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12c (12.2.1)
E70071-01
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36 アーカイバ・レプリケーションの例外の使用

この章では、アーカイバ・レプリケーションの例外機能を使用して、アーカイバのインポート失敗によるコンテンツ・サーバー・インスタンスでのレプリケーション停止を防止する方法について説明します。

この章の構成は、次のとおりです。

36.1 アーカイバ・レプリケーションの例外の理解

アーカイバ・レプリケーションの例外を使用すると、管理者はインポートが失敗してもレプリケーションを続行できます。この処理では、このような失敗したインポートが取得されて例外アーカイブに挿入され、このような失敗したインポートが発生したことを示す電子メールが管理者に送信されます。

ArchiverReplicationExceptionsコンポーネントは、デフォルトではコンテンツ・サーバー・インスタンスによりインストールおよび有効化されます。

36.1.1 アーカイバ・レプリケーションの例外の動作

アーカイバ・レプリケーションの例外をサポートするには、いくつかの構成エントリをIntradocDir/config/config.cfgファイルに手動で追加する必要があります。構成エントリは様々な条件を定義するもので、これに基づいてエラー・レポートのレベルを判別したり、失敗したインポートを例外ディレクトリに送信したり、システム・エラーが検出されたときに失敗した複数のインポートを無視および処理します。自動インポートと手動インポートの両方に対するパラメータが用意されています。

36.1.2 シナリオ1

このシナリオでは、インポート側のサーバーにコンテンツ・タイプDOCが存在しないために、ドキュメントのインポートが失敗しました。エラー・レポート・レベル(ArchiverEmailErrorLevel)はcollisionstandardsevereに設定されており、ArchiverErrorNotifyUserはsysadminに設定されていました。アーカイバのインポートの失敗を示す電子メール通知の例を次に示します。

Archiver Import Failure
There was a serious error during the import of a document which may prevent that 
document from being properly synchronized in state with the exporting content 
server. Content item 'test1' was not successfully checked in. The content 
type 'DOC' is not defined in the system.
Revision Being Imported
Collection:  idc
Archive Name:  ar1
Source Instance:  idc
Batch Name:  07-sep-24_15.15.41_766/07267151541~1.hda
Content ID:  test1
Title:  test1
Author:  sysadmin
Revision:  1
Release Date:  9/24/07 3:13 PM
Create Date:  9/24/07 3:14 PM

The Document Has Been Copied To An Exceptions Archive

Collection:  idc
Archive Name:  ImportExceptions
Batch Name:  07-sep-24_15.15.41_766/07267151541~1.hda
Total Captured In Archive:  1

36.1.3 シナリオ2

このシナリオでは、インポートを試行していますが、何度も失敗します。システム管理者は、インポート中に問題がある可能性に気付いていますが、失敗のたびに電子メールを通知する必要はないと考えています。ArchiverMaxConsecutiveImportErrors(デフォルトは10)を設定することにより、システム管理者は電子メール通知が中止されるまでの失敗数を設定できます。電子メールは、エラーがこの数に達するまで送信されます。設定した数に達する前にエクスポータからのインポートが成功した場合、あるいはコンテンツ・サーバー・インスタンスが再起動された場合、カウンタは0にリセットされます。エラーが最大数に達すると、アーカイブの自動インポートは中断されることに注意してください。

36.2 アーカイバ・レプリケーションの例外の管理および使用

アーカイバ・レプリケーションの例外機能の主な目的は、失敗したインポートをフィルタリングできるようにして、そのような失敗の処理と通知を最適化することです。アーカイバ・レプリケーションの例外でコンテンツ・アイテムを処理するためには、管理者が手動でIntradocDir/config/config.cfgファイルに構成エントリを設定する必要があります。構成変数により、特定の状況を許可したり、構成済の基準に基づいてエラー・レポートを配布するために、インポート側のコンテンツ・サーバー・インスタンスの動作をカスタマイズします。

次の構成変数を使用して、動作をカスタマイズできます。これらの値は、 IntradocDir/config/config.cfgファイル内の#Additional Variablesの下に設定する必要があります。

構成エントリの前にアーカイブ名を追加してコロン(:)で区切ると、その構成エントリはそのアーカイブにのみ適用されます。たとえば、アーカイブMyRemoteImportArchiveに対して例外の取得を有効にするには、config.cfgファイル内に次のエントリを使用します。

MyRemoteImportArchive:IsArchiverCapturingExceptions=true

アーカイブ名の接頭辞が適用されない場合、値セットはすべてのアーカイブのグローバル・デフォルトとなります。

  • IsArchiverCapturingExceptions: この構成エントリがオンになっていない場合、このコンポーネントの主要な機能は有効になりません。

    デフォルト値はfalseです。

  • ArchiverImportExceptionsArchiveName: 失敗したインポートを格納するアーカイブの名前。アーカイブは、インポートに失敗したドキュメントが含まれていたアーカイブと同じアーカイブ・コレクション内に作成されます。

    デフォルト値はImportExceptionsです。

  • ArchiverMaxConsecutiveImportErrors: アーカイブのインポートが中止されるまでの連続するインポート・エラーの最大数。

    デフォルト値は10です。

  • ArchiverErrorNotifyUser: インポートが失敗したときに通知を受けるユーザー。デフォルトはsysadminです。電子メールは、電子メールを生成するように構成されたレベルのインポート・エラーが発生した場合にのみ生成されます。

    エントリはユーザー名のカンマ区切りリストにできますが、すべてのユーザー名はコンテンツ・サーバー・インスタンスで定義されていて、電子メール・アドレスが関連付けられている必要があります。

  • ArchiverEmailErrorLevels: 自動インポート中に発生すると電子メールが生成されるエラー・レベル。設定可能なレベルは次のとおりです。

    • collision: インポートは、ドキュメントの既存リビジョンによりブロックされたために失敗しました。これは通常、インポートするリビジョンのリリース日(または作成日(構成によって異なる))が既存ドキュメントの最新リビジョンの日付よりも前である場合に発生します。

    • standard: インポートは通常のエラーにより失敗しました。このようなエラーとして一般的なのは、無効な値を持つメタデータ・フィールドです。

    • severe: インポートは、コンテンツ・サーバー・インスタンスで予期しない重大なエラーが発生したために失敗しました。この原因として一般的なのは、ファイル・システムまたはデータベースに対するネットワーク障害です。

    構成エントリは、前述の値をカンマで区切ったリストとして設定します。自動インポートのエラーが発生すると、前述のいずれかのレベルに分類され、そのレベルがこのパラメータに構成されたリスト内にあれば、そのエラーに対する電子メールが生成されます。

    デフォルト値はcollision,standard,severeです(つまり全部です)。

  • ArchiverManualImportEmailErrorLevels: これはArchiverEmailErrorLevelsと似ていますが、手動アーカイブ・インポートに適用されます。手動インポートとは、エンド・ユーザーまたは管理者が直接開始する、登録済の自動インポータにより実行されないインポートのことです。

    デフォルト値は空です(つまりnoneです)。

  • ArchiverCaptureExceptionErrorLevels: 発生するとドキュメントのコピーが取得されて例外アーカイブに挿入されるようなエラー・レベルのリスト(「ArchiverImportExceptionsArchiveName」を参照)。ドキュメントが取得された後は、そのエラーにより自動インポートが停止されることはありません。自動インポートでは、ドキュメントを含むバッチ・ファイルのインポートが完了すると、そのドキュメントがアーカイブから削除されます。エラー・レベルのリストおよびエントリの構成方法については、「ArchiverEmailErrorLevels」を参照してください。

    デフォルト値はcollision,standardです。

  • ArchiverManualImportCaptureExceptionErrorLevels: これはArchiverCaptureExceptionErrorLevelsパラメータと似ていますが、手動アーカイブ・インポートに適用されます(手動インポートの詳細は、「ArchiverManualImportEmailErrorLevels」を参照してください)。インポート・エラーは取得されると例外アーカイブ内にコピーされますが、元のアーカイブから削除されることはありません。エラーが取得されると、手動インポート中に許可された最大エラー数としてカウントされることはありません(標準のコンテンツ・サーバー構成エントリMaxArchiveErrorsAllowed(デフォルトは50)を参照してください)。

    デフォルト値は空です(つまりnoneです)。

  • ArchiveExceptionsMaxNumberDocuments: 例外アーカイブに格納できるドキュメントの最大数。

    この数に達すると、インポート失敗時の自動インポート続行が再び禁止されます。ただし、インポートが失敗したことと、例外アーカイブがいっぱいになったことを示す電子メールがArchiverErrorNotifyUserに送信されます。他の構成エントリとは異なり、アーカイブの接頭辞を(コロンで区切って)使用して構成エントリを特定のアーカイブに制限する場合、アーカイブ名は、インポートされる元のドキュメントが含まれるアーカイブではなく例外アーカイブの名前にする必要があります。

    デフォルト値は50です。

パラメータArchiverMaxConsecutiveImportErrorsは、システムの問題(エクスポート時にすべてのドキュメントに同一の不正なメタデータ・フィールドが含まれていたなど)によりエラーが発生した場合に、エラーをスキップしてエラーに関する電子メール通知を送信するという問題を解決するものです。この場合、非常に多くのドキュメントが不必要に取得され、それに伴って大量の不要な電子メールが生成されます。この構成エントリは、このような状況を発見するのに役立ちます。自動インポート中に非常に多数の連続するインポート・エラーが検出されると、現在のアーカイブ・インポートが中断されます。手動インポートは最大エラーに対する標準的なルールに従います(「MaxarchiveErrorsAllowed」を参照)。(任意のアーカイブからの)インポートが成功した場合は、連続するインポート失敗カウントが0にリセットされます。

同一ドキュメントのインポートが(2回以上)連続して失敗した場合、最初の失敗についてのみ電子メールが送信されます。同一のドキュメントのインポートに失敗したが、それぞれ異なるバッチ・ロード・ファイルから行われた場合、直前のエラーに関するドキュメントの電子メールがすでに送信されていれば、次の電子メールは抑制されます。