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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
リリース12.2.1
E70049-02
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14 Inbound Refineryを追加するためのドメインの拡張

ここでは、エンタープライズ・デプロイメント・ドメインを拡張してInbound Refineryソフトウェアを含める方法を説明します。

14.1 Inbound Refineryを追加するためのドメインの拡張の概要

Inbound Refineryは、Oracle WebCenter Content Serverがドキュメント変換を行う際に必要になります。この項では、Inbound Refineryの概要を説明します。

実際のInbound Refinery管理対象サーバーの数は、要件によって異なります。可用性の理由から、少なくとも2つのInbound Refinery管理対象サーバーを別々のマシン上にインストールおよび構成することをお薦めします。参照用Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・トポロジにおいて、Inbound RefineryはContent Serverと同一のマシンに構成されます。

このエンタープライズ・デプロイメント・トポロジにInbound Refineryを追加してドメインを拡張するためのプロセスで複数の管理対象サーバーを作成しても、各Inbound Refineryインスタンスは完全に独立しています。Inbound Refineryはクラスタでは実行されません。

14.2 Inbound Refineryを使用するためのドメインの拡張

この項では、Inbound Refineryソフトウェアを含めることで既存のエンタープライズ・デプロイメント・ドメインを拡張する手順について説明します。

14.2.1 構成ウィザードの起動

注意:

ドメインで起動スクリプトに直接カスタマイズを追加した場合、それらのカスタマイズは構成ウィザードによって上書きされます。ドメイン内のすべてのサーバーに適用するサーバー起動パラメータをカスタマイズするために、setUserOverrides.shという名前のファイルを作成して、WebLogic Serverのクラスパスへのカスタム・ライブラリの追加、サーバーを実行するための追加のJavaコマンド行オプションの指定、追加の環境変数の指定などを行うように構成できます。このファイルに追加されたカスタマイズはドメインのアップグレード操作中に保存され、packおよびunpackコマンドを使用する際にリモート・サーバーに継承されます。

構成ウィザードを起動する手順は次のとおりです。

  1. ドメインを拡張する前に、ドメインを完全に停止します。WebLogic Serverコンソールから、すべての管理対象サーバーを停止して検証し、続いて管理サーバーを停止します。

    詳細は、WCCHOST1での構成ウィザードの起動」で、ノード・マネージャを使用して管理サーバーを停止する手順を参照してください。

  2. 次のディレクトリに移動し、WebLogic Server構成ウィザードを起動します。
    cd ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin
    ./config.sh

14.2.2 ドメインを拡張するために構成ウィザード画面へ移動

トポロジのドメインを更新して構成するには、この項の手順に従います。

注意:

この項で説明する手順を使用して、既存のドメインを拡張することもできます。この手順の説明では要件が満たされない場合は、その要件に応じた選択を行うか、サポート・ドキュメントで追加の詳細を参照してください。

ドメインを作成して構成するためのタスクは次のとおりです。

タスク1    ドメイン・タイプとドメイン・ホームの場所の選択

「構成タイプ」画面で、「既存ドメインの更新」を選択します。

「ドメインの場所」フィールドで、ASERVER_HOME変数の値を選択します。これは、作成した初期管理サーバー・ドメイン・ホームの完全なパスを表します。

ディレクトリの場所の変数の詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください。

ヒント:

この画面に示されるその他のオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「構成タイプ」に関する項を参照してください。

タスク2    構成テンプレートの選択

「テンプレート」画面で「製品テンプレートを使用してドメインを更新」が選択されていることを確認した後に、次のテンプレートを選択します。

  • Oracle Universal Content Management - Inbound Refineryサーバー - 12.2.1 [wccontent]

    初期ドメインを作成するために使用したため、次の追加のテンプレートもすでに選択されているはずです。

    • Oracle Enterprise Manager - 12.2.1.0 [em]

    • Oracle WSM Policy Manager - 12.2.1.0 [oracle_common]

    • Oracle JRF - 12.2.1.0 [oracle_common]

    • WebLogic Coherenceクラスタの拡張 - 12.2.1.0 [wlserver]

ヒント:

この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「テンプレート」に関する項を参照してください。

タスク3    GridLink Oracle RACデータベース接続の詳細情報の指定

「GridLink Oracle RACコンポーネント・スキーマ」画面で「次へ」をクリックします。

タスク4    JDBC接続のテスト

「次へ」をクリックして続行します。

タスク5    拡張構成の選択

トポロジのドメイン構成を完了するには、「拡張構成」画面で次のオプションを選択する必要があります。

  • 管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン

タスク6    管理対象サーバーの構成

「管理対象サーバー」画面で、サーバーのリストに新しい管理対象サーバーが表示されます。

次のタスクを実行して、デフォルトの管理対象サーバーを変更して2つ目の管理対象サーバーを作成します。

  1. デフォルトの管理対象サーバーの名前をWLS_IBR1に変更します。

  2. 「追加」をクリックして新しい管理対象サーバーを作成し、そのサーバーにWLS_IBR2と名前を付けます。

    ヒント:

    ここで推奨するサーバー名がこのドキュメント全体で使用されます。別の名前を選択した場合は、必要に応じて置き換えてください。

  3. 次の表の情報を使用して、各管理対象サーバーの残りの列を入力します。

表14-1 各Oracle Inbound Refineryサーバーで必要な値

サーバー名 リスニング・アドレス リスニング・ポート SSLの有効化 SSLリスニング・ポート サーバー・グループ

WLS_IBR1

WCCHOST1

16250

いいえ

無効

IBR-MGD-SVR

WLS_IBR2

WCCHOST2

16250

いいえ

無効

IBR-MGD-SVR

ヒント:

「管理対象サーバー」画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の管理対象サーバーに関する項を参照してください。

タスク7    クラスタの構成

このタスクでは、Oracle Inbound Refineryソフトウェアのターゲットにすることができる管理対象サーバーのクラスタを作成します。

「クラスタ」画面を使用して、新しいクラスタを作成します。

  1. 「追加」ボタンをクリックします。

  2. 「クラスタ名」フィールドでIBR_Serversを指定します。

注意:

デフォルトでは、クラスタ内のサーバー・インスタンスは、ユニキャストを使用して相互に通信します。マルチキャストを使用するようにクラスタの通信を変更する場合は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』のユニキャストまたはマルチキャストを選択する際の考慮事項に関する項を参照してください。

ヒント:

この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「クラスタ」に関する項を参照してください。

タスク8    クラスタへの管理対象サーバーの割当て

「サーバーのクラスタへの割当」画面を使用して、WLS_IBR1およびWLS_IBR2を新規クラスタIBR_Serversに割り当てます。

  1. 「クラスタ」ペインで、サーバーを割り当てるクラスタ(ここではIBR_Servers)を選択します。

  2. 「サーバー」ペインで、次のいずれかの操作を実行して、WLS_IBR1をIBR_Serversに割り当てます。

    • WLS_IBR1管理対象サーバーを1回クリックして選択し、右矢印をクリックして「クラスタ」ペインで選択されているクラスタの下に移動します。

    • WLS_IBR1をダブルクリックして、クラスタ・ペインで選択されているクラスタの下に移動します。

  3. 同じ手順を繰り返して、WLS_IBR2IBR_Serversに割り当てます。

ヒント:

この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「サーバーのクラスタへの割当」に関する項を参照してください。

タスク9    Coherenceクラスタの構成

「Coherenceクラスタ」画面を使用して、ドメインに自動的に追加されるCoherenceクラスタを構成します。ポート番号値は、初期インフラストラクチャ・メインの作成中に定義されているため、9991のままにします。

注意:

Coherenceライセンス情報については、『Oracle Fusion Middlewareライセンス情報』のOracle Coherenceに関する項を参照してください。

タスク10 既存のマシンの検証

「Unixマシン」タブで、初期インフラストラクチャ・ドメインの作成時に作成したマシンの名前を確認します。

「次へ」をクリックします。

タスク11    マシンへのサーバーの割当て

「サーバーのマシンへの割当」画面を使用して、作成したばかりのOracle Inbound Refinery管理対象サーバーを、ドメイン内の対応するマシンに割り当てます。

WLS_IBR1をWCCHOST1、WLS_IBR2をWCCHOST2に割り当てます。

ヒント:

この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「サーバーのマシンへの割当」に関する項を参照してください。

タスク12    構成の仕様の確認とドメインの構成

「構成サマリー」画面には、これから作成するドメインに関する詳細な構成情報が表示されます。この画面に示された各項目の詳細を調べて、情報に間違いがないことを確認します。

変更が必要な場合は、「戻る」ボタンを使用するか、ナビゲーション・ペインで画面を選択することで任意の画面に戻れます。

「更新」をクリックするまで、ドメインの作成は開始されません。

ヒント:

この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成サマリーに関する項を参照してください。

タスク13    ドメイン・ホームと管理サーバーURLのメモ

「構成に成功しました」画面には、構成したばかりのドメインについて、次の項目が表示されます。

  • ドメインの場所

  • 管理サーバーURL

どちらの項目も後で必要になるため、メモしておく必要があります。ドメインの場所は、ノード・マネージャと管理サーバーの起動に使用するスクリプトへのアクセスで必要になります。また、URLは管理サーバーへのアクセスで必要になります。

「終了」をクリックして、構成ウィザードを閉じます。

タスク14    管理サーバーの起動

管理サーバーを起動して、ドメインに行った変更が適用されたことを確認します。

14.3 Inbound Refinery用の構成後タスクおよび検証タスクの実行

この項では、Inbound Refinery用の構成後タスクと検証タスクを実行する方法について説明します。

14.3.1 WLS_IBR1およびWLS_IBR2へのドメイン構成の伝播

起動スクリプトとクラスパス構成を管理サーバーのドメイン・ディレクトリから管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリに伝播します。Inbound Refinery管理対象サーバーにドメイン構成を伝播する手順は次のとおりです。
  1. 管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリと管理対象サーバーのapplicationsディレクトリのコピーを作成します。
  2. 次のpackコマンドをWCCHOST1で実行し、テンプレート・パックを作成します。
    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./pack.sh -managed=true -domain=ASERVER_HOME -template=edgdomaintemplateIBR.jar -template_name=edgdomain_templateIBR
  3. 次のunpackコマンドをWCCHOST1で実行して、前の手順で作成したテンプレートをWLS_IBR1ドメイン・ディレクトリに伝幡します。
    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=MSERVER_HOME -template=edgdomaintemplateIBR.jar -app_dir=APPLICATION_HOME -overwrite_domain=true
  4. 次のコマンドをWCCHOST1で実行し、手順1で作成したテンプレート・パックをWCCHOST2にコピーします。
    scp edgdomaintemplateIBR.jar oracle@WCCHOST2:ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
  5. unpackコマンドをWCCHOST2で実行して、伝播されたテンプレートをWLS_IBR1ドメイン・ディレクトリに解凍します。
    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=MSERVER_HOME -template=edgdomaintemplateIBR.jar -app_dir=APPLICATION_HOME -overwrite_domain=true
  6. ここまでの変更を有効にするために管理サーバーを再起動します。まずnmKillコマンドまたは管理コンソールで管理サーバーを停止し、次にnmStartコマンドで起動します。weblogicユーザーの資格証明を使用して管理コンソールにログインします。

14.3.2 管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリでのノード・マネージャの起動

次の手順に従って、管理対象サーバー・ホームからノード・マネージャを起動します。

  1. WCCHOST1で、次のディレクトリに移動します。

    MSERVER_HOME/bin
    
  2. 次のコマンドを使用してノード・マネージャを起動します。

    nohup ./startNodeManager.sh > ./nodemanager.out 2>&1 &
  3. WCCHOST2の次のディレクトリに移動して、前の手順を繰り返します。

    MSERVER_HOME/bin
    

追加ノード・マネージャの構成オプションの詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』を参照してください。

14.3.3 Inbound Refinery管理対象サーバーの起動

WCCHOST1でWLS_IBR1管理対象サーバーを起動する手順は次のとおりです。
  1. http://admin.example.com:7001/consoleでOracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。
  2. 次の手順に従い、管理コンソールを使用してWLS_IBR1管理対象サーバーを起動します。
    1. 左側の「ドメイン構造」ツリーの「環境」ノードを開きます。
    2. 「サーバー」をクリックします。
    3. 「サマリー」ページまたは「サーバー」ページで、「制御」タブをクリックします。
    4. 表の「サーバー」列からWLS_IBR1を選択します。
    5. 「起動」をクリックします。
  3. 管理コンソールでサーバーの状態がRunningとして報告されていることを確認します。
    • サーバーのステータスが「起動しています」または「再開中です」である場合は、「起動済み」になるまで待ちます。
    • 管理」や「失敗」などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。
  4. 前述の手順を繰り返し、WCCHOST2でWLS_IBR2管理対象サーバーを起動します。

14.4 Inbound Refinery管理対象サーバーの構成

Inbound Refinery管理対象サーバーの構成を初期化するには、その管理対象サーバーに一度だけHTTP経由でアクセスする必要があります。これは、管理対象サーバーのリスニング・アドレスで直接実行できます。Inbound RefineryインスタンスはHTTPサーバーの後方に配置する必要があります。

Inbound Refineryインスタンスへのすべての後続のアクセスは、ソケット・リスナーを介して行われます。このリスナーは、次の項で構成する着信ソケット接続アドレス・セキュリティ・フィルタによって保護されます。

すべてのInbound Refineryインスタンスを使用して各コンテンツ・サーバー・インスタンスを構成することをお薦めします。コンテンツ・サーバーの構成プロセスは、Inbound Refineryインスタンスをプロバイダとして追加することです。また、一部のインストール後の手順をInbound Refineryで実行する必要があります。

次の項では、各Inbound Refineryインスタンスのインストール後の構成手順について説明します。

14.4.1 Inbound Refineryの設定の構成

Inbound Refinery管理対象サーバーを起動したら、インストール後の構成画面で各サーバーの設定を構成します。

各Inbound Refineryインスタンスの設定を構成する手順は次のとおりです。
  1. 次のURLからInbound Refineryのインストール後の構成画面にアクセスします。Nには1または2を指定します。
    http://WCCHOSTN:16250/ibr/
  2. 「構成」画面で、「Inbound Refineryのインスタンス識別子: name」を確認します。このインスタンスの構成設定を次のように設定します。各Inbound Refineryインスタンスは、他のインスタンスとは独立し、各マシンに対してローカルです。各インスタンスの構成ディレクトリとしてローカル・ディレクトリを使用します。
    • Inbound Refineryのインスタンス・フォルダ: /u01/oracle/config/domains/wccedg_domain/IBR_Servers/ibrN/

      http://WCCHOST1:16250/ibr/ではNが1、http://WCCHOST2:16250/ibr/ではNが2

      ディレクトリ・パスは各ローカル・マシンに存在する必要があり、構成を保存する前にディレクトリが作成されている必要があります。

    • ネイティブ・ファイル・リポジトリの場所: /u01/oracle/config/domains/wccedg_domain/IBR_Servers/ibrN/vault

      http://WCCHOST1:16250/ibr/ではNが1、http://WCCHOST2:16250/ibr/ではNが2

    • Webレイアウト・フォルダ: /u01/oracle/config/domains/wccedg_domain/IBR_Servers/ibrN/weblayout

      http://WCCHOST1:16250/ibr/ではNが1、http://WCCHOST2:16250/ibr/ではNが2

    • ユーザー・プロファイル・フォルダ: /u01/oracle/config/domains/wccedg_domain/IBR_Servers/ibrN/data/users/profiles/

      http://WCCHOST1:16250/ibr/ではNが1、http://WCCHOST2:16250/ibr/ではNが2

    • 受信ソケット接続アドレス・セキュリティ・フィルタ: 次に示すような、ローカル・ホストとサーバーIPアドレスのパイプ区切り一覧です。

      127.0.0.1|WCCHOST1-IP|WCCHOST2-IP|WEBHOST1-IP|WEBHOST2-IP

      この設定によってコンテンツ・サーバーからアクセスできるようになります。WCCHOST1-IPおよびWCCHOST2-IPの値は、Inbound Refineryにジョブを送信するコンテンツ・サーバーのインスタンスが1つ以上あるマシンのIPアドレスである必要がありますが、必ずしもInbound RefineryのIPアドレスとは限りません。(ただし、このエンタープライズ・デプロイメント・ガイドで使用される参照トポロジでは、これらのIPアドレスは同じです。)

      「ソケット接続アドレス・セキュリティ・フィルタを着信中」フィールドの値にはワイルドカードを指定できます(例: 192.0.2.*)。

      この値は、後で/u02/oracle/config/domains/wccedg_domain/IBR_Servers/ibrN/config/config.cfgファイルのSocketHostAddressSecurityFilterを設定し、Inbound Refinery管理対象サーバーを再起動すると、変更できます。

      http://WCCHOST1:16250/ibr/ではNが1、http://WCCHOST2:16250/ibr/ではNが2

    • サーバーのソケット・ポート: 5555のように、使用されていないポート番号を入力します。この値は、トップレベルのサービスを呼び出すためのポートの番号です。

      このポート番号は、後でOracle WebCenter Contentの構成時に必要となるため、書き留めておいてください。

      このフィールドの値を変更すると、 /u02/oracle/config/domains/wccedg_domain/IBR_Servers/ibrN/config/config.cfgIntradocServerPortエントリが変更されます。

      http://WCCHOST1:16250/ibr/ではNが1、http://WCCHOST2:16250/ibr/ではNが2

    • コンテンツ・サーバーのインスタンス名: Inbound Refineryサーバーのインスタンス名を指定します。

      デフォルト値を受け入れることも、より便利な名前に変更することもできます。このサーバー名は、後でOracle WebCenter Contentの構成時に必要となるため、書き留めておいてください。

    構成ページの他のすべてのフィールドはそのままにします。

    「送信」をクリックすると、次のメッセージが表示されます。

    インストール後の構成が完了しました。このノードを再起動してください。
  3. WebLogic Server管理コンソールを使用して、Inbound Refinery管理対象サーバーを再起動します。
  4. 各Inbound Refineryインスタンスに対して個別のコンテンツ・フォルダ名を使用して、前述の手順を実行します。

14.4.2 Inbound Refineryにジョブを送信して変換するためのコンテンツ・サーバーの設定

Oracle WebCenter Content ServerからInbound Refineryにジョブを送信して変換を実施できるようにするには、次の項の説明に従って、Inbound Refinery管理対象サーバーごとに設定タスクを事前に実行する必要があります。

14.4.2.1 送信プロバイダの作成

コンテンツ・サーバーからInbound Refineryにファイルを送信して変換を実施するには、「Inbound Refinery変換ジョブの処理」オプションを事前に選択して、コンテンツ・サーバーから各Inbound Refineryへの送信プロバイダを設定する必要があります。

各Inbound Refineryインスタンスの送信プロバイダを作成する手順は次のとおりです。
  1. 次のURLからコンテンツ・サーバーにログインします。
    http://WCCHOST1:16200/cs/
  2. 「管理」トレイまたはメニューを開いて、「プロバイダ」を選択します。
  3. 「プロバイダ」ページの「新規プロバイダの作成」表で、「送信」行の「追加」をクリックします。
  4. 次の値をフィールドに入力します。
    • プロバイダ名: 空白が含まれない短縮名。「インスタンス名」と同じ値を使用することをお薦めします。

    • プロバイダの説明: テキスト文字列。

    • サーバー・ホスト名: Inbound Refineryインスタンスが実行されているホスト・マシンの名前。たとえば、WCCHOST1など。

    • HTTPサーバー・アドレス: Inbound Refineryインスタンスのアドレス。たとえば、WCCHOST1: 16250など。

    • サーバー・ポート: 「Inbound Refineryの設定の構成」で指定されている「サーバーのソケット・ポート」フィールドの値。たとえば、5555など。これは、Inbound Refineryconfig.cfgファイルのIntradocServerPort値です。

    • インスタンス名: 「Inbound Refineryの設定の構成」で指定されているInbound Refineryのサーバー・インスタンス名。これは、Inbound Refineryconfig.cfgファイルのIDC_Name値です。

    • 相対Webルート: Inbound RefineryインスタンスのWebルート。たとえば、/ibr/など

  5. 「変換オプション」で、「Inbound Refinery変換ジョブの処理」を選択します。

    「Inbound Refineryの読取り専用モード」は選択しないでください。

  6. 「追加」をクリックします。
  7. WebLogic Server管理コンソールを使用して、Inbound Refinery管理対象サーバーとOracle WebCenter Content Server (WebCenter Content管理対象サーバー)を再起動します。
  8. 「プロバイダ」ページに戻り、プロバイダの「接続状態」の値が「良好」であることを確認します。

    値が「良好」でない場合は、前述のエントリをすべて正しく入力したことを再確認し、コンテンツ・サーバーとInbound Refineryのインスタンスが相互にpingできることを確認します。

プロバイダの設定の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentのマネージング』のContent ServerとRefineryの通信の構成に関する項を参照してください。

14.4.2.2 コンテンツ・サーバーでのInbound Refinery用のコンポーネントの有効化

変換タイプによっては、コンテンツ・サーバーでヘルパー・コンポーネントを有効にする必要があります。ドキュメント変換にInbound Refineryを使用するコンテンツ・サーバーのインスタンスでは、InboundRefinerySupportコンポーネントを常に有効にする必要があります。新しいコンテンツ・サーバーのインストールではデフォルトで有効になっています。

コンテンツ・サーバーでInbound Refineryコンポーネントを有効にする手順は次のとおりです。
  1. 次のURLからコンテンツ・サーバーにログインします。
    https://wcc.example.com/cs/
  2. 「管理」トレイまたはメニューから、「管理サーバー」「コンポーネント・マネージャ」を選択します。
  3. 「コンポーネント・マネージャ」ページで、「Inbound Refinery」を選択し、「Inbound Refinery」で有効にするコンポーネント(XMLConverterSupportなど)を選択したら、「更新」をクリックします。
  4. 両方のコンテンツ・サーバーを再起動するために、WebLogic Server管理コンソールを使用してWebCenter Content管理対象サーバーを再起動します。

14.4.2.3 変換するファイル形式の選択

変換のためにInbound Refineryに送信するファイルをコンテンツ・サーバーに指定するには、ファイル形式を選択する必要があります。

変換するファイル形式を選択するには、次の手順を実行します。
  1. 次のURLからコンテンツ・サーバーにログインします。
    https://wcc.example.com/cs/
  2. 「管理」トレイまたはメニューを開いて「リファイナリ管理」「ファイル形式ウィザード」の順に選択し、「ファイル形式ウィザード」ページを開きます。

    このページでは、どのファイル形式をコンテンツ・サーバーにチェックインした場合に、そのファイル形式をInbound Refineryに送信して変換を実施するかを指定します。

  3. Microsoft Wordドキュメントのdocdotdocxおよびdotxなど、変換が必要なフォーマットを選択します。
  4. 「更新」をクリックします。
また、構成マネージャでファイル形式を選択することもできます。構成マネージャでは、ウィザードでは示されないファイル形式など、さらにきめ細かく制御できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentのマネージング』のファイル・タイプの管理に関する項を参照してください。

14.5 Inbound Refinery管理対象サーバーの構成の検証

作成したInbound Refinery管理対象サーバーが正しく構成されているかどうかを確認するには、コンテンツ・サーバーにログインし、変換に有効と認識された拡張子を持つファイルが正しく変換されることを確認して、構成を検証します。

たとえば、変換するフォーマットとしてdocxを選択した場合は、拡張子が.docxのMicrosoft Word文書をPDFフォーマットに変換できます。

チェックインとチェックアウトの手順の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentの使用』のドキュメントのアップロードおよびファイルのチェックアウトとダウンロードに関する項を参照してください。

変換プロセスの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentのマネージング』のRefineryにジョブを送信するためのコンテンツ・サーバーの構成に関する項を参照してください。