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Oracle® Fusion Middleware Oracle Traffic Directorの管理
12c (12.2.1)
E70065-01
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9 リスナーの管理

クライアントとOracle Traffic Directorインスタンス間の接続は、HTTPリスナーおよびTCPリスナーを介して作成されます。各リスナーは、IPアドレス(またはホスト名)およびポート番号の一意の組合せです。

この章では、リスナーを作成、表示、変更および削除する方法を説明します。この章の内容は、次のとおりです。

9.1 リスナーの作成

Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、リスナーを作成できます。


注意:

WLSTの使用方法の詳細は、1.7.1項「WebLogic Scripting Toolへのアクセス」を参照してください。

始める前に

リスナーの作成を開始する前に、次の項目を決定します。

  • リスナーの一意の名前。リスナーを作成した後は名前を変更できないため、名前は慎重に選択してください。

  • リスナーに対する、IPアドレス(またはホスト名)とポート番号の一意の組合せ。

    同じIPアドレスと様々なポート番号の組合せ、または単一のポート番号と様々なIPアドレスの組合せを持つ複数のリスナーを定義できます。次のIPアドレスとポート番号の組合せそれぞれが、一意のリスナーと見なされます。

    10.10.10.1:80
    10.10.10.1:81
    10.10.10.2:80
    10.10.10.2:81
    
  • HTTPリスナーの場合: リスナーのデフォルトの仮想サーバー。

    Oracle Traffic Directorは、リクエスト・ヘッダーのHost値が、リスナーにバインドされている仮想サーバーに指定されたホスト・パターンと一致しない場合、デフォルトの仮想サーバーにリクエストをルーティングします。

    仮想サーバーのホスト・パターンの指定の詳細は、7.1項「仮想サーバーの起動」を参照してください。

  • HTTPリスナーの場合: サーバーによって自動的に生成され、クライアントに送信されるURLに含まれるサーバー名。このサーバー名は、仮想ホスト名であるか、またはサーバーで別名が使用されている場合、別名である必要があります。コロンとポート番号がサーバー名に追加されている場合、このポート番号は自動生成されたURLで使用されます。

  • TCPリスナーの場合: リスナーのTCPプロキシ。

    トラフィック・トンネリングを行うためTCPプロキシはTCPリスナーを介してTCPリクエストを処理します。TCPプロキシには複数のTCPリスナーを関連付けることができます。TCPリスナーを関連付け、このページでTCPプロキシの設定を構成します。

    TCPプロキシの作成の詳細は、8.1項「TCPプロキシの作成」を参照してください。

Fusion Middleware Controlを使用したHTTPリスナーの作成

Fusion Middleware Controlを使用してHTTPリスナーを作成するには、次を実行します。

  1. 1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってFusion Middleware Controlにログインします。

  2. ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。

  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. HTTPリスナーを作成する構成を選択します。

  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。

  6. 「管理」→「リスナー」を選択します。

  7. 「共通タスク」ペインで、「HTTPリスナー」の下にある「作成」をクリックします。

    新規HTTPリスナー・ウィザードが開始されます。

    図9-1 新規HTTPリスナー・ウィザード

    図9-1の説明が続きます
    「図9-1 新規HTTPリスナー・ウィザード」の説明

  8. 画面上のプロンプトに従い、前に決定済の詳細(リスナー名、IPアドレス、ポートなど)を使用して、HTTPリスナーの作成を完了します。


    注意:

    構成で証明書を使用できる場合は、ウィザードの2つ目の画面で「SSL/TLS」チェック・ボックスが使用可能になります。HTTPSリクエストを受信する新しいリクエストが必要な場合は、このチェック・ボックスを選択してSSL/TLSを有効にし、ドロップダウン・リストから適切な証明書を選択します。

    HTTPリスナーが作成された後、新規HTTPリスナー・ウィザードの「結果」画面にリスナーの作成が成功したことを示すメッセージが表示されます。

  9. 「結果」画面で、「OK」をクリックします。

    • 作成したリスナーの詳細が、「リスナー」ページに表示されます。

Fusion Middleware Controlを使用したTCPリスナーの作成

Fusion Middleware Controlを使用してTCPリスナーを作成するには、次を実行します。

  1. 「Fusion Middleware Controlを使用したHTTPリスナーの作成」の手順1、2および3を実行します

  2. ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。

  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. TCPリスナーを作成する構成を選択します。

  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。

  6. 「管理」→「リスナー」を選択します。

  7. 「共通タスク」ペインで、「TCPリスナーの作成」をクリックします。

    新規TCPリスナー・ウィザードが開始されます。

    図9-2 新規TCPリスナー・ウィザード

    図9-2の説明が続きます
    「図9-2 新規TCPリスナー・ウィザード」の説明

  8. 画面上のプロンプトに従い、前に決定済の詳細(リスナー名、IPアドレス、ポートなど)を使用して、TCPリスナーの作成を完了します。


    注意:

    構成で証明書を使用できる場合は、ウィザードの2つ目の画面で「SSL/TLS」チェック・ボックスが使用可能になります。T3Sリクエストを受信する新しいリクエストが必要な場合は、このチェック・ボックスを選択してSSL/TLSを有効にし、ドロップダウン・リストから適切な証明書を選択します。

    TCPリスナーが作成された後、新規TCPリスナー・ウィザードの「結果」画面にリスナーの作成が成功したことを示すメッセージが表示されます。

  9. 「結果」画面で、「OK」をクリックします。

    • 作成したリスナーの詳細が、「リスナー」ページに表示されます。

WLSTを使用したリスナーの作成

  • HTTPリスナーを作成するには、otd_createHttpListenerコマンドを実行します。

    たとえば、次のコマンドでは、構成fooにポート番号が23456、デフォルト仮想サーバーがbarであるhttp-listener-1という名前のHTTPリスナーが作成されます。

    props = {}
    props['configuration'] = 'foo'
    props['http-listener'] = 'http-listener-1'
    props['port'] = '23456'
    props['server-name'] = 'example.com'
    props['default-virtual-server-name'] = 'bar'
    otd_createHttpListener(props)
    
  • TCPリスナーを作成するには、otd_createTcpListenerコマンドを実行します。

    たとえば、次のコマンドでは、構成fooにポート番号が34567、TCPプロキシがtcp_proxy-1であるtcp_listener_1という名前のTCPリスナーが作成されます。

    props = {}
    props['configuration'] = 'foo'
    props['tcp-listener'] = 'tcp-listener-1'
    props['port'] = '34567'
    props['tcp-proxy-name'] = 'tcp-proxy-1'
    otd_createTcpListener(props)
    

otd_createHttpListenerおよびotd_createTcpListenerの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。

9.2 リスナー・リストの表示

Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、HTTPまたはTCPリスナーのリストを表示できます。


注意:

WLSTの起動の詳細は、1.7.1項「WebLogic Scripting Toolへのアクセス」を参照してください。

Fusion Middleware Controlを使用したリスナーのリストの表示

Fusion Middleware Controlを使用してHTTPまたはTCPリスナーのリストを表示するには、次を実行します。

  1. 1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってFusion Middleware Controlにログインします。

  2. ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。

  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. HTTPリスナーまたはTCPリスナーを表示する構成を選択します。

  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。

  6. 「管理」→「リスナー」を選択します。

    「リスナー」ページが表示されます。構成に定義されたリスナー・リストが表示されます。


    注意:

    HTTPリスナーおよびTCPリスナーはアイコンでも区別ができます。

名前をクリックすると、リスナーのプロパティの詳細を表示できます。

WLSTを使用したリスナーのリストの表示

  • HTTPリスナー・リストを表示するには、次の例に示すように、otd_listHttpListenersコマンドを実行します。

    props = {}
    props['configuration'] = 'foo'
    otd_listHttpListeners(props)
    
    listener-1 
    listener-2 
    

    otd_getHttpListenerPropertiesコマンドを実行することで、HTTPリスナーのプロパティの詳細を表示できます。

    otd_listHttpListenersおよびgotd_getHttpListenerPropertiesコマンドの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。

  • TCPリスナー・リストを表示するには、次の例に示すように、otd_listTcpListenersコマンドを実行します。

    props = {}
    props['configuration'] = 'foo'
    otd_listTcpListeners(props)
    
    listener-1 
    listener-2 
    

    otd_getTcpListenerPropertiesコマンドを実行することで、TCPリスナーのプロパティの詳細を表示できます。

    otd_listTcpListenersおよびotd_getTcpListenerPropertiesコマンドの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。

9.3 リスナーの変更

Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、リスナーを変更できます。


注意:

WLSTの起動の詳細は、1.7.1項「WebLogic Scripting Toolへのアクセス」を参照してください。

Fusion Middleware Controlを使用したリスナーの変更

Fusion Middleware Controlを使用してHTTPまたはTCPリスナーを変更するには、次を実行します。

  1. 1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってFusion Middleware Controlにログインします。

  2. ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。

  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. HTTPリスナーまたはTCPリスナーを変更する構成を選択します。

  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。

  6. 「管理」→「リスナー」を選択します。

    「リスナー」ページが表示されます。構成に定義されているHTTPまたはTCPリスナーのリストが表示されます。

  7. 変更するリスナーの名前をクリックします。

    「リスナー設定」ページが表示されます。このページで、次の処理が可能です。

    • リスナーの有効化および無効化。

    • リスナー・ポート番号とIPアドレスの変更。

    • HTTPリスナーの場合: サーバー名とデフォルト仮想サーバーの変更。

    • TCPリスナーの場合: TCPプロキシの変更。

    • サーバー証明書が構成に作成済の場合、SSL/TLSの有効化と、リスナーのSSL/TLS設定の構成。詳細は、10.1.2項「リスナーのSSL/TLSの構成」を参照してください。

    • リスナーがリクエストを受け入れる必要があるプロトコル・ファミリ(IPv4、IPv6またはSDP)の変更。

    • HTTPリスナーの場合: 仮想サーバーのパフォーマンスをチューニングするためのパラメータ(アクセプタ・スレッド数、リスニング・キュー・サイズ、受信バッファ・サイズなど)の構成。詳細は、14.4項「HTTPリスナー設定のチューニング」を参照してください。

  8. 変更するパラメータを指定します。

    画面上のヘルプおよびプロンプトがすべてのパラメータに提供されています。

    フィールドの値を変更する、または変更したテキスト・フィールドからタブアウトすると、ページの右上隅にある「保存」ボタンが有効になります。

    「リセット」ボタンをクリックすることで、いつでも変更を破棄できます。

  9. 必要な変更を行った後、「保存」をクリックします。

    • 更新されたリスナーが保存されたことを確認するメッセージが、「コンソール・メッセージ」ペインに表示されます。

    • さらに、「デプロイメント保留中」メッセージが、メイン・ペインの上部に表示されます。3.3項「構成の変更のアクティブ化」の説明に従い、「変更のデプロイ」をクリックして更新した構成を即時にデプロイすることも、さらに変更を行って、その後でデプロイすることもできます。

WLSTを使用したリスナーの変更

  • HTTPリスナーのプロパティを変更するには、otd_setHttpListenerPropertiesコマンドを実行します。たとえば、次のコマンドでは、構成foo内のリスナーhttp-listener-1の1接続当たりの最大リクエスト数が1024に変更されます。

    props = {}
    props['configuration'] = 'foo'
    props['http-listener'] = 'http-listener-1'
    props['max-requests-per-connection'] = '1024'
    otd_setHttpListenerProperties(props)
    

    HTTPリスナーのSSL/TLS設定を変更するには、otd_setHttpListenerSslPropertiesコマンドを実行します。たとえば、次のコマンドを実行すると、構成fooのリスナーhttp-listener-1のTLS 1.0サポートが無効になります。

  • props = {}
    props['configuration'] = 'foo'
    props['http-listener'] = 'http-listener-1'
    props['tls10'] = 'false'
    otd_setHttpListenerSslProperties(props)
    

    TCPリスナーのプロパティを変更するには、otd_setTcpListenerPropertiesコマンドを実行します。たとえば、次のコマンドでは、構成foo内のリスナーtcp-listener-1の1接続当たりの最大リクエスト数が1024に変更されます。

  • props = {}
    props['configuration'] = 'foo'
    props['tcp-listener'] = 'tcp-listener-1'
    props['max-requests-per-connection'] = '1024'
    otd_setTcpListenerProperties(props)
    

    TCPリスナーのSSL/TLS設定を変更するには、otd_setTcpListenerSslPropertiesコマンドを実行します。たとえば、次のコマンドを実行すると、構成fooのリスナーtcp-listener-1のTLS 1.0サポートが無効になります。

  • props = {}
    props['configuration'] = 'foo'
    props['tcp-listener'] = 'tcp-listener-1'
    props['tls10'] = 'false'
    otd_setTcpListenerSslProperties(props)
    

otd_setTcpListenerPropertiesおよびSslPropertiesコマンドを使用して設定または変更できるプロパティのリストは、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。

9.4 リスナーの削除

Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、HTTPまたはTCPリスナーを削除できます。


注意:

WLSTの起動の詳細は、1.7.1項「WebLogic Scripting Toolへのアクセス」を参照してください。

Fusion Middleware Controlを使用したリスナーの削除

Fusion Middleware Controlを使用してHTTPまたはTCPリスナーを削除するには、次を実行します。

  1. 1.7.2項「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従ってFusion Middleware Controlにログインします。

  2. ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。

  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. HTTPリスナーまたはTCPリスナーを削除する構成を選択します。

  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。

  6. 「管理」→「リスナー」を選択します。

    「リスナー」ページが表示されます。構成に定義されたHTTP/TCPリスナー・リストが表示されます。

  7. 削除するリスナーの「削除」アイコンをクリックします。

    リスナーの削除を確認するプロンプトが表示されます。


    注意:

    HTTPリスナーの場合: HTTPリスナーが仮想サーバーに関連付けられている場合、プロンプトには、それらの仮想サーバーが表示されます。

  8. 削除を続行するには、「はい」をクリックします。

    「コンソール・メッセージ」ペインに、HTTP/TCPリスナーが削除されたことを確認するメッセージが表示されます。

WLSTを使用したリスナーの削除

  • HTTPリスナーを削除するには、次の例に示すように、otd_deleteHttpListenerコマンドを実行します。

    props = {}
    props['configuration'] = 'foo'
    props['http-listener'] = 'http-listener-1'
    otd_deleteHttpListener(props)
    

    TCPリスナーを削除するには、次の例に示すように、otd_deleteTcpListenerコマンドを実行します。

    props = {}
    props['configuration'] = 'foo'
    props['tcp-listener'] = 'tcp-listener-1'
    otd_deleteTcpListener(props)
    

otd_deleteHttpListenerおよびotd_deleteTcpListenerの詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照してください。

9.5 特権ポートをリスニングするためのOTDの構成

次の手順に従って、特権ポートをリスニングするようにOTDを構成できます。

  1. 特権ポート用のリスニング・ソケットを作成するため、OTDには「portbind」という名前のバイナリがバンドルされています。

  2. OTDで特権ポートでのリスニングを必要とする場合、管理者は、次のように「portbind」の所有者をrootにして、setuid権限を与える必要があります

    • chown root portbind。

    • chmod 4750 portbind。

  3. サーバーのユーザーに、前の手順の実行に必要なグループの所有権があることを確認します

  4. OTDのウォッチドッグ・プロセスにより、「portbind」を使用して、特権ポートを必要とするリスニング・ソケットが作成されます