次の各項では、Oracle SOA Suite for healthcare integration (Oracle Healthcare)を追加するためのドメイン拡張の手順を説明します。
b2b.HAInstance
プロパティをtrue
に設定します。B2BAdmin
管理ロールをエンタープライズ・デプロイメントの管理グループ(SOA Administrators
)に追加します。SOA_Cluster
に自動サービス移行がすでに構成されている場合、Oracle Healthcareソフトウェアは自動サービス移行によってすでに保護されています。この章のタスクを実行する際、この項にリストするディレクトリ変数を使用します。
いくつかのディレクトリ変数の値については、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」に定義されています。
ORACLE_HOME
ASERVER_HOME
MSERVER_HOME
OHS_DOMAIN_HOME
JAVA_HOME
さらに、「エンタープライズ・トポロジによって必要とされる物理および仮想IPアドレス」で定義されている次の仮想IP (VIP)アドレスを参照することになります。
ADMINVHN
この章のアクションは、次のホスト・コンピュータで実行します。
SOAHOST1
SOAHOST2
WEBHOST1
WEBHOST2
Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationでは、Oracle SOA Suiteの複数の機能を使用して、医療データを処理するアプリケーションの設計、作成、管理ができます。
Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationの詳細は、Oracle SOA Suite Healthcare Integrationユーザーズ・ガイドのOracle SOA Suite for Healthcare Integrationの概要に関する項を参照してください。
エンタープライズ・デプロイメントでOracle SOA Suite for Healthcare Integrationを構成する場合、Healthcareを独自のドメイン内に構成することが推奨されます。この推奨事項の詳細は、Oracle SOA Suite Healthcare Integrationユーザーズ・ガイドのB2BおよびHealthcareドメイン・トポロジのベスト・プラクティスに関する項を参照してください。
Oracle Healthcareを含めることでドメインを拡張する前に、Oracle Healthcareに固有の次の重要な前提条件に留意してください。
Oracle Healthcareソフトウェアを含めることで既存のドメインを拡張できるのは、Oracle SOA Suiteドメイン構成テンプレートを使用してドメインが構成された場合のみです。Oracle Healthcareを含めることでOracle BPM、Oracle BAMまたはOracle OSBドメインを拡張することはできません。
この章では、「Oracle SOA Suiteを含めるドメインの拡張」の各手順が実行されていることを前提としています。
Oracle SOA InfrastructureスキーマをOracle SOA Suiteのインストールおよび構成の一部としてインストールした場合は、Healthcare Integration RCUカスタム変数をYESに設定する必要があります。Healthcare Integrationカスタム変数の値として「YES」を入力すると、RCUは、データベース内に追加のマテリアライズド・ビューを作成します。Healthcare Integrationユーザー・インタフェースには、このビューが必要になります。
「NO」を入力した場合は、次に示すSQLスクリプトをデータベースで実行することで、これに該当する追加のスキーマ構成タスクを後から実行できます。このスクリプトは、B2Bインストール・タイプにHealthcareを選択すると、Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームにインストールされます。
ORACLE_HOME/soa/common/sql/soainfra/sql/oracle/b2b_mv.sql
さらに、既存のデプロイメントが、ドメインを拡張するための次の一般的な前提条件を満たしていることを確認します
インストールのバックアップ - 既存のFusion Middlewareホームとドメインをバックアップしていない場合は、今すぐバックアップすることをお薦めします。
既存のFusion Middlewareホームとドメインをバックアップするには、「SOAエンタープライズ・デプロイメントにおけるバックアップとリカバリの実行」を参照してください。
共有記憶域のOracleホームにInfrastructureおよびSOAソフトウェア・バイナリがインストールされ、SOAHOST1とSOAHOST2から使用できることを確認します。
前の章の説明のとおり、SOAシステムを実行するために、ノード・マネージャ、管理サーバー、SOAサーバーおよびWSMサーバーがすでに構成されていること。必要に応じて、サーバー移行、トランザクション・ログ、一貫性など、SOAシステムのその他のすべての構成手順が完了していること。
各ホスト・コンピュータのシステム・クロックが同期していることを確認します(まだ、確認していない場合)。これは、各クラスタ内のホストで可能なかぎり同時にdateコマンドを実行することで行えます。
また、そのために使用できるサードパーティおよびオープンソースのユーティリティもあります。
エンタープライズ・デプロイメント用の新規ドメインを構成する準備として、次の各項を参照してOracle Fusion Middleware Infrastructureソフトウェアをインストールします。
インストール・プログラムを起動するには、次の手順を実行します。
インストール・プログラムが表示されると、インストールを開始する準備ができています。各インストール・プログラム画面の説明については、「インストール画面のナビゲート」を参照してください。
表17-1 は、インストール・プログラムの各画面の説明です。
表18-1 Oracle B2BおよびHealthcareのインストール画面
画面 | 説明 |
---|---|
インストール・インベントリの設定 |
この画面は、UNIXオペレーティング・システムで、このホストに初めてOracle製品をインストールする場合に表示されます。中央インベントリを作成する場所を指定します。この画面で選択したオペレーティング・システム・グループ名には、中央インベントリの場所への書込み権限があることを確認してください。 中央インベントリの詳細は、Oracle Universal InstallerによるソフトウェアのインストールでOracle中央インベントリの理解に関する項を参照してください。 |
自動更新 |
この画面では、使用可能なパッチを探してMy Oracle Supportを自動的に検索するか、組織にすでにダウンロードしたパッチを探してローカル・ディレクトリを自動的に検索します。 |
インストールの場所 |
この画面を使用してOracleホーム・ディレクトリの位置を指定します。 Oracle Fusion Middlewareディレクトリ構造の詳細は、Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングでインストールと構成のディレクトリの選択に関する項を参照してください。 |
インストール・タイプ |
この画面を使用してインストールのタイプと、それに従ってインストールされる製品および機能を選択します。
注意: このドキュメントのトポロジには、例は含まれていません。例を本番環境にインストールしないことを強くお薦めします。 |
前提条件のチェック |
この画面では、ご使用のシステムが最小要件を満たしていることを検証します。 |
インストール・サマリー |
この画面を使用して、選択したインストール・オプションを確認します。これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を指定します。レスポンス・ファイルは、今後、サイレント・インストールを実行する場合に使用できます。 サイレント・インストールやコマンド行インストールの詳細は、Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストールでサイレント・モードにおけるOracle Universal Installerの使用方法に関する項を参照してください。 「インストール」をクリックしてインストールを開始します。 |
インストールの進行状況 |
この画面では、インストールの進行状況を参照できます。 進捗バーが100%完了になった後で、「次へ」をクリックします。 |
インストール完了 |
この画面の情報を確認してから、「終了」をクリックしてインストーラを終了します。 |
インストールの完了後、次のタスクを正常に実行することでインストールを検証できます。
インストール・ログ・ファイルの内容を確認し、何も問題が発生していないことを確認します。ログ・ファイルの説明とその場所の詳細は、Oracle Universal Installerを使用したソフトウェアのインストールのインストール・ログ・ファイルの理解に関する項を参照してください。
Oracle Healthcareを追加するためにドメインを拡張するには、次の項を参照してください。
注意:
ドメインで起動スクリプトに直接カスタマイズを追加した場合、それらのカスタマイズは構成ウィザードによって上書きされます。ドメイン内のすべてのサーバーに適用するサーバー起動パラメータをカスタマイズするために、setUserOverrides.sh
という名前のファイルを作成して、WebLogic Serverのクラスパスへのカスタム・ライブラリの追加、サーバーを実行するための追加のjavaコマンド行オプションの指定、追加の環境変数の指定などを行うように構成できます。このファイルに追加したカスタマイズは、ドメインのアップグレード操作時に保持され、pack
コマンドとunpack
コマンドの使用時にリモート・サーバーに継承されます。
ドメインの構成を開始するには:
この項の手順に従って、Oracle Healthcare用にドメインを拡張します。
注意:
この項で説明する手順を使用して、既存のドメインを拡張することもできます。この手順の説明では要件が満たされない場合は、その要件に応じた選択を行うか、サポート・ドキュメントで追加の詳細を参照してください。
ドメインを作成して構成するためのタスクは次のとおりです。
「構成タイプ」画面で、「既存ドメインの更新」を選択します。
「ドメインの場所」フィールドで、ASERVER_HOME
変数の値を選択します。これは、「エンタープライズ・デプロイメント用の初期インフラストラクチャ・ドメインの作成」で作成した管理サーバー・ドメイン・ホームの完全なパスを表します。
ディレクトリの場所の変数の詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください
ヒント:
この画面のその他のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成タイプに関する項を参照してください。
「テンプレート」画面で「製品テンプレートを使用してドメインを更新」が選択されていることを確認した後に、次のテンプレートを選択します。
Oracle SOA Suite for healthcare integration — 12.2.1.0 [soa]
このテンプレートを選択すると、次が依存関係として自動的に選択されます。
Oracle B2B — 12.2.1.0 [soa]
また、次の追加のテンプレートも、初期ドメインの作成と初期ドメインのSOAへの拡張に使用されているため、すでに選択されているはずです。
Basic Weblogic Server Domain - 12.2.1.0 [wlserver]
Oracle SOA Suite 12.2.1.0 [soa]
Oracle Enterprise Manager - 12.2.1.0 [em]
Oracle WSM Policy Manager - 12.2.1.0 [oracle_common]
Oracle JRF - 12.2.1.0 [oracle_common]
WebLogic Coherenceクラスタの拡張 - 12.2.1.0 [wlserver]
ヒント:
この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のテンプレートに関する項を参照してください。
Infrastructureドメインに必要なFusion Middlewareスキーマを参照するためのドメインをすでに構成済であるため、すべてのフィールドが事前移入されています。Oracle HealthcareではSOAに既存のデータ・ソースが使用され、ドメインに新しいデータ・ソースを追加する必要はありません。
注意:
拡張前に作成されたカスタム・データ・ソース(LEASINGデータ・ソースなど)が、この画面の前に表示されます。「データソース」行を確認し、「次へ」をクリックします。データ・ソースのテスト画面で、その有効性が検証されます。「次へ」をクリックします。
トポロジのドメイン構成を完了するには、「拡張構成」画面で追加オプションを選択せずに、「次へ」をクリックします。Oracle Healthcareアプリケーションと必要なアーティファクトが、自動的に、既存のSOAサーバーにターゲット指定されます
「構成サマリー」画面には、これから作成するドメインに関する詳細な構成情報が表示されます。この画面に示された各項目の詳細を調べて、情報に間違いがないことを確認します。
変更が必要な場合は、「戻る」ボタンを使用するか、ナビゲーション・ペインで画面を選択することで任意の画面に戻れます。
「ドメイン更新」をクリックするまで、ドメインの作成は開始されません。
ヒント:
この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成サマリーに関する項を参照してください。
「構成に成功しました」画面には、構成したばかりのドメインについて、次の項目が表示されます。
ドメインの場所
管理サーバーURL
どちらの項目も後で必要になるため、メモしておく必要があります。ドメインの場所は、管理サーバーの起動に使用するスクリプトへのアクセスで必要になります。また、URLは管理サーバーへのアクセスで必要になります。
「終了」をクリックして、構成ウィザードを閉じます。
管理サーバーを起動して、ドメインに行った変更が適用されたことを確認します。
この項では、ドメイン内に構成したOracle Healthcareコンポーネントを起動する方法について説明します。この手順では、Oracle Healthcareが構成されている管理対象サーバーを再起動する必要があります。これにより、構成変更および起動スクリプトが適切に更新され、検証されます。既存のドメインを拡張するため、管理サーバーおよびそれぞれのノード・マネージャは、両方のアプリケーション・サーバー・ホストですでに稼働しています。
ファイル、FTPまたは電子メール・トランスポートを高可用性環境で設定するには、b2b.HAInstance
プロパティをtrue
に設定します。
Oracle Healthcareサーバーに影響を与えるすべての負荷を避けるために、次の手順を実行することをお薦めします。
Oracle HTTP Serverインスタンスの構成ファイルに対して次の変更を行い、Web層のOracle HTTP Serverインスタンスが、Oracle HealthcareリクエストをOracle SOA Suiteクラスタに正しくルーティングできるようにします。
Oracle HTTP ServerがOracle Healthcareにリクエストをルーティングできるようにする手順:
管理対象サーバーのOracle B2B構成を検証する前に、B2BAdmin
管理ロールをエンタープライズ・デプロイメントの管理グループ(SOA Administrators
)に追加します。
このタスクを実行するには、「Oracle SOA Suite製品の管理のためのロールの構成」を参照してください。
次の手順を使用して、ロード・バランサからHTTP Serverインスタンスを経て、Oracle SOA Suite管理対象サーバー上のOracle Healthcareコンポーネントに対して行われるルーティングとフェイルオーバーが、適切に機能することを確認します。
注意:
前にOracle SOA Suite管理対象サーバーを構成した場合、WebLogicプラグインが有効化されているはずです。このタスクを実行していない場合は、「WebLogicプロキシ・プラグインの構成」を参照してください。
Oracleのベスト・プラクティスとしては、ドメインの構成が正常に完了した後や別の論理ポイントでバックアップを作成することをお薦めします。インストールが正常に行われたことを確認したら、バックアップを作成します。これは、後の手順で問題が発生した場合に即座にリストアするための迅速なバックアップになります。
バックアップ先はローカル・ディスクです。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了すると、このバックアップは破棄できます。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了したら、バックアップとリカバリの通常のデプロイメント固有プロセスを開始できます。
構成をバックアップする方法の詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントのバックアップとリカバリの実行」を参照してください。
エンタープライズ・トポロジでは、Oracle Healthcareは、既存のOracle SOA Suite管理対象サーバー上で構成されています。SOA_Cluster
に自動サービス移行がすでに構成されている場合、Oracle Healthcareソフトウェアは自動サービス移行によってすでに保護されています。
Oracle Healthcareが構成されている管理対象サーバーに自動サービス移行が構成されていない場合は、「エンタープライズ・デプロイメントでの自動サービス移行の構成」を参照してください。
可用性を高めるために、データベース内にトランザクション・ログ・ストアとJMSストアを構成することもできます。詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントでのTLOGおよびJMSに対するJDBC永続ストアの使用」を参照してください。