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Oracle GoldenGate 12.2 for SQL Serverには、SQL Server Standard EditionからDMLを取得する新機能が追加されました。以前のGoldenGate 12.1リリースでは、SQL Server Enterprise EditionのみからのDMLのキャプチャがサポートされており、その理由はサプリメンタル・ロギングを有効にする方法にあり、その有効化にはSQL ServerのEnterprise Editionのみで利用可能な機能が使用されていました。Oracle GoldenGate 12.2以降、GoldenGateではStandard Editionインスタンスに対してサプリメンタル・ロギングを別の方法で有効化できるようになりました。そのサプリメンタル・ロギングを有効化する方法は、特定のSQL Serverレプリケーション・コンポーネントを使用して実行されます。サプリメンタル・ロギングを有効化するためには、これらのSQL Serverレプリケーション・コンポーネントがインストールおよび構成されている必要があり、その手順と制限については次の各項に記載されています。
SQL Serverレプリケーション・コンポーネントがインストールされている必要があります。これは通常、SQL Serverの初期インストールでチェックするオプションとして実行されますが、レプリケーション・コンポーネントがまだインストールされていない場合には、SQL Serverインストーラ・プログラムを再度実行して、その機能を既存のインスタンスに追加できます。
SQL Serverレプリケーション・コンポーネントをインストールしたら、ディストリビューション・データベースとともにディストリビュータを構成する必要があります。これらの手順は、データベース内の任意の表に対してサプリメンタル・ロギングを有効化する前に、手動で実行する必要があります。
ローカル・ディストリビュータまたはリモート・ディストリビュータに対応し、既存のSQL Serverレプリケーションの実装用にすでに構成されているディストリビュータを使用することもできます。Oracle GoldenGateでは、変更データの格納にディストリビューション・データベースを必要としませんが、サプリメンタル・ロギングを有効化するためには、それを構成する必要があります
SQL Server Standard Edition内の表に対してサプリメンタル・ロギングを有効化すると、新しいSQL Serverレプリケーション・パブリケーションが作成され、サプリメンタル・ロギングが有効な表はパブリケーションにアーティクルとして追加されます。
データベースに過去のパブリケーションがない場合、SQL Serverエージェントの下に新しいログ・リーダー・ジョブが作成され、Extractが使用する2次切捨てポイントの管理方法に応じて、そのジョブを手動で停止および無効化する必要が生じることがあります。作成されるパブリケーションには"[DatabaseName]: GoldenGate DatabaseName Publisher"というネーミング規則があります。
サプリメンタル・ロギングで構成される表のアーティクル・プロパティでは、データ変更をディストリビューション・データベースにログ記録しませんが、アーティクルを持つパブリケーションの作成は、サプリメンタル・ロギングを有効化するための要件です。
Oracle GoldenGateキャプチャをソース・データベースの他のSQL Serverトランザクション・パブリケーションと組み合せて使用しない場合は、関連情報にリストされた使用可能な2つのオプションのいずれかによって、Extractが2次切捨てポイントを管理するようにすることをお薦めします。
Oracle GoldenGateが2次切捨てポイントを管理できるようにするには、データベースのログ・リーダー・ジョブのSQL Serverエージェントを手動で停止して無効化する必要があります。
データベースのログ・リーダー・ジョブには"Server\Instance-DatabaseName-1"のようなネーミング規則があり、プロパティを表示したときのジョブ・カテゴリは"REPL-LogReaderです。
ジョブを停止して無効化するには、Management Studio内でSQL Serverエージェントの下にあるジョブ名を右クリックし、「Stop Job」を選択して、プロンプトに従ってジョブを停止してから、再度右クリックして「Disable」をクリックします。