Oracle GoldenGateリリース10.0以上では、証跡の各ファイルの先頭部分に、ファイル・ヘッダー・レコードが格納されています。 ファイル・ヘッダーには、証跡ファイル自体に関する情報が含まれます。以前のリリースのOracle GoldenGateには、このヘッダーは含まれません。
Oracle GoldenGateプロセスはすべて独立しており、異なるOracle GoldenGateリリースのプロセスが混在できるため、各証跡ファイルのファイル・ヘッダーにはバージョン・インジケータが含まれています。デフォルトでは、証跡ファイルのバージョンは、そのファイルを作成したプロセスの現行バージョンです。証跡のバージョンを設定する必要がある場合、EXTTRAIL
、EXTFILE
、RMTTRAIL
またはRMTFILE
パラメータのFORMAT
オプションを使用します。
Oracle GoldenGateの異なるプロセス・バージョン間でファイルの上位互換性または下位互換性を保証するため、標準化されたトークン形式でファイル・ヘッダー・フィールドが書き込まれます。プロセスの新規バージョンによって作成される新しいトークンは、古いバージョンでは無視されるため、下位互換性が保持されます。同様に、Oracle GoldenGateの新しいバージョンでは、古いトークンがサポートされます。また、新しいプロセス・バージョンによってあるトークンが非推奨になっても、そのトークンにはデフォルト値が割り当てられるため、古いバージョンも引き続き正しく動作します。ファイル・バージョンを指定するトークンは、COMPATIBILITY
です。このトークンは、ログダンプ・ユーティリティで表示することや、@GETENV
関数のGGFILEHEADER
オプションを使用して取得することができます。
証跡または抽出ファイルのバージョンは、そのファイルを読み取るプロセスのバージョン以下である必要があります。それ以外の場合、プロセスは異常終了します。また、データ・ポンプの出力証跡またはファイルは、Oracle GoldenGateによって強制的に入力証跡またはファイルと同じバージョンに設定されます。再起動時に、Extractは、各ファイルのバージョンがただ1つになるように証跡を1つの新規ファイルにまとめます(ファイルが空ではない場合)。