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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence移行ガイド
12c (12.2.1)
E70078-02
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3.11 Oracle BI Serverの互換性フレームワークの設定

互換性フレームワークによって、BI ServerはOracle BI 12c (12.2.1以降)の新しい機能またはバグ修正を追加することができます。これは、Oracle BI 11gリリースと互換性がない可能性がありますが、BI Serverが以前のメジャー・リリースとの間の互換性モードで動作できるように柔軟なフレームワークを提供します。個々の機能およびバグ修正は、互換性フラグを使用して個別に有効化または無効化することができます。また、以前のリリース(11.1.1.9)と互換性を持たせるためにOracle BIシステムに単一のCOMPATIBLE_RELEASEフラグを使用することで、すべての互換性フラグにデフォルト値を設定することができます。移行した12cの環境ができるかぎりOracle Business Intelligence 11gリリース1 (11.1.1.9)の環境と近い動作をするように、NQSConfig.INIファイルにCOMPATIBLE_RELEASEパラメータを追加する必要があります。

注意:

COMPATIBLE_RELEASEパラメータが設定されていない場合、システムはデフォルトで現在のリリース(12.2.1.0など)の動作を実行します。

フレームワークは個々のバンドルを区別しません(バージョン番号の最初の4桁のみが互換性を判断するのに重要です)。

本質的に後方互換性のない、新しい機能、拡張機能またはバグ修正を適用する場合、この項で説明しているガイドラインを使用して互換性フラグを指定してください。

注意:

NQSConfig.INIファイルには、デフォルトではCOMPATIBLE_RELEASEパラメータはありません。グローバルのbi:compat-mode-11g はデフォルトのフラグで、すべてのOracle BI EEコンポーネントに適用されます。bi-config.xmlファイルのbi:compat-mode-11g要素がtrueに設定されている場合、BI Server互換性フレームワークはCOMPATIBLE_RELEASEが11.1.1.9に設定されているように動作し、11gから12cへの移行の際に主要な互換性の問題を引き起こすあらゆる機能またはバグ修正を無効にします。ただし、 COMPATIBLE_RELEASEパラメータまたはその他任意の互換性フラグを設定するために明示的にNQSConfig.INIファイルを編集した場合、NQSConfig.INIファイルの設定は、bi-config.xmlファイルに指定されたグローバルの bi:compat-mode-11g フラグより優先します。

一般的なCOMPATIBLE_RELEASEパラメータを設定する以外に、特定の機能またはバグ修正を対象に接頭辞"OBIS_"で始まる互換性フラグを設定できます。 これらの特定の互換性フラグを設定する指示は、必要に応じて特定の問題を解決するためにサポート・チームによって提供されます。次に例を示します。

[ COMPATIBILITY ]
COMPATIBLE_RELEASE=11.1.1.9;
OBIS_ENABLE_DIMENSIONALITY=0;

COMPATIBLE_RELEASEパラメータまたはNQSConfig.INIファイルの特定の互換性フラグを設定すると、システム全体に変更が適用されます。互換性モードが特定のレポートまたはダッシュボードに設定されるように、COMPATIBLE_RELEASEパラメータまたは特定の機能フラグをセッション変数または関係変数として設定できます。これは、分析リクエストに問合せの接頭辞を追加することで実現できます。変数設定の例を次に示します。

set variable COMPATIBLE_RELEASE='11.1.1.9':