この章では、VM Client 保守のインストール手順について説明します。
最新の VM Client 累積保守 (PTF および HOLDDATA) を入手してインストールする必要があります。次の My Oracle Support (MOS) サイトから累積保守をダウンロードします。
http://www.myoraclesupport.com
HOLDDATA および PTF 更新についてこのサイトに頻繁にアクセスし、定期的に累積保守更新をインストールします。PTF は、毎月 MOS にリリースされます。
保守のインストールを行う前に、利用可能な最新の保守情報について、Oracle Global Customer Services に問い合わせてください。Oracle サポートの連絡先については、はじめにを参照してください。
注:
PTF および HOLDDATA は VM Client リリース時に存在しない可能性がありますが、しばらくすると、毎月 MOS にリリースされます。VM Client 累積保守は、IBM VM/ESA のコンポーネントである IBM の VMSES/E (Virtual Machine Serviceability Enhancements Staged/Enhanced) を使用してインストールされます。
VMSES/E には、製品のインストールが整合性を持つように設計された VMFINS インストール支援が含まれています。
VMSES/E 操作の詳細は、IBM ドキュメント『VMSES/E 入門とリファレンス』を参照してください。
保守のインストール手順のサマリーを次に示します。各ステップは、後続のセクションで詳細に説明します。
保守を受信できるように準備をします。
VMFMRDSK コマンドを使用して、新しい保守を受信する前に代替適用ディスクをクリアし、深刻な問題が発生した場合に保守を簡単に削除できるようにします。
保守を受信します。
VMFREC コマンドによって保守を受信し、Delta ディスク上に配置します。
保守を適用します。
VMFAPPLY コマンドにより、すべてのサービス対象パーツのサービスレベルを特定する、VMSES/E バージョンベクトルテーブル (VVT) が更新されます。さらに、VVT から、AUX ファイルがそれを必要とするパーツ用に生成されます。
新しいレベルをビルドします。
ビルドタスクによって、オブジェクトのサービスレベルが生成され、新しいオブジェクトがテスト BUILD (201) ディスクに配置されます。
新しい保守を本稼働環境に配置します。
保守はテストしたあと、新しいサービスを本番ディスク (202) にコピーすることによって本番環境に配置されます。
次を実行します。
VM Client サービス ID VSMC730A にログオンします。
ソフトウェアインベントリディスクが R/W でリンクされていない場合は、書き込みアクセスを確立します。
LINK MAINT 51D 51D M ACCESS 51D D
注:
別のユーザーが現在、書き込みモード (R/W) でソフトウェアインベントリディスクにリンクされている場合、LINK コマンドは失敗します。これが発生した場合、このユーザーを読み取り専用モード (RR) でソフトウェアインベントリディスクに再リンクさせ、上記の LINK および ACCESS コマンドを再発行します。ソフトウェアインベントリ (51D) ディスクへの読み取り/書き込みリンクを確立するまでは、次に進まないでください。正しいミニディスクアクセス順序を確立します。
VMFSETUP VSMC730A VMCLIENT
VSMC730A は、製品に付属している PPF です。独自の PPF オーバーライドがある場合、VSMC730A は使用している PPF 名に置き換える必要があります。
ドキュメントを受信します。VMFREC を INFO オプションとともに使用すると、ドキュメントがロードされ、パッケージ内のすべての製品の一覧が表示されます。
次を入力します。
VMFREC INFO ( ENV filename
受信メッセージログファイル $VMFREC $MSGLOG で警告およびエラーメッセージを確認します。
VMFVIEW RECEIVE
代替 APPLY ディスクをクリアして、次の保守用にクリーンなディスクを確保します。
VMFMRDSK VSMC730A VMCLIENT APPLY
VSMC730A は、製品に付属している PPF です。独自の PPF オーバーライドがある場合、VSMC730A は使用している PPF 名に置き換える必要があります。
マージメッセージログファイル、$VMFMRD $MSGLOG を確認します。必要に応じて、続行する前にエラーを修正します。
VMFVIEW MRD
次を実行します。
保守を受信します。
次を入力します。
VMFREC PPF VSMC730A VMCLIENT ( ENV filename
受信メッセージログファイル、$VMFREC $MSGLOG を確認します。必要に応じて、続行する前にエラーを修正します。
VMFVIEW RECEIVE
次を実行します。
新しい保守を適用します。
VMFAPPLY PPF VSMC730A VMCLIENT
このコマンドは、ここで受信した保守を適用します。バージョンベクトルテーブルがすべてのサービス対象パーツで更新され、必要なすべての AUX ファイルが生成されます。
適用メッセージログファイル、$VMFAPP $MSGLOG を確認します。必要に応じて、続行する前にエラーを修正します。
次を実行します。
サービス対象パーツでビルドステータステーブルをビルドします。
VMFBLD PPF VSMC730A VMCLIENT (STATUS
ビルドメッセージログファイル、$VMFAPP $MSGLOG を確認します。必要に応じて、続行する前にエラーを修正します。
VMFVIEW BUILD
VM Client のサービス対象パーツを再ビルドします。
VMFBLD PPF VSMC730A VMCLIENT (SERVICED
ビルドメッセージログファイル、$VMFAPP $MSGLOG を確認します。必要に応じて、続行する前にエラーを修正します。
VMFVIEW BUILD
VM Client のテスト後、VM Client ファイルをテストディスク (201) から本番ディスク (202) にコピーします。
VMFSETUP VSMC730A VMCLIENT VMFCOPY ** fm1==fm2(PRODID VSMC730A%VMCLIENT OLDDATE REPLACE
fm1 は TEST ビルドディスク (BUILD1 - 201) のファイルモードです。
fm2 は PRODUCTION ビルドディスク (BUILD2 – 202) のファイルモードです。