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Oracle® Fusion Middleware高可用性ガイド
12c (12.2.1.0.0)
E69925-01
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3 サーバー全体の移行

この項では、サーバー全体の移行およびそれを管理対象サーバーのフェイルオーバー用に構成する方法について説明します。サーバー全体の移行が行われると、障害の発生時に、サーバー・インスタンスが別の物理マシンに移行されます。使用する環境でJMSおよびJTAなどの特殊な(固定)サービスを使用している場合、サーバー全体の移行を構成する必要があります。

この項には次のトピックが含まれます:

3.1 サーバー全体の移行について

クラスタは、クラスタ内の冗長化された管理対象サーバー上にオブジェクトやサービスを複製することによって、高可用性とフェイルオーバーを実現します。一方、JMSサーバーやJTAトランザクション回復サービスなどの一部のサービスは、クラスタ内で動作しているサービスのアクティブなインスタンスが常に1つのみ存在するという前提の下に設計されています。このようなタイプの場合、サーバー・インスタンス上で同時にアクティブな状態になるのは1つのみであるため、固定サービスと呼ばれます。

ほとんどのサービスがクラスタ内のすべての管理対象サーバーに均一にデプロイされることで、管理対象サーバー間の透過的なフェイルオーバーが可能になります。ただし、固定サービスは、クラスタ内の個別のサーバー・インスタンスをターゲットにします。固定サービスの場合、WebLogic Serverは、フェイルオーバーのかわりに、移行による障害リカバリをサポートしています。

WebLogic Serverには、JMSやJTAトランザクション・システムの可用性を高めるための機能(移行可能なサーバー)が用意されています。移行可能なサーバーは、サービスレベルではなく、サーバーレベルで自動または手動で移行できます。

移行可能なサーバーがなんらかの理由(ハング、ネットワークからの切断、ホスト・システムの障害など)で使用できなくなると、自動的に移行が行われます。障害が発生した場合、移行可能なサーバーは、可能であれば同じシステム上で自動的に再起動されます。障害が発生した同じシステム上で再起動できないときは、別のシステムに移行されます。また、手動でサーバー・インスタンスの移行を開始することもできます。


関連項目:

サーバー全体の自動移行の準備、サーバー全体の自動移行の構成、およびサーバーの移行プロセスおよび通信の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』のサーバー全体の移行に関する項を参照してください。

サービス移行メカニズムの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』のサービスの詳細に関する項を参照してください。

JMSおよびJTAサービスの詳細は、第7章「JMSおよびJTAの高可用性」を参照してください。


3.2 管理対象サーバーのフェイルオーバー用のサーバー全体の移行の構成

この項では、サーバー全体の移行を使用してフェイルオーバー用のクラスタを構成する、高レベルな手順を説明します。クラスタ内の1つのサーバーに障害が発生した場合、そのサーバーは、サーバー全体の移行によって別のマシン上で再起動されます。

サーバー全体の自動移行を構成するには、システムが特定の要件を満たす必要があります。Oracle WLSクラスタの管理のサーバー全体の自動移行の説明を参照してください。

サーバー全体の移行を構成するには、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』のサーバー全体の移行の構成に関する項で示されている手順を実行します。

サーバー全体の移行の構成に関する詳細は、次の項目を参照してください。

  • 「状態データ用の高可用性記憶域の使用方法」

  • 「サーバー移行処理と通信」