プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle Site Studio Contributorの使用
12c (12.2.1)
E70068-01
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

1 概要

Oracle Site Studioは、強力で柔軟なWeb開発アプリケーション・スイートです。このスイートでは、エンタープライズ規模のWebサイトを包括的な方法で設計、構築および管理できます。

この項の内容は、次のとおりです。

1.1 Oracle Site Studioについて

Oracle Site Studioは、強力で柔軟なWeb開発アプリケーション・スイートです。このスイートでは、エンタープライズ規模のWebサイトを包括的な方法で設計、構築および管理できます。サイトの作成およびコンテンツ管理をすべて1つにまとめて提供することで、従来のWebサイト開発ソリューションよりも優れたソリューションとなっています。すべてのサイト・アセット(テンプレート、グラフィックス、CSSファイルなど)やすべてのサイト・コンテンツを含め、Webサイトに関連付けられているすべてのものがコンテンツ・サーバーに格納されて管理されるため、コンテンツ・サーバーのすべてのセキュリティ、リビジョン管理、ワークフローおよび検索機能が自動的に使用可能になります。

Oracle Site Studioを使用すると、生産性が大幅に向上し、組織ではすべての企業サイトにおいて、正確かつタイムリな最新のWebコンテンツを維持し、一貫性のあるブランドとプレゼンテーションを提供できます。Oracle Site Studioを使用すると、サイト・アーキテクチャとプレゼンテーションを一元管理する一方で、コンテンツ開発と継続的なメンテナンスを部署またはその他のチームに分散できます。

Oracle Site Studioは、Oracle Site Studioの3種類のユーザー、つまり設計者、マネージャおよびコントリビュータを反映した、3つのアプリケーションで構成されています。

Oracle Site Studio Designerアプリケーションは、ユーザー(サイト設計者)がサイトを作成、設計および配布できる開発環境を提供します。設計者は、Webページの外観と、Webページのイメージ、フォント、色およびレイアウトを制御します。設計者は、通常、Webマスター、Web開発者、サイト管理者または同様のポジションのユーザーとなります。通常、1人の設計者が複数のマネージャおよびコントリビュータと共同で作業します。詳細は、『Oracle Site Studio Designerの使用』を参照してください。

Oracle Site Studio Managerアプリケーションは、1人以上のサイト・マネージャが、使用するテンプレートや表示するコンテンツなど、Webサイトのナビゲーション構造を制御するために使用できるWebベースのサイト管理コンソールを提供します。多くの場合、マネージャは課や部門の責任者です。詳細は、Oracle Site Studioの管理を参照してください。

Oracle Site Studio Contributorアプリケーションでは、組織内の割り当てられたユーザー(コントリビュータ)が、Webサイトから直接呼び出すことのできるインライン編集環境を使用する必要がある場合に、Webサイト上のコンテンツを追加および更新できます。コントリビュータは、通常は技術部門以外のユーザーであり、マーケティング・チームや販売チームのメンバーである場合があります。

Oracle Site Studioユーザーをサイト設計者、マネージャおよびコントリビュータに分けることには多くの利点があります。まず、サイト上のコンテンツまたはナビゲーションを更新する必要がある場合に、サイト設計者をわずらわせる必要がありません。サイト設計者は、Oracle Site Studio Designerを使用して再利用可能なサイト・アセット(テンプレート、フラグメントなど)を作成し、これらのアセットを組み合せてサイトを構築するのみです。

次に、サイト・マネージャは、設計チームを必要とすることなく完全に新しいセクションをWebサイトに追加できます。サイト・マネージャは設計者が作成したアセットを再利用し、Webサイトに新しいセクションを追加したり、既存のセクションを再配置できます。

最後に、コントリビュータはHTMLに関する知識がなくても、複雑かつ魅力のあるWebページを作成できます。Microsoft Wordなどのネイティブ・アプリケーションまたはOracle Site Studio Contributorでコンテンツを追加できます。Site Studio ContributorはWebベースのHTMLエディタであり、コンテンツを作成および更新するための高度な編集環境をコントリビュータに提供します。一方、サイト設計者は、使用可能な編集オプションを制限することによって、一貫性のある外観を維持できます。たとえば、サイト・コントリビュータに、承認されたフォント、色およびスタイルのリストからのみ選択を許可できます。

これら3つのOracle Site Studioロール以外に、サイトへのWebアドレスの割当て、サイトのバックアップ、サイトのレプリケートなどを担当するサイト管理者を区別することもできます。これらすべての管理タスクはコンテンツ・サーバーで実行されます。


注意:

組織の規模と構造に応じて、1人が複数のロールを持つことができます。

1.2 コントリビュータのロール

サイト・コントリビュータのロールは、コンテンツをWebサイトに追加し、必要に応じて更新することです。状況に応じて、Webページの一部、複数のWebページ、サイトのセクションまたはサイト全体を更新します。サイトが構築されると、設計者やマネージャから更新を必要とするWebページが(電子メールやワークフローなどで)通知されるようになります。

まず、現在携わっているWebサイトについて、できるかぎり多くのことを学んでください。たとえば、次のようなことです。

  • サイトについて熟知してください。サイトは部門サイトですか、社内サイトですか、それとも公共サイトですか。サイトはどのような構造になっていますか。データの保存場所はどこですか。

  • サイトで現在選択しているスタイルおよびフォーマットについて学習してください。使用する用語や文の構造などを統一するために、組織全体でスタイルガイドを使用していますか。

  • サイトのどの部分に責任を持ち、その責任を他のコントリビュータと分担するかどうかについて確認してください。組織によっては、このプロセスを支援するために、ワークフロー機能を実装することがあります。

  • サイトで使用するコンテンツのタイプについて確認してください。サイトはOracle Site Studioデータファイル、ネイティブ・ドキュメント、イメージおよびビデオで構成されていますか。データファイルはContributorを使用して編集し、ネイティブ・ドキュメントはそのドキュメントの作成に使用したアプリケーション(たとえば、拡張子が.docのファイルはMicrosoft Word)を使用して編集します。

次に、Oracle Site Studio Contributorを使用してサイトに直接変更を加えることができます。変更を加えてから、サイトを更新する前にその変更をプレビューできます。変更内容は、コンテンツ・サーバーに格納されているファイル(コントリビュータ・データ・ファイルと呼ばれます)に保存されます(第2章「Contributorの概要」および第3章「ContributorでのWebページの編集」を参照)。また、ネイティブ・ドキュメント(Microsoft Wordファイルなど)を作成および編集することもできます。ネイティブ・ドキュメントは、Webページに変換されてWebサイトに表示されます(第10章「ネイティブ・ドキュメントの操作」を参照)。

1.3 Contributorエディタ

Webページで使用できる編集環境は、Oracle Site Studio Contributorで使用するように設定されたエディタおよび編集するコンテンツ・タイプ(テキスト、イメージなど)によって異なります。デフォルトでは、Oracle Site Studio Contributorで使用するエディタはFCKeditorに基づいています。FCKeditorは、JavaScriptベースの軽量なエディタであり、クライアント・コンピュータにインストールする必要は一切ありません。コンテンツ・サーバー管理者によって、代替エディタが設定されていることもあります。この場合、編集環境の外観が、このガイドで示すものと多少異なる場合があります。また、編集作業においても若干の相違がある場合があります(一部の編集機能が使用できない、または動作が多少異なるなど)。

Contributorアプリケーションを起動するには、Webページで特別な組合せのキーを押します(デフォルトでは[Ctrl]+[Shift]+[F5])。この組合せは、Site Studioとコンテンツ・サーバーで管理され、サイト・コントリビュータが編集作業を行うために、サイト設計者が有効にします。Contributorを起動すると、Webページ上の編集可能な各領域の横に特殊なグラフィックが表示されます。

図1-1 コントリビューション・グラフィック

図1-1の説明が続きます
「図1-1 コントリビューション・グラフィック」の説明

このグラフィックは、編集可能な領域名、編集アイコンおよびメニュー・アイコンを示しています。選択した領域を編集するには、編集アイコンをクリック(またはメニュー・アイコンをクリックして編集オプションを選択)します。編集を終了してデータファイルを保存すると、Webサイトが更新され変更内容が反映されます。Contributorエディタの詳細は、第2章「Contributorの概要」を参照してください。

1.4 システムの要件

Oracle Site Studio Contributorのシステム要件は、次のとおりです。

  • Internet Explorer 7以上またはFirefox 2.0以上を実行可能なオペレーティング・システム(Microsoft Windows 2000、Windows XP、Windows Vista、Linux、Mac OS Xなど)。

  • Oracle Site Studioコンポーネントを実行するコンテンツ・サーバーへのアクセス(管理対象のサイト・アセットおよびコンテンツへのアクセス用)。

  • Microsoft Internet Explorer 7以上、Firefox 3.0.6+またはFirefox 5.x以上(Firefox 4.xバージョンはサポートされません)、Safari 4.0以上またはChrome 11以上。最新のブラウザを使用すると、Contributorのパフォーマンスが向上します。

    結果のWebページを表示するには、Microsoft Internet Explorer 7以上、Mozilla Firefox 1.0.7以上またはSafari 4.0以上が必要です。

1.5 アクセシビリティ機能

Contributorでの編集時には、数多くのキーボード・ショートカットを使用できます。キーボード・ショートカットは、障害を持つコントリビュータが編集環境で作業するのを補助します。また、キーボード・ショートカットでは、両手をキーボードに置いたまま作業ができ、キーボードとマウスを頻繁に切り替える必要がないため、編集速度を上げることができます。

この項では、次の項目について説明します。

1.5.1 コントリビューション・モードのキーボード・ショートカット

Webページでの様々なコントリビューション・リージョン・メニューの操作に、次のショートカットを使用します。

ショートカット 説明
[Alt]+[F3] 次のコントリビューション・リージョン・メニューを開きます。
[Alt]+[F2] 前のコントリビュータ・リージョン・メニューを開きます。
[Tab] コントリビューション・リージョン・メニューの次のアイテムをハイライトします。このショートカットは、コントリビューション・リージョン・メニューが表示されている場合にのみ使用できます。
[Shift] + [Tab] コントリビューション・リージョン・メニューの前のアイテムをハイライトします。このショートカットは、コントリビューション・リージョン・メニューが表示されている場合にのみ使用できます。
[Esc] コントリビューション・リージョン・メニューを閉じます。このショートカットは、コントリビューション・リージョン・メニューが表示されている場合にのみ使用できます。
[Enter] コントリビューション・リージョン・メニューのハイライトされているアイテムを選択します。このショートカットは、コントリビューション・リージョン・メニューが表示されている場合にのみ使用できます。

1.5.2 コントリビュータ・フォームのキーボード・ショートカット

コントリビューション・リージョンに対してコントリビュータ・フォームが開かれると、その他のキーボード・ショートカットを使用できます。

ショートカット 説明
[Alt]+[F3] 次の要素に移動します。
[Alt]+[F2] 前の要素に移動します。
[Alt]+[1] フォーカスをフォーム上に置きます。
[Tab] ブラウザにあるコントリビュータ・フォームのコマンド(「更新」ボタン、「バージョン情報」リンク、「メタデータ」タブなど)のタブ間を移動します。キーボード・ショートカットの[Alt]+[1]を使用すると、コントリビュータ・フォームのコマンドにアクセスする前にフォーカスをフォームの最上部に戻すことができます。
[Enter] フォーカスが置かれているアイテム(ボタン、リンク、タブなど)を選択します。

リスト要素のキーボード・ショートカット

編集領域内のリスト要素には、次のキーボード・ショートカットがあります。

ショートカット 説明
[↑]、[↓] リスト要素の行を上または下に移動します。
[Ctrl] + [Tab] 表の行からツールバーに移動します(ツールバーがある場合)。
[Enter] 静的リスト要素では、[Enter]を押して現在の行を編集します。

動的リスト要素では、[Enter]を押すと、現在の行のコンテンツ情報ページが表示されます。

[Alt]+[F3] 次の要素に移動します。
[Alt]+[F2] 前の要素に移動します。
[Alt]+[1] フォーカスをフォーム上に置きます。

リスト以外の要素のキーボード・ショートカット

編集領域内のリスト以外の要素には、次のキーボード・ショートカットがあります。

ショートカット 説明
[Alt]+[F3] 次の要素に移動します。
[Alt]+[F2] 前の要素に移動します。
[Alt]+[1] フォーカスをフォーム上に置きます。

ツールバー・アイテムのキーボード・ショートカット

編集領域内のツールバーには、次のキーボード・ショートカットがあります。

ショートカット 説明
[Alt]+[→][Alt]+[←] 右または左のツールバー・アイテムへ移動します。
[Ctrl]+[Enter] 選択したツールバー・コマンドにアクセスしたり、ツールバー・コマンドを実行します。

ツールバー・アイテムの「スタイル」、「フォーマット」、「フォント」または「サイズ」にアクセスするには、[Ctrl]+[Enter]を使用してドロップダウン・メニューを表示し、[↑]または[↓]キーを使用して目的のメニュー・オプションを選択します。


コンテキスト・メニュー・アイテムのキーボード・ショートカット

編集領域内のコンテキスト・メニューには、次のキーボード・ショートカットがあります。

ショートカット 説明
メニュー/[Shift]+[F10] 初期コンテキスト・メニューを開きます。
[↑][↓] コンテキスト・メニュー内を上または下へ移動します。
[Enter] 選択したアクションを実行したり、サブコンテキスト・メニューを開きます。

リンクのプロパティのキーボード・ショートカット

編集領域内のリンクのプロパティには、次のキーボード・ショートカットがあります。

ショートカット 説明
[Ctrl]+[→]/[←] タブ間を移動します。
[Tab] ダイアログ・ボックス内のフォーム・アイテム間を移動します。
[Space] ダイアログ・ボックス内のボタン・アイテムを選択したり、選択を解除します。
[Esc] ダイアログを閉じます。

イメージのプロパティのキーボード・ショートカット

編集領域内のイメージのプロパティには、次のキーボード・ショートカットがあります。

ショートカット 説明
[Ctrl]+[→]/[←] タブ間を移動します。
[Tab] ダイアログ・ボックス内のフォーム・アイテム間を移動します。
[Space] ダイアログ・ボックス内のボタン・アイテムを選択したり、選択を解除します。
[Esc] ダイアログを閉じます。

「色」ダイアログ・ボックスのキーボード・ショートカット

編集領域内の「色」ダイアログ・ボックスには、次のキーボード・ショートカットがあります。

ショートカット 説明
[→][←] 色の間を移動します。
[Tab] ダイアログ・ボックス内のフォーム・アイテム間を移動します。
[Space] ダイアログ・ボックス内のボタン・アイテムを選択したり、選択を解除します。
[Esc] ダイアログを閉じます。

特殊文字の挿入ダイアログ・ボックスのキーボード・ショートカット

編集領域内の特殊文字の挿入ダイアログ・ボックスには、次のキーボード・ショートカットがあります。

ショートカット 説明
[→][←] 選択した文字の間を移動します。
[Enter] 選択した文字を挿入します。
[Esc] ダイアログを閉じます。

制御の選択のキーボード・ショートカット

WYSIWYG要素内では、コマンドを特定のHTML要素に適用するために、ユーザーが制御タイプを選択する必要があります。キーボード・コマンドの[Ctrl]+[Alt]+[→]/[←]を使用して、選択可能なHTML要素間を移動できます。

リンク・ウィザードのキーボード・ショートカット

リンク・ウィザードはWebページとして動作します。矢印キーを押しても階層内は移動できません。[Tab]を押して選択するアイテムに移動し、[Enter]を押して選択します。また、[Tab]を押してラジオ・ボタン・グループに移動し、[Enter]を押してボタンを選択することもできます。