7 ELS サーバーに関する考慮事項

この章では、ELS サーバーの考慮事項について説明します。

VM Client はシンクライアントであり、TCP/IP を介して接続された ELS サーバー TapePlex 内で使用できるリソースに依存します。

注:

ELS サーバーはリリース 7.1 以降である必要があります。

SMC HTTP サーバーコンポーネント

VM Client は、ELS SMC 構成内で定義されているサーバー IP アドレスとポート番号を指定します。SMC HTTP コマンドを使用して HTTP サーバーを構成する方法については、ドキュメント『SMC の構成および管理』を参照してください。

次に、SMC HTTP コマンドの例を示します。

HTTP START PORT 4242

スクラッチサブプール

VM/HSC とは異なり、VM Client ではスクラッチサブプールの管理は許可されません。代わりに、スクラッチサブプールは ELS サーバーで定義および管理されます。

VM:Tape などのテープ管理システム (TMS) では、TMI 要求を使用してスクラッチサブプールを定義することはできません。TMS は、ELS サーバー上で定義されている既存のスクラッチサブプールを使用する必要があります。VM:Tape の場合、スクラッチサブプールを定義しようとすると失敗しますが、VM:Tape の初期化は続行されます。

次に、VM:Tape の初期化の例を示します。

VMTHSC693I The HSC interface is connecting.
VMTHSC000I Sending to VMCLIENT: QCONFIG with wrong length
VMTHSC000I Sending to VMCLIENT: QCONFIG with right length
VMTHSC000I Sending to VMCLIENT: QDRIVES
VMTHSC999I VMCLIENT completed QDRIVES command successfully
VMTHSC000I Sending to VMCLIENT: DEFSCR 5 4
VMTHSC697E HSC server VMCLIENT ACSRQ=DEFSCR RC=16
VTCS Management Classes
Reason=00001004
VMTHSC721E HSC scratch pool initialization failed.
VMTHSC704I The interface to HSC is ready for use.

VM:Tape が HSC サーバーに定義されていないスクラッチサブプールを使用しようとすると、VM Client がゼロ以外の TMI リターンコードと理由コードを返します。例:

VMTHSC000I Sending to VMCLIENT: QSCRATCH TEST
VMTHSC697E HSC server VMCLIENT ACSRQ=QSCRATCH
           RC=16 Reason=00008036
VMTHSC698R 'QSCRATCH TEST ' to VMCLIENT failed;
           Enter RETRY, CANCEL, or NOARM;; Reply 1

サブプール内のスクラッチサブプールの名前とボリュームは、お客様の責任で VM TMS と同期させておいてください。

VTCS 管理クラス

VM Client POOLmap コマンドを使用して、仮想テープボリューム (VTV) を含むスクラッチサブプールと VTCS 管理クラスを関連付けることを強くお勧めします。スクラッチサブプール名を指定する TMI 要求を VM Client が受け取ると、VM Client は POOLmap 管理クラスを使用して VTV を選択およびマウントします。

POOLmap コマンドの詳細は、POOLmapを参照してください。

VM:Tape 割り振り出口

VM:Tape 構成に複数のテープドライブが含まれており、これらのテープドライブが TapePlex 内の複数の ACS で定義されている場合、スクラッチマウントの要求には VM:Tape 割り振り出口のインストールが必要になります。たとえば、構成に 2 つの 9840C テープドライブが含まれており、1 つは ACS00 で定義され、もう 1 つは ACS01 で定義されているとします。

VM:Tape 割り振り出口をインストールするには、次の手順を実行します。

  1. SMCVMTAP サンプルファイルを、SMCVMTAP EXEC のファイル名とファイルタイプで VMTAPE の 191 ミニディスクにコピーします。このファイル内の VM Client 仮想マシン ID の変更が必要な場合があります。

  2. VMTAPE 構成ファイルを変更して割り振り出口を有効にします。例:

    EXIT ALLOCATE SMCVMTAP EXEC
    
  3. VMTAPEPROFILE EXEC を変更して VM Client の実行ディスクにアクセスし、SMCALLOC EXEC を実行して必要なプログラムをストレージにロードします。VMTAPE 起動 EXEC を呼び出す前に、これらのコマンドが含まれていることを確認してください。例:

    CP LINK VSMC730A 202 202 RR
    ACCESS 202 J
    EXEC SMCALLOC