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Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド
13c リリース1
E70368-02
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2 Enterprise Manager Cloud Control 13cへのアップグレードの概要

Enterprise Manager Cloud Control 13cは、Enterprise Manager Cloud Controlの最新リリースです。この新しいリリースでは、以前のリリースと比較して、様々な新機能、機能強化、パフォーマンス向上およびバグ修正を提供しています。Enterprise Manager Cloud Control 12c リリース5 (12.1.0.5)、12c リリース4 (12.1.0.4)または12c リリース3 (12.1.0.3)がある場合は、あらゆる新機能の恩恵を受けるために、13c リリース1にアップグレードすることをお薦めします。

Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1へのアップグレードを開始する前に、アップグレード・プロセス、アップグレード・ユーティリティおよびアップグレード・ユーティリティに関連するその他の重要な側面(サポートされている環境、サポートされているアップグレード・パス、ポートの再利用方法、自動的に引き継がれる以前のリリースの機能、アップグレード後に再実行する必要があるカスタマイズなど)を理解する必要があります。そうすることで、アップグレードの要件および影響を理解し、以前のリリースから円滑に移行するための準備ができます。

この章では、アップグレード・プロセスを示し、アップグレード・プロセスを開始する前に知っておく必要がある重要な側面について説明します。この章の具体的な内容は次のとおりです。

2.1 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1へのアップグレードでサポートされているOMS環境

次のOracle Management Service (OMS)環境のいずれかをアップグレードできます。

  • 単一OMS環境: 単一OMS環境は、複数の管理エージェントで編成される1つのOMSを使用した環境です。通常、小さいデプロイメントです。

  • 複数OMS環境: 複数OMS環境は、複数の管理エージェントで編成されるサーバー・ロード・バランサ(SLB)でモデレートされた2つ以上のOMSインスタンスを使用した環境です。通常、大きいデプロイメントです。

2.2 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1へのアップグレードでサポートされているアップグレード・パスおよびサポートされているアップグレード方式

表2-1に、サポートされているアップグレード・パスと、それぞれのアップグレード・パスでサポートされているアップグレード方式を示します。

表2-1 Enterprise Managerシステムのアップグレードでサポートされているアップグレード・パスおよびサポートされているアップグレード方式

アップグレード元 アップグレード先 サポートされているアップグレード方式

12cリリース5 (12.1.0.5)

13c リリース1

1システム・アップグレード

12cリリース4 (12.1.0.4)

13c リリース1

1システム・アップグレード

  • 12cリリース3プラグイン・アップグレード1 (12.1.0.3)

    (2013年10月にリリースされたプラグインが含まれる12cリリース3 (12.1.0.3)ソフトウェア)

  • 12cリリース3 (12.1.0.3)

13c リリース1

Oracle BI Publisherを12c リリース3 (12.1.0.3)で構成している場合、13c リリース1に直接アップグレードすることはできません。まず12cリリース4 (12.1.0.4)または12cリリース4 (12.1.0.5)にアップグレードしてから、13cリリース1にアップグレードする必要があります。Oracle BI Publisherを12cリリース3 (12.1.0.3)で構成していない場合は、13cリリース1に直接アップグレードできます。

1システム・アップグレード

  • 12cリリース2プラグイン・アップデート1 (12.1.0.2)

    (2013年2月にリリースされたプラグインが含まれる12cリリース2 (12.1.0.2)ソフトウェア)

  • 12c リリース2 (12.1.0.2) (基本リリース)

まず12c リリース5 (12.1.0.5)、12c リリース4 (12.1.0.4)または12c リリース3 (12.1.0.3)にアップグレードしてから、13c リリース1にアップグレード。

1システム・アップグレード

  • バンドル・パッチ1を適用済の12cリリース1 (12.1.0.1)

  • バンドル・パッチ1を含む(デフォルトで含まれる)12cリリース1 (12.1.0.1)

  • 12cリリース1 (12.1.0.1) (基本リリース)

まず12c リリース4 (12.1.0.4)または12c リリース3 (12.1.0.3)にアップグレードしてから、13c リリース1にアップグレード。

1システム・アップグレード

  • 11gリリース1 (11.1.0.1)

  • 10gリリース5 (10.2.0.5)

まず12c リリース5 (12.1.0.5)、12c リリース4 (12.1.0.4)または12c リリース3 (12.1.0.3)にアップグレードしてから、13c リリース1にアップグレード。

  • 1システム・アップグレード

  • 2システム・アップグレード

  • 異なるホストでの1システム・アップグレード

  • 10gリリース4 (10.2.0.4)以下

  • 10gリリース1 (10.1)

まず10g リリース5 (10.2.0.5)または11g リリース1 (11.1.0.1)にアップグレードし、次に12c リリース5 (12.1.0.5)、12c リリース4 (12.1.0.4)または12c リリース3 (12.1.0.3)にアップグレードしてから、13c リリース1にアップグレード。

  • 1システム・アップグレード

  • 2システム・アップグレード

  • 異なるホストでの1システム・アップグレード


2.3 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1へのアップグレードでサポートされているプラットフォーム

サポートされているプラットフォームのリストを表示するには、My Oracle Supportで入手できるEnterprise Manager動作保証マトリックスにアクセスします。手順は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。

2.4 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1へのアップグレードで提示されるアップグレード範囲

Enterprise Manager Cloud Control 13cへのアップグレードに関する情報をいくつか次に示します。

  • 12c リリース5 (12.1.0.5)、12c リリース4 (12.1.0.4)または12c リリース3 (12.1.0.3)のみ、13c リリース1にアップグレードできます。

  • Oracle BI Publisherを12c リリース3 (12.1.0.3)で構成している場合、13c リリース1に直接アップグレードすることはできません。まず12c リリース4 (12.1.0.4)または12c リリース5 (12.1.0.5)にアップグレードしてから、13c リリース1にアップグレードする必要があります。Oracle BI Publisherを12cリリース3 (12.1.0.3)で構成していない場合は、13cリリース1に直接アップグレードできます。

  • 12c リリース1 (12.1.0.1) [バンドル・パッチ1の有無に関係なし]、12c リリース2 (12.1.0.2)または12cより前のリリース(10g、11gなど)がある場合は、まず12c リリース3 (12.1.0.3)、12c リリース4 (12.1.0.4)または12c リリース5 (12.1.0.5)にアップグレードします。

  • 既存のデータベースが13c リリース1に対して動作保証されているデータベースである場合のみ、アップグレードできます。既存のデータベースが13c リリース1でサポートされているリリースではない場合は、サポートされているリリースにアップグレードしてから、OMSと管理リポジトリのアップグレードを開始してください。

    たとえば、12c リリース3 (12.1.0.3)からアップグレードする場合、データベースのリリースが古く、13c リリース1でサポートされていない可能性があります。この場合は、まずデータベースを13c リリース1でサポートされている最低限のデータベース・リリースにアップグレードしてから、Enterprise Managerシステムを13c リリース1にアップグレードします。

  • アップグレード操作は常に、OMSおよび管理エージェントの新しいOracleホームが表示されるアウトオブプレース・アップグレードです。古いホームと新しいホームを定期的にバックアップすることをお薦めします。

  • これらのアップグレード方式では、管理リポジトリが構成される既存のデータベースはアップグレードされません。

    このようなデータベースをアップグレードするには、データベース・アップグレード・ツールを使用します。アップグレード・ツールの詳細は、次の場所にあるOracle Databaseドキュメント・ライブラリの『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

    http://docs.oracle.com/en/database/

  • 表2-2に、13cリリースおよび12cリリースでのOMSと管理エージェント間の互換性について示します。OMSは、この表に示されている管理エージェントのリリースとのみ通信できます。

    表2-2 13cリリースおよび12cリリースでのOMSと管理エージェント間の互換性


    Oracle Management Agent 12cリリース3 (12.1.0.3)

    Oracle Management Agent 12cリリース4 (12.1.0.4)

    Oracle Management Agent 12cリリース5 (12.1.0.5)

    Oracle Management Agent 13cリリース1

    Oracle Management Service 13cリリース1

    はい

    はい

    はい

    はい


    旧リリースの管理エージェントがある場合は、OMSを13c リリース1にアップグレードする前に、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールにあるエージェント・アップグレード・コンソールを使用して管理エージェントを12c リリース3 (12.1.0.3)、12c リリース4 (12.1.0.4)または12c リリース5 (12.1.0.5)に必ずアップグレードしてください。

  • 管理エージェントは、どのプラットフォーム上にあっても、そのプラットフォームに対応したOMS 13cソフトウェアを入手できるかぎり、アップグレード可能です。

  • Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードにより、Java Development Kit (JDK) 1.7.0_80およびOracle WebLogic Server 12c リリース1 (12.1.3.0)がデフォルトでインストールされます。13c リリース1以降、事前インストールされたJDKまたはOracle WebLogic Serverはサポートされません

  • Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードによってインストールされるOracle WebLogic Server 12c リリース1 (12.1.3.0)が必ずEnterprise Manager Cloud Control専用となるようにする必要があります。ミドルウェア・ホームにその他のOracle Fusion Middleware製品をインストールしてはいけません。

    ORACLE_COMMONプロパティはEnterprise Manager Cloud ControlとOracle Fusion Middleware製品の両方で使用されるため、これらを同じミドルウェア・ホームに共存させることはできません。

2.5 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1へのアップグレードの一環としてアップグレードまたはインストールされるコンポーネント

13c リリース1へのアップグレードはアウトオブプレース・アップグレードであるため、Enterprise Manager Cloud Control 13cインストール・ウィザードを起動すると、次のことが実行されます。

  • Oracle WebLogic Server 12cリリース1 (12.1.3.0)をインストールします。

  • Java Development Kit (JDK) 1.7.0_80をインストールします。

  • Oracle Management Service 13cリリース1をインストールします。

  • Oracle JRF 12cリリース1 (12.1.3.0)をインストールします。これにはoracle_commonディレクトリが含まれます。

  • Oracle Web Tier 12c リリース1 (12.1.3.0)をインストールします。

  • Oracle BI Publisher 12cリリース1 (12.1.3.0)をインストールします。これにはbiディレクトリが含まれます。以前のリリースのOracle BI Publisherがすでに存在する場合、この方式ではそのリリースを12.1.3.0にアップグレードします。

  • プラグインをアップグレードするか、すでにデプロイされているプラグインを引き継ぐか、またはプラグインをデプロイします。

    • Enterprise Manager Cloud Control 13cリリース1ソフトウェアに新しいバージョンがある場合は、デプロイされているプラグインをアップグレードします。

      13cリリース1以降、Oracle Fusion Middlewareプラグインのデプロイメントまたはアップグレードの一環として、デフォルトでOMSにJava仮想マシン診断(JVMD)エンジンが1つインストールされるようになりました。デプロイする追加OMSごとに、そのOMSとともにデフォルトで1つのJVMDエンジンが提供されます。

      JVMDを使用すると、管理者は本番環境でJavaアプリケーションのパフォーマンスの問題を診断できます。問題を再現する必要性がなくなることにより、こうした問題解決に必要な時間が短縮されるため、アプリケーションの可用性とパフォーマンスが向上されます。

      JVMDエンジンはデフォルトではOMSホストにインストールされますが、JVMDエージェントはターゲットのJVMに手動でデプロイする必要があります。手順については、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』のJVMDエージェントのインストールの章を参照してください。

      以前のリリースのEnterprise Manager Cloud ControlにJVMDエンジンが含まれていた場合、それらはすべて自動的に使用停止になります。ただし、古いJVMDエンジンは使用停止になったため、アップグレード後、以前のJVMDエージェントによって監視されていたターゲットは監視されません。それらのターゲットの監視を続けるには、ターゲットのJVMにそれらのJVMDエージェントを再デプロイし、新たにインストールされたJVMDエンジンと通信できるようにする必要があります。

    • 次の場合は、デプロイされているプラグインをアップグレードせずに移行または引き継ぎます。

      • Enterprise Manager Cloud Control 13cリリース1ソフトウェアに新しいバージョンがない場合。

      • デプロイされているプラグインがすでにEnterprise Manager Cloud Control 13cリリース1ソフトウェアでのバージョン以上である場合。

    • アップグレード対象のプラグインに新しい依存関係が存在する場合またはリリースで導入された新しいデフォルト・プラグインがある場合は、新しいプラグインをデプロイします。

    • 選択した追加のプラグインをデプロイします。

  • GCDomainと呼ばれるOracle WebLogicドメインを作成します。

  • nodemanagerと呼ばれるノード・マネージャのユーザー・アカウントを作成します。

  • Oracle Management Service 13cに関連するすべての構成の詳細を格納する、Oracle Management Serviceインスタンス・ベース・ディレクトリ(gc_inst)を構成します。

  • 既存の認証されたOracleデータベースのOracle管理リポジトリをアップグレードします。


注意:

中央エージェント(OMSとともにインストールされる管理エージェント)は、デフォルトではアップグレードされません。OMSをアップグレードした後にEnterprise Manager Cloud Controlコンソールで使用可能なエージェント・アップグレード・コンソールを使用してアップグレードする必要があります。

2.6 アップグレード後のEnterprise Manager Cloud Control 13cで使用されるポート

OMSまたは管理エージェントをアップグレードすると、旧リリースの管理エージェントで使用されていたポートは、アップグレード後の管理エージェントに引き継がれます。そのため、ファイアウォール設定には何も影響しません。

OMSをアップグレードすると、旧リリースのコア・コンポーネントすべてで使用されていたポートは引き継がれます。


注意:

コア・コンポーネント、ポートが選択される範囲、および割り当てられる空ポートの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』でインストールの基本に関する章を参照してください。

ファイアウォールをOMS用に構成した場合に、ファイアウォールを通して利用可能にする必要のあるURLの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。


2.7 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1へのアップグレードと並行したOracle BI Publisherのアップグレード

13c リリース1以降、Oracle BI Publisherは、OMSのアップグレード中に旧リリースから最新のリリースに自動的にアップグレードされます。他の手順は必要ありません。

2.8 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1へのアップグレードと並行したプラグインのアップグレード

この項の内容は次のとおりです。

2.8.1 13c リリース1へのOracle Management Agentのアップグレードと並行したプラグインのアップグレード

エージェント・アップグレード・コンソールを使用してOracle Management Agentを13c リリース1にアップグレードすると同時に、旧リリースのプラグインはすべてデフォルトでアップグレードされます。手動による操作は必要ありません。

2.8.2 13c リリース1へのOracle Management Serviceのアップグレードと並行したプラグインのアップグレード

Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードを使用してOracle Management Serviceを13c リリース1にアップグレードすると同時に、プラグインは次の状況に基づいて自動的にアップグレード、移行またはデプロイされます。

  • 新しいバージョンが存在する場合、プラグインはアップグレードされます。

  • 新しいバージョンが存在しない場合、プラグインは移行されます。

  • アップグレード対象のプラグインに新しい依存関係が存在する場合またはリリースで導入された新しいデフォルト・プラグインがある場合、プラグインがデプロイされます。

  • Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードの「プラグインの選択」画面で選択する追加のプラグイン。

「プラグインの選択」画面にリストされていないプラグインをインストールする場合は、次の手順に従います。

  1. 必要なプラグインを次の場所から手動でダウンロードします。

    http://www.oracle.com/technetwork/oem/extensions/index.html

    さらに、パートナまたは顧客のプラグインをダウンロードする場合は、次の場所からダウンロードします。

    https://apex.oracle.com/pls/apex/f?p=53891:1

  2. 次のオプションを指定してインストーラを起動し、追加のプラグインがダウンロードされている場所を渡します。

    UNIXプラットフォームの場合:

    ./em13100_<platform>.bin PLUGIN_LOCATION=<absolute_path_to_plugin_software_location>

    Microsoft Windowsプラットフォームの場合:

    setup_em_win64.exe PLUGIN_LOCATION=<absolute_path_to_plugin_software_location>

    ここには、ソフトウェア・キット(DVD、ダウンロードしたソフトウェア)で使用可能なプラグインや、このカスタムの場所で使用可能なプラグインの一覧が表示されます。インストールするものを選択できます。

2.9 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1にアップグレードした後のOracle Software Libraryの状態

Oracle Software Libraryは、Enterprise Managerがアップグレードされるとすぐに機能します。使用できるようにするために、手作業で操作する必要はありません。

2.10 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1にアップグレードした後のコネクタの状態

Enterprise Managerシステム全体のアップグレード後、従来のEnterprise Managerシステムで構成されたコネクタはEnterprise Manager Cloud Controlでも引き続き動作します。ただし、構成されていなかったものは機能しません。

2.11 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1にアップグレードした後のOMSおよび管理エージェント用に構成されたカスタム証明書の再利用

13c リリース1にアップグレードすると、OMSのアップロードおよびコンソール・ポート用に構成されたすべてのカスタム証明書および管理エージェント用に構成されたすべてのカスタム証明書は、以前のリリースから自動的に引き継がれ、アップグレード後のリリースで保持されます。これらのカスタム証明書のいずれについても、再構成は不要です。

2.12 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1にアップグレードした後のデータベースのXML DB機能

管理リポジトリの構成を計画しているOracle Database上のXML DBなどの機能を有効化または無効化しても、Enterprise Managerは影響を受けません。したがって、Enterprise Managerはデータベースにあるいずれの機能にも依存しないため、それらを有効化または無効化できます。

2.13 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1にアップグレードした後のOMSおよび管理エージェントの手動による再起動

同じホスト上の管理リポジトリが格納されているOMSおよびOracle Databaseをインストールする場合、ホストを再起動する際に、OMS、および一緒にインストールされた管理エージェントは自動的に開始されません。それらを手動で開始する必要があります。

OMSを手動で起動するには、OMSホストのOracleホームから次のコマンドを実行します。

$<ORACLE_HOME>/bin/emctl start oms

次に例を示します。

/u01/software/em13c/oraclehome/bin/emctl start oms

管理エージェントを手動で起動するには、エージェント・ホームから次のコマンドを実行します。

$<AGENT_HOME>/bin/emctl start agent

次に例を示します。

/u01/software/em13c/agentbasedir/agent_13.1.0.0.0/bin/emctl start agent

2.14 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1にアップグレードした後にスタンバイ・データベース(管理リポジトリ)でOracle Data Guardを構成する場合の強制ロギングの有効化

Oracle Management Repositoryを格納しているスタンバイ・データベースでOracle Data Guardを構成する場合、次のコマンドを使用してデータベースでの強制ロギングを有効にします。

ALTER DATABASE force logging;

データベースへの強制ロギングを有効化しない場合、Enterprise Managerシステムをアップグレードする際にNOLOGGINGコマンドを使用すると、スタンバイ・データベースを破損する可能性があります。

2.15 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1へのアップグレードに使用するウィザードまたはコンソール

この項では、Enterprise Manager Cloud Control 13cへのアップグレードに使用するウィザードまたはコンソールについて説明します。特に、次の内容について説明します。

2.15.1 Enterprise Manager Cloud Control 13cインストール・ウィザードの概要

Enterprise Manager Cloud Control 13cインストール・ウィザードは、OMSおよび管理リポジトリのアップグレードを可能にする主要なユーザー・インタフェースです。アップグレードは旧リリースのOMSが存在する同じホストで発生するため、ある程度の停止時間が含まれます。

Enerprise Manager Cloud Control 13cインストール・ウィザード

注意:

インストーラでは、既存のOracle Management Agent (管理エージェント)をアップグレードしません。OMSをアップグレードした後、エージェント・アップグレード・コンソールを使用して管理エージェントを個別にアップグレードする必要があります。エージェント・アップグレード・コンソールは、OMSをアップグレードした後にEnterprise Manager Cloud Controlコンソールに表示されるGUIコンソールです。詳細は、2.15.2項を参照してください。

2.15.2 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1のエージェント・アップグレード・コンソールの概要

エージェント・アップグレード・コンソールは、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールに組み込まれているグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。このコンソールは、既存の中央エージェントを一括アップグレードする単一ウィンドウ・ソリューションとして機能します。中央エージェントとは、各OMSとともにデフォルトでインストールされる管理エージェントです。


注意:

エージェント・アップグレード・コンソールを使用すると、スタンドアロン管理エージェントであってもアップグレードできますが、スタンドアロン管理エージェントをアップグレードするにはエージェント・ゴールド・イメージをかわりに使用することをお薦めします。ゴールド・エージェント・イメージ・コンソールを使用すると、ゴールド・イメージの作成および管理と、既存のスタンドアロン管理エージェントの更新が可能です。第2.15.2項を参照してください。

エージェント・アップグレード・コンソールにアクセスするには、「設定」メニューから「Cloud Controlの管理」をクリックし、「エージェントのアップグレード」を選択します。

エージェント・アップグレード・コンソール

注意:

エージェント・アップグレード・コンソールを使用して中央管理エージェントをアップグレードするには、複数OMS環境でOMSインスタンスをすべてアップグレードする必要があります。

エージェント・アップグレード・コンソールは、「エージェントのアップグレード・タスク」タブと「エージェントのアップグレード後のタスク」タブで構成されます。

  • 「エージェントのアップグレード・タスク」タブは、中央エージェントのアップグレード、アップグレードできない中央エージェントの表示および中央エージェントのアップグレード・ジョブの概要の表示に使用できます。

  • 「エージェントのアップグレード後のタスク」タブは、アップグレードした中央エージェントの古いディレクトリのクリーンアップおよび中央エージェントのクリーンアップ・ジョブの概要の表示に使用できます。エージェント・アップグレード・コンソールにアクセスするには、「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、次に「エージェントのアップグレード」を選択します。

2.15.3 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1のゴールド・エージェント・イメージ・コンソールの概要

ゴールド・エージェント・イメージ・コンソールは、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールに組み込まれているグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。このコンソールは、既存のスタンドアロン管理エージェントを一括アップグレードする単一ウィンドウ・ソリューションとして機能します。スタンドアロン管理エージェントとは、管理対象外ホストにインストールされた管理エージェントで、管理対象外ホストを管理対象ホストに変換したり、そこで稼働しているターゲットをモニターします。

ゴールド・エージェント・イメージ・コンソールにアクセスするには、「設定」メニューで「Cloud Controlの管理」「ゴールド・エージェント・イメージ」の順に選択します。

ゴールド・エージェント・イメージ・コンソール

ゴールド・エージェント・イメージ・コンソールを使用して、次のタスクを実行できます。

  • 新しい管理エージェントのプロビジョニング。

  • 既存の管理エージェントの更新。

    • 管理エージェントのアップグレード(管理エージェント・ソフトウェアのアップグレード)。

    • 管理エージェントへの新しいプラグインのデプロイ。

    • 管理エージェントにデプロイされている既存のプラグインのアップグレード。

    • 管理エージェントへのパッチのデプロイ。

    • 管理エージェントにデプロイされているプラグインへのパッチのデプロイ。

  • エージェント・ゴールド・イメージのコンプライアンス・レベルをチェックして、エージェント・ゴールド・イメージにすでに関連付けられている環境内の管理エージェントの割合と、それ以外の割合の特定。

  • エージェント・ゴールド・イメージのアクティビティの追跡管理(発行されたゴールド・イメージ・ジョブ、ステータス、アクティビティの開始時間および終了時間など)。

2.16 Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース1にアップグレードした後のOPSSスキーマに対する変更

Enterprise Managerシステムがアップグレードされると、SYSMAN_OPSSのかわりにSYSMANUPGR_OPSSがOracle Platform Security Service (OPSS)スキーマに使用されます。