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Oracle® Fusion Middleware Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成
12c (12.2.0.1)
E70107-04
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C.3 例3: リアルタイム・モードとアーカイブログのみモードが混在する複数ソースからのキャプチャ

注意:

この例では、必要なスタンバイREDOログ・ファイルを「ダウンストリーム・マイニング・データベースの構成」に記載されているように作成してあるものとします。

次の例では、統合キャプチャ・セッションをダウンストリーム・マイニング・データベースDBMSCAPにデプロイし、データベースDBMS1、DBMS2およびDBMS3から変更をキャプチャします。次のユーザーが存在するものとします。

  • DBMS1にユーザーGGADM1。Extractはこの資格証明を使用して、DBMS1からデータとメタデータをフェッチします。DBMS_GOLDENGATE_AUTH.GRANT_ADMIN_PRIVILEGE()プロシージャをコールして、DBMS1で適切な権限がこのユーザーに付与されているものとします。

  • DBMS2にユーザーGGADM2。Extractはこの資格証明を使用して、DBMS2からデータとメタデータをフェッチします。DBMS_GOLDENGATE_AUTH.GRANT_ADMIN_PRIVILEGE()プロシージャをコールして、DBMS2で適切な権限がこのユーザーに付与されているものとします。

  • DBMS3にユーザーGGADM3。Extractはこの資格証明を使用して、DBMS3からデータとメタデータをフェッチします。DBMS_GOLDENGATE_AUTH.GRANT_ADMIN_PRIVILEGE()プロシージャをコールして、DBMS3で適切な権限がこのユーザーに付与されているものとします。

  • DBMSCAPにユーザーGGADMCAP。Extractはこの資格証明を使用して、論理変更レコードをダウンストリーム・マイニング・データベースのログマイニング・サーバーから取得します。DBMS_GOLDENGATE_AUTH.GRANT_ADMIN_PRIVILEGE()プロシージャをコールして、ダウンストリーム・マイニング・データベースDBMSCAPで適切な権限がこのユーザーに付与されているものとします。

この手順では、ダウンストリーム・マイニング・データベースがアーカイブ・ログ・モードで構成されていることも前提とします。

この例では、DBMS3によって送信されるREDOデータはリアルタイム・モードでマイニングされ、DBMS1およびDBMS2から送信されるREDOデータはアーカイブログのみモードでマイニングされます。

C.3.1 ローカルREDOをアーカイブするためのマイニング・データベースの準備

ローカルREDOをアーカイブするためにマイニング・データベースを準備する手順:

  1. ダウンストリーム・マイニング・データベースはアーカイブ・ログ・モードである必要があります。これは、次のDDLコマンドを発行して行います。
    	STARTUP MOUNT;
    	ALTER DATABASE ARCHIVELOG;
    	ALTER DATABASE OPEN;
    
  2. ダウンストリーム・マイニング・データベースでlog_archive_dest_1をアーカイブ・ローカルREDOに設定します。
    ALTER SYSTEM SET
    LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/home/arc_dest/local
    VALID_FOR=(ONLINE_LOGFILE, PRIMARY_ROLE)'
    
  3. log_archive_dest_1を有効にします。
    ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_1=ENABLE 

C.3.2 ソース・データベースからREDOを受け入れるためのマイニング・データベースの準備

REDOデータは、ダウンストリーム・マイニング・データベースのスタンバイREDOログに受け入れられるため、正しいサイズに設定されたスタンバイREDOログが適切な数存在する必要があります。スタンバイ・ログを構成していない場合は、「ダウンストリーム・マイニング・データベースの構成」を参照してください。

  1. ダウンストリーム・マイニング・データベースで、次の例に示すように、2つ目のアーカイブ・ログの宛先をLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータに設定します。これは、アーカイブ・スタンバイREDOログを処理するために必要です。
    ALTER SYSTEM SET
    LOG_ARCHIVE_DEST_2='LOCATION=/home/arc_dest/srl_dbms3
    VALID_FOR=(STANDBY_LOGFILE,PRIMARY_ROLE)'
    
  2. 次の例に示すように、LOG_ARCHIVE_DEST_2パラメータに対応するLOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2初期化パラメータを有効にします。
    ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ENABLE 
  3. ダウンストリーム・マイニング・データベースですべてのソース・データベースからREDOデータを受け入れるようDG_CONFIGを設定します。
    ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_CONFIG='DG_CONFIG=(dbms1, dbms2, dbms3, dbmscap)' 

C.3.3 REDOをマイニング・データベースに送信するための最初のソース・データベースの準備

REDOをマイニング・データベースに送信するための最初のソース・データベースを準備する手順:

  1. DBMS1ソース・データベースが、必要とされる互換性で稼働していることを確認します。
    select name, value from v$parameter where name = 'compatible';
    
    NAME            VALUE
    ---------       ---------------------
    compatible      11.1.0.0.0
    

    統合キャプチャに必要な最低限の互換性設定は、11.1.0.0.0です。

  2. DBMS1ソース・データベースでDG_CONFIGを設定します。
    ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_CONFIG='DG_CONFIG=(dbms1, dbmscap)'; 
    
  3. DBMS1ソース・データベースでREDO転送を設定します。REDOデータをダウンストリーム・マイニング・データベースの外部アーカイブ・ログに直接送信する場合、TEMPLATE句は必須です。
    ALTER SYSTEM
    SET LOG_ARCHIVE_DEST_2='SERVICE=DBMSCAP.EXAMPLE.COM ASYNC OPTIONAL NOREGISTER
    TEMPLATE='/usr/orcl/arc_dest/dbms1/dbms1_arch_%t_%s_%r.log VALID_FOR=(ONLINE_LOGFILES,PRIMARY_ROLE)DB_UNIQUE_NAME=dbmscap';
    
  4. ダウンストリームの宛先を有効にします。
    ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ENABLE;

C.3.4 REDOをマイニング・データベースに送信するための2番目のソース・データベースの準備

REDOをマイニング・データベースに送信するための2番目のソース・データベースを準備する手順:

  1. DBMS2ソース・データベースが、必要とされる互換性で稼働していることを確認します。
    select name, value from v$parameter where name = 'compatible';
    
    NAME                    VALUE
    ---------               ---------------------
    compatible              11.1.0.0.0
    

    統合キャプチャに必要な最低限の互換性設定は、11.1.0.0.0です。

  2. DBMS2ソース・データベースでDG_CONFIGを設定します。
    ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_CONFIG='DG_CONFIG=(dbms2, dbmscap)'; 
    
  3. DBMS2ソース・データベースでREDO転送を設定します。REDOデータをダウンストリーム・マイニング・データベースの外部アーカイブ・ログに直接送信する場合、TEMPLATE句は必須です。
    ALTER SYSTEM
    SET LOG_ARCHIVE_DEST_2='SERVICE=DBMSCAP.EXAMPLE.COM ASYNC OPTIONAL NOREGISTER
    TEMPLATE='/usr/orcl/arc_dest/dbms2/dbms2_arch_%t_%s_%r.log VALID_FOR=(ONLINE_LOGFILES,PRIMARY_ROLE)DB_UNIQUE_NAME=dbmscap';
    
  4. ダウンストリームの宛先を有効にします。
    ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ENABLE;

C.3.5 REDOをマイニング・データベースに送信するための3番目のソース・データベースの準備

REDOをマイニング・データベースに送信するための3番目のソース・データベースを準備する手順:

  1. DBMS3ソース・データベースが、必要とされる互換性で稼働していることを確認します。
    select name, value from v$parameter where name = 'compatible';
    
    NAME                    VALUE
    ---------               ---------------------
    compatible              11.1.0.0.0
    

    統合キャプチャに必要な最低限の互換性設定は、11.1.0.0.0です。

  2. DBMS3ソース・データベースでDG_CONFIGを設定します。
    ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_CONFIG='DG_CONFIG=(dbms3, dbmscap)'; 
    
  3. DBMS3ソース・データベースでREDO転送を設定します。DBMS3はオンラインREDOログをダウンストリーム・マイニング・データベースのスタンバイREDOログに送信するソースであるため、TEMPLATE句は指定しないでください。
    ALTER SYSTEM
    SET LOG_ARCHIVE_DEST_2='SERVICE=DBMSCAP.EXAMPLE.COM ASYNC OPTIONAL NOREGISTER
    VALID_FOR=(ONLINE_LOGFILES,PRIMARY_ROLE)DB_UNIQUE_NAME=dbmscap';
    
  4. ダウンストリームの宛先を有効にします。
    ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ENABLE;

C.3.6 ダウンストリーム・マイニング・データベースでのExtractの設定

この手順では、DBMS1およびDBMS2によって送信されたアーカイブ・ログからキャプチャするようダウンストリーム・データベースでExtractを設定します。

C.3.6.1 DBMS1によって送信されたアーカイブ・ログから変更をキャプチャするためのExtract (ext1)の設定

DBMSCAPダウンストリーム・マイニング・データベースで次の手順を実行します。

  1. DBMS1ソース・データベース用にDBMSCAPにExtractを登録します。資格証明ストアでは、ggadm1のエイリアス名はggadm1@dbms1のユーザー接続文字列にリンクされています。ggadmcapのエイリアス名はggadmcap@dbmscapのユーザー接続文字列にリンクされています。
    GGSCI> DBLOGIN USERIDALIAS ggadm1
    GGSCI> MININGDBLOGIN USERIDALIAS ggadmcap
    GGSCI> REGISTER EXTRACT ext1 DATABASE
    
  2. Extractをマイニング・データベースDBMSCAPで追加します。
    GGSCI> ADD EXTRACT ext1 INTEGRATED TRANLOG BEGIN NOW
    
  3. Extractパラメータ・ファイルext1.prmを編集します。資格証明ストアでは、ggadm1のエイリアス名はggadm1@dbms1のユーザー接続文字列にリンクされています。ggadmcapのエイリアス名はggadmcap@dbmscapのユーザー接続文字列にリンクされています。
    USERIDALIAS ggadm1
    TRANLOGOPTIONS MININGUSERALIAS ggadmcap
    TRANLOGOPTIONS INTEGRATEDPARAMS (downstream_real_time_mine N)
    
  4. Extractを起動します。
    GGSCI> START EXTRACT ext1

C.3.6.2 DBMS2によって送信されたアーカイブ・ログから変更をキャプチャするためのExtract (ext2)の設定

DBMSCAPダウンストリーム・マイニング・データベースで次の手順を実行します。

  1. ソース・データベースDBMS2用にマイニング・データベースにExtractを登録します。資格証明ストアでは、ggadm2のエイリアス名はggadm2@dbms2のユーザー接続文字列にリンクされています。ggadmcapのエイリアス名はggadmcap@dbmscapのユーザー接続文字列にリンクされています。
    GGSCI> DBLOGIN USERIDALIAS ggadm2
    GGSCI> MININGDBLOGIN USERIDALIAS ggadmcap
    GGSCI> REGISTER EXTRACT ext2 DATABASE
    
  2. Extractをマイニング・データベースで作成します。
    GGSCI> ADD EXTRACT ext2 INTEGRATED TRANLOG, BEGIN NOW
    
  3. Extractパラメータ・ファイルext2.prmを編集します。資格証明ストアでは、ggadm2のエイリアス名はggadm2@dbms2のユーザー接続文字列にリンクされています。ggadmcapのエイリアス名はggadmcap@dbmscapのユーザー接続文字列にリンクされています。
    USERIDALIAS ggadm2
    TRANLOGOPTIONS MININGUSERALIAS ggadmcap
    TRANLOGOPTIONS INTEGRATEDPARAMS (downstream_real_time_mine N)
    
  4. Extractを起動します。
    GGSCI> START EXTRACT ext2

C.3.6.3 DBMS3によって送信されたオンライン・ログからリアルタイム・モードで変更をキャプチャするためのExtract (ext3)の設定

DBMSCAPダウンストリーム・マイニング・データベースで次の手順を実行します。

  1. ソース・データベースDBMS3用にマイニング・データベースにExtractを登録します。資格証明ストアでは、ggadm3のエイリアス名はggadm3@dbms3のユーザー接続文字列にリンクされています。ggadmcapのエイリアス名はggadmcap@dbmscapのユーザー接続文字列にリンクされています。
    GGSCI> DBLOGIN USERID ggadm3
    GGSCI> MININGDBLOGIN USERID ggadmcap
    GGSCI> REGISTER EXTRACT ext3 DATABASE
    
  2. Extractをマイニング・データベースで作成します。
    GGSCI> ADD EXTRACT ext3 INTEGRATED TRANLOG, BEGIN NOW
    
  3. Extractパラメータ・ファイルext3.prmを編集します。リアルタイム・マイニングを有効にするには、downstream_real_time_mineを指定する必要があります。資格証明ストアでは、ggadm3のエイリアス名はggadm3@dbms3のユーザー接続文字列にリンクされています。ggadmcapのエイリアス名はggadmcap@dbmscapのユーザー接続文字列にリンクされています。
    USERIDALIAS ggadm3
    TRANLOGOPTIONS MININGUSERALIAS ggadmcap
    TRANLOGOPTIONS INTEGRATEDPARAMS (downstream_real_time_mine Y)
    
  4. Extractを起動します。
    GGSCI> START EXTRACT ext3

注意:

同一のソース・データベースからデータをキャプチャする(前述の例でデータベースDBMS3の変更をキャプチャするなど)かぎり、リアルタイム統合キャプチャ・モードで実行されるExtractをダウンストリーム・マイニング・データベースに複数作成できます。