このトピックで説明するオプションのコマンドライン・インタフェース引数を使用して、Oracle Fusion Middlewareコンポーネントを最新のバージョンにアップグレードできます。また、一部のアップグレード・タスクを自動化するレスポンス・ファイルを作成することもできます。
この節の内容は以下のとおりです。
表3-1に、Upgrade AssistantをGUIモードで実行する際に使用できるコマンドライン・パラメータをリストします。次の例は、これらのパラメータを各オペレーティング・システムで使用する方法を示します。
UNIXオペレーティング・システムの場合:
ディレクトリをORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/binに変更します。
コマンドを入力します: ./ua -help
Windowsオペレーティング・システムの場合:
ディレクトリをORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/binに変更します。
コマンドを入力します: ua.bat -help
注意:
Oracle Upgrade Assistantを起動するときに、「サーバーに接続できません。」、「サーバーによって接続が拒否されました」または「表示を開くことができません」などのXlibエラーが発生する場合、「DISPLAY環境変数の設定」の説明に従ってDISPLAY環境変数を設定して、Upgrade Assistantを再起動する必要があります。表3-1 Upgrade Assistant GUIコマンドライン・パラメータ
| パラメータ | 必須パラメータ/オプション・パラメータ | 説明 |
|---|---|---|
|
オプション。 |
ロギング・レベル。次のいずれかを選択します。
デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。 注意: トラブルシューティングする場合、-logLevelをTRACEに設定すると、より多くの情報がロギングされます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があるため、別の情報が必要ない場合は、logLevelを変更してください。注意: TRACEメッセージは、Upgrade Assistantログ・ファイル・ビューアに含まれていません。TRACEメッセージを表示するには、別のツールを使用する必要があります。 |
|
オプション。 注意: Upgrade Assistantが読取り専用ディレクトリにインストールされている場合、ログ・ディレクトリを書込み可能にするには、このパラメータを指定する必要があります。ログ・ディレクトリが読取り専用である場合、Upgrade Assistantは機能しなくなります。 |
アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を変更します。Upgrade Assistantによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。 UNIXオペレーティング・システムの場合、デフォルトの場所は次のとおりです。 ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp Windowsオペレーティング・システムの場合、デフォルトの場所は次のとおりです。 ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp |
|
オプション | スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。 値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4スレッドです。 |
|
準備状況チェックに必要 | 実際の調査またはアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。 スキーマおよび構成がチェックされます。 注意: -readinessオプションは、コマンドラインに-examineオプションとともには表示されない場合があります。詳細は、「準備状況チェックの実行」を参照してください |
|
オプション。 |
コマンドライン・オプションをすべてコンソールに出力します。 |
サイレントまたはハンズフリー・アップグレードはレスポンス・ファイルを使用して実行できます。レスポンス・ファイルはUpgrade Assistantの画面で情報を入力した後でのみ作成できます。
次のトピックでは、レスポンス・ファイルを使用して、サポートされているOracle Fusion Middlewareコンポーネントをサイレント・モードでアップグレードする方法について説明します。このレスポンス・ファイルは、Upgrade Assistantのグラフィカル・ユーザー・インタフェース画面で入力したすべての情報を収集し、Upgrade Assistantウィザードの機能とまったく同じ機能を実行します。
「アップグレード・サマリー」画面の「レスポンス・ファイルの保存」オプションは、Upgrade Assistant画面ですでに入力した情報を使用するファイルを作成します。レスポンス・ファイルにより、Upgrade Assistantウィザードの画面を介してデータを手動で入力するかわりに、保存された情報を使用できます。
「レスポンス・ファイルの保存」オプションを選択すると、このレスポンス・ファイルの名前と作成場所を入力するように求められます。作成されたら、そのファイルをそのまま使用して他のシステムにアップグレード・オプションを複製するか、必要に応じて変更できます。
詳細は、「レスポンス・ファイルを使用したFusion Middlewareのアップグレード」を参照してください。
コマンドライン・インタフェース(CLI)からレスポンス・ファイルを使用してアップグレードを実行するには、次のコマンドを使用します。
UNIXオペレーティング・システムでは、次のようにします。
ディレクトリをORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin に変更します。
次を実行します。
./ua -response <response_file> [-examine] [-logLevel <log_level>] [-logDir <log_directory>] [-threads <number>]Windowsオペレーティング・システムの場合:
ディレクトリをORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin に変更します。
次を実行します。
ua.bat -response <response_file> [-examine] [-logLevel <log_level>] [-logDir <log_directory>] [-threads <number>]表3-2 Upgrade Assistantのレスポンス・ファイル・モードのコマンドライン・パラメータ
| パラメータ | 必須パラメータ/オプション・パラメータ | 説明 |
|---|---|---|
|
準備状況チェックに必要 | 実際の調査またはアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。 スキーマおよび構成がチェックされます。 注意: -examineパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。詳細は、「準備状況チェックの実行」を参照してください |
|
オプション | スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。 値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4スレッドです。 |
|
必須。 |
アップグレードを実行するには、入力が含まれているファイルが必要です。このファイルは、グラフィカル・モードでUpgrade Assistantを実行しているときに入力した入力から生成できます。 |
|
オプション。 |
このオプションが有効になっている場合、Upgrade Assistantは調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは行いません。 注意: -readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。 |
|
オプション。 |
ロギング・レベル。次のいずれかを選択します。
デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。 注意: -logLevelをTRACEに設定すると、より多くの情報がロギングされます。これは、失敗したアップグレードをトラブルシューティングするときに役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。 |
|
オプション。 |
アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を変更します。Upgrade Assistantによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。 UNIXオペレーティング・システムの場合、デフォルトの場所は次のとおりです。
Windowsオペレーティング・システムの場合、デフォルトの場所は次のとおりです。
|
|
オプション。 |
すべてのコマンドライン・オプションを表示します。 |