この章では、Oracle WebCenter Contentユーザー・インタフェース・ソフトウェアを含めてエンタープライズ・デプロイメント・ドメインを拡張する方法を説明します。
この章では、MBeanを使用したシステム・レベルの設定変更や、WebCenter Contentユーザー・インタフェース・クラスタを含めるhttpサーバーの構成について説明します。
UseDatabaseWfInQueue
構成変数により、WebCenter Contentユーザー・インタフェースは、ユーザーに割り当てられたワークフローにフィルタを適用できるようになります。EmailNotificationType
構成変数では、ワークフローとサブスクリプションが異なるコンテンツ・サーバー・ユーザー・インタフェースに含まれる場合に、通知電子メール内のリンクがポイントする先を指定します。この構成変数のデフォルト値は、NativeWebUI
です。この項では、Oracle WebCenter Contentユーザー・インタフェース・ソフトウェアを追加するために既存のエンタープライズ・デプロイメント・ドメインを拡張する手順を説明します。
ドメインの拡張には、次のタスクが含まれます。
注意:
ドメインで起動スクリプトに直接カスタマイズを追加した場合、それらのカスタマイズは構成ウィザードによって上書きされます。ドメイン内のすべてのサーバーに適用するサーバー起動パラメータをカスタマイズするために、setUserOverrides.sh
という名前のファイルを作成して、WebLogic Serverのクラスパスへのカスタム・ライブラリの追加、サーバーを実行するための追加のJavaコマンド行オプションの指定、追加の環境変数の指定などを行うように構成できます。このファイルに追加されたカスタマイズはドメインのアップグレード操作中に保存され、pack
およびunpack
コマンドを使用する際にリモート・サーバーに継承されます。
構成ウィザードを起動する手順は次のとおりです。
この項で説明する手順を実行して、目的のトポロジのドメインを作成して構成します。
注意:
この項で説明する手順を使用して、既存のドメインを拡張することもできます。この手順の説明では要件が満たされない場合は、その要件に応じた選択を行うか、サポート・ドキュメントで追加の詳細を参照してください。
ドメインを作成して構成するためのタスクは次のとおりです。
「構成タイプ」画面で、「既存ドメインの更新」を選択します。
「ドメインの場所」フィールドで、ASERVER_HOME
変数の値を選択します。これは、「エンタープライズ・デプロイメントの初期管理サーバー・ドメインの作成」で作成した管理サーバー・ドメイン・ホームの完全なパスを表します。
ディレクトリの場所の変数の詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください。
ヒント:
この画面に示されるその他のオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「構成タイプ」に関する項を参照してください。
「テンプレート」画面で「製品テンプレートを使用してドメインを更新」が選択されていることを確認した後に、次のテンプレートを選択します。
Oracle WebCenter Content - Web UI - 12.2.1 [wccontent]
また、初期ドメインを作成するために使用したため、次の追加のテンプレートもすでに選択されているはずです。
Oracle Universal Content Management - コンテンツ・サーバー - 12.2.1 [wccontent]
Oracle SOA Suite - 12.2.1 [soa]
Oracle Universal Content Management - Inbound Refinery - 12.2.1 [wccontent]
Oracle WebCenter Enterprise Capture - 12.2.1 [wccapture]
Oracle Enterprise Manager - 12.2.1.0 [em]
Oracle WSM Policy Manager - 12.2.1.0 [oracle_common]
Oracle JRF - 12.2.1.0 [oracle_common]
WebLogic Coherenceクラスタの拡張 - 12.2.1.0 [wlserver]
ヒント:
この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「テンプレート」に関する項を参照してください。
「GridLinkへ変換」をクリックし、「次へ」をクリックします。
「GridLink Oracle RACデータ・ソース」画面で次のタスクを実行します。
「SCAN」、「ホスト名」および「ポート」のセクションで次の手順を実行します。
「SCAN」チェック・ボックスを選択します。
「ホスト名」フィールドには、Oracle RACデータベースのSingle Client Access Name (SCAN)アドレスを入力します。
「ポート」フィールドには、データベースのSCANリスニング・ポートを入力します(1521
など)。
「ONSホストとポート」セクション:
「ONSポート」フィールドには、Oracle RACデータベースのSCANアドレスを入力します。
「ポート」フィールドには、ONSリモート・ポートを入力します(通常は6200
)。
「次へ」をクリックします。
「次へ」をクリックして続行します。
「資格証明」画面で、WebLogicのユーザー名(weblogic_wcc
以外)とパスワードを入力します。
「次へ」をクリックして続行します。
目的のトポロジに応じたドメインの構成を完了するには、「拡張構成」画面で次のオプションを選択します。
管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン
「管理対象サーバー」画面で、サーバーのリストに新しい管理対象サーバーが表示されます。
次のタスクを実行して、デフォルトの管理対象サーバーを変更して2つ目の管理対象サーバーを作成します。
デフォルトの管理対象サーバーの名前をWLS_WCCUI1
に変更します。
「追加」をクリックして新しい管理対象サーバーを作成し、そのサーバーにWLS_WCCUI2
と名前を付けます。
ヒント:
ここで推奨するサーバー名は、このドキュメント全体で使用します。別の名前を選択する場合は、必要に応じてそれらの名前に置き換えてください。
次の表を使用して、各Oracle WebCenter Contentユーザー・インタフェース管理対象サーバーの残りの列を入力します。
ヒント:
「管理対象サーバー」画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の管理対象サーバーに関する項を参照してください。
サーバー名 | リスニング・アドレス | リスニング・ポート | SSLの有効化 | SSLリスニング・ポート | サーバー・グループ |
---|---|---|---|---|---|
WLS_WCCUI1 |
WCCHOST1 |
16225 |
いいえ |
無効 |
UCM-ADF-MGD-SVR |
WLS_WCCUI2 |
WCCHOST2 |
16225 |
いいえ |
無効 |
UCM-ADF-MGD-SVR |
このタスクでは、Oracle WebCenter Contentソフトウェアのターゲットにすることができる管理対象サーバーのクラスタを作成します。
クラスタの「フロントエンド・ホスト」プロパティも設定します。これにより、WebLogic Serverは必要に応じてWebサービス・コールバックやその他のリダイレクトを、各リクエストのHOSTヘッダーにあるアドレスではなく、ロード・バランサ上のwcc.example.com
にリダイレクトするようになります。
wcc.example.com
仮想サーバー・アドレスの詳細は、「ハードウェア・ロード・バランサでの仮想ホストの構成」を参照してください。
「クラスタ」画面を使用して、新しいクラスタを作成します。
「追加」ボタンをクリックします。
「クラスタ名」フィールドでWCCUI_Cluster
を指定します。
注意:
デフォルトでは、クラスタ内のサーバー・インスタンスは、ユニキャストを使用して相互に通信します。マルチキャストを使用するようにクラスタの通信を変更する場合は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』のユニキャストまたはマルチキャストを選択する際の考慮事項に関する項を参照してください。
ヒント:
この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「クラスタ」に関する項を参照してください。
「サーバーのクラスタへの割当」画面を使用して、WLS_WCCUI1
およびWLS_WCCUI2
を新規クラスタWCCUI_Cluster
に割り当てます。
「クラスタ」ペインで、サーバーを割り当てるクラスタ(ここではWCCUI_Cluster
)を選択します。
「サーバー」ペインで、次のいずれかの操作を実行して、WLS_WCCUI1をWCCUI_Cluster
に割り当てます。
WLS_WCCUI1
管理対象サーバーを1回クリックして選択し、右矢印をクリックして「クラスタ」ペインで選択されているクラスタの下に移動します。
WLS_WCCUI1
をダブルクリックして、クラスタ・ペインで選択されているクラスタの下に移動します。
同じ手順を繰り返して、WLS_WCCUI2
をWCCUI_Cluster
に割り当てます。
ヒント:
この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「サーバーのクラスタへの割当」に関する項を参照してください。
「Coherenceクラスタ」画面を使用して、ドメインに自動的に追加されるCoherenceクラスタを構成します。ポート番号値は、初期インフラストラクチャ・ドメインの作成中に定義されているため、0
のままにします。
注意:
Coherenceライセンス情報については、『Oracle Fusion Middlewareライセンス情報』のOracle Coherenceに関する項を参照してください。
「Unixマシン」タブで、初期インフラストラクチャ・ドメインの作成時に作成したマシンの名前を確認します。
「次へ」をクリックします。
「サーバーのマシンへの割当」画面を使用して、作成したばかりのOracle WebCenter Contentユーザー・インタフェース管理対象サーバーを、ドメイン内の対応するマシンに割り当てます。
WLS_WCCUI1
をWCCHOST1
、WLS_WCCUI2
をWCCHOST2
に割り当てます。
ヒント:
この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「サーバーのマシンへの割当」に関する項を参照してください。
「構成サマリー」画面には、これから作成するドメインに関する詳細な構成情報が表示されます。この画面に示された各項目の詳細を調べて、情報に間違いがないことを確認します。
変更が必要な場合は、「戻る」ボタンを使用するか、ナビゲーション・ペインで画面を選択することで任意の画面に戻れます。
「更新」をクリックするまで、ドメインの作成は開始されません。
ヒント:
この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成サマリーに関する項を参照してください。
「構成に成功しました」画面には、構成したばかりのドメインについて、次の項目が表示されます。
ドメインの場所
管理サーバーURL
どちらの項目も後で必要になるため、メモしておく必要があります。ドメインの場所は、ノード・マネージャと管理サーバーの起動に使用するスクリプトへのアクセスで必要になります。また、URLは管理サーバーへのアクセスで必要になります。
「終了」をクリックして、構成ウィザードを閉じます。
管理サーバーを起動して、ドメインに行った変更が適用されたことを確認します。
起動スクリプトとクラスパス構成を管理サーバーのドメイン・ディレクトリから管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリに伝播します。
高可用性を保証するために、Fusion Middleware Controlの「システム構成」ページを使用して、WebCenter Contentユーザー・インタフェースのシステム・レベルの構成設定を変更できます。このページの設定によってWebCenter Contentユーザー・インタフェースのMBeanがドメイン用に構成されます。
システム・レベルの設定をFusion Middleware Controlで変更する方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Captureの管理のシステム構成設定の変更に関する項を参照してください。
次のパラメータを変更します。
AdfScopeHaSupport
= true
ClusterCompatible
= true
TemporayDirectory
=/u01/oracle/config/domains/WCCDomain/WCCUI_Cluster/tempdir
PropConnectionUrl
=idc://wccinternal.example.com:6300
「適用」をクリックします。
「ADF構成」をクリックします。
この「構成」画面で「操作」タブをクリックします。
保存と呼出しをクリックして構成を保存します。
WebCenter Contentユーザー・インタフェース・クラスタを使用してOracle HTTP Serverを構成し、クラスタのフロントエンドHTTPホストおよびポートを設定し、ロード・バランサを介してアクセスを検証します。
このセクションでは、次のタスクについて説明します。
http://wcc.example.com/wcc
にアクセスし、正しく動作していることを確認します。(Captureサーバーが停止しているため、レポートやデータは取得できません。)http://wcc.example.com/wcc
にアクセスし、正しく動作していることを確認します。WebCenter Contentユーザー・インタフェースのワークフロー構成を完了するには、管理対象サーバーを再起動し、構成を確認する必要があります。UseDatabaseWfInQueue
構成変数により、WebCenter Contentユーザー・インタフェースは、ユーザーに割り当てられたワークフローにフィルタを適用できるようになります。EmailNotificationType
構成変数では、ワークフローとサブスクリプションが異なるコンテンツ・サーバー・ユーザー・インタフェースに含まれる場合に、通知電子メール内のリンクがポイントする先を指定します。この構成変数のデフォルト値は、NativeWebUI
です。