分散アプリケーションのモニタリングには複数の製品を使用する必要がありますが、それぞれの製品はアプリケーション・パフォーマンスの異なる側面を検証します。この部の章ではこれらの製品を単独で、または組み合せて使用して、アプリケーションをモニターする方法について説明します。また、これらの製品のインストール、構成および操作に必要なワークフローの概要を説明します。次の章で構成されます。
第13章「パフォーマンスのモニタリング」では分散アプリケーションをモニタリングするプロセスを紹介します。パフォーマンスのモニターに使用するRUEI、BTM、JVMDおよびEMについて、そしてエンドツーエンド・モニタリングの設定方法について説明し、様々なモニタリング・コンテキストにわたりセキュリティ・スキームがどのように適応するかを取り上げます。
第14章「ユーザー・エクスペリエンスの理解」は、Real User Experience Insight (RUEI)をどのように使用して、ユーザーの製品と対話方法を理解するかについて説明します。RUEIが収集する測定値を使用して、ユーザー・インタフェース設計の有効性、Webサーバーおよびインターネットの応答性、そしてユーザー操作の正常性を評価できます。
第15章「サービスの検出とトランザクションの操作」では、アプリケーションを構成するすべてのコンポーネントをBusiness Transaction Management (BTM)を使用して検出する方法、そして特にそうしたコンポーネントのサブセットを選択する方法について説明します。このサブセット(トランザクション)をモニタリングすれば、パフォーマンスに関連した問題を特定して解決し、使用量をプロファイリングし、ビジネス・プロセスで失敗するコンポーネントの原因を見つけることができます。
第16章「詳細実行情報の取得」には、コード実行をきわめて詳細に調べ、競合条件、スレッドのブロックおよびメモリー・リークなどの問題を特定するための、Java仮想マシン診断の使用法が記載されています。
第17章「ビジネス・アプリケーションのモニタリング」は、ビジネス・アプリケーションの作成方法と、ビジネス・アプリケーションに関連したユーザー・エクスペリエンスおよびトランザクション・パフォーマンスについてのサマリーと詳細情報を、Enterprise Manager (EM)コンソールを使用して取得する方法について説明します。
第18章「エンドツーエンドパフォーマンスのモニタリング」では、RUEI、BTMおよびJVMDを組み合せて、ユーザー・エクスペリエンスからきわめて詳細なマシン・レベルにわたる問題を診断、解決する事例を取り上げます。
第19章「Enterprise Managerを使用したミドルウェア・アプリケーションのトラブルシューティング」では、Enterprise Managerを使用してミドルウェア・アプリケーションをトラブルシューティングする方法を説明します。
この部の章は、最初から最後まで順番に読んでいただくようになっています。説明されている個々のコンポーネントのいずれかに精通している場合でも、コンポーネント間の移動方法を説明する項を参照することをお薦めします。
この部に記載された情報は網羅的なものではありません。これは概要というよりも地図です。モニタリング・コンポーネントの動作を説明する資料の大半は、他のマニュアルにあります。別の資料へのクロス参照は、便宜上提供されているものです。