この章では、Enterprise Manager Cloud ControlソフトウェアおよびOracle Management Agentソフトウェアを入手する方法について説明します。この章の具体的な内容は次のとおりです。
表1-1に、これまでにリリースされたEnterprise Manager Cloud Controlを示します。
表1-1 Enterprise Manager Cloud Controlのリリース
リリース番号 | リリース・タイプ | リリース日 | 実装方法 | 説明 |
---|---|---|---|---|
Oracle Enterprise Manager Cloud Control 13cリリース1 |
基本リリース |
2015年10月 |
|
13cの最初のリリース。 |
注意: これらのリリースおよびサポートしているプラットフォームの詳細は、Enterprise Manager Cloud Controlの動作保証マトリックスにアクセスしてください。このマトリックスにアクセスする手順は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。 |
Enterprise Manager Cloud Controlソフトウェアは、製品DVDまたはOracle Technology Network (OTN) Webサイトから入手できます。この項では、これらのソースとその入手方法について説明します。
Enterprise Manager Cloud Controlソフトウェアは、オラクル社のサービス統括責任者または販売代理店を通して入手可能な製品DVDから取得できます。このソフトウェアは、オペレーティング・システムに応じて1枚または複数のDVDに収録されています。
内容は次のとおりです。
ソフトウェアが1枚のDVDに収録されている場合は、そのDVDをDVDドライブに挿入し、.bin
ファイルを実行します。
ソフトウェアが複数のDVDに収録されている場合は、アーカイブされているソフトウェアを各DVDからローカル・ディスク内にコピーします。その後、.bin
ファイルを実行します。アーカイブされたファイル(ZIP)を抽出する必要はありません。.bin
ファイルおよび.zip
ファイルとして保持します。
共有DVDドライブからDVDにアクセスする場合、DVDドライブのマウント・ポイントを設定します。
ほとんどのLinuxオペレーティング・システムでは、DVDをDVDドライブに挿入するとディスクが自動的にマウントされます。ただし、一部のLinuxオペレーティング・システムでは、ディスクを手動でマウントする必要があることがあります。ディスクが自動的にマウントされるかどうかを確認し、自動的にマウントされない場合はディスクを手動でマウントするには、次の手順を実行します。
DVDをディスク・ドライブに挿入します。
ディスクが自動的にマウントされるかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。
Red Hat Enterprise Linuxの場合:
# ls /mnt/cdrom
SUSE Linux Enterprise Serverの場合:
# ls /media/cdrom
手順(2)のコマンドによりディスクの内容が表示されない場合は、次のコマンドを実行します。
Red Hat Enterprise Linuxの場合:
# mount -t nfs <host name>:/mnt/<full path to the dvdrom>
SUSE Linux Enterprise Serverの場合:
# mount -t nfs <host name>:/media/<full path to the dvdrom>
ほとんどのAIXオペレーティング・システムでは、DVDをDVDドライブに挿入するとディスクが自動的にマウントされます。ただし、一部のAIXオペレーティング・システムでは、ディスクを手動でマウントする必要があることがあります。ディスクが自動的にマウントされず、手動でマウントする場合、次の手順に従います。
次のコマンドを実行して、ユーザーをrootユーザーに切り替えます。
$ su -root
ディスクをドライブに挿入します。
注意: 必要に応じて、次のコマンドを入力して、現在マウントされているディスクを取り出し、ドライブから取り除きます。
|
次のコマンドを入力します。
# /usr/sbin/mount -rv cdrfs /dev/cd0 /SD_DVD
このコマンド例の/SD_DVD
はディスク・マウント・ポイント・ディレクトリで、/dev/cd0
はディスク・デバイスのデバイス名です。
ディスクの場所を指定するように要求されたら、ディスク・マウント・ポイント・ディレクトリのパスを指定します。たとえば、/SD_DVD
のように指定します。
Enterprise Manager Cloud Controlソフトウェアは、OTNから入手できます。OTNで入手可能なソフトウェアは、Info-ZIPの移植性の高いZIPユーティリティを使用してアーカイブされています。ソフトウェアは、ZIPファイルに収録されています。ソフトウェアをダウンロードした後、ファイルを抽出するためにUNZIPユーティリティが必要になります。
内容は次のとおりです。
OTNからEnterprise Manager Cloud Controlソフトウェアをダウンロードするには、次の手順に従います。
製品をインストールするインストール・ユーザーとして、Enterprise Manager Cloud Controlソフトウェア・ファイルをダウンロードして格納するためのディレクトリを作成します。
次のOTN URLにアクセスします。
http://www.oracle.com/technetwork/oem/enterprise-manager/downloads/index.html
次のファイルをダウンロードします。
UNIXプラットフォームの場合:
em13100_linux64.bin
em13100_linux64-2.zip
em13100_linux64-3.zip
em13100_linux64-4.zip
em13100_linux64-5.zip
Microsoft Windowsプラットフォームの場合:
setup_em13100_win64.exe
setup_em13100_win64-2.zip
setup_em13100_win64-3.zip
setup_em13100_win64-4.zip
setup_em13100_win64-5.zip
警告: 以前のリリースのEnterprise Manager Cloud Controlで行ったように、ダウンロードしたアーカイブ済ファイル(ZIP)の内容は抽出しないでください。 |
製品をインストールするインストール・ユーザーとして、.bin
または.exe
ファイルのexecute権限を設定します。
たとえば、UNIXプラットフォームではem13100_linux64.bin
ファイルのexecute権限を設定します。
chmod +x em13100_linux64.bin
execute権限が.bin
ファイルまたは.exe
ファイルに正しく設定されていることを確認します。
たとえば、UNIXプラットフォームでは、次のコマンドを実行します。
ls -ltr
次のようにファイル権限をリスト表示する出力が表示されます。
-r-xr-xr-x 1 user1 group1 2032373759 Jul 14 03:57 em13100_linux64.bin -r--r--r-- 1 user1 group1 2022925751 Jul 14 03:57 em13100_linux64-2.zip -r--r--r-- 1 user1 group1 2046336073 Jul 14 03:57 em13100_linux64-3.zip -r--r--r-- 1 user1 group1 653990632 Jul 14 03:57 em13100_linux64-4.zip -r--r--r-- 1 user1 group1 653990632 Jul 14 03:57 em13100_linux64-5.zip
ZIPファイルをダウンロードした後、cksum
コマンドをZIPファイルに対して実行し、ダウンロードしたソフトウェアのファイル・チェックサムが、OTNで表示されているファイル・チェックサムと同じであるかどうかを確認します。
UNIXプラットフォーム用13cリリース1には、次のZIPファイルの形式がリリースされています。ここで、<platform>はオペレーティング・システム、NはZIPファイルの番号です。たとえば、em13100_linux64-2.zip、em13100_linux64-3.zip、em13100_linux64-4.zip
およびem13100_linux64-5.zip
です。
em13100_<platform>-N.zip (<value> bytes) (cksum - <value>)
同様に、Microsoft Windowsプラットフォーム用13cリリース1には、次のZIPファイルの形式がリリースされています。ここでNはZIPファイルの番号です。たとえば、setup_em13100_win64-2.zip、setup_em13100_win64-3.zip、setup_em13100_win64-4.zip
およびsetup_em13100_win64-5.zip
です。
setup_em13100_win64-N.zip (<value> bytes) (cksum - <value>)
(cksum - <value>)の値が、確認する必要のあるファイル・チェックサムです。最初のZIPファイルのチェックサムを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ cksum em13100_<platform>-N.zip
次に例を示します。
アーカイブは適切なプラットフォーム上で解凍する必要があります。たとえば、Linux x86オペレーティング・システム用のソフトウェアをダウンロードする場合は、Linux x86オペレーティング・システムでファイルを解凍する必要があります。Microsoft Windowsコンピュータでファイルを解凍してから、ステージ領域をLinuxコンピュータに移動すると、ステージング領域のファイルが破損します。これは、Linuxファイル名の大/小文字の区別または許可ビットがMicrosoft Windowsでは保持されないためです。
1つのZIPファイルをダウンロードした場合は、その内容を抽出し、手動でEnterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードを実行します。
複数のZIPファイルを共通の場所にダウンロードした場合は、すべてのZIPファイルの内容を同じ場所に抽出し、手動でEnterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードを呼び出します。
警告: 内容を別の場所に抽出すると、インストールに失敗します。 |
ヒント: ファイルをDVDに格納する場合は、まずZIPファイルの内容を抽出し、次に抽出したファイルをDVDにコピーします。ZIPファイルをコピーすると、製品をインストールするためにそのZIPファイルの内容を解凍する必要があるので、コピーしないでください。 |
Oracle Management Agent (管理エージェント)は、Enterprise Manager Cloud Controlのコア・コンポーネントの1つであるため、そのソフトウェアはEnterprise Manager Cloud Controlソフトウェアの一部です。Enterprise Manager Cloud Controlをインストールすると、インストール・ウィザードにより自動的に管理エージェントがインストールされます。
追加の管理エージェントは、Enterprise Manager Cloud Controlコンソール(Cloud Controlコンソール)に組み込まれたホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用すればインストールできます。ウィザードでは、OMSホームにすでに存在する管理エージェント・ソフトウェアを使用します。
ただし、OMSホームにすでに存在する管理エージェント・ソフトウェアは常に、OMSが実行されているバージョンおよびプラットフォーム用のものです。たとえば、OMSがOracle Management Service 13cリリース1であり、Linuxプラットフォーム上で実行されている場合、この場所に存在する管理エージェント・ソフトウェアもそのリリースおよびそのプラットフォーム用のものです。
OMSが稼働しているプラットフォームとは別のプラットフォーム用の管理エージェントをインストールする場合、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールに組み込まれている自己更新コンソールを使用して、必ずそのソフトウェアをダウンロードしてください。
自己更新の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。ソフトウェアのダウンロード手順は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』のCloud Controlの更新に関する章を参照してください。