/apps
フォルダの内容をJARファイルに対してエクスポートとインポートを行う方法、/apps
フォルダの内容を別のSOAデザインタイムOracle Metadata Services Repository (MDSリポジトリ)に転送する方法、リリース11g MDSリポジトリをJARファイルにエクスポートする方法、およびSOA-MDS転送ウィザードを使用してデータをSOAデザインタイムMDSリポジトリと共有する方法を含む、共有データをSOAデザインタイムMDSリポジトリで管理する方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
SOAコンポジット・アプリケーションを作成すると、ファイルベースのSOAデザインタイムMDSリポジトリが自動的に作成されます。MDSリポジトリ名は変更できませんが、既存のファイルベースのリポジトリを指すように変更できます。通常は、バージョン制御システム(MDS)の場所を指します。共有操作はデザインタイム・リポジトリに対して行われます。これらの操作をデータベース・ベースMDSリポジトリに対して実行できません。
Oracle JDeveloperで、SOAデザインタイムMDSリポジトリに対して次の操作を実行できます。
Oracle SOA Suiteによって認識される次のフォルダをSOAデザインタイムMDSリポジトリで参照します。
/apps
: Oracle Service Busアーティファクトを含めて、共有データが格納されます。
/apps
フォルダや/apps
のサブフォルダの下に直接フォルダを作成します。
/apps
フォルダの下にあるファイルとサブフォルダを削除します。/apps
フォルダ自体は、削除できません。
/apps
フォルダの選択内容をJARファイルにエクスポートします。/apps
フォルダ自体は、JARファイルに含まれていません。
JARファイルの内容を/apps
フォルダの下にインポートします。JARファイルに/apps
がルート・フォルダとして含まれていると、デザインタイムMDSリポジトリの/apps
フォルダの下に作成されます。これによって、/apps/apps
のトップレベル・ディレクトリ構造が用意されます。
あるMDSリポジトリから別のMDSリポジトリに/apps
フォルダの内容を転送します。
既存のMDSリポジトリ(たとえば、リリース11gデータベース・ベースのMDSリポジトリ)をJARファイルにエクスポートします。このJARファイルはリリース12cデザインタイムMDSリポジトリにインポートできます。
SOAコンポジット・アプリケーションを作成すると、SOA_DesignTimeRepositoryという名前のファイルベースのSOAデザインタイムMDSリポジトリ接続が自動的に含まれます。デフォルトのディレクトリの場所は$JDEV_USER_DIR/soamds
です。
この接続は次の機能を提供します。
設計時に使用するファイル・ベースMDSリポジトリ。データベース・ベース型デザインタイムMDSリポジトリは、サポートされません。
すべてのMDSリポジトリは参照可能です。
デフォルトのリポジトリ場所は、別のフォルダやバージョン制御の場所を指すように変更できます。
すべてのSOA-MDS操作では、このSOAデザインタイムMDSリポジトリを使用します。
ウィザードにより、このMDSリポジトリで、WSDLやスキーマ・ファイルなどのデザインタイム・アーティファクトをSOAプロジェクトから共有できます。
注意:
共有データをSOAデザインタイムMDSリポジトリに追加して、リポジトリをバージョン制御システムでバックアップする場合、このデータをバージョン制御システムに追加する操作はOracle SOA Suiteでは提供されません。この共有データをバージョン制御システムに追加する必要があります。
adf-config.xml
ファイルにSOA-MDSリポジトリ(/apps
ネームスペース)が事前構成されているリリース11g SOAコンポジット・アプリケーションがある場合、すべての共有および消費操作は、adf-config.xml
に定義されている既存のリポジトリに対して実行されます。
SOAコンポジット・アプリケーションが作成されると、名前がSOA_DesignTimeRepositoryであるデフォルトSOA-MDS接続が自動的に含まれます。SOAデザインタイムMDSリポジトリの/apps
フォルダが自動的に作成されます。
注意:
Oracle JDeveloperプロジェクトのファイルがSOA_DesignTimeRepositoryを使用して共有されている場合は、元のファイルがSOAプロジェクトからデフォルトのSOA-MDSリポジトリに移動されます。
SOA-MDS転送ウィザードによって、SOAデザインタイムMDSリポジトリとWSDL、XSD、WADLおよびXQueryのファイルを共有できます。これらのファイルは他のSOAコンポジット・アプリケーションと共有できます。
ウィザードでは最初に、現在のアプリケーションのadf-config.xml
ファイルで定義された既存のデザインタイムMDSリポジトリとファイルの共有を試行します。MDSリポジトリがadf-config.xml
ファイルで定義されていないと、SOA_DesignTimeRepositoryを使用してアーティファクトが共有されます。
注意:
XSD、WSDL、WADLおよびXQueryのファイルのみを共有できます。さらに、これらのファイル・タイプのみがデザインタイムMDSリポジトリからランタイムMDSリポジトリに転送できます。
ネイティブのフォーマット・ビルダー・ウィザードを使用して作成した「アプリケーション」ウィンドウでXSDファイルを右クリックした場合、「SOAデザインタイムMDSリポジトリを使用して共有」オプションは使用できません。
SOAデザインタイムMDSリポジトリの/apps
フォルダの下でサブフォルダを作成および削除できます。/apps
フォルダは削除できません。
SOAデザインタイムMDSリポジトリの/apps
フォルダで選択内容をJARファイルにエクスポートできます。/apps
フォルダ自体は、JARにエクスポートされません。
SOAデザインタイムやデータベース・ベースのMDSリポジトリの/apps
フォルダにJARファイルの内容をインポートできます。/apps
がルート・フォルダとして含まれているJARファイルをインポートすると、デザインタイムMDSリポジトリの/apps
フォルダの下に作成されます。これによって、/apps/apps
のトップレベル・ディレクトリ構造が用意されます。
あるMDSリポジトリの/apps
フォルダの選択内容を別のMDSリポジトリの/apps
フォルダに転送できます。転送先となるMDSリポジトリのタイプに制限はありません。たとえば、ファイルベース・リポジトリの選択内容をデータベース・ベースMDSリポジトリに移動できますし、その逆もできます。
注意:
Oracle BPELデザイナ、ヒューマン・タスク・エディタまたはその他のエディタを開いた状態で、/apps
フォルダの内容を別のMDSリポジトリに転送しないでください。これを行う場合は、転送完了後にエディタを閉じてから再度開いてください。開いた状態のエディタでは、転送による変更が反映されず、完全に閉じないかぎり同期化されない状態になります。
リリース12cデザインタイムMDSリポジトリにインポートできるJARファイルにリリース11g MDSリポジトリをエクスポートできます。adf-config.xml
ファイルが/apps
で更新され、情報が格納されます。/apps
が定義されたadf-config.xml
ファイルがある(つまり、既存の共有リポジトリがある)場合は、リリース12cのリポジトリもエクスポートできます。
SOAデザインタイムMDSリポジトリで、ファイルを参照および選択できます。たとえば、「Webサービスの作成」ダイアログからアクセスする「WSDLチューザ」ダイアログには、図3-18 に示すとおり、SOAデザインタイムMDSリポジトリの選択項目が含まれます。
「タイプ・チューザ」ダイアログには「最近使用したファイル」フォルダが含まれ、このフォルダの情報はOracle JDeveloperセッションの間保持されます。たとえば、新しいBPELプロセスを作成し、SOAデザインタイムMDSリポジトリのスキーマから入力変数を定義する場合は、一度このスキーマに移動します。同じスキーマから出力変数を定義する場合は、そのスキーマは「最近使用したファイル」フォルダに引き続き表示されています。図3-19 に、「最近使用したファイル」フォルダを示します。