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Oracle® Fusion Middleware Oracle Stream Explorerの管理
12cリリース(12.2.1)
E72512-01
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1 サーバー管理の概要

Oracle Stream Explorerサーバー管理タスクには、ドメインの作成、ドメイン、サーバーおよびアプリケーションの管理が含まれます。このガイドでは、これらのタスクを実行するためにコマンドラインから実行するサーバー管理ツールについて説明します。

Oracle Stream Explorer Visualizerを使用することもできます。Visualizerは、Oracle Stream Explorerサーバーおよびドメインの管理、Oracle Stream Explorerのアプリケーションおよびセキュリティの側面の表示、開発、構成および監視が可能なブラウザ・ベースのツールです。『Oracle Stream Explorerビジュアライザの使用』を参照してください。

この章の内容は次のとおりです。

このガイドで説明するOracle Stream Explorer APIの詳細は、Oracle Stream Explorer Java APIリファレンスも参照してください。

1.1 サーバー提供サービス

Oracle Stream Explorerサーバーは、Oracle Stream Explorerアプリケーションをデプロイする論理的に関連付けられたリソースとサービスで構成されます。サービスは次のとおりです。

  • ネットワークI/O: サーバー/クライアントのインターネット・プロトコル(IP)ポート・アクセス、IPv4/IPv6のサポート、および各種ブロック/非ブロック・ネットワークI/Oプロバイダ。

  • セキュリティ: SSL、パスワード・ストアおよび認証と認可プロバイダなどのセキュリティ・サービス。

  • Jetty: HTTPパブリッシュ/サブスクライブ・サーバー: Webクライアントがチャネルにサブスクライブし、HTTPを介してこれらのチャネルに非同期メッセージをパブリッシュすることの有効化

  • Java Management Extensions (JMX): プログラムからOracle Stream Explorerサーバーおよびアプリケーション動作のアクセス。

  • JDBCデータソース: イベントの記録および再生に必要なイベントを格納するためのリレーショナル・データベースへのアクセス、およびOracle CQL問合せのイベント・ソースとしての表へのアクセス。

  • HTTPパブリッシュ/サブスクライブ・サーバー: Oracle Stream Explorer Visualizerおよび独自のWeb 2.0アプリケーションなどのサブスクライブされたクライアントへのイベント・メッセージの転送。

  • ロギング: サーバーおよびアプリケーション操作の監視およびトラブルシューティング。

1.2 サーバー・ドメイン

Oracle Stream Explorerドメインは、1つ以上のサーバーのセットの管理単位です。次の2種類のドメインがあります。

  • スタンドアロンサーバー・ドメイン: 単一のサーバーを含むドメインです。これは構成ウィザードによってデフォルトで作成されるタイプのドメインであり、マルチサーバー・ドメインの開始点です。「スタンドアロンサーバー・ドメイン」を参照してください。

  • マルチサーバー・ドメイン: 同じマルチキャスト・アドレス、マルチキャスト・ポート、ドメインおよびセキュリティ・プロバイダを共有する複数のサーバーを含むドメインです。マルチキャスト・アドレス、マルチキャスト・ポートおよびドメインは、ドメイン内のサーバーごとにconfig.xmlファイルで構成されます。マルチサーバー・ドメイン内にサーバー・グループを作成でき、指定したサーバー・グループ内の各サーバーにアプリケーションをデプロイできます。マルチサーバー・ドメイン内のサーバーは、同一コンピュータ上または別々のコンピュータ上に置くことができます。

1.3 サーバー・ライフ・サイクル

図1-1は、Oracle Stream Explorerサーバー・ライフ・サイクルの状態図を示しています。この図では、状態名(STARTINGRUNNINGおよびSHUTTING_DOWN)は、ServerRuntimeMBean.getStateメソッドの戻り値に対応します。このような状態はOracle Stream Explorer専用です。これらはOSGiバンドルの状態ではありません。

図1-1 サーバー・ライフ・サイクル状態図

「図1-1 サーバー・ライフ・サイクル状態図」の説明が続きます
「図1-1 サーバー・ライフ・サイクル状態図」の説明

1.3.1 サーバー起動アクション

Oracle Stream Explorerサーバーを起動した後、次のアクションを行います。

  1. コア・エンジン・バンドルを起動します。
  2. Oracle Stream Explorerバンドルおよび拡張機能ライブラリを起動します。
  3. MBeanを登録します。
  4. このときOracle Stream Explorerサーバーの状態はSTARTINGです。
  5. アプリケーション・ライブラリを起動してから、アプリケーション・バンドルを起動します。
  6. このときOracle Stream Explorerサーバーの状態はRUNNINGです。

1.3.2 サーバー停止アクション

Oracle Stream Explorerサーバーを停止した後、次のアクションを行います。

  1. Oracle Stream Explorerサーバーの状態はSHUTTING_DOWNです。
  2. ServerRuntimeMBeanを登録解除します。

    Oracle Stream Explorerサーバーには状態が割り当てられません。

  3. Oracle Stream Explorerバンドルを停止します。
  4. アプリケーション・バンドルを停止します。
  5. コア・エンジン・バンドルを停止します。

1.4 サーバー構成

サーバーを構成し、そのサーバーにデプロイされたアプリケーションを構成し、タスクを静的または動的に実行できます。静的な構成にはXMLファイルの編集が含まれます。動的な構成には、Oracle Stream Explorer Visualizer、wlevs.Adminコマンドライン・ツールまたはプログラムでJMX APIを使用した管理Bean (MBean)の操作が含まれます。

静的な構成

Jettyの構成などのサーバー構成タスクは静的でのみ実行できます。

サーバーを静的に構成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Stream Explorerサーバーを停止します。

  2. Oracle Stream Explorerサーバーのドメイン・ディレクトリにあるconfig.xmlファイルを編集します

  3. Oracle Stream Explorerサーバーを起動します。

動的な構成

一部のサーバー構成タスクは、JMXおよびMBeanを使用して動的に実行できます。この場合、変更を有効にするにはサーバーを手動で停止および起動する必要はありません。

アプリケーションをデプロイした後、Oracle Stream Explorerサーバーがアプリケーションまたはコンポーネントに対して自動的に作成するMBeanを操作して、アプリケーションまたは個々のコンポーネントの構成を動的に変更することができます。標準のタスクでは、デプロイされたアプリケーションのプロセッサに対してOracle CQLルールを動的に構成します。これは、Oracle Stream Explorer Visualizer、wlevs.Adminコマンドライン・ユーティリティまたはJMXを使用して実行します。

関連情報

詳細は、次を参照してください。

1.4.1 サーバー構成ファイル

すべてのサーバー・ファイルは、単一のサーバー・ディレクトリに含まれます。主なサーバー構成ファイルはconfig.xmlです。config.xmlファイルでサーバー・サービスを構成し、サーバーが属するドメインを指定します。

デフォルトでは、サーバー・ドメインは構成ウィザードによって/Oracle/Middleware/my_oep/user_projects/domainsディレクトリに作成されます。次のリストで、各ドメインの重要なサーバー・ファイルおよびディレクトリについて説明します。

  • deployments.xml: このドメインのOracle Stream Explorerインスタンスに現在デプロイされている、OSGiバンドルとしてパッケージ化されたアプリケーションのリストを含むXMLファイルです。アプリケーションをデプロイするときは、このファイルは手動で更新せずに、必ずデプロイヤ・ツールを使用します。

  • startwlevs.cmd: Oracle Stream Explorerサーバーのインスタンスを起動するために使用するコマンド・ファイルです。UNIXではstartwlevs.shが同等です。

  • stopwlevs.cmd: Oracle Stream Explorerサーバーのインスタンスを停止するために使用するコマンド・ファイルです。UNIXではstopwlevs.shが同等です。

  • config/config.xml: Oracle Stream Explorerサーバー・インスタンスに対する構成サービスを記述したXMLファイルです。サービスにはロギング、デバッグ、Jetty WebサービスおよびJDBCデータ・ソースがあります。

  • config/security*: ドメインのセキュリティを構成するファイルです。

  • config/atnstore.txt: ドメインに構成されているユーザーおよびユーザー・グループを記載したファイルです。

1.4.2 config.xmlファイルの編集

Oracle Stream Explorerサーバーを構成する最も効率的でエラーの発生が少ない方法は、「サーバー管理ツール」で説明されているように、1つ以上のOracle Stream Explorer管理ツールを使用する方法です。

オプションで、Oracle Stream Explorerサーバーのconfig.xmlファイルを編集することにより、Oracle Stream Explorerサーバー構成を実行できます。

注意:

config.xmlファイルを手動で更新し、Oracle Stream Explorerサーバーの構成を変更した場合、変更を有効にするにはサーバーを再起動する必要があります。

config.xmlファイルを使用して、次のサーバー・オブジェクトおよび機能を構成できます。参照先の項では、追加または更新する必要がある要素を正確に記述しています。

次の例に、これらのサービスのいくつかの構成を含むconfig.xmlの例を示します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!--Sample XML file generated by XMLSpy v2007 sp2 (http://www.altova.com)-->
<n1:config 
  xsi:schemaLocation="http://www.bea.com/ns/wlevs/config/server wlevs_server_config.xsd" 
  xmlns:n1="http://www.bea.com/ns/wlevs/config/server" 
  xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance">
   <netio>
      <name>NetIO</name>
      <port>9002</port>
   </netio>
   <netio>
      <name>sslNetIo</name>
      <ssl-config-bean-name>sslConfig</ssl-config-bean-name>
      <port>9003</port>
   </netio>
   <work-manager>
      <name>JettyWorkManager</name>
      <min-threads-constraint>5</min-threads-constraint>
      <max-threads-constraint>10</max-threads-constraint>
   </work-manager>
   <jetty>
      <name>JettyServer</name>
      <network-io-name>NetIO</network-io-name>
      <work-manager-name>JettyWorkManager</work-manager-name>
      <secure-network-io-name>sslNetIo</secure-network-io-name>
   </jetty>
   <rmi>
      <name>RMI</name>
      <http-service-name>JettyServer</http-service-name>
   </rmi>
   <jndi-context>
      <name>JNDI</name>
   </jndi-context>
   <exported-jndi-context>
      <name>exportedJndi</name>
      <rmi-service-name>RMI</rmi-service-name>
   </exported-jndi-context>
   <jmx>
      <rmi-service-name>RMI</rmi-service-name>
      <jndi-service-name>JNDI</jndi-service-name>
   </jmx>
   <ssl>
      <name>sslConfig</name>
      <key-store>./ssl/evsidentity.jks</key-store>
      <key-store-pass>
         <password>{Salted-3DES}j4XEtuXmmvEl4M/NInwq0A==</password>
      </key-store-pass>
      <key-store-alias>evsidentity</key-store-alias>
      <key-manager-algorithm>SunX509</key-manager-algorithm>
      <ssl-protocol>TLS</ssl-protocol>
      <enforce-fips>false</enforce-fips>
      <need-client-auth>false</need-client-auth>
   </ssl>
   <http-pubsub>
      <name>pubsub</name>
      <path>/pubsub</path>
      <pub-sub-bean>
         <server-config>
            <name>/pubsub</name>
            <supported-transport>
               <types>
                  <element>long-polling</element>
               </types>
            </supported-transport>
            <publish-without-connect-allowed>true</publish-without-connect-allowed>
         </server-config>
         <channels>
            <element>
               <channel-pattern>/evsmonitor</channel-pattern>
            </element>
            <element>
               <channel-pattern>/evsalert</channel-pattern>
            </element>
            <element>
               <channel-pattern>/evsdomainchange</channel-pattern>
            </element>
         </channels>
      </pub-sub-bean>
   </http-pubsub>
   <cluster>
      <server-name>productionServer</server-name>
   </cluster>
   <domain>
      <name>oep_domain</name>
   </domain>

1.4.3 構成履歴の管理

サーバーにアプリケーションをデプロイするとき、サーバーによってアプリケーションの構成履歴が作成されます。アプリケーションで行うすべての構成変更はこの履歴に記録されます。Oracle Stream Explorer Visualizerまたはwlevs.Adminツールでこれらの変更の表示およびロールバック(undo)ができます。

1.4.4 サーバーのbootclasspathの構成

-Xbootclasspathコマンドを使用して、ブートストラップ・クラスおよびリソースの検索パスを設定します。たとえば、このコマンドを使用して、サーバー構成ファイル(config.xml)による設定を超えたサーバー依存関係を満たすことができます。また、このコマンドを使用して、アプリケーション・インポート文により設定されライブラリおよびライブラリ拡張ディレクトリで検出されるものを超えたアプリケーションとアプリケーション・ライブラリの依存関係も満たすことができます。

bootclasspathを構成するには、次の手順を実行します。

  1. bootclasspathを構成するドメインのサーバー・ディレクトリに、ディレクトリを変更します。

    場所は次のとおりです。

    /Oracle/Middleware/my_oep/user_projects/domains/<domainname>/ <server_name>

  2. サーバー・ディレクトリで、起動スクリプト(エディタのオペレーティング・システムに応じてstartwlevs.shまたはstartwlevs.cmd)を開きます。
  3. 次の行を探します。
    "$JAVA_HOME/bin/java" $JVM_ARGS $JVM_D64 $DEBUG_ARGS -Dwlevs.home="$USER_INSTALL_DIR" -jar "${USER_INSTALL_DIR}/bin/wlevs.jar" $ARGS
    /wlevs.jar
    
  4. 使用するネイティブ・ライブラリのフル・パス名を-Xbootclasspath/aオプションに設定します。

    たとえば、Oracle Stream Explorerサーバー・ディレクトリ%USER_INSTALL_DIR%\binにあるネイティブ・ライブラリmynativelibを使用する場合、次のように起動スクリプトでjavaコマンドを更新します。

    この例は、読みやすくするために分割しています。コマンド全体を1行にする必要があります。

    %JAVA_HOME%\bin\java -Dwlevs.home=%USER_INSTALL_DIR% -Dbea.home=%BEA_HOME%  
    -Xbootclasspath/a:\Oracle\Middlware\my_oep\oep\bin\mynativelib.jar 
    -jar "%USER_INSTALL_DIR%\bin\wlevs.jar" 
    -disablesecurity %1 %2 %3 %4 %5 %6 
    
  5. Oracle Stream Explorerが実行中の場合は、新規のjavaオプションとデータ・ソース情報を読み込むために再起動します。「サーバーの起動と停止」を参照してください。

1.5 サーバー管理ツール

この項では、Oracle Stream Explorerサーバー、ドメインおよびアプリケーションを管理するために使用可能なサーバー管理ツールについて説明します。

  • 構成ウィザード。Oracle Stream Explorerサーバーとドメインを作成および更新するためにグラフィカルに呼び出すことができるJavaアプリケーションです。12.1.3リリースでは、構成ウィザードによってOracle Database構成のみを生成できます。「スタンドアロンサーバー・ドメイン」を参照してください。

  • wlevs.Adminコマンドライン・ユーティリティ。多様なOracle Stream Explorerサーバー、ドメインおよびアプリケーション管理タスクを実行するためにローカルまたはリモートで呼び出すことができるJavaアプリケーションです。「wlevs.Adminコマンドライン・リファレンス」を参照してください。

  • デプロイヤ・コマンドライン・ユーティリティ。アプリケーションのデプロイメントとアプリケーション管理タスクを実行するためにローカルまたはリモートで呼出し可能なJavaアプリケーションです。「デプロイヤ・コマンドライン・リファレンス」を参照してください。

  • セキュリティ管理ユーティリティ。「セキュリティ・ユーティリティ・コマンドライン・リファレンス」を参照してください。

  • JMX。標準ベースのインタフェースのセットであり、JMXおよび管理bean (MBean)を使用したサーバー、ドメインおよびアプリケーション管理タスクの実行を可能にします。「JMX」を参照してください。

1.6 サーバー管理タスク

この項では、重要なサーバー管理タスクのいくつかについて簡単に説明します。

サーバーとドメインの作成

Oracle Stream Explorerプラットフォームの設定における主な管理タスクは、サーバー・ドメインの作成および構成です。Oracle Stream Explorerは、スタンドアロンサーバー・ドメインおよびマルチサーバー・ドメインをサポートします。

詳細は、次を参照してください。

サーバーとドメインの更新

Oracle Stream Explorerサーバーとドメインを作成したら、それを更新して、構成またはサーバー・グループ・メンバーシップを変更することができます。参照:

サーバー構成

Oracle Stream Explorerサーバーとドメインを作成したら、提供される様々なサービスを構成する必要があります。参照:

サーバーの起動と停止

少なくとも1つのサーバーとともにOracle Stream Explorerドメインを作成した後、アプリケーションをデプロイして実行を開始できるようにサーバー・インスタンスを起動します。アップグレード時と構成変更の後、Oracle Stream Explorerサーバーを停止および起動する必要があります。参照:

注意:

Windowsの場合、起動したコマンド・プロンプトの「閉じる」ボタンをクリックしてOracle Stream Explorerサーバーを停止しないでください。stopwlevs.cmdスクリプトまたはCtrl-Cを使用すると、Oracle Stream Explorerサーバーはいつでも停止します。

サーバーへのアプリケーションのデプロイ

Oracle Stream Explorerサーバーとドメインを作成し構成した後、それらにOracle Stream Explorerアプリケーションをデプロイできます。参照:

アプリケーション、サーバーおよびドメインの管理

Oracle Stream Explorerサーバーとドメイン上にアプリケーションをデプロイしたら、パフォーマンス監視やアップグレードなどのタスクを実行するためにアプリケーションを管理する必要があります。参照: