初期設定コンソールは、Enterprise Manager Cloud Controlコンソール内の豊富なGUIを備えたコンソールであり、これを開始点として使用して、Enterprise Manager Cloud Controlの設定、実行する各設定タスクの進行状況の追跡、およびまだ保留中になっているタスクの特定を行うことができます。すべてのステップを同時に実行することも、一部をすぐに実行して残りを後で実行することもできます。
初期設定コンソールにリストされている設定手順は個別のメニュー・オプションとしても利用できますが、コンソールでは準備状況のステータス全体が単一のビューで提供されるため、コンソールを使用して手順を実行することお薦めします。
注意: 初期設定コンソールにアクセスできるのは、スーパー管理者のみです。 |
この章では、初期設定コンソールを使用してすべての設定タスクを実行する方法について説明します。この章の具体的な内容は次のとおりです。
Oracleソフトウェア・ライブラリ(ソフトウェア・ライブラリ)は、ソフトウェア・パッチ、仮想アプライアンス・イメージ、参照ゴールド・イメージ、アプリケーション・ソフトウェアおよび関連するディレクティブのスクリプトなどのソフトウェア・エンティティを格納するリポジトリです。
ソフトウェア・ライブラリは、Enterprise Manager Cloud Controlのインストール中またはインストール後に構成できます。
Enterprise Manager Cloud Controlのインストール中にソフトウェア・ライブラリを構成した場合、この特定の設定タスクは初期設定コンソールで完了タスクとして表示されます。この場合は、次の設定タスクに進んでください。
Enterprise Manager Cloud Controlのインストール中にソフトウェア・ライブラリを構成しなかった場合、この設定タスクは初期設定コンソールで未完了タスクとして表示されます。この場合は、このトピックで説明されている指示に従って、タスクを完了する必要があります。
初期設定コンソールからソフトウェア・ライブラリを構成しない場合は、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールで使用可能なソフトウェア・ライブラリ管理コンソールを使用して後から構成できます。
「ソフトウェア・ライブラリ管理」コンソールから構成する手順の詳細は、「OMS共有ファイル・システム・ストレージの場所の設定」を参照してください。
Enterprise Manager Cloud Controlの旧リリースからアップグレードした場合、アップグレードの際に旧リリースのソフトウェア・ライブラリの場所が継承されるため、この設定タスクは初期設定コンソールで常に完了タスクとして表示されます。
ソフトウェア・ライブラリは、主に「OMS共有ファイル・システム」の場所と「OMSエージェント・ファイル・システム」の場所の2つのタイプの記憶域の場所をサポートしています。「OMS共有ファイル・システム」を構成することをお薦めします。これらの記憶域の場所を理解するには、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。
「初期設定コンソール」を使用して「ソフトウェア・ライブラリ」の「OMS共有ファイル・システム」の場所を構成するには、次の手順を実行します。
『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』に記載されている、ソフトウェア・ライブラリ・アップロード記憶域の場所の前提条件に対応します。
「設定」メニューから「初期設定コンソール」をクリックします。
初期設定コンソール・ページの左パネルで、「ソフトウェア・ライブラリ」をクリックします。
ソフトウェア・ライブラリ・アップロード・ファイルの場所ページの「記憶域のタイプ」ドロップダウン・メニューから、「OMS共有ファイル・システム」を選択します。
「ソフトウェア・ライブラリ」の記憶域の場所に一意の名前を入力し、OMSホスト上にマウントされている共有の場所の絶対パスを入力します。追加のOMSインスタンスをインストールするときに同じ共有の場所を使用するため、OMSホストの共有の場所が必要です。共有場所が、すべてのOMSインスタンスからアクセスできることを確認します。マルチOMS設定の場合は、すべてのOMSインスタンスに通常優先資格証明を設定します。
アップロード・ファイルの場所を初めて構成する際は、すべてのインストール済プラグインのすべてのソフトウェア・ライブラリ関連メタデータ情報をインポートするメタデータ登録ジョブがOMSから発行されます。
アップロード・ファイルの場所を構成すると、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールで使用可能なソフトウェア・ライブラリ管理コンソールから、パージや移行などのその他の記憶域管理アクションを実行できます。このコンソールにアクセスするには、「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」、「ソフトウェア・ライブラリ」の順に選択します。
注意:
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プロキシを構成することで、Oracle Management Service (OMS)とOracle Management Agent (管理エージェント)間の通信を保護できます。すべての管理エージェントに1つのプロキシを構成することも、管理エージェントのセットにプロキシを1つ構成して残りはなしにすることも可能ですし、異なる管理エージェントのセットに別々のプロキシを構成することもできます。
また、2つ以上のプロキシを冗長プロキシとして構成し、OMSと管理エージェントの通信に構成されたプロキシの高可用性をサポートすることも可能です。そのような状況の場合は、デフォルトで、その他のプロキシのステータスに関係なく、稼働中のプロキシが通信用に選択されます。通信を開始する前に、プロキシが非アクティブであるか停止していることがわかった場合は、その管理エージェントに構成されている別のプロキシが選択されます。ただし、特定のプロキシで通信を開始した後に、そのプロキシが非アクティブになったり停止したりした場合は、稼働中の別のプロキシを選択するフォールバック・メカニズムは、現在存在しないことに注意してください。
注意:
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初期設定コンソールを使用して、OMSから管理エージェントへの通信にプロキシを構成するには、次の手順に従います。
「設定」メニューから「初期設定コンソール」を選択します。
初期設定コンソール・ページの左パネルで、「OMSエージェント・プロキシ設定」をクリックします。
『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』で概説されている手順(3)から手順(6)までを実行します。
Oracle Management Service (OMS)では、ホストのインターネット接続を使用してMy Oracle Supportに定期的に接続し、パッチやパッチ・セット、パッチ推奨および自動リリース更新(ARU)シード・データをダウンロードしています。Enterprise Manager Cloud Controlでは、デフォルトで、OMSとMy Oracle Supportの間にはプロキシ・サーバーが構成されていないものと推定されます。ただし、通信を保護するため、2つのエンティティの間にプロキシ・サーバーを追加し、Enterprise Manager Cloud Controlにプロキシ・ターゲットとして登録することが可能です。
注意: すでにプロキシを構成している場合、この設定タスクは完了しています。 |
初期設定コンソールを使用して、OMSからMy Oracle Supportへの通信にプロキシを構成するには、次の手順に従います。
「設定」メニューから「初期設定コンソール」を選択します。
初期設定コンソール・ページの左パネルで、「My Oracle Support」をクリックします。
『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』で概説されている手順(2)から手順(7)までを実行します。
Enterprise Manager Cloud Controlをインストールすると、インストーラにより、Oracle Management ServiceとOracle Management Agentがデフォルトで1つずつインストールされます。このデフォルト構成は小さな環境に適しており、通常、より大規模な本番環境では、単一のOracle Management Serviceの負荷を軽減し、データ・フローの効率を向上させ、Enterprise Managerシステムの高可用性を実現するために、追加のOMSインスタンスが必要になる場合があります。
注意: すでに追加のOMSを追加している場合、この設定タスクは完了しています。 |
初期設定コンソールを使用して追加のOracle Management Serviceを追加するには、次の手順に従います。
Oracle Management Serviceの追加を開始する前に、7.2項で説明されている重要な事項を確認します。
Oracle Management Serviceを追加するための前提条件(7.3項を参照)を満たします。
「設定」メニューから「初期設定コンソール」をクリックします。
初期設定コンソール・ページの左パネルで、「Oracle Management Serviceの追加」をクリックします。
管理サービス追加の開始ページで、リストされたインストール前タスクを完了します。終了したら、完了した各タスクを選択し、「次へ」をクリックします。
『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』に説明されている、手順(4)から手順(7)に従います。
追加のOracle Management Serviceを追加したら、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』に説明されているインストール後タスクを実行します。
特定のインシデント、イベントまたは問題が発生した場合には情報が通知されるため、レポートされた問題を回避するための修正処理や予防処理を実行できます。Enterprise Managerでは、電子メール、SNMPトラップ、カスタム・スクリプトの実行、またはこの3つすべてなど、様々なメカニズムでそうした通知を送信します。Enterprise Manager Cloud Controlが電子メール通知を送信するには、送信メール・サーバー(SMTPサーバー)を設定しておく必要があります。
注意: すでにSMTPサーバーを構成している場合、この設定タスクは完了しています。 |
Enterprise Managerが電子メール通知を送信できるように、送信メール・サーバーを構成するには、次の手順に従います。
「設定」メニューから「初期設定コンソール」をクリックします。
初期設定コンソール・ページの左パネルで、「メール・サーバーの構成」をクリックします。
メール・サーバーの構成ページの送信者識別セクションで、「編集」をクリックします。
送信者識別ダイアログに、電子メール通知を送信する管理者またはシステムの名前と、通知の送信元の電子メール・アドレスを入力します。「OK」をクリックします。
「送信メール(SMTP)サーバー」セクションで、「作成」をクリックします。
「送信メール(SMTP)サーバー」ダイアログに、メール・サーバーのホスト名、メール・サーバーの資格証明、および使用する暗号化メソッドを入力します。「OK」をクリックします。
複数の送信メール・サーバーを構成する場合は、自動フェイルオーバーとロード・バランシングがラウンド・ロビン方式で実行されます。
My Oracle Support接続を使用すると、サービス・リクエスト情報の表示、パッチ推奨の取得、およびソフトウェア・ライブラリへのプラグインやエンティティのダウンロードを、すべてのEnterprise Manager Cloud Controlコンソールから行うことができます。Enterprise Manager Cloud ControlコンソールからMy Oracle Supportへ自動的にサインインするには、Enterprise Manager Cloud ControlにMy Oracle Support資格証明を登録する必要があります。
注意: すでにMy Oracle Support資格証明を登録している場合、この設定タスクは完了しています。 |
初期設定コンソールを使用してMy Oracle Support資格証明を登録するには、次の手順に従います。
「設定」メニューから「初期設定コンソール」をクリックします。
初期設定コンソール・ページの左パネルで、「MOS資格証明の設定」をクリックします。
MOS資格証明の設定ページで、「ここ」をクリックします。
My Oracle Supportページに、My Oracle Support資格証明を入力します。
「適用」をクリックします。
ユーザーは、Enterprise Manager Cloud Controlへのログインと使用を許可された管理者です。ユーザーは、Enterprise Managerに定義されているいずれかのロールに属し、権限が与えられている操作のみを実行します。
デフォルトで、ユーザーは、すべてのターゲットに対する完全なアクセス権を持つスーパー管理者、Oracle Management Repositoryを管理するリポジトリ所有者、または通常はEnterprise Manager Cloud Controlを使用する通常の管理者のいずれかになります。
注意: すでに一連のユーザーを作成している場合、この設定タスクは完了しています。 |
初期設定コンソールを使用して管理者を作成するには、次の手順に従います。
「設定」メニューから「初期設定コンソール」を選択します。
初期設定コンソール・ページで、「ユーザーの作成」をクリックします。
ユーザーの作成ページの「Enterprise Managerスーパー管理者」セクションで、Enterprise Managerシステムでこれまでに作成したスーパー管理者のリストおよび最後に認証された時間を表示します。
「Enterprise Managerスーパー管理者」セクションを閉じて、セクションの下の次のテキストを確認します。ここをクリックしてください。
Enterprise Manager管理者はここから管理できます
「管理者」ページで「作成」をクリックします。
管理者の作成ウィザードが表示されます。
管理者の作成ウィザードの認証ページで、作成するユーザーに使用する認証メカニズムを選択して、「次へ」をクリックします。
プロパティ・ページで、作成するユーザーの詳細を指定して、「次へ」をクリックします。
ロール・ページの「使用可能なロール」リストから、作成中のユーザーに明示的に付与するロールを選択し、「次へ」をクリックします。
ターゲット権限ページで、作成中のユーザーに付与する権限を選択し、「次へ」をクリックします。これらの権限は、ターゲット・セットで特定の管理アクションを実行する権限をユーザーに付与します。
リソース権限ページで、作成中のユーザーに明示的に付与するリソース権限を選択し、「次へ」をクリックします。
確認ページで、「終了」をクリックします。
ロールは、Enterprise Manager Cloud Controlを使用する管理者に付与されるEnterprise Managerのリソース権限またはターゲット権限、あるいはその両方の集合です。ロールは、地理的位置(カナダのシステムを管理するためのカナダの管理者用ロールなど)、業務系列(人事管理システムや販売システムの管理者用ロールなど)または他のモデルに基づいて作成できます。管理者を作成したら、次の手順は、ロールを作成して、それぞれのロールに管理者を割り当てることです。
注意: すでに一連のロールを作成している場合、この設定タスクは完了しています。 |
初期設定コンソールを使用してロールを作成するには、次の手順に従います。
「設定」メニューから「初期設定コンソール」をクリックします。
初期設定コンソール・ページの左パネルで、「ロールの作成」をクリックします。
「ロールの作成」ページで「ロール数が最も多い上位5位の管理者」セクションおよび「ネストされたロールが最も多いロール」セクションを閉じて、セクションの下の次のテキストを確認します。ここをクリックしてください。
Enterprise Managerロールはここから管理できます
ロール・ページで、「作成」をクリックします。
ロールの作成ウィザードが表示されます。
ロールの作成ウィザードの「プロパティ」ページで、ロールに一意の名前を入力し「次」をクリックします。
「ロール」ページにある「使用可能なロール」リストから、作成した特定のロールに付与するオラクル社が定義したロールを選択し、「次」をクリックします。
すでに存在するロールに明示的にロールを付与すると、現在のロールの受領者にすべての権限が付与されます。
ターゲット権限ページで、作成中のロールに明示的に付与する権限のうち、すべてのターゲットに共通の権限と、特定のターゲットに固有の権限を選択し、「次へ」をクリックします。
リソース権限ページで、作成中のロールに明示的に付与するリソース権限を選択し、「次へ」をクリックします。
管理者ページで、このロールを付与する管理者を選択し、「次へ」をクリックします。
確認ページで、「終了」をクリックします。