Oracle® Fusion Middleware NonStop SQL/MXのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成 12c (12.2.0.1) E72561-01 |
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この章では、Oracle GoldenGateをサポートするシステムおよびデータベース・リソースの要件について説明します。この章は次の項で構成されます。
サポートされているハードウェアまたはソフトウェア構成で製品をインストールしていることを確認します。詳細は、「Oracle Fusion Middleware Supported System Configurations」ページのリリースの動作保証に関するドキュメントを参照してください。
Oracleでは、動作保証済のすべてのシステムおよび環境で製品のパフォーマンスをテストおよび検証しており、新しい動作保証情報が発表された場合は、適切な動作保証ドキュメントにすぐに追加されます。新しい動作保証情報は常に発生する可能性があるため、動作保証ドキュメントはドキュメント・ライブラリの外部に保持され、Oracle Technology Networkで利用できます。
この項では、Oracle GoldenGateのサポートに必要なオペレーティング・システム・リソースについて説明します。
Oracle GoldenGateは、NonStop SMF (Storage Management Foundation)で維持される仮想ディスクではなく、物理ディスク・ドライブにインストールする必要があります。
次のように空きディスク領域を割り当てます。
圧縮されたダウンロード・ファイル用に約200MB。
ダウンロードの展開後のインストール・ディレクトリ用に約966MB。この要件はインストール単位です。たとえば、Oracle GoldenGateの2つのビルドを2つの別々のディレクトリにインストールするには、1932MBの空き容量を割り当てます。
Oracle GoldenGateに必要なメモリーの量は、処理するデータの量、実行するOracle GoldenGateプロセスの数、Oracle GoldenGateで使用可能なRAMの量、およびオペレーティング・システムがRAMを解放する必要がある場合(通常は最低水位標に達した場合)に、RAMのページをディスクに一時的に保存するためにOracle GoldenGateで使用可能なディスク領域の量によって決まります。このようなディスクへのRAMの一時記憶は、一般的にスワッピングまたはページング(以降はスワッピングと呼びます)と呼ばれます。プラットフォームに応じて、スワップ領域は、スワップ・パーティション、スワップ・ファイル、ページ・ファイル(Windows)または共有メモリー・セグメント(IBM iプラットフォーム)とも呼ばれます。
最新のサーバーでは、十分なRAMと十分なスワップ領域およびメモリー管理システムを組み合せてOracle GoldenGateを実行します。ただし、Oracle GoldenGateで使用可能なRAMの量を増やすことで、パフォーマンスを大幅に向上でき、一般的にシステムのパフォーマンスも向上します。
通常のOracle GoldenGateのインストールでは、GB単位のRAMにより、ディスクへのRAMページのスワッピングが必要以上に発生しないようにします。RAMに対する競合が多く発生すると、使用されるスワップ領域が増加します。
ディスクへのスワッピングが必要以上に発生すると、コミット・レコードが受信されるまで、各オープン・トランザクションからのデータを保存する必要があるため、特にExtractプロセスでパフォーマンスの問題が発生します。Oracle GoldenGateがデータベースと同じシステム上で稼働している場合、使用可能なRAMの量は両方のパフォーマンスにとって重大になります。
RAMおよびスワップの使用は、Oracle GoldenGateプロセスではなく、オペレーティング・システムによって制御されます。Oracle GoldenGateキャッシュ・マネージャは、オペレーティング・システムのメモリー管理機能を使用して、Oracle GoldenGateプロセスが安定して効率的に動作できるようにします。ほとんどの場合、ユーザーはデフォルトのOracle GoldenGateメモリー管理の構成を変更する必要はありません。
Oracle GoldenGateのメモリー要件の評価の詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXのCACHEMGR
パラメータに関する項を参照してください。
証跡アクティビティがビジネス・アプリケーションに干渉しないようにするには、証跡ファイルの格納先に別のディスクまたはファイル・システムを割り当てます。これらのファイルは、Oracle GoldenGateによって取得されるすべてのデータの格納処理中に作成されます。デフォルト・サイズは、構成プロセス時に変更できます。証跡ファイルは累積されますが、PURGEOLDEXTRACTS
パラメータで設定されるルールに従ってパージできます。Oracle GoldenGateの構成時に証跡の場所を指定します。証跡ファイルの構成の詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。
Oracle GoldenGateをサポートするには、次のネットワーク・リソースを使用できるようにする必要があります。
最適なパフォーマンスと信頼性を実現、特にターゲットでの低レイテンシを維持するには、最速のネットワークを使用して、すべての障害点で冗長性を導入する必要があります。
DNSを含むTCP/IPサービスを使用するようにシステムを構成します。Oracle GoldenGateはIPv4とIPv6をサポートし、これらのプロトコルのいずれか、または両方ともがサポートされるシステムで稼働します。
Oracle GoldenGateのプロセスをホストし、Oracle GoldenGateの接続先となるすべてのシステムのホスト名またはIPアドレスを使用してネットワークを構成します。ホスト名の方が便利です。
Oracle GoldenGateには、予約されていない制限なしのTCP/IPポートが必要で、その数は構成内のプロセスの数とタイプによって異なります。必要なポートに対応するようにManagerプロセスを構成する方法の詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。
Oracle GoldenGateに割り当てるポートを記録します。Managerプロセスの構成時にパラメータを使用してそれらのポートを指定します。
Oracle GoldenGateのポートを経由した接続を受け入れるようにファイアウォールを構成します。
この項では、Oracle GoldenGate for NonStop SQL/MXを実行するためのオペレーティング・データベースの要件について説明します。
1.3.2「Oracle GoldenGateプロセス用データベース・ユーザー」
ソースSQL/MXシステムで、ExtractプロセスはVAMSERV
という名前のプログラムを使用して、監査証跡からトランザクション・データを取得します。このプログラムは、Oracle GoldenGate for NonStop SQL/MXをインストールする際に、インストール・サブディレクトリに配置されます。このガイドのインストール手順で、VAMSERV
のインストールを求められます。
Oracle GoldenGateではODBC/MXを使用してSQL/MXデータベースに接続します。オペレーティング・システムによって検出される場所に、FUP DUP
コマンドでODBC/MXドライバDLLをコピーする必要が生じる場合があります。この手順は、新しいオペレーティング・システムにODBC/MXの新しいバージョンが含まれている場合、オペレーティング・システムがコンパイルされるたびに必要になります。
Oracle GoldenGate専用のデータベース・ユーザーを作成します。データベースに接続する必要のあるすべてのOracle GoldenGateプロセスに対して同じユーザーでもかまいません。
Extract (SQL/MXソース・データベース)
Replicat (SQL/MXターゲット・データベース)
DEFGEN
(ソース・データベースまたはターゲット・データベース)
NSKユーザー(groupID.userID
)またはOSSの別名userIDをOracle GoldenGateにコピーします。このユーザーには、SQL/MXデータ・レベルで次のアクセス権限が必要です。
表
ビュー
ストアド・プロシージャ
アクセス権限はSQL/MXコマンド・インタフェースを介し、GRANT文を使用して付与されます。GRANT
コマンドの詳細は、SQL/MXのドキュメントを参照してください。
Oracle GoldenGateによってサポートされるSQL/MXデータ型は次のとおりです。
CHAR
VARCHAR
REAL
DOUBLE
NUMERIC
SMALLINT
LARGEINT
DECIMAL
VARCHAR(1)-(4040)
FLOAT
PIC
DATE
TIME
TIMESTAMP
SYSKEY
サポートの制限
元のSYSKEY
値はターゲットでは保持されません。ターゲット・データベースでは、一意の値が新規生成されます。
Oracle GoldenGateで負の日付はサポートされません。
Oracle GoldenGateでは、0001/01/03:00:00:00から9999/12/31:23:59:59のタイムスタンプ・データをサポートしています。タイムスタンプがGMTからローカル時間に変換されると、これらの制限も変換後のタイムスタンプに適用されます。タイムゾーンに応じて、変換により時間が追加または引かれる場合があり、これにより、タイムスタンプがサポートされている上限を超えたり、下回ったりすることがあります。
Oracle GoldenGate for SQL/MXによってサポートされるオブジェクトおよび操作は、次のとおりです。
Oracle GoldenGateでは、最大長512KBの行を含む表でのDML操作の抽出およびレプリケーションがサポートされます。
Oracle GoldenGateでは、データベースによってサポートされている表ごとに最大列数および最大列サイズがサポートされます。
主キーへの更新は、SQL/MXバージョン3.2以降でサポートされます。
SQL/MXはハートビート・レコードを生成するようになりました。
自動ハートビート表のサポートに関する制限事項は次のとおりです。
GLOBALSハートビート表によってサポートされるのは、2部構成または3部構成の名前のみです。ENABLECATALOGNAMES
を使用すると、これらの表名を有効にできます。
Oracle GoldenGateのデフォルト・スキーマ、GGSCHEMA
は使用しないでください。2部構成または3部構成の名前のみを使用する必要があります。
Oracle GoldenGate for SQL/MXによってサポートされないオブジェクトおよび操作は、次のとおりです。
DDL (データ定義言語)操作の抽出とレプリケーション
Oracle GoldenGate SQLEXEC
機能
データベースからのフェッチを含むOracle GoldenGateパラメータ(FETCHCOLS
、FETCHCOLSEXCEPT
、FETCHBEFOREFILTER
など)。
NonStop SQL/MX分散トランザクション
PURGEDATA
操作
ビュー