請求書からサステナビリティ・アクティビティを生成
買掛/未払金請求書は、排出計算の重要なデータ・ソースです。 たとえば、商品またはサービスの購買は、スコープ3カテゴリ1の排出に加算されます。 また、スコープ1とスコープ2の排出に寄与する燃料とエネルギーの請求書を受け取ることもあります。 個々の請求書からの排出計算の手動処理は、ほとんどの企業が大量の請求書を受け取るため、通常は実行できません。 ほとんどの組織は、総支出レベルでの排出の計算と報告に頼っていますが、それによって監査性の問題が生じます。 また、部門、事業所、コスト・センター別に細分化して精査できないため、このデータでは排出削減の機会を特定できません。
請求書分類では、請求書をアクティビティ・タイプに分類し、勘定科目、購買カテゴリ、サプライヤ、摘要などの請求書のデータに基づいて支出タイプ(または燃料タイプなどのその他の属性値)にマップするルールを構成できます。 Oracle Sustainabilityにより、分類された請求書からアクティビティが自動的に作成され、関連する排出が計算されます。 請求書分類は個々の請求書配分のレベルで機能するため、請求書の配分ごとにアクティビティを作成できます。
請求書分類ルールを構成した後、「買掛/未払金請求書からサステナビリティ・アクティビティを生成」スケジュール済プロセスを実行します。 このスケジュール済プロセスでは、渡したパラメータを使用して買掛/未払金請求書が選択され、請求書分類ルールが適用されてから、適用可能なルールのアクティビティ分類を使用して適格な各請求書配分ごとにアクティビティが作成されます。 請求書配分に適用されるルールがない場合、作成されたアクティビティでは、「請求書分類のデフォルト・アクティビティ・タイプ」プロファイル・オプションに設定されたデフォルト・アクティビティ・タイプが使用されます。 このプロセスを日次または週次で実行するようにスケジュールして、処理に適格になる請求書のアクティビティを自動的に生成できます。
請求書分類では、支出ベースのファクタなどの標準および汎用の排出ファクタを使用して、購買からの排出を計算することから始めることができます。 サプライヤからの具体的かつ正確な排出ファクタの取得を開始すると、これらを請求書からの詳細な購買データと組み合せて、結果として生じる排出の変化をサステナビリティ元帳に記録できます。 また、アクティビティからソース請求書にドリル・スルーする機能により、重要なビジネス・コンテキストと監査者が必要とするトレーサビリティが提供されます。 請求書配分と排出を組み合せる機能により、実用的なインサイトを得ることができます。
これらの機能のデモを次に示します:
有効化のステップ
前提条件
- サステナビリティ・アクティビティを作成し、一致したファクタを使用して排出を計算できる必要があります。 このためには、1つ以上のサステナビリティ元帳、アクティビティ・タイプおよび排出ファクタ・マッピングを構成しておく必要があります。
- サプライヤ請求書の管理には、Oracle Fusion Cloud Financialsを使用する必要があります。
請求書分類ルールの構成
- 「請求書分類のデフォルト・アクティビティ・タイプ」プロファイル・オプションに値を割り当てます。 買掛/未払金請求書から発生するアクティビティの大部分は、スコープ3カテゴリ1 - 購買商品およびサービスに属するため、アクティビティ・タイプを「購買商品およびサービス」として選択することをお薦めします。
- 「請求書分類ルール」ページにナビゲートし、アクティビティ分類の同期をクリックします。 これにより、スケジュール済プロセス要求が送信され、排出ファクタ・マッピングからアクティビティ分類カテゴリのリストが準備されます。 このプロセスは数分で完了します。
- 請求書分類ルールを構成します。
ルールを作成するには、「請求書分類ルール」ページを使用するか、公開されたVBアドイン・スプレッドシートを使用するという2つの方法があります。 これらのルールにより、Oracle Sustainabilityでは、請求書、明細および配分のフィールドを使用して、適格な請求書配分のアクティビティの生成時に使用するアクティビティ・タイプおよびアクティビティ・タイプ属性値を決定できます。 除外と割当という2つのタイプのルールを作成できます。
除外ルール
これらのルールを作成して、アクティビティへの処理から除外する必要がある請求書配分を識別します。 除外ルールごとに、適用可能なルール条件を指定します。
除外ルール
割当ルール
これらのルールを作成して、アクティビティへの処理に含める必要がある請求書配分を識別します。 割当ルールは、ルール基準を満たす請求書配分のアクティビティを作成する際に使用する必要があるアクティビティ・タイプおよびアクティビティ・タイプ属性値をシステムに指示します。 請求書分類ルールごとに、ルール条件とアクティビティ分類を識別します。
割当ルール
ヒントと考慮事項
- Oracle Sustainabilityでは、転記および計上された請求書配分からのみアクティビティが生成されます。 アプリケーションでは、アクティビティの生成後に請求書に発生した変更は追跡されません。
- アクティビティ・タイプを構成するときに、事前定義済の「数量」および「金額」メジャー・タイプを関連付けると、これらのメジャーは対応する請求書配分の対応する金額および数量から自動的に移入されます。 アクティビティ・タイプに、アクティビティに一致する金額または数量メジャーを使用する排出ファクタ・マッピングがある場合は、アクティビティの作成時に排出が自動的に計算されます。
- 請求書分類ルールを評価する場合、短い日付範囲でスケジュール済プロセスを実行して、ルールの絞り込みを繰り返すことをお薦めします。 ルールに問題がなければ、日付パラメータを移入せずに、ジョブを毎日または毎週実行するようにスケジュールできます。 これにより、遅れて計上された請求書も処理され、請求書配分が見逃されることはありません。
- 買掛/未払金請求書へのアクセス権を付与するために必要な機能権限およびデータ・セキュリティ・ポリシーが割り当てられている場合は、アクティビティから請求書にドリル・スルーできます。 これは、アクティビティの排出計算に必要な情報を含むサプライヤの請求書PDFコピーにアクセスする際に役立つ場合があります。
- 買掛/未払金請求書から生成されたアクティビティを削除すると、後でそのかわりに新しいアクティビティが作成されます。
- アクティビティが誤って分類されている場合は、次のいずれかを実行します:
- アクティビティを編集し、アクティビティ・タイプ属性を更新します。
- アクティビティ・タイプが正しくない場合は、正しくないアクティビティ・タイプでアクティビティが作成される原因となったルールを修正してから、ユーザー・インタフェースからアクティビティを削除するか、FBDIまたはVBアドイン・スプレッドシートを使用してアクティビティを削除します。 アクティビティは、「買掛/未払金請求書からサステナビリティ・アクティビティを生成」スケジュール済プロセスが次回実行されたときに、更新されたルールを使用して再作成されます。
- 請求書配分に対してアクティビティが作成されないことになっている場合は、次のいずれかを実行できます:
- メジャーをゼロに更新し、アクティビティを元帳に転記して摘要に適切なノートを含めます。 このようにすると、このアクティビティは排出レポートに影響を与えません。
- 同様の効果を得るために、アクティビティを元帳に転記してから取り消します。
- 除外ルールを作成し、アクティビティを削除します。 除外ルールが適用されるため、かわりの新規アクティビティは生成されなくなります。
主なリソース
- 更新24Dの新機能「Oracle Fusion Cloud Sustainabilityのデータの設定」
- 更新24Dの新機能「サステナビリティ元帳を法定レポートの真のソースとして保守」
- 更新24Dの新機能「サステナビリティ・アクティビティの管理」
- 更新24Dの新機能「サステナビリティ・アクティビティに関連付けられた排出の計算」
アクセス要件
次の権限を含む構成済ジョブ・ロールが割り当てられているユーザーは、この機能にアクセスできます。
- サステナビリティ・アクティビティの請求書分類ルールの管理(SUS_MANAGE_INVOICE_CLASSIFICATION_RULES)
- 買掛/未払金請求書からのサステナビリティ・アクティビティの生成(SUS_GENERATE_ACTIVITIES_FROM_INVOICES)
- 買掛/未払金請求書の表示(AP_VIEW_PAYABLES_INVOICE_PRIV) - アクティビティから請求書にドリルインするため
前述の権限に加えて、ユーザーがアクティビティから請求書にドリル・インできるようにするには、「処理」ドロップダウンが買掛/未払金請求書の管理に設定されたビジネス・ユニットベースのデータ・セキュリティ・ポリシーが必要です。