_LE

  7. 「Welcome to Linear Tape File System Library Edition」画面で、「Next」をクリックします。

    「Summary」画面に、インストールされるコンポーネントが表示されます。

  8. Install」をクリックします。

  9. 「End of Installation」画面で、「Exit」をクリックします。

  10. 本当に終了するのかを確認するメッセージで、「Yes」をクリックします。

  11. LTFS-LE がインストールされた端末ウィンドウに、次のようなメッセージが表示されます。

    *******Oracle LTFS-LE Installation*******
    *****.........COMPLETE............******
    *You must now reboot the system in order to start LTFSLE*.
    

    エラーが発生した場合は、端末ウィンドウでログを確認してください。例:

    /home/oracle/oraInventory/logs/installActions2015-02-17_07-01-15PM.log (ここで、2015-02-17_07-01-15PM が日付と時間です)

    /var/opt/Oracle/LTFS_LE/cfgtoollogs/oui/installActions2015-02-17_07-01-15PM.log (ここで、2015-02-17_07-01-15PM が日付と時間です)。

  12. root に変更し、リブートします。

    su - root
    reboot
    

LTFS Open Edition のインストール

  1. Web ブラウザで、次にアクセスします。

    https://oss.oracle.com/projects/ltfs/

  2. 画面上部の「Docs」、「LTFS 1.2.7 documents」の順にクリックします。

    (「INSTALL.linux」をクリックすると、LTFS-OE のインストール指示をダウンロードできます。)

  3. 画面上部の「Downloads」、「OELS_rpms」の順にクリックします。

  4. LTFS 1.2.7」をクリックし、「ltfs-1.2.7-20151020_orcl_oels_6_5.x86_64.rpm」を選択します。

IBM lin_tape および lin_taped ドライバソフトウェアのインストール

IBM LTO ドライブを使用している場合:

  1. IBM の Fix Central Web サイトにアクセスします。

  2. 使用しているオペレーティングシステムの LTFS 実装用として IBM によって推奨されている最新バージョンの lin_tape および lin_taped ドライバソフトウェアをダウンロードします。

LTFSLE BUI 管理者のユーザー名およびパスワードの作成

LTFS-LE 管理者役割グループを WebLogic 管理者ユーザー名に追加するには、次の手順を実行します。

  1. WebLogic 管理コンソールに移動します。

    http://servername.domain.com:7001/console
    

    上記の URL で、servername はサーバーの名前、domain はネットワークドメインの名前です。

  2. インストール時に作成した WebLogic 管理者のユーザー名 (例: ltfsleadmin) およびパスワードでログインします。LTFS-LE のインストールを参照してください。

  3. ホームページから、「Security Realms」をクリックします。

  4. 「Summary of Security Realms」ページから、「Realms」の下の「myRealm」リンクをクリックします。

  5. 「Settings for myrealm」ページから、「Users and Groups」タブをクリックします。

  6. Users」タブをクリックし、インストール時に作成した WebLogic 管理者のユーザー名 (例: ltfsleadmin) をクリックします。LTFS-LE のインストールを参照してください。

  7. ユーザー (例: ltfsleadmin) の設定ページから、「Groups」タブをクリックします。

  8. 「Available Parent Groups 」リストから「LTFS-LE Admin Role」を選択し、右矢印をクリックして選択済みリストに移動します。

  9. Save」をクリックします。

    「Messages」の下にメッセージ「Settings updated successfully」が表示されます。

  10. Log Out」をクリックしてコンソールを終了します。

ACSLS 8.4 のインストール

  1. 最新のパッチとともに ACSLS 8.4 をインストールします。

    LTFS-LE と ACSLS を共同ホストするときは、ACSLS GUI をインストールしないでください。また、共同ホスト環境では、ACSLS インスタンスは LTFS-LE 専用である必要があります。

    論理ライブラリをインストールしないでください。

    インストール手順については、『StorageTek Automated Cartridge System Library Software 8.4 インストールガイド』を参照してください。

    Linux 6.5 オペレーティングシステムをすでにインストールしたため、Linux の章で「ACSLS の前提条件のインストール」のセクションを開始できます。LTFS-LE を ACSLS と共同ホストする方法については、ACSLS との共同ホストのセクションも参照してください。

  2. 「ライブラリの構成および設定の検証」に進みます。

ライブラリの構成および設定の検証

LTFS-LE では、専用のライブラリまたはゾーンライブラリパーティションのいずれかの単一 ACS/ライブラリがサポートされます。SL150、SL3000、または SL8500 テープライブラリが適切なドライブおよびメディアで構成されていることを確認します。SLConsole を使用して、ライブラリパーティションにドライブベイ、ストレージセル、および HLI ライブラリ CAP があることを確認します。

さらに、次の設定を定義します。

  • ACSLS コマンド acsss_config のオプション 3 を使用して、次のパラメータを構成します。

    • ABSENT または EJECTED として識別されるボリュームをデータベースに保持する日数はゼロ (0) に設定してください。

    • TRUE」を選択して、コマンドおよびユーティリティーで英数字のボリューム範囲をサポートします。英数字の範囲には、ASCII 順ですべての有効な vol_id が含まれます。

      注記:

      英数字のボリューム範囲に対する変更は、ACSLS が再起動されるまで有効になりません

    acsss_config コマンドの詳細は、『StorageTek Automated Cartridge System Library Software 8.4 管理者ガイド』を参照してください。

  • CAP を手動モードに設定します。

    set cap mode manual <cap_id>
    

    出力例:

    ACSSA> set cap mode manual 1,0,6
    Set: CAP 1,0,6, mode changed to manual
    Set: Set completed, Success.
    

    set cap の詳細は、『StorageTek Automated Cartridge System Library Software 8.4 管理者ガイド』を参照してください。

  • CAP 優先順位をゼロ以外の数値に設定します。

    set cap priority cap_priority cap_id
    

    たとえば、優先順位 5 を CAP 4,0,6 に割り当てるには、次の手順を実行します。

    set cap priority 5 4,0,6
    

    set cap priority コマンドの詳細は、『StorageTek Automated Cartridge System Library Software 8.4 管理者ガイド』を参照してください。

ドライブ接続の検証

ドライブ接続を検証するには、次の手順を実行して、ACSLS 内のドライブのシリアル番号と LTFS-LE サーバーでのドライブのシリアル番号とを比較します。

  1. ACSLS cmd_proc コマンド display drive を使用して、ドライブのシリアル番号を表示します。

    display drive * -f type serial_num
    

    出力例:

    ACSSA> display drive * -f type serial_num
    2013-07-19 15:34:13              Display Drive
    Acs  Lsm  Panel  Drive  Type       Serial_num
    2    0    10     6      T1C        576001000518
    2    0    10     7      HP-LTO5    HU1246T5MV
    2    0    10     11     HP-LTO5    HU1246T5PW
    
  2. LTFS-LE サーバーでのドライブのシリアル番号を表示します。

    lsscsi -g | grep -i tape
    

    出力例:

    # lsscsi -g | grep -i tape
    [7:0:0:0]    tape    HP       Ultrium 5-SCSI   I59S  /dev/st0  /dev/sg5
    [9:0:0:0]    tape    STK      T10000C          1.57  /dev/st1  /dev/sg6
    [11:0:0:0]   tape    HP       Ultrium 5-SCSI   I59S  /dev/st2  /dev/sg7
    
    sg_inq /dev/sg# | grep "Unit serial number"
    

    出力例:

    # sg_inq /dev/sg5 | grep "Unit serial number"
    Unit serial number: HU1246T5MV
    
    # sg_inq /dev/sg6 | grep "Unit serial number"
    Unit serial number: 576001000518
    
    # sg_inq /dev/sg7 | grep "Unit serial number"
    Unit serial number: HU1246T5PW
    
  3. 手順 1 と手順 2 でドライブのシリアル番号が一致することを確認します。

display drive コマンドの詳細は、『StorageTek Automated Cartridge System Library Software 8.4 管理者ガイド』を参照してください。

LTFS-LE を構成するための LTFS Library Edition BUI への接続

LTFS Library Edition BUI を起動して ACSLS ライブラリに接続するには、次の手順を実行します。

  1. ブラウザウィンドウで、次を入力します。

    http://servername.domain.com:7001/LTFS
    
  2. 先に作成した LTFSLE BUI 管理者のユーザー名 (例: ltfsleadmin) およびパスワードを入力します。

    これで、LTFS-LE システムを構成する準備ができました。

LTFS-LE システムを構成するには、LTFS Library Edition BUI のオンラインヘルプで手順を参照してください。オンラインヘルプでは、次の手順を説明します。

  • LTFS-LE ライブラリの作成、および LTFS-LE への割り当て。

  • ドライブおよびボリュームの割り当て。

  • LTFS-LE システム設定の定義。

  • 追加のユーザーの定義。

LTFS-LE のアンインストール

この手順では、すべての LTFSLE コンポーネントを削除します。coreSysPrep.sh を使用してインストールした、前提条件となるライブラリは削除されません。

LTFSLE 1.0.x.xx.xxx をアンインストールするには、次の手順を実行します。

  1. root として Oracle Linux デスクトップ環境にログインします。

  2. downloads ディレクトリに移動し、アンインストールスクリプトを実行します。

    ./uninstallLTFSLE.sh
    
  3. LTFSLE バージョン 1.0.x.xx.xxx のすべてのコンポーネントをアンインストールするというメッセージが表示されます。

  4. 次のプロンプトで、「y」または「n」を入力します。

    Do you want to contiue with the LTFSLE Uninstall (y/n)?
    
    • データをすでにバックアップしてある場合、または LTFS-LE を再インストールしない場合は、「y」を入力します。

      LTFSLE Uninstall Complete!」というメッセージが表示されます。

    • データをバックアップする場合は、「n」を入力します。

      LTFSLE 1.0.x.xx.xxx を再インストールする計画の場合は、データをバックアップすることを強くお勧めします。その場合、データにアクセスするために LTFS-LE ですべてのカートリッジをマウントしなくても、バックアップを使用して復元を実行できます。

      データをバックアップおよび復元する手順については、『StorageTek Linear Tape File System, Library Edition 管理ガイド』を参照してください。

      注記:

      LTFSLE のインストールは、/etc/security/limits.conf ファイルで変更されています。

      LTFSLE をアンインストールしても、ファイルは変更されません。元の状態に戻すように設定するには、/etc/security/limits.conf.ORIG/etc/security/limits.conf にコピーします。

      ファイルの上書きを要求された場合は、「Yes」を入力します。