この章では、Veridata GoldenGate Parameter Processing (VGPP)コマンドライン・ツールでOracle GoldenGateパラメータ・ファイルを使用する方法を説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle GoldenGateパラメータ・ファイルには、レプリケートされたデータの抽出または適用に必要なすべての情報が含まれています。Oracle GoldenGateレプリケーションによって伝播されたデータは、ExtractまたはReplicatパラメータ・ファイルの設定によって制御されます。通常、Extractパラメータ・ファイルではレプリケート対象の表を指定し、Replicatパラメータ・ファイルでは列のマッピングを制御し、表を詳細に制限します。VGPPコマンドライン・ユーティリティでは、1つまたは2つのOracle GoldenGateパラメータ・ファイルを入力として使用できます。これらのパラメータ・ファイルのうち、1つは必ずReplicatパラメータ・ファイルで、もう1つのオプション・ファイルはExtractパラメータ・ファイルにする必要があります。
Oracle GoldenGateレプリケーションでは、データ変更の原因となったトランザクションに関する情報と実際の変更データを取得できます。ただし、Oracle GoldenGate Veridataで検出できるのはソース・データベースとターゲット・データベースの現在の状態のみなので、トランザクションの変更に関連するOracle GoldenGateパラメータはサポートできません。たとえば、INSERTDELETES
パラメータなどです。VGPPでは、GoldenGate REPLICAT
ファイルのMAP
文を使用してVeridata比較ペアを生成します。パラメータ・ファイル内の他の情報は、関連するMAP
文の特定に使用されます。オプションで、EXTRACT
パラメータのTABLE
文を使用して、生成される比較ペアを制限することができます。
Oracle GoldenGate Veridataでは、単一列マッピングのみがサポートされます。したがって、列マッピングではソース列とターゲット列間の1対1マッピングが前提とされます。
次のジョブを実行できます。
Oracle GoldenGate ReplicatおよびExtractの構成パラメータをOracle GoldenGate Veridataで再利用する。
Oracle GoldenGate Veridata ReplicatおよびExtractのパラメータ・ファイルを別途作成しないようにする。
VGPPプログラムは、これを実行するための正しいオペレーティング・システムの権限を有するユーザーは誰でも実行できます。
使用するパラメータ・ファイルが、Oracle GoldenGate Veridataのインストール先のシステム上にあることを確認します。別のシステムからファイルをコピーする必要がある場合は、CHARSET
パラメータが有効な状態を維持できるよう、対象のファイルをバイナリ・ファイルとしてコピーする必要があります。
オペレーティング・システムのコマンド・シェルを実行します。
VERIDATA_DOMAIN_HOME
/veridata/bin
ディレクトリに移動します。
次の構文を使用して、VGPPプログラムを実行します。
構文
veridata_param_process{.bat|.sh} required_parameter [optional_parameter]
必須パラメータ
次は必須です。入力しないとエラーが返されます。
[-noscripting | -create | -replace| -update ] [-wlport port ] | -wluser user_name | [-p <propfile>] [-o <outputFile>] [replicat_param_filename]
-wluser
は、WebLogic Serverに接続するためのWebLogic Serverユーザー名を指定します。このWebLogic Serverユーザーには、コマンドライン操作にアクセスして実行するためのveridataCommandLineUser
権限が必要です。このユーザーには、ジョブを正常に実行し、Veridataインポート・ユーティリティとエクスポート・ユーティリティを使用するためのveridataAdministrator
またはveridataPowerUser
権限も必要です。
オプション・パラメータ
これはオプションのパラメータです。
[extract_param_filename]
表6-1 VGPPのランタイム引数
引数 | 説明 |
---|---|
|
生成された構成ファイルを使用して |
-wluser |
サーバーを認証して接続するWebLogic Serverユーザー名を指定します。 |
-wlport |
WebLogic Serverのポート番号を指定します。デフォルトのリスニング・ポートは8830です。 |
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Veridataの構成に必要な追加情報が含まれているプロパティ・ファイルを指定します。 |
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生成されたVeridataスクリプト・ファイルが含まれている出力ファイルを指定します。デフォルトは オプションの
|
VGPPプログラムの実行時に、オプションのプロパティ・ファイルを指定できます。このファイルにはOracle GoldenGateパラメータ・ファイルにない情報が含まれ、Veridataの有効な比較構成を生成するためには、このファイルが必要です。指定可能なプロパティ(情報)の一部を次に示します。
表6-2 オプション・パラメータ
プロパティ名 | 備考 |
---|---|
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Veridataエージェント/マネージャ接続の名前。既存のVeridata接続の名前にすることができます。 デフォルトはExtract名です。これは既存の接続を参照する場合に必要な唯一のソース接続プロパティです。 |
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ソース・エージェントのポート。これは接続がまだ存在しない場合に必要です。 |
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ソース・エージェントを実行中のホスト名。これは接続が存在しない場合に必要です。 |
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このデフォルト設定は、Extractパラメータ・ファイル内のユーザー情報です。これは接続が存在しない場合に必要です。 |
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このデフォルト設定は、Extractパラメータ・ファイル内のユーザー情報です。これは接続がまだ存在しない場合に必要です。プロパティ名が値なしで指定されている場合、スクリプト構成がVeridataにロードされる際に、スクリプト・ユーティリティから値を入力するように要求されます。 |
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これはSybase、SQL ServerおよびOracle統合データベースで有効です。 SybaseおよびSQL Serverの場合は、ソース表が含まれるデータベースになります。 Oracleの場合は、Extractパラメータの処理時に使用するOracle PDBを指定します。このPDBに関連付けられていない文は無視されます。デフォルト値はファイル内の最初のPDB参照です。参照は |
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Extractパラメータ・ファイルがANSIの引用符指定に準拠するかどうかを指定します。これはブール値です。デフォルト値はtrueです。GoldenGateコアの |
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Extractパラメータ・ファイルの文字セット。Extractパラメータ・ファイルに指定されているすべての文字セットを上書きします。 |
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Extractパラメータ・ファイルに複数の証跡ファイルが指定されている場合に使用する証跡ファイル名。デフォルトは、Extractパラメータ・ファイルで最初に指定されている証跡ファイルです。Extractパラメータ・ファイルに同じ名前の |
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Veridataエージェント/マネージャ接続の名前。既存のVeridata接続の名前にすることができます。 デフォルトはReplicat名です。これは既存の接続を参照する場合に必要な唯一のターゲット接続プロパティです。 |
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ターゲット・エージェントのポート。これは接続がまだ存在しない場合に必要です。 |
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ターゲット・エージェントを実行中のホスト名。これは接続が存在しない場合に必要です。 |
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このデフォルト設定は、パラメータ・ファイル内のユーザー情報です |
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このデフォルト設定は、Extractパラメータ・ファイル内のユーザー情報です。プロパティ名が値なしで指定されている場合、スクリプト構成がVeridataにロードされる際に、スクリプト・ユーティリティから値を入力するように要求されます。 |
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これはSybaseおよびSQL Serverで有効です。ターゲット表を含むデータベースになります。 |
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Replicatパラメータ・ファイルがANSIの引用符指定に準拠するかどうかを指定します。これはブール値です。デフォルト値はtrueです。GoldenGateコアの |
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Replicatパラメータ・ファイルの文字セット。Replicatパラメータ・ファイル内のすべての |
この項では、Oracle GoldenGate ExtractまたはReplicatのパラメータ・ファイルで使用可能なすべてのパラメータの処理について説明します。各キーワードはサポート対象、サポート対象外または無視のいずれかです。サポート対象パラメータは、Veridata構成の生成で使用されます。サポート対象外パラメータは、Veridata構成の生成を妨げます。サポート対象外パラメータ(INSERTDELETES
)が指定されると、後続のMAP
文は無視されます。無視パラメータは、Veridata構成の生成には適用できない機能を示します。
次の表に、既知のパラメータと予想される処理を示します。リストにないパラメータは無視パラメータです。
表6-3 パラメータの処理
GoldenGateパラメータ | Veridataのサポート |
---|---|
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このパラメータは無視されます。Veridataでは、単一カタログの項目のみが処理されます。 |
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サポート対象外。 |
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サポート対象。このパラメータは、パラメータ・ファイルおよびINCLUDE/OBEYファイルでサポートされます。Veridataでは |
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サポート対象。 |
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サポート対象。 |
NSK ExtractおよびReplicatのサポート対象。 |
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NSK ExtractおよびReplicatのサポート対象。 |
サポート対象。 |
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サポート対象。 |
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サポート対象。 |
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NSK Extractのサポート対象。 |
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サポート対象。指定されたパスでファイルが見つからない場合、VGPPはパラメータ・ファイルと同じディレクトリ内でそのファイル名を検索します。 |
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サポート対象外。後続の |
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サポート対象外 | サポート対象。 |
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サポート対象外 | サポート対象: |
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サポート対象。 |
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サポート対象。 |
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サポート対象。 |
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サポート対象。 |
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サポート対象。 |
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サポート対象。 |
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サポート対象。 |
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サポート対象。 |
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Oracle統合データベースでサポートされています。 |
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サポート対象。詳細は、3.4.4項を参照してください |
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サポート対象。 |
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サポート対象外 | サポート対象。 |
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サポート対象外 | サポート対象。 |
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サポート対象。 |
Veridataでは、Replicatパラメータ・ファイル内の各Map文で、スクリプト構成ファイルの比較ペア要素が生成されます。生成されたスクリプト・ファイルには、最初に固有の表マッピング、次にワイルドカード・マッピング、そして最後に除外マッピングがリストされます。これは、固有のマッピングがワイルドカード・マッピングに優先するOracle GoldenGate Replicatの動作と一致します。
同じソース表指定とターゲット表指定が複数のMAP
文に出現する場合、最初に出現した表指定が比較ペア指定に使用されます。このように複数回出現する可能性があるのは、MAP
文でスレッド指定と範囲フィルタが使用されている場合です。
次の表に、MAP
文とTABLE
文のすべてのキーワードと、VGPPでのサポート・レベルを一覧で示します。サポート対象外のキーワードが含まれているMAP
文では、Veridataの比較構成が生成されません。可能性ありとマークされた項目は、Veridataの値を特定するには追加情報が必要であることを示します。
表6-4 Map文とTable文の処理
キーワード | Veridataのサポート |
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サポート対象。 |
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サポート対象。ソース列からターゲット列への単純なマッピングのみがサポートされています。関数またはリテラルにマップされているターゲット列は比較構成から除外されます。
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サポート対象。生成された比較ペア構成では、明示的な列リストになります。 |
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サポート対象。明示的な列マッピングが存在しない場合は、システムでマップされた列と省略された列リストになります。 |
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無視。 |
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NSKのサポート対象。 |
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NSKのサポート対象。 |
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NSKのサポート対象。 |
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NSKのサポート対象。 |
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無視。 |
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サポート対象外。 |
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無視。 |
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無視。 |
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無視。 |
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サポート対象外。 |
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サポート対象。 |
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無視。 |
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無視。 |
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無視。 |
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無視。 |
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無視。 |
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サポート対象。 |
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サポート対象。 |
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無視。 |