ここでは、Enterprise Manager Cloud Controlを使用してService Busを検出およびモニターする方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Enterprise Manager Cloud Controlリリース13cでのモニタリングがサポートされているService Busのバージョンは、次のとおりです。
Service Bus 12.2.1.x
Service Bus 12.1.3.x
Service Bus 11.1.1.7.x
Service Bus 10.3.2.0.x
Oracle WebLogic Managed Serverが検出されてEnterprise Manager Cloud Controlに追加されると、Oracle WebLogic Managed ServerにデプロイされたService BusがEnterprise Manager Cloud Controlで自動的に検出されます。
Service Busの検出は、Enterprise Manager Cloud ControlでOracle WebLogic Managed Serverがすでにモニターされているかどうかに依存します。
Cloud ControlでOracle WebLogic Managed Serverがモニターされていない場合は、まずそれを検出してCloud Controlに追加します。これで、デプロイされているService Busが自動的に検出されます。
Cloud ControlでOracle WebLogic Managed Serverがすでにモニターされている場合は、Oracle WebLogic Managed Serverが属するOracle WebLogicドメインのメンバーシップをリフレッシュします。これによって、それにデプロイされたService Busが自動的に検出されます。
Service Busの検出手順は、第10.5項「Service Busの検出」を参照してください。
次の表では、Enterprise Manager Cloud ControlでのService Busの検出およびモニタリングに伴う全体的なプロセスについて説明します。Service Busの検出およびモニターを問題なく行うため、このプロセスの各手順で説明されている指示に従ってください。
表10-1 検出プロセス
手順 | 要件 | 説明 |
---|---|---|
1 |
Service Bus |
Service Busソフトウェアをインストールします。 注意: Service Busデプロイメント・プロシージャを起動する前に、Sun JDKがインストールされていることを確認してください。 |
2 |
Enterprise Manager Cloud Control |
Enterprise Manager 12cをインストールします。 Enterprise Manager Cloud Controlの基本のリリースのインストールについては、次の場所にあるEnterprise Manager Cloud Controlインストレーションおよび基本構成ガイドを参照してください。
Enterprise Manager Cloud Controlコンポーネントは、Service Busがインストールされているホストとは別のホストにインストールすることをお薦めします。たとえば、Service Busがhost1.xyz.comにインストールされている場合は、Oracle Management Service(OMS)および管理リポジトリをhost2.xyz.comにインストールして構成してください。 |
3 |
Oracle Management Agent (管理エージェント) |
Service Busがインストールされているホストに、Oracle Management Agent 12cをインストールします。 Service BusとEnterprise Manager Cloud Controlが同じホスト上にある場合は、管理エージェントを別途インストールする必要はありません。Enterprise Manager Cloud Controlに含まれている管理エージェントで十分です。ただし、ホストが異なる場合は、Service Busがインストールされているホストに管理エージェントを個別にインストールする必要があります。あるいは、別のホスト上のService Busターゲットをリモート管理するように、管理エージェントを他のホストにインストールすることもできます。 管理エージェントは次のいずれかの方法でインストールできます。
管理エージェントのインストールの詳細は、次の場所にあるEnterprise Manager Cloud Controlインストレーションおよび基本構成ガイドを参照してください。 |
4 |
Enterprise Manager Cloud Controlでの検出 |
Service Busは、そのデプロイ先であるOracle WebLogicドメインが検出されるとき自動的に検出され、Enterprise Manager Cloud Controlに追加されます。 |
Oracle WebLogic Managed Serverが検出されてEnterprise Managerに追加されると、Oracle WebLogic Managed ServerにデプロイされたService BusがEnterprise Manager Cloud Controlで自動的に検出されます。
Service Busを検出する前に、Enterprise ManagerでOracle WebLogic Managed Serverがすでにモニターされているかどうかを確認してください。
Enterprise ManagerでOracle WebLogic Managed Serverがモニターされていない場合は、まずそれを検出してEnterprise Manager Cloud Controlに追加します。これで、デプロイされているService Busが自動的に検出されます。
Enterprise ManagerでOracle WebLogic Managed Serverがすでにモニターされている場合は、Oracle WebLogic Managed Serverが属するOracle WebLogicドメインのメンバーシップをリフレッシュします。これによって、それにデプロイされたService Busが自動的に検出されます。
ここでは、前述の場合にService Busを検出する手順について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。
Cloud ControlでモニターされていないOracle WebLogic Manager ServerにデプロイされたService Busを検出するには、まずEnterprise Manager Cloud ControlでそのOracle WebLogic Manager Serverを検出します。これで、デプロイされているService Busが自動的に検出されます。Oracle WebLogic Manager Serverを検出するには、次の手順を実行します。
「ターゲット」メニューから「ミドルウェア」を選択します。
「ミドルウェア」ページが開き、モニター中のすべてのミドルウェア・ターゲットが一覧で表示されます。
「ミドルウェア」ページで、「追加」ドロップダウン・リストから「Oracle Fusion Middleware / WebLogic Serverドメイン」を選択し、「実行」をクリックします。
Oracle Fusion Middleware / WebLogic Serverドメインの追加ウィザードが表示され、検出およびモニターするOracle WebLogicドメインの詳細情報が集められます。
Oracle Fusion Middleware / WebLogic Serverドメインの追加ウィザードの各ページで、必要な詳細を指定して「次へ」をクリックし、ウィザードの最終ページまで進みます。
ウィザードの各ページで指定する詳細は、各ページの「ヘルプ」をクリックします。
Oracle Fusion Middleware / WebLogic Serverドメインの追加ウィザードの最終ページで、「終了」をクリックして検出プロセスを完了し、モニタリングのためターゲットをCloud Controlに追加します。
「ミドルウェア」ページが開き、Oracle WebLogic Manager ServerがCloud Controlに正常に追加されたことを示す確認メッセージが表示されます。
モニター中のすべてのミドルウェア・ターゲットを表示する「ミドルウェア」ページで、追加したばかりのOracle WebLogic Managed ServerおよびService Busを確認できます。このとき、Service Busは表内で最後のターゲットとして表示されます。Oracle WebLogic Managed Serverの下にネストされたOSBを表示するには、このページで「リフレッシュ」をクリックします。あるいは、別のタブまたはページに移動してから、「ミドルウェア」ページに戻ります。
注意:
|
Fusion Middleware検出の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。
Cloud ControlですでにモニターされているOracle WebLogic Managed ServerにデプロイされたService Busを検出するには、Oracle WebLogic Managed Serverが属するOracle WebLogicドメインのメンバーシップをリフレッシュします。これによって、それにデプロイされたService Busが自動的に検出されます。
Oracle WebLogic Managed Serverが属するOracle WebLogicドメインのメンバーシップをリフレッシュするには、次の手順を実行します。
「ターゲット」メニューから「ミドルウェア」を選択します。
「ミドルウェア」ページで、モニター対象のミドルウェア・ターゲットのリストから「Oracle WebLogicドメイン」ターゲットを選択します。
Oracle WebLogicドメインのホームページの「一般」セクションで、「ドメインのリフレッシュ」をクリックします。メンバーシップ・ページが開き、現在モニターされていないすべてのService Busが一覧で表示されます。「OK」をクリックします。
メンバーシップがリフレッシュされ、Oracle WebLogicドメインのホームページに戻ります。
注意: Oracle WebLogicドメインのホームページの「ステータス」セクションにあるステータスの円グラフの凡例に、Service Busターゲットが新しく追加されたことを示す件数の増加が表示されないことがあります。これは、Enterprise Manager Cloud Controlでこのセクションにメンバーシップの詳細が反映されるまでに数秒かかることによる、予測された動作です。 |
「メンバー」タブをクリックし、Service Busが追加されたかどうかを確認します。
Service Busのステータスをモニタリングする以外に、その他の付加価値機能を利用する場合は、Management Pack for SOAを有効化する必要があります。
Management Pack for SOAを有効化する手順:
「設定」メニューから、「Management Pack」、「Management Packのアクセス権」の順に選択します。
「Management Packのアクセス権」ページが表示されます。
「Management Packのアクセス権」ページの「検索」リストで、「Service Bus」を選択します。
モニター対象のすべてのService Busターゲットのリストが表示されます。
表内の対象のService Busターゲットに対して、SOA Management Pack Enterprise Editionを有効化して「適用」をクリックします。
Enterprise Manager Cloud Controlでは、Oracle WebLogic Managed ServerにデプロイされたService Busターゲットの状態をモニターできます。Oracle WebLogic Managed Serverが検出された場合、Cloud Controlが、Oracle WebLogic Managed ServerにデプロイされたService Busターゲットを自動的に検出して追加し、一元的にモニタリングおよび管理します。
Cloud Controlは、モニター対象の各Service Busターゲットのステータス、可用性、パフォーマンス、サービス、アラート、ビジネス・サービス、プロキシ・サービス、パイプライン・サービスおよび分割-結合サービスに関する情報を提供します。これによって、最新の構成詳細を表示し、特定の時間で構成詳細を保存して、構成詳細を別のService Busインスタンスと比較できます。Service Busでは、プロキシ・サービスとビジネス・サービス間の依存関係をグラフで表示することもできます。
モニタリング機能のみでなく、Cloud Controlを使用するとService Busターゲットのブラックアウトおよびインフラストラクチャ・サービスの作成もできます。ブラックアウトにより一定期間中(メンテナンス中など)ターゲットのモニタリングを一時停止する間、インフラストラクチャ・サービスは依存性サービスになります。依存性サービスは、Service Busターゲットが依存するインフラストラクチャ・コンポーネントを識別するために作成されます。
Enterprise ManagerのページでService Busのデータが表示されない場合、モニタリングがService Busサービスに対して無効であることが原因である可能性があります。Service BusデータをEnterprise Managerで表示するには、モニタリングがService Busサービスに対して有効であるかどうかを確認します。確認するには、次の手順を実行します。
「ターゲット」メニューから、「ミドルウェア」を選択します。
「ミドルウェア」ページでService Busターゲットを選択します。Service Busのホームページが表示されます。
Service Busのホームページで、「Fusion Middleware Control」をクリックします。
Service Busターゲットにログインします。
モニタリングを有効にするには、「グローバル設定」タブで「モニタリング有効」オプションを選択します。
注意: Service Busのモニタリングの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Bus管理者ガイドを参照してください。 |
「適用」をクリックします。
Enterprise Managerを使用すると、BI Publisher EnterpriseレポートでService Busレポートを印刷できます。Oracle Business Intelligence(BI)Publisherは、高度にフォーマットされたドキュメントを作成、管理および配布するためのエンタープライズ・レポート・ソリューションです。Oracle BI Publisherでは、既存のインフラストラクチャを活用するカスタム・レポート作成アプリケーションを構築することもできます。レポートは、使い慣れたデスクトップ製品を使用して設計でき、オンライン表示や広範囲な宛先へのスケジュール配信に対応しています。
たとえば、Service Busサービスが一定期間に実行されていた方法を説明するService Busサービス・レポートを生成できます。このレポートには、上位5つのService Busサービスをリストするグラフと、そのすべてのサービスに関する重要なメトリックの詳細を含む表が表示されます。
次の表では、選択可能なService Bus関連レポートについて説明します。
表10-2 Service Busレポート
Service Busレポート | 説明 |
---|---|
Service Busサービス・サマリー・レポート |
Service Busサービス・サマリー・レポートには、選択したサービスについて、平均レスポンス時間、開いているインスタンスの数、フォルト・インスタンスの数およびWebサービス・セキュリティ違反の数に関する情報が提供されます。Service Busサービス・サマリー・レポートには、指定期間において、選択したService Busサービスの平均レスポンス時間またはスループットに基づく上位5つのService Busサービスのグラフが表示されます。レポートは、パフォーマンス・メトリック(「平均レスポンス時間」など)や使用量メトリック(「インスタンス数」など)に基づいてソートできます。レポート・パラメータ設定の一環で、Service Busサービスをプロジェクトごとに選択できるオプションを使用したり、個々のサービスを選択したりできます。 |
Service Busサービス操作サマリー・レポート |
Service Busサービス操作サマリー・レポートでは、選択したサービスの内部操作レベルの詳細が提供されます。レポートの詳細には、平均レスポンス時間、開いているインスタンスの数、フォルト・インスタンスの数およびWebサービス・セキュリティ違反の数などがあります。レポートは、パフォーマンス・メトリックや使用量メトリックに基づいてソートできます。レポート・パラメータ設定の一環で、Service Busサービスをプロジェクトごとに選択できるオプションを使用したり、個々のサービスを選択したりできます。 |
BI Publisher Enterpriseレポートを使用してService Busレポートを印刷するには、次の手順を実行します。
「エンタープライズ」メニューから、「レポート」、「BI Publisher Enterpriseレポート」の順にクリックします。
Enterprise Manager Cloud Controlには、BI Publisher Enterpriseレポートのログイン・ページが表示されます。
資格証明を入力して、BI Publisherにログインします。
BI Publisherの「エンタープライズ」ページには、最新レポート、「その他」、「お気に入り」が表示されます。このページを使用して、新規レポートの作成、レポート・ジョブの発行、その他のタスクの実行を行うことができます。
表示するレポートをクリックします。
「レポート」ページで、パラメータ・フィルタを使用して、表示するレポート構造を調整し、「リフレッシュ」をクリックします。
ページ上部で利用できる様々な検索パラメータ(「ターゲット名」や「日付範囲」など)に基づき、フィルタを使用してService Busサービス・レポートを表示できます。同様に、「ソート基準」オプションに基づいてレポートを表示できるため、「サービス名」や「平均レスポンス時間」などを基準にレポートをソートできます。
Service Busサービスの「レポート」タブの右上にある「リフレッシュ」アイコンをクリックすることで、レポートをいつでもリフレッシュできます。「パラメータ」アイコンをクリックすることで、検索パラメータの表示と非表示を切り替えることができます。「レポートの表示」アイコンをクリックすることで、様々な形式(HTML、PDF、RTF、Excel、PowerPoint)でレポートを表示するように選択できます。同様に、「アクション」アイコンをクリックすることで、使用可能なアクションをさらに表示できます。BI Publisherの使用の詳細は、ヘルプ・アイコンをクリックしてください。
ここでは、Service Busの検出時に発生する可能性のあるエラーと、そのエラーを解決するための手順について説明します。
次のエラーは、選択したアプリケーション・サーバーの構成情報が収集されていない場合に発生します。
表10-3 システムとサービスの作成エラー - 回避手順
エラー・メッセージ | 回避手順 |
---|---|
An error encountered while discovering the dependencies. This may occur if some configuration information is missing. Check whether the configuration information was collected for the dependent targets and then try again. |
最新の構成データを収集するには、アプリケーション・サーバーのホームページに移動し、「構成」をクリックして、「Application Server」メニューから「最新収集」を選択します。 |
管理エージェントをEnterprise Manager 12c with OMS 10.2.0.5にアップグレードすると、次のエラーが発生します。
表10-4 SOAPテスト・エラー - 回避手順
エラー・メッセージ | 回避手順 |
---|---|
Add SOAP Test failed. The selected service has an invalid or incorrect WSDL URL. Check whether the Service Bus Target URL value is valid in the Monitoring Configuration page of the selected target. To access the Monitoring Configuration page, go to the Service Bus Homepage and from the Related Links section, select Monitoring Configuration. |
管理エージェントを12cにアップグレードした場合、SOAPテストに対応するには次の回避策を適用する必要があります。 Service Busターゲットの「モニタリング構成」ページで、「プロキシ・サービスにアクセスするサーバーURL」プロパティを特定のWebLogic ServerターゲットのURLに設定します。URLは |